基幹システム導入に使える補助金|2026年度の制度の探し方と申請前の注意点

2026年11月時点で、基幹システムの導入に使える国の補助金の中心は、IT導入補助金の後継にあたる「デジタル化・AI導入補助金2026」です。対象は事務局に登録されたITツールに限られ、交付決定の前に契約・発注したものは補助されません。一から作るシステムや、既存事業の業務改善を目的にした基幹システムは、制度によっては対象外になるため、「どの制度なら自社の計画が対象になるか」を先に確かめることが申請の第一歩です。この記事では、2026年度の公式情報で確認できた範囲で、基幹システムの補助金の探し方と申請前の注意点を、大手コンサルティングファーム出身の専門家の知見をもとに解説します。
- 基幹システムに関係する国の補助金3制度の比較表(2026年11月時点の公募状況つき)
- デジタル化・AI導入補助金2026の補助額・補助率・対象経費と、基幹システムでの使い方の数値例
- 自社の計画がどの制度に当てはまるかの判定表と、締切から逆算したスケジュール
- 申請前に確認する11のチェックリスト(交付決定前の契約、賃上げ要件、返還の条件など)
基幹システムの導入に使える補助金:2026年度の全体像
基幹システムの補助金と聞くと「IT導入補助金」を思い浮かべる方が多いと思います。2026年度、この制度は「デジタル化・AI導入補助金2026」(正式名称:中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金)として実施されています。公式サイトでは、事業の旧称を「サービス等生産性向上IT導入支援事業」と記しており、IT導入補助金の流れをくむ制度です。
ほかにも、設備やシステムへの投資を支援する国の補助金はあります。ただし、2026年度は制度の再編が進みました。たとえば「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と「中小企業新事業進出補助金」は、公式サイトで公募の終了が告知され、新規の受付は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に移っています。昨年までの記事やパンフレットの情報をそのまま信じると、すでに終わった制度を前提に計画を立ててしまうおそれがあります。
次の表は、基幹システムに関係しやすい国の3制度を、2026年11月時点で各事務局の公式サイトに記載されている内容で整理したものです。
| 制度 | 主な対象 | 補助額・補助率(公式サイトの記載) | 基幹システムとの相性 | 2026年11月時点の状況 |
|---|---|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) | 事務局に登録されたITツール(ソフトウェア・クラウド)と導入関連の役務 | 1プロセス以上:5万円以上150万円未満、4プロセス以上:150万円以上450万円以下。補助率1/2以内(地域別最低賃金近傍で雇用する従業員が一定割合以上なら2/3以内) | 販売・在庫・会計などのパッケージやクラウド製品の導入に合う | 交付申請の受付中。7次締切は2026年12月1日17時、最終(8次)締切は2027年1月7日17時 |
| 中小企業省力化投資補助金(一般型) | 人手不足の解消に効果のある、現場や事業内容に合わせた設備導入・システム構築 | 補助上限は従業員数に応じて750万円〜8,000万円(大幅賃上げ特例で最大1億円)。補助率は中小企業1/2(最低賃金引き上げ特例で2/3)、小規模企業者・小規模事業者等は2/3 | 省力化の効果を示せる設備・システムの一体投資なら候補 | 第9回公募は2026年11月4日開始、12月上旬に申請受付開始、12月下旬締切の予定 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 革新的な新製品・新サービスの開発、新市場への進出、輸出体制の強化 | 枠と従業員数により上限が異なる(例:革新的新製品・サービス枠は最大2,500万円、賃上げ特例で最大3,500万円。補助下限は100万円)。補助率は枠・事業者区分により1/2〜2/3 | 既存事業の業務改善が目的の基幹システムは対象外。新事業のための専用システムなら候補 | 第2回公募が2026年11月2日開始。申請受付は11月30日から、締切は12月25日15時 |
※2026年11月2日時点で、各制度の公式サイト・公募要領で確認した内容です。補助額・補助率には特例や枠ごとの条件があります。申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。
3制度のうち、既存の販売・在庫・会計の仕組みを入れ替えるという一般的な基幹システムの刷新で、最初に検討するのはデジタル化・AI導入補助金です。省力化投資補助金と新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、目的と要件が合う場合に限って候補になります。
デジタル化・AI導入補助金2026:基幹システムで使うときの要点
対象になるのは「登録済みのITツール」と、それに付く役務
公式サイトの制度概要によると、対象となるITツール(ソフトウェア、サービス等)は事前に事務局の審査を受け、補助金のサイトに公開(登録)されているものです。申請する会社は、事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請します(複数者連携デジタル化・AI導入枠を除く)。つまり、導入したい製品とその販売・導入会社が登録されていなければ、この補助金は使えません。
通常枠の補助対象経費は、公式サイトで次のように示されています。
- 必須:ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)
- オプション:機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ
- 役務:導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル設定・導入研修、保守サポート
ソフトウェアは、「顧客対応・販売支援」「決済・債権債務・資金回収管理」「供給・在庫・物流」「会計・財務・経営」「総務・人事・給与・教育訓練・法務・情シス・統合業務」などの業務プロセスを1種類以上持つ必要があります。補助額が150万円以上450万円以下の区分では、4プロセス以上が条件です。販売・在庫・会計をまとめて持つ製品は、この条件を満たしやすい構成です。
対象外になるもの
通常枠の公募要領(第7回公募〜)は、補助対象外の経費として、交通費・宿泊費、補助金の申請・報告にかかる申請代行費、消費税、リース・レンタル契約のITツール、中古品、交付決定前に購入したITツールなどを挙げています。公募要領には、顧客側の画面を新たに制作する費用は「スクラッチ開発に該当するため対象外」と明記された項目もあります。登録された製品を導入する補助金であり、自社専用に一から作るシステムの開発費をまかなう制度ではない、と理解しておくと判断を誤りません。
申請の前提と、事業計画の要件
すべての枠で、GビズIDプライムの取得と、IPAの「SECURITY ACTION」(一つ星または二つ星)の宣言が交付申請の要件です。公式サイトは、GビズIDプライムの発行までおおむね2週間、SECURITY ACTIONの宣言済みアカウントIDの発行までおおむね2〜3日かかると案内しています。
通常枠では、労働生産性(営業利益+人件費+減価償却費を総労働時間で割ったもの)について、1年後に3%以上、3年間の年平均成長率3%以上の向上を目指す事業計画が求められます(IT導入補助金2023〜2025の通常枠などで交付決定を受けた事業者は4%以上)。さらに150万円以上の補助金を申請する場合は、1人あたり給与支給総額を1年後に3%以上・3年間の年平均成長率3%以上で伸ばし、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする賃金引上げ計画を策定し、交付申請の時点で従業員に表明していることが要件です。
過去の補助金を受けた会社は、条件がさらに上がります。公募要領では、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、給与支給総額の伸びの目標が3.5%以上になり、150万円未満の申請でも賃金引上げ計画が必要です。数年前にIT導入補助金で会計ソフトを入れた会社が、今回基幹システムで申請する、というケースは珍しくありません。自社が該当するかを最初に確認します。
| 申請する会社 | 労働生産性の目標 | 賃金引上げ計画 |
|---|---|---|
| 初めて申請し、補助額150万円未満 | 1年後3%以上、年平均3%以上 | 不要 |
| 初めて申請し、補助額150万円以上 | 1年後3%以上、年平均3%以上 | 給与支給総額 年平均3%以上、事業場内最低賃金+30円以上 |
| IT導入補助金2022〜2025の交付決定を受けたことがあり、150万円未満 | 3%以上(2023〜2025の通常枠等の交付決定を受けた場合は4%以上) | 給与支給総額 年平均3.5%以上 |
| IT導入補助金2022〜2025の交付決定を受けたことがあり、150万円以上 | 同上 | 給与支給総額 年平均3.5%以上、事業場内最低賃金+30円以上 |
※デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠の公募要領(第7回公募〜)の申請要件を要約したものです。保険医療機関や介護サービス事業者など、賃金引上げ要件の適用外となる事業者もあります。正確な条件は公募要領で確認してください。
公募要領は、賃上げの要件を事業計画の終了時点で達成できなかった場合(期間内に報告しなかった場合を含む)は補助金の返還を求める、と定めています。事業場内最低賃金の要件は年度ごとに判定され、1年度目で未達なら全額、2年度目なら2/3、3年度目なら1/3が返還額になる、という計算例も示されています。また、導入するITツールに比べて役務(導入設定や研修など)の費用の割合が著しく高くないことも要件の一つです。
数値例:販売・在庫・会計のクラウド製品を導入する場合
従業員45名・2拠点の卸売業が、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠で、販売・在庫・会計を持つクラウド製品を導入する場合を考えます。
| 費目 | 金額(税抜) | 補助の対象か |
|---|---|---|
| クラウド利用料(年300万円)×2年 | 600万円 | 対象(最大2年分) |
| 導入設定・マニュアル設定・導入研修 | 150万円 | 対象(役務) |
| データ連携ツール(銀行データの取込) | 50万円 | 対象(オプション) |
| 補助対象経費の合計 | 800万円 | ― |
| 補助額(1/2以内) | 400万円 | 4プロセス以上なら150万円以上450万円以下の区分に入る |
| 3年目以降のクラウド利用料 | 年300万円 | 対象外(自社負担) |
| 自社専用の帳票の追加開発 | 120万円 | 登録されたITツールに含まれなければ対象外 |
| 現行データの移行作業 | 100万円 | 登録内容次第。含まれなければ対象外 |
※説明用の例です。金額は架空のもので、相場を示すものではありません。補助の対象かどうかは、IT導入支援事業者が登録したITツールの内容と公募要領で決まります。
この例で補助されるのは400万円です。一方で、5年間の総額で見ると、クラウド利用料は1,500万円かかり、そのうち補助の対象は2年分です。追加開発や移行の費用も残ります。補助金は初期の負担を軽くしますが、5年総費用の判断を変えるほどではないことが多いのです。補助金の有無で製品を選ぶのではなく、自社に合う製品を選んでから、その製品で補助金が使えるかを確かめる順番が安全です。費用の全体像はERP・基幹システムの費用で、クラウド製品の考え方は基幹システムのクラウド化で解説しています。
また、この例の補助額は150万円以上のため、前の章で触れた賃金引上げ計画の策定と従業員への表明が必要です。3年間の給与支給総額の伸びを達成できる見通しがあるかを、経理・人事と確認してから申請を決めます。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金:基幹システムで使える場合と使えない場合
ものづくり補助金などの新規受付の移行先として設けられた「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」は、補助額が大きいため、基幹システムにも使えないかと考える方がいます。公募要領(第2回)を読むと、一般的な基幹システムの刷新には使いにくいことが分かります。
- 業務改善は対象外:革新的新製品・サービス枠は、既存の製品・サービスの生産等のプロセスの改善・向上を図る事業は補助対象外とされています。単に機械装置・システム等を導入するだけで、新製品・新サービスの開発を伴わないものも対象になりません。
- 専ら補助事業に使うこと:補助事業で取得した財産は、原則として事業計画書に書いた新たな事業にのみ使う必要があり、既存の事業に使うと、補助金の目的に反する使用とみなされます。全社の受注・在庫・会計を回す基幹システムは、この条件と合いにくい構造です。
- 単なる置き換えは対象外:既存の機械装置・システム等の単なる置き換えにかかる経費は対象外と明記されています。
逆に、新しい事業のために専用の受注・生産管理の仕組みを作る、といった計画なら、「機械装置・システム構築費」として候補になり得ます。その場合、100万円(税抜)以上のシステム構築費を計上すると、実績報告の際に要件定義書(費用見積書を含む)または開発費用の算出資料を出す必要があります。要件定義書の作り方は要件定義書の書き方が参考になります。
中小企業省力化投資補助金(一般型)と、自治体の補助金
省力化投資補助金(一般型)
中小企業省力化投資補助金の一般型は、公式サイトで「個別の現場や事業内容等に合わせた設備導入・システム構築等の多様な省力化投資を支援する」と説明され、ハードとソフトを組み合わせられる制度です。目的は、人手不足に悩む中小企業がIoT・ロボット等のデジタル技術を活用した設備を導入し、付加価値額や生産性を高めて賃上げにつなげることとされています。
基幹システム単体の入れ替えより、倉庫の自動化設備と在庫管理の仕組みを一緒に入れる、検査装置と生産実績の収集を一体で整えるといった、現場の省力化と一体になった投資の場合に検討する制度です。省力化の効果をどう示すか、対象となる経費の範囲は、公募回ごとの公募要領で確認します。一般型は公募回制で、公式サイトでは第9回公募について、11月4日に公募開始、12月上旬に申請受付開始、12月下旬に申請締切の予定と案内されています(詳細は後日告知)。応募申請中・交付申請中の事業者や、補助金の支払いが完了していない事業者は申請できない点にも注意が必要です。
都道府県・市町村の補助金
国の制度とは別に、都道府県や市町村が独自にデジタル化やDXの補助金を設けていることがあります。対象経費が広い、国の補助金と組み合わせられるなど、条件は地域ごとに違います。ただし、同じ経費で国の補助金と重ねて受けられない制度も多く、デジタル化・AI導入補助金の公募要領も、国や中小機構などの他の補助金と重複する事業を含まないことを要件にしています。
補助金の探し方
- 国の制度は事務局の公式サイトで確認する
制度名・枠・締切は年度の途中でも変わります。まとめサイトではなく、各事務局のサイトと最新の公募要領を見ます。 - 横断で探すならJ-Net21とJグランツ
中小機構の「J-Net21」の支援情報ヘッドラインでは、国・都道府県の補助金・助成金やセミナーなどの支援情報を、カテゴリと地域から検索できます。デジタル庁が運営する補助金の電子申請システム「Jグランツ」でも、国や自治体の補助金を検索できます。 - 自治体の制度は、本社所在地の都道府県・市町村のサイトと商工会議所で確認する
年度の初めに公募され、予算に達すると早めに締め切られるものもあります。 - 導入したい製品の販売会社に確認する
デジタル化・AI導入補助金では、IT導入支援事業者として登録しているか、導入したいITツールが登録されているかを最初に聞きます。
自社の計画はどの制度に当てはまるか:判定表
基幹システムの計画を補助金に当てはめるときは、「何を、何のために入れるか」で候補が絞れます。
| 計画の内容 | まず確認する制度 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 販売・在庫・会計のパッケージやクラウド製品に入れ替える | デジタル化・AI導入補助金(通常枠) | 製品と導入会社が登録済みか。4プロセス以上か。150万円以上なら賃上げ計画を立てられるか |
| インボイス対応の会計・受発注ソフトを入れる | デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠) | 会計・受発注・決済の機能要件。PC・ハードウェアの扱い |
| 倉庫や工場の自動化設備と、管理システムを一体で入れる | 中小企業省力化投資補助金(一般型) | 省力化の効果を数字で示せるか。公募回の締切 |
| 新しい事業のために専用のシステムを作る | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 新規性・新市場の要件。システムを新事業にだけ使えるか |
| 既存の基幹システムを一から作り直す(スクラッチ) | 国の主要な制度では対象になりにくい | 自治体の制度の対象経費。補助金なしでの投資判断 |
※一般的な当てはめの目安です。実際の対象可否は、各制度の公募要領と事務局の判断によります。
一から作るシステムが主要な国の制度で対象になりにくいことは、作り方を決めるときの材料にもなります。ただし、補助金のために作り方を変えるのは本末転倒です。パッケージとスクラッチのどちらが合うかはERPパッケージとはで解説しています。
「締切に間に合うように、今月中に製品を決めましょう」という提案が出たら、一度立ち止まります。締切から逆算して選定や要件の整理を急ぐと、自社に合わない製品を選ぶ原因になります。補助額が数百万円でも、合わない製品を5年使う損失のほうが大きくなりがちです。補助金は「使えたら助かる」ものとして計画に入れ、締切に間に合わなければ次の公募回や翌年度に回す、という判断も選択肢に残しておきます。
申請前に確認したい注意点と、スケジュールの逆算
交付決定の前に契約・発注しない
デジタル化・AI導入補助金の公式サイトは、交付決定を受けた後にITツールの発注・契約・支払いを行うこととし、交付決定前に発注・契約・支払い等を行った場合は補助金の交付を受けられない、と明記しています。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領も「事前着手の禁止」を定めています。基幹システムの刷新で最も起きやすい失敗は、補助金を待ちきれずに契約してしまうことです。導入会社との契約日を、交付決定日より後に置く計画にします。
補助金は後払い。いったん全額を払う
補助金は、事業を実施して実績報告を出し、金額が確定してから支払われます。デジタル化・AI導入補助金では、実績報告までにすべてのITツールの利用・運用が始まっている必要があります。その間の支払いは自社の資金でまかなうため、資金繰りの計画も立てておきます。
稼働後の報告と、解約時の扱い
交付を受けた後も、事業実施効果の報告が続きます。導入したITツールを解約・利用停止した場合は辞退の手続きが必要とされ、賃上げ要件が未達の場合や報告がない場合には、補助金の全部または一部の返還を求められます。数年後に別の製品へ乗り換える可能性があるなら、その影響も事前に確認します。
締切から逆算したスケジュールの例
デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠で、7次締切(2026年12月1日17時)に申請する場合の逆算です。公式サイトでは、7次締切分の交付決定日は2027年1月19日(予定)、事業実施期間と実績報告期限は2027年7月30日(予定)とされています。
- 11月上旬:GビズIDプライムの申請(発行までおおむね2週間)、SECURITY ACTIONの宣言
- 11月中旬:導入会社・ITツールの登録状況の確認、見積もりの確定、事業計画(労働生産性・賃上げ)の作成
- 12月1日まで:導入会社と共同で交付申請
- 2027年1月19日(予定):交付決定。ここから契約・発注
- 2027年7月30日(予定)まで:導入・支払い・利用開始を終え、実績報告
製品の選定や要件の整理がまだなら、11月からこの日程に乗せるのは無理があります。公式サイトでは、デジタル化・AI導入補助金2026の交付申請の最終締切は2027年1月7日17時(2027年1月に受付を始めるスマートレジ類型・POSレジ類型を除く)と告知されています。残る2回の締切を並べると次のとおりです。
| 締切回(通常枠) | 交付申請の締切 | 交付決定日(予定) | 事業実施期間・実績報告期限(予定) |
|---|---|---|---|
| 7次締切分 | 2026年12月1日(火)17:00 | 2027年1月19日(火) | 2027年7月30日(金)17:00まで |
| 8次締切分(最終) | 2027年1月7日(木)17:00 | 2027年2月17日(水) | 2027年8月31日(火)17:00まで |
※2026年11月2日時点の事業スケジュールです。日程は変更されることがあります。
もう一つ見落としやすいのが、導入会社側の登録締切です。公式サイトは、IT導入支援事業者の新規登録とITツールの新規登録の申請を2026年12月9日17時で締め切ると告知しています。導入したい製品がまだ登録されていない場合、販売会社がこの日までに登録申請を出さなければ、最終締切にも間に合いません。それ以降の年度の制度は、公式の発表を待って確認します。導入全体の段取りは基幹システム導入の進め方で解説しています。
補助金を使う前のチェックリスト
- 補助金の有無と関係なく、自社に合う製品・作り方を先に決めている
- 計画の目的(業務改善・省力化・新事業)と、制度の目的が合っている
- 導入会社がIT導入支援事業者として登録され、導入したいITツールが登録されている
- 補助の対象になる経費と、対象外の経費(追加開発・移行・3年目以降の利用料など)を分けている
- GビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言を済ませている、または日程に入れている
- 労働生産性の向上目標を、決算の数字から計算して立てている
- 150万円以上を申請するなら(過去にIT導入補助金を受けた会社は金額にかかわらず)、賃上げ計画を達成できる見通しを経理・人事と確認している
- 製品が未登録なら、販売会社が2026年12月9日までにITツールの登録申請を出せるか確認している
- 導入会社との契約・発注を、交付決定日より後に置いている
- 補助金が入るまでの支払いを、自社の資金でまかなえる
- 事業実施期間内に導入・支払い・利用開始を終えられる日程になっている
よくある質問
IT導入補助金は2026年度もありますか?
2026年度は「デジタル化・AI導入補助金2026」(中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金)として実施されています。公式サイトでは、事業の旧称を「サービス等生産性向上IT導入支援事業」と記しています。通常枠のほか、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠があります。
ERPパッケージの導入に補助金は使えますか?
デジタル化・AI導入補助金で使えるのは、事務局に登録されたITツールです。導入したいERPパッケージやクラウド製品が、IT導入支援事業者によって登録されていれば対象になり得ます。製品の販売会社に、登録の有無と、どの業務プロセスで登録されているかを確認してください。
フルスクラッチで基幹システムを作る費用に補助金は使えますか?
デジタル化・AI導入補助金は登録済みのITツールが対象で、一から開発する費用には向きません。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、新しい事業のための専用システムなら候補になりますが、既存事業の業務改善や単なる置き換えは対象外です。自治体の制度で対象になるものがないかを確認するのが現実的です。
補助金の申請を外部に頼むことはできますか?
デジタル化・AI導入補助金は、IT導入支援事業者と共同で申請する仕組みです。なお、通常枠の公募要領では、補助金の申請・報告にかかる申請代行費は補助対象外とされています。申請の内容に責任を持つのは申請する会社自身なので、事業計画の数字は自社で確かめてください。
補助金の対象になる経費とならない経費を分け、5年間の総費用で作り方を比べられるワークブックです。補助金を前提にした計画が無理のない内容かを確かめるのにもご活用ください。
資料をダウンロードする(無料)まとめ
基幹システムの補助金は、2026年度はデジタル化・AI導入補助金2026が中心です。対象は登録済みのITツールと導入の役務に限られ、交付決定前の契約は補助されず、150万円以上の申請では賃上げ計画も求められます。省力化投資補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、省力化や新事業という目的が合う場合に限って候補になります。制度名や締切は年度の途中でも変わるため、必ず事務局の公式サイトと最新の公募要領で確認してください。
補助金の前に、そもそもどの作り方・どの製品が自社に合うのかを整理したい方は、無料診断で現状の業務と課題を確認し、構想と進め方をご提案します。
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金制度概要」(2026年11月確認)
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「通常枠」(2026年11月確認)
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)第7回公募〜」(2026年)
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「事業スケジュール」(2026年11月確認)
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「申請を行う前に必要な手続き」(2026年11月確認)
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「交付申請の最終締め切り日について」(2026年10月30日)
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「ITツール登録の最終締め切り日について」(2026年10月29日)
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「交付決定後に必要な手続き」(2026年11月確認)
- 中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」(2026年11月確認)
- ものづくり補助金事務局「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公式ホームページ」(2026年11月確認)
- 中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第2回)」(2026年)
- 中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助金(一般型)」(2026年11月確認)
- 中小企業基盤整備機構「J-Net21 支援情報ヘッドライン」(2026年11月確認)
- デジタル庁「Jグランツ」(2026年11月確認)
費目一覧10と、記入して使う試算シート
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