SAP 2027年問題とは|ECC保守終了の影響と中堅・中小企業の4つの選択肢

SAP 2027年問題とは、SAP ERP 6.0(ECC 6.0)を含む「SAP Business Suite 7」の標準保守(メインストリームメンテナンス)が2027年末で終わることです。ただし、追加料金を払う延長保守は2030年末まであり、期限は実質「2027年に方針を決め、2030年までに移行を終える」と読み替えられます。この記事では、3つの期限の整理、中堅・中小企業がとれる4つの選択肢、自社がどれを選ぶべきかの判定表を、大手コンサルティングファーム出身の専門家の知見をもとに解説します。
- 2027年・2030年・2033年の3つの期限と、それぞれの条件(SAPの公式発表ベース)
- 保守が切れると現場で何が困るのか、影響を洗い出す確認表
- S/4HANA移行・時間の確保・第三者保守・他製品への乗り換えの4つの選択肢の比較
- 6つの質問で自社の選択肢を絞る判定表と、2030年末から逆算したスケジュール例
SAP 2027年問題とは:2027年末に何が終わるのか
SAP 2027年問題は、SAP ERP 6.0(一般にECC 6.0と呼ばれます)を中心とするSAP Business Suite 7のメインストリームメンテナンスが2027年12月31日で終了することを指します。メインストリームメンテナンスは、不具合の修正、法改正への対応、技術的なアップデートを、通常の保守料の範囲で受けられる標準の保守です。
この期限は、最初から2027年だったわけではありません。もともとは2025年末でした。SAPは2020年2月4日の発表で、Business Suite 7のコアアプリケーションの標準保守を2027年末まで2年延長し、あわせてS/4HANAの保守を2040年末まで約束すると公表しました。「SAP 2025年問題」という言葉を覚えている方がいるのはこのためです。
延長の対象は、SAP ERP 6.0のほか、CRM 7.0、SCM 7.0、SRM 7.0などBusiness Suite 7のコアアプリケーションです。SAPの保守戦略のページでは、対象を「最新の3つのエンハンスメントパッケージ(EHP)」としています。自社のECCがどのEHPに当たるかで条件が変わるため、まずはシステムのバージョン情報と保守契約書を確認してください。
発表の経緯と期限を時系列で並べると、次のようになります。
- 2020年2月:SAPがBusiness Suite 7の標準保守を2025年末から2027年末へ延長し、S/4HANAの保守を2040年末まで約束すると発表。
- 2027年末:ECC 6.0などの標準保守が終了。
- 2028年初〜2030年末:任意の延長保守。保守料の基準に2ポイントが上乗せされる。
- 2028年以降:延長保守を選ばずに使い続けると、カスタマースペシフィックメンテナンスへ自動的に移行。
- 2031年〜2033年:条件を満たした場合だけ、「SAP ERP, private edition, transition option」で利用を続けられる(2025年発表。SAPの発表ページは2025年3月7日更新)。
2020年の延長発表では、契約条件の変更や追加料金なしで標準保守が2年延びました。一方、2028年以降の選択肢はいずれも、費用か前提条件のどちらかが今より重くなります。この差が「2027年問題」と呼ばれる理由です。
※2026年11月時点で確認できたSAPの公式発表をもとに整理しています。契約条件は個社ごとに異なるため、最終的にはSAPまたは保守契約先に確認してください。
2027年・2030年・2033年:3つの期限の違い
2027年問題を「2027年に使えなくなる」と受け止めるのは誤りです。システムは2028年以降も動きます。変わるのは保守の中身と費用です。3つの期限を、条件と一緒に並べると次のようになります。
| 選び方 | 期間 | 費用の条件 | 主な前提・注意点 |
|---|---|---|---|
| 標準保守(メインストリーム) | 〜2027年末 | 現行の保守料のまま | 対象はBusiness Suite 7のコアアプリケーション。EHPの条件あり |
| 延長保守(エクステンデッド) | 2028年初〜2030年末 | 保守料の基準に2ポイント上乗せ | 任意のオプション。S/4HANAへの移行に時間がかかる企業向けとされる |
| カスタマースペシフィックメンテナンス | 延長保守を選ばない場合、または延長保守の終了後 | 保守料の条件は契約で確認 | 延長保守を選ばずに使い続けると、2028年以降は自動的にこの方式へ移る。提供内容はSAP Note 52505と契約で確認 |
| SAP ERP, private edition, transition option | 2031年〜2033年 | 2031年より前の同等のクラウド契約より高い料金 | 2030年末までにSAP ERP, private editionへ移行済みであること。データベースはSAP HANAのみ。対象はSAP ECCが中心で、Business Suite 7の全製品ではない。購入開始は2028年から |
見落とされやすいのが4行目です。2033年までの選択肢は「オンプレミスのECCをそのまま2033年まで使える」という意味ではありません。SAPは2025年の発表で、これはオンプレミスSAP ERPの保守延長ではないと明記しています。使うには、2030年末までにSAPのクラウド環境(private edition)へ載せ替え、データベースをSAP HANAにしておく必要があります。SAPは、2030年までに移行が終わらない見込みの企業には、待たずに先にprivate editionへ移すことを勧めています。
延長保守の「2ポイント上乗せ」の読み方
延長保守の費用は「保守料の基準に2ポイント上乗せ」とされています。これは保守料が2%上がるという意味ではありません。保守料を決める料率そのものに2ポイントが足されます。たとえば仮に料率が22%の契約なら、24%になります。この場合、毎年の保守料は約9%(2÷22)増える計算です。
※説明用の例です。実際の料率と保守料の基準額は、契約ごとに異なります。
2028〜2030年の3年間、この上乗せ分を払い続けることになります。移行プロジェクトの総費用を比べるときは、延長保守の上乗せ分も「移行が遅れた場合のコスト」として表に入れておくと、判断がぶれにくくなります。
つまり中堅・中小企業にとっての実務上の期限は、2030年末です。2027年末は、それまでに「どの道を選ぶか」を決めておくべき節目と考えるとわかりやすくなります。
保守が切れると何が困るのか:影響を洗い出す確認表
「今も問題なく動いているのだから、保守が切れても困らない」という声はよく聞きます。ただ、基幹システムの困りごとは、止まったときより変えなければならないときに出ます。中堅・中小企業で影響が出やすい領域を、確認する人と一緒に整理しました。
| 領域 | 保守終了で起きうること | 社内で確認すること | 確認する人 |
|---|---|---|---|
| 法改正・税制 | 税率や帳票様式の変更に、標準の修正で追従できなくなる | 過去5年で、法改正対応のパッチを何回当てたか | 経理・情シス |
| セキュリティ | 新たな脆弱性への修正が受けられない、または遅れる | 社外からアクセスする画面・連携があるか | 情シス |
| 周辺の基盤 | OS・データベース・サーバー機器の保守期限が、ERPより先に来る | DB・OS・ハードウェアの保守期限の一覧 | 情シス・保守ベンダー |
| 連携先 | EDI、銀行、会計、倉庫システムなどの更新に、ERP側が対応できなくなる | 連携しているシステムの数と、それぞれの更新予定 | 情シス・各部門 |
| 体制 | ECCに詳しい社内外の担当者が減り、障害時の対応が遅れる | アドオンを直せる人が社内外に何人いるか | 情シス・保守ベンダー |
| 監査・取引先 | 保守切れのシステム利用が、監査や取引先の調査で指摘される | 内部統制・取引先のセキュリティ調査の質問項目 | 経営企画・総務 |
この表で「確認できない」「わからない」が3つ以上ある会社は、移行の議論より前に、現状の棚卸しから始める必要があります。特に周辺の基盤は見落とされがちです。ECCの延長保守を契約しても、その下で動くデータベースやサーバー機器の保守が先に切れれば、結局は載せ替えの工事が発生します。
中堅・中小企業がとれる4つの選択肢
2027年問題への対応は、大きく4つに分かれます。どれが正解かは会社によって違います。比べる軸は「費用」だけでなく、業務をどこまで変えるかと何年使うつもりかです。
| 選択肢 | 内容 | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ① S/4HANAへ移行 | 今のECCを変換して移す方式(ブラウンフィールド)、新規に作り直す方式(グリーンフィールド)、必要なデータを選んで移す方式がある | 今後10年以上SAPを使う方針で、業務の標準化も進めたい会社 | データモデルが変わるため、アドオンの多くは見直しが必要。マスタの持ち方も変わる |
| ② 延長保守・移行オプションで時間を確保 | 2030年末まで延長保守を使い、その間に移行する。条件を満たせば2033年まで延ばせる | 移行の方針は決まっているが、体制や予算の準備に時間が必要な会社 | 保守料は上がる。時間を買っても、移行の作業量は減らない |
| ③ 第三者保守で延命 | SAP以外の保守事業者と契約し、現行のECCを使い続ける | 数年以内に事業の再編や別システムへの統合が決まっている会社 | SAPからの修正や法改正対応のプログラムは受けられなくなる。延命の期間を区切ることが前提 |
| ④ SAP以外へ乗り換え | 他社のERP、国産の業務パッケージ、クラウドサービス、スクラッチ開発などに移る | SAPの機能の一部しか使っていない、または業務に合わない部分が多い会社 | 製品選定からやり直すため、要件定義の手間は最も大きい。データ移行も一から設計する |
①の中でも、ブラウンフィールドとグリーンフィールドの差は大きいものです。ブラウンフィールドは今の設定やデータを引き継げる反面、今の業務の非効率もそのまま持ち込みやすい方式です。グリーンフィールドは標準機能に業務を合わせ直す機会になりますが、業務部門の負担が大きくなります。標準に合わせる考え方はFit to Standardの考え方で、作り方ごとの総費用の比べ方はERP・基幹システムの費用で詳しく解説しています。
③の第三者保守は、SAP社の保守と比べて費用を抑えられる場合がある一方、SAPから提供される修正や新しい法改正対応のプログラムは使えなくなります。インボイスや電子帳簿保存のように、法令に合わせた変更が数年おきに入る国内の事情を考えると、「いつまで延命し、その後どうするか」を決めずに選ぶのは危険です。
自社はどれか:6つの質問で選択肢を絞る判定表
4つの選択肢から1つを選ぶ前に、次の6つの質問に答えてみてください。経営と情シス、主要な業務部門の責任者が同じ表に答えると、認識の違いも見えてきます。
| 質問 | 「はい」が多いなら | 「いいえ」が多いなら |
|---|---|---|
| Q1. 今後10年以上、主要な業務をSAPで回す方針が経営で決まっているか | ① S/4HANA移行が軸 | ④ 乗り換えも比較対象に入れる |
| Q2. 使っているモジュールが、会計・販売・購買・在庫・生産など広い範囲に及ぶか | ① または ② | ④ 範囲が狭いなら、より軽い製品で足りる可能性 |
| Q3. アドオン(独自開発の機能)の一覧があり、本数と利用状況を説明できるか | ① ブラウンフィールドも検討できる | まず棚卸し。判断を急ぐなら ② で時間を確保 |
| Q4. 社内またはパートナーに、移行を主導できる担当者を2030年まで確保できるか | ① を計画どおり進められる | ② で時間を確保しつつ体制を作る |
| Q5. 3〜5年以内に、事業の統合・売却・システム統合の予定があるか | ③ 期間限定の延命が合理的な場合がある | ③ は選ばない |
| Q6. 今の業務のやり方を、標準機能に合わせて変える覚悟が経営にあるか | ① グリーンフィールドも選べる | ① ブラウンフィールド、または ④ で業務に合う製品を探す |
この表で答えが割れた質問こそ、最初に議論すべき論点です。たとえばQ1で経営は「はい」、情シスは「いいえ」と答えた場合、SAPを使い続ける理由が社内で共有されていません。その状態でS/4HANAの見積もりを取ると、金額だけを見て結論が出てしまいます。
2027年問題の相談で最初に確認するのは、アドオンの一覧が「ある」かどうかです。ECCを10年以上使っている会社では、作ったまま使われていない帳票や、担当者が辞めて目的がわからないプログラムが残っていることが珍しくありません。アドオンの本数を数え、直近1年の実行記録と突き合わせるだけで、移す対象はかなり減ります。この棚卸しの前に移行方式を決めると、使っていない機能まで移す費用を払うことになります。
説明用の例:従業員250名の部品メーカーの場合
判定表の使い方を、架空の会社で見てみます。従業員250名、国内に2工場、2012年にECC 6.0を導入した金属部品メーカーです。会計・販売・購買・在庫・生産のモジュールを使い、アドオンは帳票・インターフェース・画面を合わせて約300本あるとします。
※説明用の例です。実在の企業を表すものではありません。
移行費用の大きな部分はアドオンの改修とテストです。対象を減らしてから方式を選ぶと、比較の前提がそろいます。
延長保守は時間を買う手段であって、移行の作業量を減らすものではありません。保守料の上乗せ分を払いながら何もしない期間が、いちばん高くつきます。
この会社の場合、判定表ではQ1・Q2が「はい」、Q3が「いいえ」、Q6で経営と工場の意見が割れたとします。結論は「まずアドオンの棚卸し。その結果を見て、S/4HANA移行の方式と、他製品への乗り換えを同じ物差しで比べる」になります。いきなり移行方式を決めない、というのが判定表の使い方です。
2030年末から逆算する:いつまでに何を決めるか
実務上の期限を2030年末とすると、残りの時間は意外と短くなります。次の手順は、2030年秋に本番稼働させる場合に、いつまでに何を決めておくかを逆算した一例です。期間は対象範囲や体制で大きく変わるため、自社の計画の「たたき台」として使ってください。
- 2026年度中:現状を棚卸しする
アドオン一覧、連携先一覧、利用ユーザー数、DB・OS・機器の保守期限を1枚にまとめます。わからない項目は「わからない」と書き、調べる担当者を決めます。ここで、移す対象とやめる対象の一次案を作ります。 - 2027年前半:選択肢を同じ物差しで比べ、方針を決める
4つの選択肢を、5年間の総費用・業務の変化量・社内の負担・リスクで比べます。延長保守の上乗せ分も費用に入れます。SAPを続けるか、乗り換えるかは経営判断です。情シスに任せきりにせず、決めた理由を記録します。 - 2027年後半:パートナーと契約範囲を決める
RFPで要件と前提をそろえ、複数社から提案を受けます。データ移行と受入テストをどちらが担うか、延長保守を契約するかも、ここで決めます。 - 2028年:要件定義と設計
標準機能に合わせる業務と、残すアドオンを確定させます。決めきれない論点は、期限と決裁者を決めて課題一覧で管理します。 - 2029年:開発・テストとデータ移行のリハーサル
本番の半年以上前から、実データを使った移行のリハーサルを繰り返します。移すデータの範囲と照合方法は、この時点で固めます。 - 2030年前半〜秋:受入テスト、稼働判定、本番切替
稼働してよいかの判定基準を事前に決め、満たさない場合に旧システムへ戻す手順も用意しておきます。
※説明用の例です。実際の期間は、対象範囲・アドオンの量・社内体制によって変わります。
2027年の時点で方針が決まっていないと、2028年以降の工程がすべて後ろにずれ、2030年末の期限に間に合わないおそれが高まります。逆算すると、延長保守の3年間は「余裕」ではなく、要件定義から稼働までの作業期間そのものだとわかります。パートナー選定に使う資料の作り方はRFPの書き方で、移行方式の考え方は基幹システムのリプレイスで解説しています。
見落としやすい山場:データ移行とマスタの見直し
S/4HANAへ移る場合でも、他製品へ乗り換える場合でも、最後に工程を左右するのはデータ移行です。ECCから移すときに、特に時間がかかりやすい点を挙げます。
- 得意先・仕入先マスタの持ち方が変わる:S/4HANAでは、得意先と仕入先をビジネスパートナーという1つの考え方で管理します。同じ会社が得意先と仕入先の両方に登録されている場合、どちらの情報を正とするかを決める作業が発生します。
- 切替の時期で移すデータが変わる:S/4HANAではECCと会計データの持ち方が変わります。年度の途中で切り替えるか、期首で切り替えるかによって、移すべき残高と明細の範囲が変わります。どこまでの明細を移すかは、監査対応や過去データの照会の必要性から決めます。
- 使われていないマスタが大量にある:10年以上使ったECCには、取引のない得意先や廃番の品目が残っています。移す前に整理しないと、新システムでも検索や入力の手間が残ります。
- 移行後の照合方法が決まっていない:売掛金残高、在庫数量、未出荷の受注などを、旧システムと新システムで突き合わせる方法を先に決めておく必要があります。
マスタの整理と採番ルールの見直しはマスタデータ整備とコード体系の決め方で、移行計画全体の作り方は基幹システムのデータ移行で詳しく解説しています。
「データはベンダーが移してくれるので大丈夫です」という言葉が出たら、移行の責任分担を確認してください。ベンダーが担うのは、多くの場合「データを移すプログラムを作り、実行すること」までです。どのデータを移すか、移したデータが正しいかを判断できるのは、業務を知っている発注側だけです。照合の担当者と合否の基準を決めずに進めると、稼働直前に数字が合わず延期になるリスクが高まります。
対応を始める前の10のチェック項目
2027年問題への対応を始める前に、次の10項目を確認してください。
- 自社のSAP製品・バージョン・EHPと、保守契約の期限を把握している
- 延長保守の費用条件(保守料の基準への上乗せ)を試算している
- DB・OS・サーバー機器の保守期限を、ERPとは別に一覧にしている
- アドオンの一覧があり、直近1年の利用状況を確認している
- 連携しているシステムと、それぞれの更新予定を把握している
- 4つの選択肢を、5年間の総費用で比べる準備ができている
- SAPを続けるか乗り換えるかを、経営が判断する場が決まっている
- 2030年末から逆算したスケジュールのたたき台がある
- データ移行で、照合の担当者と合否の基準を決める予定がある
- 移行を主導する社内の責任者と、業務部門の窓口が決まっている
よくある質問
2027年末を過ぎると、SAPは使えなくなりますか?
使えなくなるわけではありません。終わるのは標準の保守です。2028年以降は、追加料金を払う延長保守(2030年末まで)を選ぶか、延長保守を選ばずにカスタマースペシフィックメンテナンスへ移るかになります。いずれの場合も、保守の内容と費用の条件が変わる点に注意が必要です。
2033年まで使えるという話を聞きましたが、本当ですか?
条件付きです。SAPが2025年に発表した「SAP ERP, private edition, transition option」を使うと2031〜2033年の利用が可能になりますが、2030年末までにSAPのクラウド環境(private edition)へ移り、データベースをSAP HANAにしておく必要があります。オンプレミスのECCをそのまま2033年まで使える仕組みではありません。料金も2031年より前の同等の契約より高く設定されます。
中小企業でも、S/4HANAに移るべきですか?
一律には言えません。SAPを今後も長く使う方針が経営で決まっており、使っている機能の範囲が広い場合は有力な選択肢です。一方、使っている機能が一部だけの場合や、業務に合わない部分が多い場合は、他のERPや業務パッケージへの乗り換えも同じ物差しで比べる価値があります。
まず何から始めればよいですか?
アドオン・連携先・基盤(DB・OS・機器)の棚卸しです。移す対象がはっきりしないまま移行方式や見積もりの話を始めると、比較の前提がそろわず、判断が金額だけに偏ります。
S/4HANAへの移行でも他製品への乗り換えでも、山場になるのはデータ移行です。移行計画書のひな形、旧新システムの照合シート、リハーサル計画をまとめた資料です。
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SAP 2027年問題は、ECC 6.0などの標準保守が2027年末で終わることです。延長保守は2030年末まであり、2033年までの選択肢もありますが、後者はクラウド環境への移行を前提とした条件付きの仕組みです。中堅・中小企業にとっての実務上の期限は2030年末で、2027年中に方針とパートナーを決めておくことが、期限に間に合わせる条件になります。
選択肢は、S/4HANAへの移行、延長保守などでの時間の確保、第三者保守での延命、SAP以外への乗り換えの4つです。どれを選ぶにしても、最初の一歩はアドオン・連携・基盤の棚卸しです。自社の場合どこから手をつけるべきか整理したい方は、無料診断で現状の課題と検討の順番を確認できます。
- SAP「SAP Extends Its Innovation Commitment for SAP S/4HANA, Provides Clarity and Choice on SAP Business Suite 7」(2020年)
- SAP Support Portal「SAP S/4HANAとSAP Business Suite 7の保守戦略」
- SAP「RISE with SAP: Modernize your legacy ERP from SAP with an AI-enabled cloud ERP to thrive in the cloud」(2025年)
- クラウド Watch「独SAP、『SAP ERP』の保守サポートを2027年末まで延長」(2020年)
移行計画書のひな形、照合シート、リハーサル計画
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