ベンダー選定の進め方|基幹システムの開発会社・SIerを選ぶ評価表と面談の質問

基幹システムのベンダー選定は、提案書の出来ではなく「この会社と、この担当者で、最後までやり切れるか」で決めます。そのためには、評価の項目と重みを提案を受ける前に決めておき、面談では実績の説明より「うまくいかなかったときの対応」を聞くことが近道です。この記事では、ベンダー選定の進め方、そのまま使える評価表、面談で聞く質問を、大手コンサルティングファーム出身の専門家の知見をもとに解説します。
- 基幹システムのベンダー選定を進める6つのステップと、それぞれの期間の目安
- 足切り条件と重みづけ評価表(8項目・配点例つき)、3社の採点例
- 面談で聞く12の質問と、「注意したい答え方」の見分け方
- JUAS「企業IT動向調査報告書2026」から読み取れる、開発が予定どおりに進まない要因
ベンダー選定で決まること:選ぶのは会社ではなく「体制」
ベンダー選定の進め方を考える前に、何を選ぶのかをはっきりさせます。基幹システムの刷新では、同じ会社でも担当するチームによって進め方も品質も変わります。会社の規模や知名度より、実際にプロジェクトに入る人の経験と、その人を支える体制を見る必要があります。
日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査報告書2026」は、システム開発の品質が予定どおりにならなかったと答えた企業(25年度、n=172)に要因を聞いています。その結果、「ベンダーのスキル不足」が59.9%で最も高く、「計画時の考慮不足」「想定以上の現行業務・システムの複雑さ」(いずれも48.8%)を上回りました。調査対象は東証上場企業とそれに準じる企業ですが、ベンダーの力量がシステムの品質を左右するという結果は、社内に開発の目利きが少ない中小企業ほど重く受け止めたい点です。
同じ調査で「ベンダーのスキル不足」を挙げた割合は、予算が予定どおりにならなかった企業(n=245)では27.8%、工期が予定どおりにならなかった企業(n=297)では37.0%でした。品質の59.9%と比べると低く、ベンダーの力量の差は、費用や期間よりも「できあがったものの質」に出やすいと読めます。見積金額や工期の比較だけでは見えない部分を、面談や体制の確認で補う必要があるということです。
一方で、同じ調査では「計画時の考慮不足」や「仕様変更の多発」も品質・予算・工期に共通する悪化要因として挙がっています。ベンダーを選べばすべてが解決するわけではなく、発注側の準備と意思決定も問われます。ベンダー選定は、自社の弱いところを補ってくれる相手を選ぶ作業と考えると、評価の軸がぶれにくくなります。
ベンダー選定の進め方:6つのステップと期間の目安
中小企業の基幹システムなら、候補の洗い出しから契約まで、おおむね2〜4か月を見込みます。急いで1か月で決めると、提案の比較や面談が浅くなり、契約後に前提の食い違いが見つかりやすくなります。
- 評価の項目と重みを決める(2〜3週間)
提案を受ける前に、足切り条件と評価表を決めます。提案を見てから基準を作ると、印象の良かった会社に合わせた基準になりがちです。 - 候補を5〜8社洗い出す(2週間)
導入を検討している製品の販売・導入パートナー、同業他社が使っている開発会社、地元のSIerなどから候補を集め、公開情報で足切り条件を確認します。 - RFPを送り、3〜4社に絞る(3〜4週間)
提案依頼書(RFP)を同じ条件で送り、質問への回答も全社に共有します。RFPの作り方はRFPの書き方で解説しています。 - 提案を受け、デモを見る(2〜3週間)
提案説明では、自社の業務シナリオに沿ったデモを依頼します。「受注から請求まで」「月末の締め」など、自社で例外が多い場面を指定します。 - 面談でプロジェクト担当者と話す(1〜2週間)
営業担当ではなく、実際に入るプロジェクトマネージャーと業務の担当者に会います。面談で聞くことは後半の章にまとめています。 - 評価・決定し、契約条件を詰める(2〜3週間)
評価表で点数をつけ、上位の会社と見積もりの前提・体制・契約類型を詰めます。決定の理由は記録に残します。
候補の集め方:ロングリストの入口は5つ
候補の会社は、1つの経路だけで集めると偏ります。次の5つの入口から少しずつ集め、5〜8社のロングリストを作ります。
- 製品ベンダーのパートナー一覧:導入したい製品が決まっているなら、製品の公式サイトに掲載されている導入パートナーから探します。認定の種類や得意な業種が書かれていることもあります。
- 同業他社・取引先からの紹介:同じ業種で刷新を終えた会社に、使った会社と、うまくいった点・苦労した点を聞きます。業種特有の業務への理解を確かめる近道です。
- 今の保守会社:現行システムを最もよく知っている相手です。ただし、現行の作りに引っ張られた提案になりやすいため、ほかの候補と同じ条件で比べます。
- 地元のSIer・開発会社:稼働後に訪問してもらいやすい距離にある会社は、拠点の多い会社や現場の操作支援が必要な会社に向いています。
- 商工会議所・金融機関などの紹介:取引のある金融機関や地域の支援機関が、IT関連の会社を紹介していることがあります。紹介を受けた場合も、足切り条件は同じように確認します。
評価の項目と重みを最初に決めることは、社内の合意づくりにも役立ちます。経営、業務部門、経理で重視する点が違っても、点数の付け方を先に決めておけば、最後の議論が「好き嫌い」になりません。
足切り条件:点数をつける前に外す会社を決める
評価表で点数をつける前に、満たしていなければ選ばない条件を決めます。足切り条件を設けないと、ある項目の点数が極端に低くても、他の項目の高得点で上位に残ってしまいます。
| 足切り条件の例 | 確認方法 | なぜ足切りにするか |
|---|---|---|
| 自社と同程度の規模・業種での導入経験がある | 提案書の実績欄、面談での具体的な説明 | 業種固有の業務(締め、掛率、ロット管理など)を一から教えることになる |
| 候補の製品・方式の導入・開発の経験がある | 製品ベンダーのパートナー認定、担当者の経験年数 | 製品の標準機能を知らないと、不要なアドオンが増える |
| 稼働後の保守体制がある(窓口・対応時間) | 保守契約のひな形、体制図 | 稼働後の問い合わせに答えられないと、業務が止まる |
| プロジェクトマネージャーを提案時に指名できる | 提案書の体制図に氏名・経歴があるか | 担当者が決まらないまま契約すると、体制が見えない |
| 見積もりの前提条件・対象外を書面で出せる | 見積書の記載 | 前提が書けない会社は、追加費用の根拠も曖昧になる |
| 情報セキュリティの管理体制を説明できる | 認証の取得状況、管理規程の有無、再委託先の管理方法 | 取引先・社員のデータを預けるため |
足切り条件は多くても5〜6個に絞ります。条件を増やしすぎると、候補が1社も残らないか、条件を満たすのが大手だけになり、予算と合わなくなります。
ベンダー選定の評価表:8項目と重みづけの例
足切りを通過した会社を、重みをつけた評価表で採点します。次の表は、従業員120名・3拠点の部品卸売業が、販売・在庫・購買の刷新でベンダーを選ぶ場合の例です。重みの合計を100にし、各項目を5段階で採点して「重み×点数÷5」で得点を出します。
| 評価項目 | 重み | 見るポイント |
|---|---|---|
| 業務理解(自社の業務・業種への理解) | 20 | デモや提案で、自社の締め・掛率・在庫引当の説明が具体的か |
| 体制(担当者の経験と継続性) | 20 | PMと主要メンバーの経験、途中交代のときの扱い |
| 提案内容の妥当性(作り方と範囲) | 15 | 標準機能で対応する範囲と追加開発の範囲が明確か |
| 5年総費用 | 15 | 初期費用と稼働後5年分の費用の合計、前提条件の明確さ |
| 進め方・プロジェクト管理 | 10 | 工程ごとの成果物、課題管理、会議体の提案があるか |
| データ移行・稼働支援 | 10 | 移行の役割分担、リハーサルの回数、稼働当日の支援 |
| 稼働後の保守・改善 | 5 | 問い合わせ窓口、軽微な修正の扱い、法改正への対応 |
| 契約・リスクへの姿勢 | 5 | 契約類型の提案、仕様変更の手続き、リスクの説明 |
※説明用の例です。重みは会社の状況で変えます。社内に情報システム担当がいない会社なら「体制」と「稼働後の保守」の重みを上げ、例外の多い業務を抱える会社なら「業務理解」を上げます。
この評価表で3社を採点した結果の例が次の表です。
| 評価項目(重み) | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 業務理解(20) | 4点→16 | 3点→12 | 5点→20 |
| 体制(20) | 3点→12 | 4点→16 | 4点→16 |
| 提案内容の妥当性(15) | 4点→12 | 4点→12 | 3点→9 |
| 5年総費用(15) | 5点→15 | 3点→9 | 3点→9 |
| 進め方・プロジェクト管理(10) | 3点→6 | 5点→10 | 4点→8 |
| データ移行・稼働支援(10) | 2点→4 | 4点→8 | 4点→8 |
| 稼働後の保守・改善(5) | 3点→3 | 4点→4 | 3点→3 |
| 契約・リスクへの姿勢(5) | 3点→3 | 4点→4 | 4点→4 |
| 合計(100) | 71 | 75 | 77 |
※説明用の例です。会社名・点数は手順を示すための架空のものです。
A社は費用が最も安く、総費用の点では満点でした。それでも、データ移行と体制の点数が低く、合計では3位です。B社とC社の差は2点しかありません。点差が小さいときは、点数で機械的に決めず、低い点のついた項目のリスクを比べます。C社は提案内容の妥当性が3点で、追加開発が多めの提案でした。B社は業務理解が3点です。どちらのリスクのほうが自社で補いやすいかを、経営と業務部門で話し合って決めます。
5年総費用の数字は、見積もりの前提と範囲をそろえてから入れます。そろえ方はシステム開発の見積もりの見方で、製品の評価軸の決め方はERPの比較ポイントで解説しています。
評価表の採点は、経営・業務部門・経理など3〜4人がそれぞれ別に行い、あとで突き合わせます。点数が大きく割れた項目こそ議論する価値があります。たとえば「業務理解」で営業部長が5点、経理担当が2点をつけたなら、デモで経理の業務が十分に説明されていなかった可能性があります。その項目だけ追加で質問すれば、判断の材料が増えます。
面談で聞くこと:12の質問と注意したい答え方
提案書は営業の担当者がよく作り込んでいるため、各社の差が出にくいものです。差がはっきり出るのは、プロジェクトに入る担当者との面談です。次の質問を、全社に同じ順番で聞きます。
| 質問 | 聞きたいこと | 注意したい答え方 |
|---|---|---|
| 1. 当社と似た規模・業種の案件で、一番苦労したことは何ですか | 経験の深さと振り返りの習慣 | 「特に問題はありませんでした」 |
| 2. 当社の業務で、標準機能に合わないと思う部分はどこですか | 業務理解と、標準機能の知識 | 「すべて対応できます」 |
| 3. 要件定義は何回の会議で、誰が何を決める想定ですか | 進め方の具体性 | 回数や決める内容が出てこない |
| 4. 当社側に必要な体制と作業量はどのくらいですか | 発注側の負担の見積もり | 「お任せいただければ大丈夫です」 |
| 5. 今日お会いした方は、最後までプロジェクトに入りますか | 体制の継続性 | 「契約後に決めます」 |
| 6. 担当者が交代するときは、どう引き継ぎますか | 交代時のリスク管理 | 引き継ぎの手順の説明がない |
| 7. 仕様変更が出たとき、どんな手続きで費用と期間を決めますか | 変更管理のルール | 「都度ご相談」だけで手続きがない |
| 8. データ移行で、当社と御社の役割はどう分けますか | 移行の役割分担 | 移行を見積もりに含めているか曖昧 |
| 9. 稼働が遅れそうなとき、いつ、どう知らせてくれますか | 悪い情報の伝え方 | 「遅れないように進めます」 |
| 10. 稼働後に軽微な修正を頼むと、費用と期間はどうなりますか | 稼働後の保守の実態 | 保守の範囲が説明できない |
| 11. 開発したプログラムや設計書は、当社に何が渡りますか | 成果物と権利の扱い | 設計書を渡さない前提 |
| 12. 当社が今回の計画で見落としていると思うことはありますか | 提案の本気度と率直さ | 特に指摘がない |
12の質問のうち、答え方の差が特に出るのは1・2・9です。苦労した経験を具体的に話せる担当者は、同じ失敗を避ける手を知っています。標準機能に合わない部分を率直に挙げる会社は、契約後に「実はできません」と言い出すことが少なくなります。
11の質問は、将来ほかの会社に保守を移せるかどうかに関わります。設計書やソースコードが手元に残らないと、特定の会社にしか頼めない状態になります。防ぎ方はベンダーロックインとはで詳しく解説しています。
合わない部分を具体的に挙げられる会社は、自社の業務を理解したうえで提案しています。「すべて対応できる」は、まだ業務を十分に聞いていないサインです。
※説明用の例です。
提案書と体制図で確認すること
面談の前に、提案書と体制図から確認できることを押さえておくと、面談で聞くべき点が絞れます。
体制図に名前と役割があるか
体制図に「PM:1名」「SE:3名」としか書かれていない提案は、担当者がまだ決まっていない可能性があります。プロジェクトマネージャーと業務の担当者については、氏名と主な経験を出してもらいます。提案時に紹介された人が契約後に別の人に替わることのないよう、主要メンバーを契約書の別紙に明記する方法もあります。
再委託先が書かれているか
開発の一部を協力会社に任せることは珍しくありません。問題になるのは、誰がどの作業を担うのかが見えないことです。再委託の有無と範囲、再委託先の管理方法を確認します。IPAの「情報システム・モデル取引・契約書」は、再委託に発注側の事前承諾を求める案と、再委託先の選定を原則としてベンダーの裁量とする案の2つの条文例を示しています。自社のデータを扱う作業が多いなら、事前承諾を求める形を選ぶかどうかを契約前に話し合います。
発注側の役割が書かれているか
良い提案書には、ベンダーの作業だけでなく発注側に求める役割が書かれています。要件の決定、データの準備、受入テストなどです。IPAの「実務に活かすIT化の原理原則17ヶ条」も、原則9として「要件定義は発注者の責任である」と掲げています。発注側の役割を明確に書いてくる会社は、プロジェクトを現実的に見積もっていると判断できます。
導入先の話を聞けるか(リファレンスの確認)
候補が絞れてきたら、その会社が過去に導入した企業の話を聞けるかを尋ねます。紹介を受けられた場合は、導入の結果よりも途中で問題が起きたとき、ベンダーがどう動いたかを聞きます。遅れの報告が早かったか、追加費用の説明に納得できたか、稼働後の問い合わせへの対応はどうか、などです。紹介を断られても、それだけで評価を下げる必要はありません。守秘義務で話せない場合もあるため、面談の質問1(一番苦労したこと)で補います。
複数の会社に分けて発注する場合の責任
販売管理はA社、会計はB社、倉庫システムはC社のように分けて発注する場合、全体の調整を誰が担うかを決めておく必要があります。モデル契約では、分割発注で他の会社が連携するソフトウェアを開発しているとき、機能の整合やスケジュールの調整などのプロジェクトマネジメントは発注側(ユーザ)が責任を負う、という条文例が示されています。社内で担えない場合は、全体を見る役割を外部に置くことも検討します。役割の切り分けはPMOとはで解説しています。
デモの印象は選定の決め手になりやすい一方、画面の見やすさは稼働後の成否とあまり関係しません。デモで見るべきは、自社が指定した例外のシナリオ(返品、分納、締め後の訂正など)を、その場で操作して見せられるかどうかです。用意された流れだけを説明するデモは、標準の業務にしか対応していない可能性があります。
ベンダー選定でよくある失敗と防ぎ方
ベンダー選定のつまずきは、選ぶ手順そのものより、手順の順番と社内の決め方から生まれます。
- 提案を見てから評価基準を作る:印象に引っ張られます。評価表は提案依頼の前に決め、RFPに評価の観点を書いておくと、各社もそこに沿って提案してきます。
- 価格だけで決める:初期費用の安さは、範囲の狭さや発注側の負担の大きさで生まれていることがあります。必ず前提をそろえ、5年総費用で比べます。
- 営業担当とだけ話して決める:契約後に会うのは別の人です。プロジェクトに入る人との面談を選定の条件にします。
- 社長の一声で決める:経営の判断は必要ですが、業務部門が納得していないと、要件定義やテストで協力が得られません。評価表の点数と決定の理由を共有します。経営が評価表と違う会社を選ぶなら、その理由も言葉にして残します。
- 現行の保守会社を最初から外す、または最初から決めてしまう:どちらも比較の機会を失います。現行の会社も同じRFP・同じ評価表で採点します。
- 落選した会社に理由を伝えない:今後の関係のためにも、評価の観点と結果を簡潔に伝えます。次の機会の提案の質も上がります。
契約前に詰める4つのこと
選定が終わっても、契約書に落とし込むまでが選定の仕事です。IPAのモデル契約は、個別契約で定める取引条件として、作業内容(範囲・仕様)、契約類型(請負・準委任)、納期、作業スケジュール、役割分担、納入物、委託料と支払方法、検査に関する事項などを挙げています。中小企業の基幹システムで特に詰めておきたいのは次の4つです。
- 工程ごとの契約類型:要件定義は準委任、要件が固まった後の開発は請負、のように工程で分けるかどうか。
- 主要メンバー:面談したPMと業務の担当者を別紙に明記し、交代するときは事前に協議する旨を入れるか。
- 納入物と権利:設計書、ソースコード、テスト結果のうち、何を納品してもらい、権利をどう扱うか。
- 検収の基準:何をもって完成とするか。受入テストのシナリオと合格の基準を、誰がいつまでに決めるか。
見落としやすいのは、RFPや提案書に書いてあることが、そのまま契約内容になるわけではない点です。モデル契約の解説は、基本契約と個別契約が当事者の合意のすべてであり、ユーザが示したRFPの内容であっても契約書に定めがなければ契約内容にはならない、としています。面談で約束された体制や、提案書に書かれた稼働後の支援内容(たとえば「稼働後1か月は週2日訪問」といった約束)は、個別契約か別紙に書き写してから署名します。
決定にあたっては、選んだ会社と選ばなかった会社、その理由を1枚にまとめておきます。後で計画が揺らいだとき、「なぜこの会社にしたか」に立ち返る記録になります。
ベンダー選定のチェックリスト
- 提案依頼の前に、足切り条件と評価表(項目・重み・採点方法)を決めている
- 候補を5〜8社洗い出し、公開情報で足切り条件を確認している
- 全社に同じRFPを送り、質問への回答も全社に共有している
- 自社の例外の多い業務をデモのシナリオとして指定している
- プロジェクトマネージャーと業務の担当者と面談している
- 面談の質問を全社に同じ順番で聞いている
- 見積もりの前提・対象外をそろえ、5年総費用で比べている
- 再委託の有無と範囲、主要メンバーの交代時の扱いを確認している
- 設計書・ソースコードなどの成果物と権利の扱いを確認している
- 採点を複数人で行い、点数が割れた項目を議論している
- 決定の理由を記録し、社内で共有している
評価表と面談で選んだ会社が、要件定義で力を発揮できるかは、発注側がどれだけ要件を整理できているかにも左右されます。要件の整理の仕方は要件定義書の書き方を参考にしてください。
よくある質問
ベンダー選定には、どのくらいの期間がかかりますか?
中小企業の基幹システムなら、候補の洗い出しから契約まで2〜4か月が目安です。評価表の準備に2〜3週間、提案の準備期間としてベンダーに3〜4週間、面談と評価に1か月ほどかかります。短くしすぎると、提案の比較や面談が浅くなります。
大手のSIerと地元の開発会社では、どちらを選ぶべきですか?
会社の規模だけでは決まりません。大手は体制の厚さや製品の知識に強みがある一方、中小企業の案件では担当チームが小さくなることもあります。地元の会社は訪問しやすく、稼働後の対応が早いことがあります。評価表の「体制」「稼働後の保守」で、実際に入る担当者と保守の体制を比べて判断します。
評価表の重みは、どう決めればよいですか?
今回の刷新の目的と、自社の弱いところから決めます。社内にIT担当がいないなら体制と保守、例外の多い業務を抱えているなら業務理解の重みを上げます。経営・業務部門・経理で事前に重みを話し合い、提案を受ける前に固定してください。
RFPを出す前に、ベンダーへ相談や情報収集をしてもよいですか?
問題ありません。製品の概要や概算の規模感、他社での進め方を聞くことは、RFPの精度を上げるのに役立ちます。ただし、特定の会社の意見だけでRFPの条件を決めると、その会社に有利な内容になりがちです。複数社から話を聞き、条件は自社で決めてから、全社に同じRFPを送ります。
ベンダー選定を外部のコンサルタントに頼むメリットはありますか?
評価表やRFPの作成、提案内容の読み解き、見積もりの前提をそろえる作業を、中立の立場で進められる点です。社内に比較の経験がない場合や、特定の会社との関係が深く公平に評価しにくい場合に効果があります。最終的な決定は自社で行います。
提案依頼書(RFP)のひな形と、各社の提案を採点する評価シートをまとめた資料です。この記事の足切り条件や面談の質問と組み合わせると、提案依頼から決定までを同じ物差しで進められます。
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基幹システムのベンダー選定は、会社の知名度や提案書の見栄えではなく、実際に入る担当者と体制で、最後までやり切れるかで決めます。足切り条件と評価表を提案の前に決め、面談では苦労した経験や標準機能に合わない部分を聞き、前提をそろえた5年総費用で比べる。この順番を守るだけで、選定の判断はぶれにくくなります。
評価表の重みをどう付けるか、候補をどこから探すかで迷っている方は、無料診断で現状と刷新の目的を整理し、選定の進め方をご提案します。
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