ERPの比較ポイント|製品比較表を作る前に決める評価軸と、見積もりをそろえる方法

ERPの比較は、製品名を並べる前に評価軸と重みを決め、各社の見積もりの前提をそろえてから行うのが正しい順番です。機能の○×表から始めると、どの製品も「対応可」が並び、差が見えなくなります。この記事では、ERP比較の5つの評価軸、重みづけ表の例、見積もりをそろえる費目表、5年総費用の比べ方を、大手コンサルティングファーム出身の専門家の知見をもとに解説します。
- ERPの○×比較表が役に立たない理由と、代わりに使う「業務シナリオ」比較
- ERP比較の5つの評価軸と、それぞれで確認すること
- 業種・規模で変わる評価軸の重みづけの例(製造業・卸売業)
- 見積もりの前提をそろえるための費目表と、ベンダーに渡す前提条件
- 5年総費用で比べたときに順位が入れ替わる例
ERP比較でよくある失敗:機能の○×表から始める
ERPを比較するとき、多くの会社がまず「機能比較表」を作ります。販売管理・在庫管理・会計・生産管理と機能を縦に並べ、製品を横に並べて○×をつける形です。ところが、この表はほとんど差がつきません。基幹業務の主要な機能は、どの製品にも一通りそろっているからです。
差が出るのは、機能の「有無」ではなく自社の業務のやり方でどう動くかです。たとえば「締め請求」はどの製品にもありますが、取引先ごとに締め日が3種類あり、得意先別の掛率が品目グループごとに違う会社では、設定で対応できる製品と、アドオン(追加開発)が必要な製品に分かれます。○×表ではどちらも「○」です。
もう一つの失敗は、見積もりの前提がそろっていないまま金額を比べることです。A社はライセンス費とデータ移行を含み、B社は導入作業だけ、C社は5年分の保守を含む。この状態で総額を並べても、比較になりません。ERPの比較ポイントは、評価軸を決めることと、見積もりをそろえることの2つに集約されます。
そもそもERPを選ぶべきか、販売管理などの個別システムでよいかの判断は中小企業のERPの選び方で整理しています。この記事は、ERPの候補が複数あり、比較の段階に入った会社を想定しています。
ERPの比較ポイントは5つの評価軸に分ける
ERPの比較では、評価軸を次の5つに分けると、漏れと重複がなくなります。製品の機能だけでなく、費用・体制・将来の変えやすさまで含めるのがポイントです。
| 評価軸 | 確認すること | 確認の方法 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 1. 業務適合 | 自社の主要業務が標準機能・設定で回るか。アドオンが必要な箇所はどこか | 業務シナリオによるデモ、フィット&ギャップ分析 | 例外処理(返品、赤黒訂正、分納、直送) |
| 2. 5年総費用 | 初期費用+5年分の利用料・保守・改修の合計 | 前提をそろえた見積もり、費目表での比較 | アドオンの保守費、バージョンアップ時の改修費 |
| 3. 連携・拡張 | 会計・給与・EC・CRMなど周辺システムとのつなぎ方。アドオンの作り方 | 標準の連携機能の一覧、API仕様の有無 | 連携1本ごとの開発費と、エラー時の処理 |
| 4. 非機能 | 可用性・性能・運用保守・移行・セキュリティ | IPA「非機能要求グレード」の項目に沿った質問票 | バックアップの保持期間、障害時の復旧目標 |
| 5. 導入・保守体制 | 導入する会社(パートナー)の経験と体制、稼働後の問い合わせ窓口 | 担当予定者との面談、類似業種の導入経験の確認 | 製品の評価と、導入する会社の評価が混ざる |
非機能の軸は、IPA(情報処理推進機構)の「非機能要求グレード」が整理している6つの大項目(可用性、性能・拡張性、運用・保守性、移行性、セキュリティ、システム環境・エコロジー)に沿って質問すると漏れません。項目の決め方は非機能要件とはで詳しく解説しています。
5つ目の導入・保守体制は、中小企業ほど重く見るべき軸です。同じ製品でも、導入するパートナーによって進め方も保守の質も変わります。製品の比較と、導入会社の比較を分けて採点すると、「製品は良いが担当が不安」といった判断がしやすくなります。
評価軸の重みづけ:業種と規模で配点を変える
5つの軸を同じ重さで採点すると、自社にとって大事な差が薄まります。軸ごとに重み(配点)を先に決め、製品を見る前に経営と合意しておきます。製品を見てから重みを決めると、気に入った製品が勝つように配点を動かしてしまうためです。
重みは業種と規模で変わります。次の表は、2つの架空の会社での配点の例です。
| 評価軸 | A社:金属部品加工(120名・2工場) | B社:日用品卸(80名・1倉庫) | 配点を変えた理由 |
|---|---|---|---|
| 1. 業務適合 | 35点 | 30点 | A社は生産計画・工程管理の適合が成否を分ける |
| 2. 5年総費用 | 20点 | 25点 | B社は粗利が薄く、利用料の増加が利益に直結する |
| 3. 連携・拡張 | 15点 | 20点 | B社はEC・受発注EDIなど連携先が多い |
| 4. 非機能 | 10点 | 10点 | 両社とも、標準的な水準で足りる |
| 5. 導入・保守体制 | 20点 | 15点 | A社は社内にIT担当がおらず、稼働後の支援を重視 |
| 合計 | 100点 | 100点 | ― |
※説明用の例です。実際の配点は、刷新の目的と社内の体制から決めます。
採点は、軸ごとに1〜5点の5段階でつけ、配点を掛けて合計します。5段階の基準も先に文章で決めておきます。たとえば業務適合なら「5:主要シナリオがすべて標準機能・設定で回る」「3:主要シナリオの一部にアドオンが必要」「1:主要シナリオの複数で運用の大幅な変更かアドオンが必要」のように書きます。基準がないと、採点者ごとに点がばらつきます。
計算の例を示します。A社の配点で、ある製品の採点が「業務適合4点、5年総費用3点、連携・拡張3点、非機能4点、導入・保守体制5点」だったとします。合計は、35×4/5+20×3/5+15×3/5+10×4/5+20×5/5で、28+12+9+8+20=77点です。別の製品が業務適合5点・導入・保守体制2点なら、ほかが同じでも35+12+9+8+8=72点となり、配点の重い軸での差が順位を決めることがわかります。※説明用の例です。
もう一つの工夫は、「足切り条件」を重みとは別に置くことです。満たさなければ候補から外す条件は、点数に混ぜずに先に判定します。点数に混ぜると、ほかの軸の高得点で埋め合わされてしまいます。
足切り条件の例:制度対応と連携は点数にしない
中小企業の基幹システムで足切りにしやすいのは、満たせないと業務や税務の手続きそのものが回らない条件です。
- インボイスの端数処理:国税庁のQ&A(問57)では、適格請求書に書く消費税額の1円未満の端数処理は「1枚の適格請求書につき、税率ごとに1回」とされ、明細ごとに端数処理して合計する方法は認められていません。締め請求でこの計算ができるかを確認します。
- 電子取引データの保存:メールやWebで送受信した請求書・注文書を、取引年月日・取引金額・取引先で検索できる形で保存できるか。製品自体に機能がなければ、保存用のサービスとの連携で足りるかを確認します。
- 会計ソフトとの連携:現行の会計ソフトを使い続けるなら、仕訳を連携できるか。連携の単位(明細ごと・日次の合計など)も確認します。
- 契約の単位:必要な拠点数・利用者数・会社数で契約できるか。最低契約数が自社の規模を上回っていないか。
- 導入体制:稼働の希望時期までに、導入パートナーが担当者を確保できるか。
足切り条件は5つ前後に絞ります。増やしすぎると候補が残らず、重みづけで比べる意味がなくなります。
機能は○×ではなく「業務シナリオ」で比べる
業務適合を確かめるには、機能の一覧ではなく、自社の業務の流れを台本にした業務シナリオをベンダーに渡し、その台本どおりにデモをしてもらいます。
シナリオにすると、「対応可」の中身が設定なのか、運用の工夫なのか、追加開発なのかが見えます。※説明用の例です。
シナリオは多ければよいわけではありません。中小企業なら、次のように業務の流れごとに1本ずつ、合計5〜8本に絞ると、デモ1回(半日程度)で比べられます。
- 受注から出荷・請求・入金消込まで(例外:分納・返品・値引き)
- 発注から入荷・検収・支払まで(例外:分割入荷・単価訂正)
- 在庫の移動と棚卸(例外:棚卸差異の調整、ロット・賞味期限の管理)
- 生産計画から実績・原価まで(製造業の場合)
- 月次決算に向けた仕訳の連携と、売掛・買掛の残高確認
- 権限設定と承認の流れ(例:一定額以上の値引きは部長承認)
デモの当日は、シナリオの手順ごとに「標準機能で動いた/設定の変更で動く/運用を変えれば動く/アドオンが必要」の4区分で記録します。記録係を1人決め、各社で同じ記録用紙を使うと、デモのあとで印象に引きずられずに比べられます。画面の見た目や操作の速さの好みは、別の欄に分けて書きます。見た目の印象は採点に混ざりやすいものの、稼働後の費用や業務への影響とは関係が薄いためです。
シナリオで見つかった「合わない箇所」は、そのままフィット&ギャップの一覧になります。合わない箇所の埋め方はフィットアンドギャップ分析とはで、アドオンにするかどうかの判断はERPのアドオンとはで解説しています。
見積もりをそろえる方法:費目表と前提条件を渡す
ERPの見積もりは、会社ごとに含めるもの・含めないものが違います。比較できる見積もりを集めるには、発注側が費目と前提条件を決めて、全社に同じ様式で出してもらう必要があります。様式と前提はRFP(提案依頼書)に入れて渡すのが確実です。RFPの書き方はRFPの書き方で解説しています。
| 費目 | 中身 | そろえる前提条件 | 差が出やすい点 |
|---|---|---|---|
| ライセンス・利用料 | 製品の購入費、またはクラウドの月額・年額 | 利用者数を種類別に(入力する人/閲覧・承認だけの人) | 利用者の数え方、最低契約数、値上げの条件 |
| 導入作業 | 要件定義・設定・テスト支援・稼働支援 | 対象の業務範囲と拠点数、発注側が担う作業 | テストを誰が行うか、稼働後の立ち会い期間 |
| アドオン開発 | 標準機能で足りない部分の追加開発 | シナリオで見つかったギャップの一覧を全社共通で渡す | 「別途見積もり」で金額が入っていない |
| 連携開発 | 会計・給与・EC・EDIなど周辺システムとのつなぎ | 連携先・データ・頻度の一覧 | 標準の連携機能で済むか、個別開発か |
| データ移行 | マスタ・残高・過去データの移行 | 移す年数、件数の概算、データの整備を誰が行うか | クレンジング(データの整備)が含まれるか |
| 教育 | 操作研修、マニュアル作成 | 受講者数、研修の回数、マニュアルの範囲 | 研修講師が社内担当者を育てる形か |
| インフラ | サーバー・ネットワーク・端末(オンプレミスの場合) | クラウドかオンプレミスか、バックアップの要件 | クラウドでも専用環境は別費用の場合がある |
| 保守・運用 | 問い合わせ対応、障害対応、アドオンの保守 | 対応時間帯、復旧の目標時間 | アドオン部分の保守が別契約になっている |
費目表とあわせて、全社に同じ前提条件シートを渡します。中小企業の基幹システムなら、次の項目を1枚にまとめれば足ります。
- 利用者数(入力・承認・閲覧の別)と、5年間の増減の見込み
- 対象の業務範囲と拠点・倉庫・工場の数
- 月間の取引量の目安(受注件数、出荷件数、仕訳件数)
- 移行するデータの範囲(マスタの件数、残高、過去データの年数)
- 連携先の一覧(会計・給与・EC・EDI・銀行)
- 稼働の希望時期と、避けたい時期(決算期、繁忙期)
- 発注側で担える作業と、担えない作業
この1枚がないと、ベンダーは自社に都合のよい前提で見積もります。前提をそろえるのは、ベンダーのためではなく、発注側が比較の主導権を持つためです。
差が最も出やすいのは、利用料の利用者の数え方です。多くのクラウドERPは利用者ごとの料金で、利用者の種類によって単価が変わります。たとえばMicrosoftのDynamics 365 Business Centralは、米国の公式サイトの表示(2026年11月時点)で、フル機能のEssentialsが1ユーザーあたり月額80ドル(年払い)、Premiumが110ドル、データの閲覧やワークフローの承認などに用途を限ったTeam Membersが8ドルと、利用者の種類で単価が10倍以上違います。全員をフル機能で数えるか、承認だけの役職者を分けるかで、5年の費用は大きく変わります。
※価格は時期・地域・契約形態で変わります。日本での価格は、販売を担うパートナーに確認が必要です。
見積書の各行の見方と、人月単価の読み方はシステム開発の見積もりの見方もあわせてご覧ください。
5年総費用で比べると順位が入れ替わる
初期費用だけで比べると、稼働後に払い続ける費用が見えません。経済産業省の「DXレポート」(2018年)は、日本企業のIT予算の配分が、現行ビジネスの維持・運営に8割、新しい価値の創出に2割という比率であることを示し、放置すればシステムの維持管理費がIT予算の9割以上を占めるおそれがあると指摘しました。基幹システムは、作ったあとに払う費用のほうが長く続きます。
次の表は、従業員100名・利用者40名の会社で、2つの方式を5年総費用で比べた例です。
| 費目 | X案:クラウドERP(標準機能中心) | Y案:パッケージ+アドオン多め |
|---|---|---|
| 初期費用(導入作業・移行・教育) | 1,800万円 | 1,500万円 |
| アドオン開発 | 300万円(帳票3本) | 1,200万円(受注・請求・在庫の改修) |
| 利用料・ライセンス保守(年) | 480万円 | 250万円 |
| アドオン保守(年) | 30万円 | 180万円 |
| インフラ・運用(年) | 0円(利用料に含む) | 150万円 |
| 5年目のバージョンアップ対応 | 0円(自動更新) | 600万円(アドオンの改修) |
| 5年総費用 | 4,650万円 | 6,200万円 |
※説明用の例です。金額は計算の仕組みを示すための架空の数字で、実際の相場を示すものではありません。
初期費用とアドオンの合計では、X案2,100万円、Y案2,700万円と差は600万円です。ところが5年で見ると、Y案はアドオンの保守とバージョンアップ時の改修が加わり、差は1,550万円に広がります。比較の際に見るべきは、アドオンの量が、稼働後の費用をどれだけ押し上げるかです。
5年総費用の比較では、次の3点も見積もりの前提に入れておきます。
- 利用料の改定:クラウドの利用料は契約更新時に改定されることがあります。改定の条件と、過去の改定の有無を確認します。
- 利用者数の増減:5年間で拠点や人員が増える計画があれば、その前提で計算します。
- 社内の工数:テスト・データ整備・研修参加など、発注側の作業も費用です。金額にしなくても、人数と期間で比べます。
費用の内訳と相場の考え方はERP・基幹システムの費用で詳しく解説しています。
- 「詳細は要件定義のあとで別途お見積もりします」――アドオンや連携の金額が空欄のまま比べると、安く見える会社が選ばれます。概算でよいので、シナリオで見つかったギャップごとに金額を入れてもらいます。
- 「他社さんはもっと高いと思いますよ」――比較の基準を相手に預けている状態です。費目表と前提条件を自社で決め、同じ土俵で出してもらいます。
- 「デモは標準のシナリオでご覧ください」――ベンダーの用意したシナリオは、製品が得意な流れです。自社の例外処理を含むシナリオで見せてもらうまで、業務適合は採点しません。
導入する会社(パートナー)の比べ方
ERPの多くは、製品の開発元ではなく、導入を担うパートナー(販売代理店・SIer・コンサルティング会社)を通じて導入します。たとえばDynamics 365 Business Centralは、公式サイトで、Microsoftのグローバルなパートナー網を通じてのみ販売・サポートされると説明しています。同じ製品でも、どのパートナーが入るかで、要件定義の深さ、アドオンの量、稼働後の対応が変わります。
パートナーの比較は、会社の規模や導入社数より、実際にプロジェクトに入る人で行います。提案の場に出てくる営業担当と、要件定義を担当する人が別であることは珍しくありません。面談では、担当予定者に次のことを聞きます。
- 自社と近い業種・規模での導入に、担当者本人が関わった経験はあるか。そのとき何が一番の論点だったか
- 今回のシナリオで「アドオンが必要」とした箇所について、標準機能と運用の変更で済ませる案はないか
- 要件定義から稼働まで、担当者が交代する可能性はあるか。交代するときの引き継ぎの方法は
- 発注側に求める作業(データの整備、テスト、マニュアルの確認)は何で、どのくらいの工数を見込んでいるか
- 稼働後の問い合わせは誰が受けるか。アドオン部分の不具合は誰が直すか
- 製品のバージョンアップのとき、アドオンの動作確認と改修はどの契約に含まれるか
2つ目の質問は、パートナーの姿勢を見るのに役立ちます。アドオンを減らす案を自分から出せる担当者は、稼働後の費用まで考えて提案しているかどうかの目安になります。逆に、要望をすべてアドオンで受ける提案は、初期の満足度は高くても、5年総費用を押し上げます。ベンダー選定全体の評価表はベンダー選定の進め方で紹介しています。
ERP比較表の作り方と、比較前のチェックリスト
ここまでの内容を、1枚の比較表にまとめます。比較表は、製品ごとに次の行をそろえると、ステアリングコミッティ(経営層の意思決定会議)でそのまま判断に使えます。
- 足切り条件の判定
満たさない製品はこの時点で外します。外した理由も1行で残します。 - 5つの評価軸の採点
軸ごとに1〜5点と、その根拠(どのシナリオで、何が起きたか)を書きます。根拠のない点数は採用しません。 - 重みを掛けた合計点
事前に合意した配点で計算します。採点のあとで配点を変えないことが前提です。 - 5年総費用
費目表でそろえた見積もりから計算します。合計点とは混ぜずに、別の行で並べます。 - 主なリスクと条件
「アドオン2本の金額が概算」「担当予定者の類似業種の経験が1件」など、判断に影響する留保を書きます。
合計点と5年総費用を混ぜないのは、「点数は高いが高い」「点数は低いが安い」の判断を、経営が自分で下せるようにするためです。比較にかける前に、次の項目を確認しておきます。
- 刷新の目的と、比較で重視する軸が経営と合意できている
- 評価軸の配点と、1〜5点の採点基準を製品を見る前に決めている
- 足切り条件を、点数とは別に一覧にしている
- 例外処理を含む業務シナリオを5〜8本用意している
- 全社に同じシナリオ・同じデータでデモを依頼している
- 費目表と前提条件(利用者数の内訳、移行年数、連携先)を全社に渡している
- アドオン・連携の金額が「別途」のまま残っていない
- 5年総費用に、アドオンの保守とバージョンアップ時の改修を入れている
- 製品の評価と、導入する会社の評価を分けて採点している
- 採点者を複数にし、点数の差が大きい項目を話し合って決めている
候補の製品の絞り込み方は「おすすめERP」の選び方、作り方そのもの(パッケージ・クラウド・スクラッチ)の違いは作り方の比較のページで整理しています。
比較にかける期間の目安
候補の洗い出しから製品の決定までは、中小企業の場合、おおむね2〜4か月を見込みます。内訳の一例は、評価軸・配点・足切り条件・業務シナリオの準備に3〜4週間、RFPを渡してから提案が出るまで3〜4週間、デモと見積もりの読み込みに2〜4週間、追加質問と見積もりの出し直し、経営判断に2〜3週間です。※説明用の目安です。
このうち削ってはいけないのは、最初の準備の期間です。評価軸とシナリオが固まらないまま提案を依頼すると、各社の提案がばらばらの前提で届き、結局は前提をそろえて出し直してもらうことになります。準備に1か月かけるほうが、全体は短く済みます。また、決算期や繁忙期にデモや面談を入れると、現場の担当者が出席できず、業務適合の採点が経営と情シスだけの目線になりがちです。比較の時期は、現場が時間を取れる月に合わせて逆算します。
よくある質問
ERPの比較には何社くらい候補を入れればよいですか?
最終的な比較は2〜3社が現実的です。シナリオによるデモと見積もりの読み込みには、1社あたり数日の社内工数がかかります。足切り条件で絞ったうえで、提案を依頼する段階で3〜5社、デモと詳細見積もりの段階で2〜3社に絞る進め方をおすすめします。
ネットの比較サイトやランキングは参考になりますか?
候補を知るきっかけにはなりますが、比較の結論には使えません。掲載の基準や順位の根拠が自社の業務と関係ないことが多いためです。候補の洗い出しに使い、評価は自社の評価軸と業務シナリオで行ってください。
見積もりの金額が大きく違うとき、安いほうを選んでよいですか?
まず費目ごとに並べ、差がどこから来ているかを確認します。多くの場合、データ移行やテスト支援、アドオンが片方の見積もりに入っていないことが差の原因です。前提をそろえて出し直してもらってから比べてください。
比較表は誰が作るべきですか?
採点と配点の決定は発注側が行います。表の様式づくりや見積もりの読み解きは、外部の支援者に任せることもできます。ただし、候補のベンダーに比較表を作ってもらうのは避けてください。中立な比較にならないためです。
作り方(SAP・Salesforce・フルスクラッチなど)の違いによって、5年間の総費用がどう変わるかを試算するためのワークブックです。この記事の費目表と組み合わせると、各社の見積もりを同じ物差しで並べられます。
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ERPの比較は、機能の○×表ではなく、評価軸と重みを先に決め、業務シナリオで適合を確かめ、費目表で見積もりの前提をそろえてから行います。比較ポイントは、業務適合・5年総費用・連携と拡張・非機能・導入と保守体制の5つ。合計点と5年総費用を分けて並べれば、経営が自分の基準で判断できる比較表になります。
自社に合う評価軸や配点をどう決めればよいか迷う方は、無料診断で刷新の目的と比較の進め方を整理します。
費目一覧10と、記入して使う試算シート
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