業務フローの書き方|基幹システム刷新で使える記号・粒度・例外処理の描き方

基幹システム刷新で使う業務フローは、記号は8つ、レーンは「役割」で切り、粒度は「1つの箱=1人がひと続きで行う作業」に揃えれば十分に書けます。きれいな図より大事なのは、取消・欠品・返品・締め後といった例外処理が描かれていることです。この記事では、業務フローの書き方を、記号・粒度・例外処理の描き方と記入例で、大手コンサルティングファーム出身の専門家の知見をもとに解説します。
- 基幹システム刷新で業務フローを書く3つの目的
- 業務フロー図で使う最低限の記号8つと、BPMNとの対応
- スイムレーンの切り方と、粒度を揃える4つのレベル
- 受注から請求までの業務フロー記述表の記入例(部品商社・従業員60名)
- 例外処理を漏らさない5つの型と、描き方の書き直し例
業務フローの書き方を決める前に:基幹システム刷新で書く3つの目的
業務フローは、業務の流れを「誰が・何を・どの順に・何を受け取って何を渡すか」で図にしたものです。業務フロー図、業務流れ図とも呼ばれます。基幹システムの刷新では、次の3つの目的で書きます。
- 範囲を合意する:どの業務を新システムで扱い、どこから先は扱わないかを、図の上で線を引いて決めます。
- 例外を洗い出す:担当者の頭の中にある「この得意先だけ」「月末だけ」の処理を、図にすることで表に出します。
- テストの台本にする:稼働前のテストでは、業務フローの順にデータを流して確認します。フローの分岐がそのままテストケースになります。
目的が3つあるので、書き方もそれに合わせます。社内の業務マニュアル用のフローとは、求められる精度が違います。マニュアルは「正しい手順」を書けば足りますが、刷新用のフローは正常な流れより例外の流れのほうが価値が高いからです。
現行業務の把握が甘いと、後工程でどれだけ響くかは調査にも出ています。JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査報告書2026」では、システム開発の予算が予定より超過した企業のうち、要因として「想定以上の現行業務・システムの複雑さ」を挙げた割合が51.4%でした(2025年度調査。東証上場企業などを対象とした調査です)。業務フローは、この「想定以上」を減らすための道具です。
業務フローは、As-Is(現状)とTo-Be(将来)の両方で書きます。2つをどう使い分け、課題から施策を導くかはAs-Is/To-Beの進め方で解説しています。
業務フロー図の記号:最低限の8つ
業務フローの記号には、国際標準のBPMN(Business Process Model and Notation)があります。OMG(Object Management Group)が仕様を公開しており、現行版は2014年1月に公開されたBPMN 2.0.2です。国内では、JIS X 0121(情報処理用流れ図などの記号)にもとづく流れ図の記号も使われてきました。
ただし、BPMNの記号をすべて使う必要はありません。基幹システム刷新のフローは、現場の担当者や経営者も読むからです。次の8つに絞ると、読む人を選ばずに使えます。
| 記号 | 形 | 意味 | BPMNでの呼び方 | 使い方の注意 |
|---|---|---|---|---|
| 開始 | 丸 | 業務が始まるきっかけ | 開始イベント | 「注文を受けた」「月末になった」など、きっかけを書く |
| 終了 | 太線の丸 | 業務が終わった状態 | 終了イベント | 「出荷済み」「請求済み」など、状態で書く |
| 作業 | 角の丸い四角 | 人が行う作業 | タスク(アクティビティ) | 「〜を〜する」と動詞で書く |
| システム処理 | 四角(色や印で区別) | システムが自動で行う処理 | サービスタスクなど | 人の作業と見分けがつくようにする |
| 分岐 | ひし形 | 条件で流れが分かれる | ゲートウェイ | 出口の線に条件(在庫あり/なし)を書く |
| 流れ | 実線の矢印 | 作業の順番 | シーケンスフロー | 原則として左から右、上から下へ |
| 帳票・データ | 右上を折った紙の形(流れ図の書類記号は下辺が波線) | 受け渡す書類やデータ | データオブジェクト | 帳票名は帳票一覧の名前と揃える |
| 外部とのやり取り | 点線の矢印 | 得意先・仕入先などとの受け渡し | メッセージフロー | 社外とのやり取りは点線にして区別する |
※「システム処理」の描き分けは、説明用に簡略化したものです。BPMNには、ほかにもタスクの種類やイベントの記号が定められています。
記号は、プロジェクトの最初に「この8つだけを使う」と決めて、凡例を全ページに載せます。書く人ごとに記号の意味が違うと、同じ業務でも別の図に見えてしまいます。作図ツールは、ExcelやPowerPointでも、専用の作図ツールでも構いません。大事なのは、全員が同じルールで描くことです。
記法の厳密さは、読む人と使い道で決める
BPMNにどこまで厳密に従うかは、フローを誰が読み、何に使うかで決めます。迷ったときは次の表で判断します。
| 主な使い道 | 主な読み手 | おすすめの記法 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 現状の把握、社内での合意 | 経営者・部門長・担当者 | 8記号のスイムレーン+記述表 | 記号を覚えなくても読め、修正もその場でできる |
| 製品比較、ベンダーへの説明 | 選定チーム・ベンダー | 8記号+分岐条件と帳票名を厳密に | 標準機能と突き合わせる単位が揃う |
| ワークフロー製品での自動化 | 開発者・ベンダー | BPMNに準拠した記法 | ツールが読み込める形式で描く必要がある |
| 業務マニュアル、新人教育 | 担当者 | レベル4の手順書(画面の写真つき) | 流れより操作手順のほうが役に立つ |
※説明用に整理したものです。1つのプロジェクトで複数の記法を混ぜる場合は、使い道ごとにファイルを分けます。
スイムレーンの切り方:部署ではなく「役割」で切る
スイムレーンは、プールの泳ぐコースのように、担当ごとに横(または縦)の帯を分けて描く方法です。誰がどの作業をしているかが一目でわかり、担当をまたぐ受け渡しが矢印として見えるようになります。
レーンの切り方で迷うのは、「部署で切るか、役割で切るか」です。基幹システム刷新では、役割で切るほうが向いています。理由は2つあります。
- 部署の中に複数の役割があることが多い:「営業部」のレーンにまとめると、受注を受ける営業担当と、入力する営業事務の受け渡しが見えなくなります。
- 役割はシステムの権限に直結する:新システムでは、役割ごとに入力・承認・閲覧の権限を設定します。レーンを役割で切っておくと、権限表をそのまま作れます。
レーンの数は、1枚あたり4〜7本程度に収めると読みやすくなります。次のルールで決めると迷いません。
- 社外(得意先・仕入先・運送会社)は、まとめて1本のレーンにするか、図の外に置く
- システムは1本のレーンにする。現行の販売管理と会計ソフトのように複数ある場合は、システムごとに分ける
- 同じ人が兼務していても、役割が違えば別レーンにする(例:営業事務が出荷指示も出す場合)
- 承認だけをする役職者は、承認が業務の流れを止める場合に限ってレーンを設ける
兼務を別レーンにするのは、中小企業ならではの注意点です。1人が受注入力も出荷指示も請求書発行もしている会社では、部署で切ると1本のレーンに作業が並ぶだけになります。役割で分けると、「この人が休むと3つの業務が止まる」ことが図から読み取れます。
Excelと紙も「システム」として描く
システムのレーンには、販売管理や会計ソフトだけでなく、業務で使っているExcel台帳や紙の台帳も描きます。中小企業の基幹業務では、得意先別の単価表、受注残の一覧、手書きの入荷予定表などが、実質的にシステムの役割を果たしていることが多いからです。
Excelや紙を描くときは、ファイル名や台帳名をそのまま書き、「誰が更新しているか」をレーンの作業として描きます。こうしておくと、To-Beで「このExcelは新システムのどの機能に置き換えるか」「どれを廃止するか」を1つずつ決められます。Excelを図から外してしまうと、稼働後に誰かが同じExcelを作り直して使い続ける、ということが起きます。
粒度の決め方:4つのレベルで揃える
業務フローでもっとも揉めるのが粒度です。ある人は「受注処理」を1つの箱にし、別の人は「注文書を確認する」「得意先コードを調べる」「単価を確認する」と10個の箱に分けます。粒度が揃っていないと、業務どうしの比較も、標準機能との突き合わせもできません。
次の4つのレベルを決め、基幹システム刷新ではレベル3を中心に書くと扱いやすくなります。
| レベル | 単位 | 例 | 主に読む人 | 枚数の目安 |
|---|---|---|---|---|
| レベル1:業務領域 | 販売・購買・在庫・生産・会計などの大きなかたまり | 販売 | 経営者 | 全社で1枚 |
| レベル2:業務 | 領域の中の業務のつながり | 受注→出荷→請求→入金 | 経営者・部門長 | 領域ごとに1枚 |
| レベル3:作業 | 1人がひと続きで行う作業 | 受注を入力する、在庫を引き当てる | 部門長・担当者・ベンダー | 業務ごとに1〜2枚 |
| レベル4:手順 | 画面操作やチェックの手順 | 得意先コードを検索し、単価を確認する | 担当者 | 必要な箇所だけ |
※レベルの名前と枚数の目安は説明用の例です。対象範囲によって増減します。
レベル3の箱の目安は、「1つの箱は1人の担当者が、途中で他人に渡さずに行う作業」です。作業の途中で別の人に書類が渡るなら、そこで箱を分けます。逆に、同じ人が続けて行う確認と入力は、1つの箱にまとめます。1枚のフローに箱が30個を超えるようなら、粒度が細かすぎるか、業務の範囲が広すぎる合図です。
レベル4は、全業務で書く必要はありません。ミスが多い作業や、担当者によってやり方が違う作業だけ、補足として書きます。
To-Beフローは「新規・変更・廃止」の印で描く
To-Beの業務フローを白紙から描き直すと、As-Isとの違いが読み手に伝わりません。As-Isのフローを複製し、箱ごとに次の3つの印をつけて書き換えると、変更点が一目でわかります。
- 新規:新しく始める作業やシステム処理(例:出荷時にハンディ端末で実績を入れる)
- 変更:担当・手段・タイミングが変わる作業(例:単価の確認を人からシステムの自動引当に変える)
- 廃止:やめる作業。図からは消さず、取り消し線などで残す(例:Excelへの受注の転記)
廃止した作業を図から消さないのは、「その作業がなくなって困る人はいないか」を確認するためです。廃止の印がついた箱を担当者に見せ、後工程で使っている情報がないかを確かめます。転記していたExcelを、実は経理が月次の集計に使っていた、ということはよくあります。
記入例:受注から請求までの業務フロー記述表
業務フロー図は、図だけだと細部が伝わりません。図と対になる「記述表」を作り、箱ごとに入力・出力・ルールを書くと、そのまま要件定義の材料になります。次の表は、従業員60名・1拠点の機械部品商社を例にした、受注から請求までのレベル3の記述表です。
| No | レーン(役割) | 作業 | 受け取るもの | 渡すもの | ルール・例外 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 得意先 | 注文する | ― | 注文書(FAX・メール) | 約3割は電話注文 |
| 2 | 営業事務 | 受注を入力する | 注文書 | 受注データ | 単価は得意先別の掛率で決まる。特価品は営業担当に確認 |
| 3 | システム | 在庫を引き当てる | 受注データ | 引当結果 | 在庫不足なら分岐へ(No.3a) |
| 3a | 購買担当 | 仕入先に発注し、納期を回答する | 不足一覧 | 発注データ、納期回答 | 分納の可否を得意先に確認 |
| 4 | 倉庫担当 | ピッキングし、出荷する | 出荷指示書 | 出荷実績、納品書 | 15時までの受注は当日出荷 |
| 5 | システム | 売上を計上する | 出荷実績 | 売上データ | 出荷基準で計上 |
| 6 | 経理担当 | 締め日に請求書を発行する | 売上データ | 請求書 | 締め日は20日と末日の2種類 |
| 7 | 経理担当 | 入金を消し込む | 入金データ | 売掛金残高 | 振込手数料の差引は得意先ごとに扱いが違う |
※説明用の例です。実際の記述表では、各作業の件数・所要時間・使う画面も加えます。
この記述表のポイントは、「ルール・例外」の列です。「特価品は営業担当に確認」「振込手数料の扱いが得意先ごとに違う」といった一文が、ERPの標準機能で対応できるかどうかを判断する材料になります。標準機能との突き合わせはフィットアンドギャップ分析で行います。
もう1つ、帳票名の書き方にも注意します。同じ「出荷指示書」を、倉庫では「ピッキングリスト」、営業では「出荷伝票」と呼んでいることがよくあります。記述表の帳票名は帳票一覧の正式名に揃え、別名は用語集に載せます。
記述表の列は、何を根拠に決めるか
記述表の列は、思いつきで増やすと書く人の負担が増えるだけです。公的なガイドに沿って決めておくと、ベンダーとの認識も揃えやすくなります。IPAの「共通フレーム2013」は、業務要件として記述するものの例に、業務内容(手順、入出力情報、組織、責任、権限など)、業務特性(ルール、制約など)、業務用語、外部環境と業務の関係・授受する情報を挙げています。上の記述表の「レーン(役割)」「作業」「受け取るもの」「渡すもの」「ルール・例外」は、この項目にほぼ対応しています。
また、IPAの「システム再構築を成功に導くユーザガイド 第2版」(2018年)は、現行から変えるか変えないかを明確にすべき要件の例として、業務フローについて「機能の流れと処理概要」「各機能の入力データ・出力データ」を挙げています。刷新で「流れは今と同じでよい」と決めた業務でも、受け渡すデータまで書いておかないと、何を変えないのかが伝わりません。記述表の「受け取るもの」「渡すもの」の列を省略しないのは、このためです。
例外処理の描き方:漏らしやすい5つの型
業務フローで描かれずに残りやすいのが例外処理です。正常な流れだけのフローでERPを選ぶと、稼働直前のテストで「返品の処理ができない」「締め後の注文が入らない」といった問題が出ます。例外は、次の5つの型で洗い出すと漏れにくくなります。
- 取消・変更:受注後の数量変更、納期変更、キャンセル。どの段階まで変更を受け付けるか。
- 不足・遅延:在庫不足、仕入の遅れ、分納。誰が得意先に連絡するか。
- 戻り:返品、不良品の交換、請求の訂正。赤伝票をどう起こすか。
- 時間外:締め日の後の注文、月末・年度末の処理、繁忙期の臨時対応。
- 相手別:特定の得意先だけの伝票様式、特定の仕入先だけの支払条件。
5つの型は、作業の箱ごとに順番に当てはめて確認します。たとえば「受注を入力する」の箱なら、「入力後に数量が変わることはあるか」「在庫が足りないときはどうするか」「返品の受付もここでするか」「締め日の後に届いた注文はどう扱うか」「この入力だけ別のやり方をする得意先はあるか」と5回聞きます。
描き方は、例外の頻度で変えます。月に何十件も起きる例外は、メインのフローに分岐として描きます。年に数回しか起きない例外は、メインのフローに入れると図が読めなくなるので、別紙のフローにして、メインのフローから「別紙A参照」と参照を張ります。
件数を聞くときは、「どのくらいありますか」ではなく、「先月は何件でしたか」「一番多かった月は何件でしたか」と、期間を区切って聞きます。漠然と聞くと「たまにあります」で終わり、標準機能で対応するか、運用で吸収するかの判断ができません。帳票の控えや訂正伝票の綴りがあれば、それを数えるのが確実です。
分岐の出口が「あり/なし」の2つで足りるとは限りません。一部不足のように中間の状態があるかを、担当者に確認します。
名詞だけだと、その箱が人の作業なのか、システムの処理なのか、帳票なのかがわかりません。
「個別対応」の中に、ERPの標準機能では扱えない処理が隠れていることがよくあります。件数も添えて書きます。
業務フローのレビューで「基本的にはこの流れです」という言葉が出たら、「基本的でないのはどんなときですか」と続けて聞くのが定石です。もう1つ注意したいのは、システムの画面の順番でフローを描いてしまうことです。現行システムの画面をなぞると、紙やExcelで行っている作業が図から消えます。フローは、画面ではなく「人が何をしているか」から描きます。
業務フローを書く手順:6つのステップ
- 対象業務と凡例を決める
レベル1・2の図で対象範囲を決め、使う記号8つとレーンの切り方を凡例にまとめます。書き手が複数いる場合は、最初に1業務だけ全員で書いて、ルールを揃えます。 - 帳票とExcel台帳を集める
図を描く前に、業務で使う帳票・台帳・画面のコピーを集めます。帳票は「誰が作り、誰に渡すか」の手がかりになります。 - 担当者に聞きながら下書きする
レベル3の流れを、担当者に昨日の作業を順に説明してもらいながら描きます。その場で付箋やホワイトボードを使うと、修正が早く済みます。 - 例外を5つの型で洗い出す
下書きの各分岐と各作業について、取消・不足・戻り・時間外・相手別の5つを順に確認し、件数を聞きます。 - 記述表を作る
箱ごとに、受け取るもの・渡すもの・ルール・例外を記述表に書きます。帳票名は帳票一覧と揃えます。 - 担当者と部門長の両方でレビューする
担当者には「実際と違うところ」を、部門長には「やめてよい作業」を指摘してもらいます。指摘を反映した版に版数と日付をつけて保存します。
描いた業務フローは、要件定義書の「業務フロー」の章にそのまま入ります。要件定義書全体の構成は要件定義書の書き方を、稼働前のテストでの使い方はユーザー受入テストの進め方を参照してください。
業務フローは、一度描いたら終わりではありません。要件定義、設計、テストと進むなかで、例外の扱いが決まるたびに更新します。更新を止めると、テストの段階でフローと実際のシステムの動きが合わなくなり、テストの台本として使えなくなります。版数と変更履歴を表紙に残し、最新版がどれかを全員が迷わないようにしておきます。記述表に出てくる得意先コードや品目コードの付け方を見直す場合は、マスタデータ整備とコード体系の決め方もあわせて確認してください。
業務フローのレビューで確認する10のチェックポイント
- 凡例があり、記号が8つ程度に絞られている
- レーンが役割で切られ、兼務も別レーンになっている
- 開始と終了が、きっかけと状態で書かれている
- すべての箱が「〜を〜する」と動詞で書かれている
- 人の作業とシステムの処理が見分けられる
- 粒度が揃っていて、1枚の箱が30個を超えていない
- 分岐の出口すべてに条件が書かれている
- 取消・不足・戻り・時間外・相手別の例外が確認されている
- 帳票名が帳票一覧の正式名と揃っている
- 担当者と部門長の両方がレビューし、版数と日付がついている
よくある質問
業務フローはBPMNで書かないといけませんか?
必須ではありません。BPMNは国際標準の記法で、ベンダーとのやり取りに便利ですが、記号が多く、現場の担当者には読みにくいこともあります。基幹システム刷新では、BPMNの基本的な記号から8つ程度を選び、凡例をつけて使うと、読む人を選ばずに済みます。
業務フローは何枚くらい必要ですか?
対象範囲によって変わります。目安としては、業務領域の全体図が1枚、業務領域ごとの図が数枚、そのうえで主要な業務ごとに1〜2枚の作業レベルの図を書きます。枚数より、主要な業務に例外処理まで描かれているかを優先します。
As-IsとTo-Beの業務フローは、両方書く必要がありますか?
基幹システム刷新では両方書きます。As-Isは現状の課題と例外を洗い出すため、To-Beは新しい業務と担当を合意するためです。To-BeはAs-Isを複製して、変える箇所に印をつけながら書き直すと、変更点が一目でわかります。
業務フローは誰が書くべきですか?
内容に責任を持つのは業務部門です。作図の作業はプロジェクトの事務局やコンサルタントが担っても構いませんが、担当者が「これが実際の業務だ」と確認しないフローは使えません。描く人と確認する人を分けて、レビューの記録を残します。
業務フローを作るツールは、何を使えばよいですか?
社内での合意が目的なら、ExcelやPowerPointなど、全員が開いて直せるツールで十分です。専用の作図ツールは、記号の整列や版の管理が楽になる一方、編集できる人が限られることがあります。ツールを選ぶ基準は機能の多さではなく、「担当者がレビューで指摘を書き込めるか」「ベンダーに渡せる形式で保存できるか」の2点です。プロジェクトの途中でツールを変えると描き直しが発生するので、最初に1つに決めておきます。
業務フローとあわせて要件定義書にまとめる、目次・機能要件一覧・非機能要件の記入例をそのまま使える形にした資料です。
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基幹システム刷新の業務フローの書き方は、記号を8つに絞り、レーンを役割で切り、粒度を「1人がひと続きで行う作業」に揃えることが出発点です。そのうえで、取消・不足・戻り・時間外・相手別の5つの型で例外を洗い出し、図と対になる記述表に受け渡しとルールを書く。ここまで書いた業務フローは、要件定義、製品の比較、稼働前のテストまで使い続けられます。
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