ステアリングコミッティとは|基幹システム刷新プロジェクトの体制と会議の回し方

構想策定・要件定義公開日:
監修大手コンサルティングファーム出身/基幹システム刷新・業務改革の実務経験を持つ専門家
ステアリングコミッティとは|基幹システム刷新プロジェクトの体制と会議の回し方

ステアリングコミッティ(ステコミ)とは、基幹システム刷新プロジェクトで、範囲・予算・スケジュール・体制にかかわる判断を下す経営層の会議です。中小企業なら、社長または担当役員、プロジェクト責任者、ベンダーの責任者など4〜6名が月1回・60分集まる形が目安です。この記事では、体制図の作り方、ステコミに上げる論点の判定表、会議の回し方と報告資料の型を解説します。

この記事でわかること
  • ステアリングコミッティの役割と、定例会議・分科会との違い
  • 中小企業向けの体制図と、各役割に誰を置くか
  • 「ステコミで決めること・現場で決めること」を分ける判定表
  • 60分の会議のアジェンダと、1枚で判断を求める報告資料の型
  • 構想策定から稼働後まで、フェーズごとの主な議題

ステアリングコミッティとは:役割と、定例会議との違い

ステアリング(steering)は「舵取り」の意味です。ステアリングコミッティは、プロジェクトの進む方向を決める最上位の会議体で、略して「ステコミ」と呼ばれます。基幹システムの刷新のように、複数の部門にまたがり、費用も期間も大きいプロジェクトで置かれます。

ポイントは、ステコミが報告を聞く場ではなく、判断する場だということです。現場の会議では決められないこと、つまり範囲の変更、予算の追加、稼働日の変更、部門間で利害が割れた論点を、経営の立場で決めます。

基幹システムの刷新では、会議体を3層に分けるのが一般的です。

会議体目的主な出席者頻度の目安決めること
ステアリングコミッティ経営判断社長・担当役員、プロジェクト責任者、ベンダーの責任者月1回、60分範囲・予算・スケジュール・体制の変更、部門間で割れた論点
全体定例(プロジェクト定例)進み具合と課題の管理プロジェクト責任者、各業務リーダー、ベンダーのPM週1回、60分課題の担当と期限、分科会をまたぐ調整、ステコミに上げる論点
分科会(テーマ別検討会)業務の要件・設計を決める業務領域の決裁者、実務担当、ベンダーの担当週1〜2回、90分業務の流れ、機能、帳票、マスタなど領域内の決定

※頻度は中小企業の基幹システム刷新での目安です。稼働直前は頻度を上げます。

IPAが公開している「情報システム・モデル取引・契約書(第二版)」(2020年)の第12条では、発注者とベンダーが進捗、リスク、共同作業の状況、問題点などを協議する「連絡協議会」を設けることが定められています。双方の責任者と主任担当者が出席し、決定された事項には双方が従うこと、議事録を書面で作り双方の責任者が確認することも規定されています。ステコミは、この連絡協議会のうち、経営判断を担う最上位の場と考えると位置づけがわかりやすくなります。ただし同条は、契約の内容の変更は契約変更の手続き(第33条)によってのみ行えるとしています。ステコミで追加費用や範囲の変更を決めたら、その場の議事録だけで済ませず、変更契約や変更の合意書まで作ることを事務局の宿題にします。

PMO・プロジェクト責任者との役割の違い

ステコミと混同されやすいのが、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とプロジェクト責任者です。プロジェクト責任者は日々の推進に責任を持ち、PMOは課題・リスク・進捗を管理して資料を整える事務局です。どちらも「判断の材料をそろえる側」で、範囲や予算の最終判断はステコミが行います。PMOがステコミの代わりに判断を始めると、経営者が状況を知らないまま重要なことが決まっていきます。

なぜステアリングコミッティが必要か:決める場がないと起きること

中小企業では「社長がいつでも決められるから、会議体は要らない」と考えがちです。しかし、決める場が決まっていないと、判断が担当者の頭越しに行われたり、逆に誰も決めないまま先送りされたりします。

JUASの「ソフトウェアメトリックス調査2020」は、要件を決める立場の人の関与度と、プロジェクト全体の顧客満足度の関係を調べています。要件決定者が「充分に関与」したプロジェクトでは「大変満足」「満足」が合わせて73.2%、「概ね関与」では68.1%でした。「関与が不充分」は回答が7件と少ないものの57.1%にとどまっています。決める人がプロジェクトに関わるほど、結果への満足度は上がる傾向が見てとれます。

決める場がないことは、法的な責任にもつながります。病院情報管理システムの開発をめぐる札幌高等裁判所の判決(2017年8月31日)では、発注者側が仕様の凍結に合意したあとも大量の追加開発の要望を出したことなどから、発注者の協力義務違反が認められ、発注者に約14億1,500万円の支払いが命じられました。ベンダーのプロジェクトマネジメント義務違反は否定されています(Westlaw Japanの判例コラムによる)。現場から上がる要望を、誰がどこで止めるのかが決まっていないと、こうした事態を招きかねません。

経済産業省が2025年5月に公表した「レガシーシステムモダン化委員会総括レポート」も、経営層は覚悟を持った強力なコミットメントの下、トップダウンで進める必要があるとしています。同レポートは、経営者との情報共有の仕組みやCxOの設置と、IT資産の可視化・内製化の状況との間に有意な相関があったとしています。経営者が定期的に判断する場を設けることは、こうしたコミットメントを形にする手軽な方法の1つです。

例:従業員120名の部品メーカーでの意思決定(※説明用の例です)
NG営業部長が「取引先ごとの特殊な単価計算を残してほしい」と社長に直接相談し、社長がその場で了承。分科会では標準機能に合わせる方針で進めていたため、設計の途中で追加開発が発生し、費用と期間が膨らんだ。誰がいつ決めたかの記録もなかった。
OK営業部長の要望を分科会で整理し、「標準の掛率で対応する案」と「追加開発する案」の費用・期間・業務への影響を比べた資料をステコミに提出。社長は、対象取引先を上位10社に絞って追加開発する案を選び、議事録に残した。

要望そのものは同じでも、決める場と材料がそろっているかで結果が変わります。社長への直接の相談をなくす必要はありませんが、決定はステコミで行うルールにします。

IPAの「ユーザのための要件定義ガイド 第2版」(2019年)も、要件定義を成功させる観点として「要件定義マネジメント」を挙げ、立ち上げ・計画立案・実施・終結を円滑に進めることを重視しています。要件を決める作業そのものだけでなく、決める仕組みを運営することが成否を分けるという考え方です。ステコミは、その仕組みの頂点にあたります。

刷新プロジェクトでよく起きるつまずきの全体像は、ERP導入の失敗パターンで整理しています。

体制図とメンバー:中小企業版の作り方

大企業の体制図をそのまま真似る必要はありません。中小企業では、1人が複数の役割を兼ねることを前提に、「誰が最終的に決めるか」が一目でわかる体制図にします。

役割中小企業で置く人の例責任注意点
議長(プロジェクトオーナー)社長最終判断。目的と予算枠に責任を持つ欠席が続くとステコミが報告会になる
プロジェクト責任者管理担当役員、管理部長プロジェクト全体の推進。ステコミに上げる論点の整理通常業務を減らさないと、推進が止まる
業務リーダー営業・製造・経理などの部長級担当領域の要件の決定と、部門内の調整ステコミには必要な回だけ出席してもらう
事務局(PMO)情シス担当、経営企画、外部の専門家資料・議事録の作成、課題とリスクの管理事務局が判断まで抱え込まないようにする
ベンダーの責任者開発・導入会社の責任者(部長級以上)ベンダー側の体制と品質。見積もりや契約にかかわる判断担当PMだけでなく、契約を決められる人に出てもらう
オブザーバー監査役、グループ会社の担当者など必要に応じて意見を述べる人数を増やしすぎない

ベンダーにとっても、ステコミは発注者の判断を確実に得られる場です。設計や開発の途中で判断が遅れると、ベンダー側の要員が待機することになり、費用と期間に跳ね返ります。発注者が判断の場を用意することは、ベンダーとの関係を良好に保つうえでも役立ちます。

ステコミの常任メンバーは4〜6名に絞ります。人数が増えると、発言が報告と質問だけで終わり、判断の時間がなくなります。業務リーダーは、自分の領域の論点を扱う回にだけ出席してもらう形で十分です。

兼務が前提の中小企業での配置のコツ

中小企業では、プロジェクト責任者も業務リーダーも通常業務と兼務になります。兼務そのものは避けられませんが、次の3点を決めておくと推進が止まりにくくなります。

  • プロジェクト責任者の時間を先に確保する:週の何割をプロジェクトにあてるかを社長が明言し、その分の通常業務を誰が引き取るかまで決めます。
  • 業務リーダーは「決められる人」を選ぶ:現場に詳しいだけでなく、部門の業務の変更を決められる立場の人を置きます。課長級に任せる場合は、部長がその決定を覆さないと約束します。
  • 社長と責任者を同じ人にしない:社長がプロジェクト責任者を兼ねると、論点を整理する人と判断する人が同じになり、判断の前提を検証する人がいなくなります。小さな会社でも、推進役は別に置きます。

事務局を担う役割は、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とも呼ばれます。社内に担い手がいない場合に外部へ任せる範囲は、PMOとはで解説しています。

ステコミで決めること・現場で決めること:判定表

ステコミが機能しない典型は、何をステコミに上げるかの基準がないことです。基準がないと、細かな論点まで上がってきて時間が足りなくなるか、逆に大事な論点が現場で決められてしまいます。キックオフの時点で、次のような判定表を作って合意しておきます。

論点の種類ステコミに上げる基準の例現場(全体定例・分科会)で決めてよい例
範囲対象の業務・拠点・会社を増やす、減らす同じ業務の中での画面や帳票の項目の追加
予算予算枠の5%を超える追加、または予備費の取り崩し予備費の範囲内で、プロジェクト責任者が承認できる変更
スケジュール稼働日の変更、主要なマイルストーンの2週間以上の遅れマイルストーンに影響しない作業の入れ替え
業務の変更部門をまたぐ業務の変更(例:受注入力を営業から業務部へ移す)、取引先に影響する変更部門内で完結する手順の変更
作り方パッケージの標準に合わせるか追加開発するかで、費用か期間に大きく影響するもの標準機能の設定値の選択
体制責任者・業務リーダーの交代、ベンダーの体制変更、外部の専門家の追加担当者レベルの作業の割り振り
リスク稼働日に影響しうるリスクと、その対策の費用担当と期限を決めれば対処できる課題

※基準の数字は説明用の例です。会社の規模と予算に合わせて決めてください。

判定表の数字は、予算枠と予備費の大きさから決めます。予備費をプロジェクト責任者に預け、その範囲内の変更は責任者が承認、超える場合はステコミという分け方にすると、判断の線が引きやすくなります。スケジュールの基準も、稼働日に影響するかどうかで線を引くと、現場が迷いません。

この判定表は、現場に「ここまでは自分たちで決めてよい」と示す意味もあります。現場の決裁範囲がはっきりすると、細かな論点で経営者の判断を待つ時間がなくなり、分科会の進みが速くなります。

ステアリングコミッティの回し方:アジェンダと報告資料の型

60分のアジェンダ

  1. 前回の決定事項の実施状況(5分)
  2. 全体の状況:進捗・課題・リスクを1枚で報告(10分)
  3. 判断を求める論点:1論点につき、選択肢・影響・推奨案を示して決定(35分)
  4. 次回までに上がってきそうな論点の予告(5分)
  5. 決定事項・継続検討事項・宿題の読み上げ(5分)

時間配分で見てほしいのは、判断の時間を全体の半分以上とっている点です。報告に30分以上かかる会議は、資料の作り方を見直すサインです。進捗の詳細は事前に配布し、会議では読まない前提にします。

報告資料は「決めてほしいこと」から書く

報告資料は1枚目に次の4つを並べます。

  • 全体の状況:スケジュール・予算・品質を「予定どおり/注意/要対応」の3段階で
  • 今回決めてほしいこと:論点ごとに、選択肢と推奨案
  • 主な課題とリスク:上位3件まで。担当と期限つき
  • 次回までの見通し:次のマイルストーンと、達成の見込み
例:判断を求める論点の書き方(※説明用の例です)
NG受注業務の検討状況:営業部と業務部で意見が分かれており、引き続き調整中です。
OK論点:FAX注文の入力を誰が担うか。案A:営業が入力(現行どおり。営業の外出中は入力が翌日になる)。案B:業務部が入力(当日入力できるが、業務部に1名分の作業が増える)。推奨:案B。業務部の人員は第2段階まで派遣で補う。本日決めないと、受注画面の設計が2週間遅れる。

NGの書き方では、経営者は何を決めればよいかわかりません。選択肢・影響・推奨・期限をそろえると、その場で判断できます。

現場からステコミまでのエスカレーションの流れ

  1. 分科会で論点を整理する
    分科会で決めきれない論点は、選択肢と影響を整理したうえで全体定例に上げます。「決まらなかった」だけでは上げません。
  2. 全体定例で判定表に照らす
    プロジェクト責任者が判定表を見て、全体定例で決めるか、ステコミに上げるかを判断します。
  3. ステコミの資料にまとめる
    事務局が、選択肢・影響・推奨案・判断の期限を1枚にまとめ、会議の2営業日前までに配布します。
  4. ステコミで決定し、現場に戻す
    決定は議事録に残し、翌営業日までに分科会のメンバーへ伝えます。待ちきれない論点は、議長の書面決裁で臨時に決めます。

議事録には、モデル契約書の連絡協議会の規定にならい、少なくとも「決定された事項」「継続検討とされた事項」「継続検討事項の検討スケジュールと担当」を残します。会議の最後に読み上げ、翌営業日までに配布して確認を取ります。

フェーズ別:ステアリングコミッティの主な議題

ステコミで扱う論点は、プロジェクトの段階によって変わります。各段階の終わりには、次の段階に進んでよいかを判断する「関門」の回を設けます。

フェーズ主な議題段階の終わりに判断すること
構想策定目的・成功指標・範囲・予算枠の確定、体制の決定構想書を承認し、要件定義に進むか
要件定義・製品選定部門間で割れた業務の論点、標準に合わせるか追加開発するか、ベンダーの選定要件定義書を承認し、開発・導入の契約に進むか
設計・開発仕様変更の可否、追加費用、スケジュールの遅れへの対応テストに入る条件を満たしたか
テスト・移行準備受入テストの結果、残った不具合の扱い、移行リハーサルの結果本番切替の条件を満たしたか
本番切替(稼働判定)稼働の可否(Go/No-Go)、切り戻しの判断基準予定日に稼働するか、延期するか
稼働後成功指標の達成状況、残課題と次の段階の範囲プロジェクトを閉じるか、次の段階に進むか

関門の回で確認する3つの問い

段階の終わりの回では、進捗の報告に加えて、次の3つを必ず確認します。

  • この段階で決めるべきことは決まったか:未決事項が残っているなら、担当と期限、次の段階への影響を確認します。
  • 予算と期間の見通しは変わったか:段階の終わりは、見積もりの精度が上がるタイミングです。予算枠に収まらない見込みなら、ここで範囲を見直します。
  • 目的と成功指標からずれていないか:細部を詰めるうちに、当初の目的に効かない機能が増えていないかを確認します。

なかでも重いのが本番切替の判断です。稼働日が近づくほど「ここまで来たら予定どおり」という空気が強くなります。判断基準は事前に数字で決めておきます。詳しくは稼働判定と本番切替で、テストの合否基準はユーザー受入テストの進め方で解説しています。

ステコミが形骸化するパターンと対策

ステコミを置いても、運用を誤ると「月1回の報告会」になります。形骸化は少しずつ進むため、3か月に1回は「最近のステコミで何を決めたか」を振り返り、判断の件数が減っていないかを確かめます。よくあるパターンと対策をまとめます。

  • 報告ばかりで判断がない:判断を求める論点が毎回ゼロなら、論点が現場で止まっているか、ステコミに上げる基準があいまいです。判定表を見直します。
  • 議長が欠席し、代理が「持ち帰ります」:決められない人が座る会議は意味がありません。日程は半年先まで議長の予定に先に押さえ、欠席の場合は書面で判断する手順を決めておきます。
  • ベンダーの担当PMしか出てこない:追加費用や体制の判断は、契約を決められる立場の人でないとできません。契約の時点で、ベンダー側の出席者を決めておきます。
  • 悪い情報が上がってこない:「予定どおり」が続いたあとに突然大きな遅れが報告されるのは典型的な兆候です。状況を3段階で報告するルールにし、「注意」を早めに出すことを評価する雰囲気をつくります。
  • 成功指標の話が一度も出ない:進捗と課題の話だけが続くと、何のための刷新かが忘れられます。四半期に1回は、構想策定で決めた成功指標に照らして、範囲や優先順位がずれていないかを確認します。
  • 決めたことが記録されない:口頭の決定は、数か月後に解釈が分かれます。議事録の確認を次回の最初の議題にします。
コンサルタントの現場メモ

ステコミで一番危ないのは、「その件は社長に個別に相談しておきます」という言葉です。会議の外で決まったことは、議事録にも残らず、ベンダーも現場も知らないまま進みます。個別に相談すること自体は悪くありませんが、決定は必ずステコミの場で確認し、記録に残すルールにします。

もう一つ、ベンダーと発注者の関係が悪くなり始めると、ステコミが責任の押し付け合いの場になりがちです。そうなる前に、ステコミの冒頭で「今日決めたいこと」を議長が宣言し、過去の経緯ではなく次の打ち手に議論を向けることが効きます。

ステアリングコミッティ立ち上げのチェックリスト

  • 議長(最終判断者)が社長または担当役員に決まっている
  • 常任メンバーが4〜6名に絞られ、体制図に書かれている
  • ベンダー側から、契約や体制を決められる立場の人が出席する
  • ステコミに上げる論点の判定表が作られ、現場と合意している
  • 半年先までの開催日が、議長の予定に先に押さえられている
  • 議長が欠席したときの判断の手順(書面決裁など)が決まっている
  • 報告資料の型(状況・判断を求める論点・課題とリスク・見通し)が決まっている
  • 議事録に決定事項・継続検討事項・担当と期限を残すルールがある
  • 各フェーズの終わりに、次に進むかを判断する回が計画されている
  • 稼働後に成功指標の達成状況を確認する回まで予定されている

初回のステコミでは、次の4つを決めておくと、2回目以降の運営が安定します。

  1. プロジェクトの目的・範囲・予算枠・稼働目標日の再確認
  2. 体制図と、各メンバーの役割・決裁範囲
  3. ステコミに上げる論点の判定表
  4. 開催日程、報告資料の型、議事録の確認方法

体制の前提となる目的と範囲の決め方は基幹システムの構想策定で、分科会での要件の決め方は要件定義の進め方で解説しています。

よくある質問

ステアリングコミッティと経営会議は何が違いますか?

経営会議は会社全体の経営課題を扱う場で、ステアリングコミッティは特定のプロジェクトについて判断する場です。中小企業では経営会議の一部の時間をステコミにあてる形でも構いませんが、その場合も議題・判定基準・議事録はプロジェクト専用に分けておくと、決定事項が埋もれません。

中小企業でもステアリングコミッティは必要ですか?

基幹システムの刷新のように複数の部門にまたがるプロジェクトでは必要です。大がかりな会議体である必要はなく、社長または担当役員、プロジェクト責任者、ベンダーの責任者などが月1回・60分集まり、範囲・予算・スケジュールにかかわる判断をする形で十分です。

ステアリングコミッティにベンダーは出席すべきですか?

出席を求めるのが一般的です。追加費用や体制の変更、スケジュールの見直しは、ベンダーの判断なしには決められないためです。担当のPMだけでなく、契約や体制を決められる立場の責任者に出てもらうよう、契約の時点で取り決めておきます。

ステアリングコミッティで意見が割れたときはどうしますか?

最終的には議長が決めます。そのために、議長が誰かを体制図に明記しておきます。判断に迷うときは、構想策定で決めた目的と成功指標に照らして、どの案が目的に近いかで比べます。結論が出ない場合も、「いつまでに、何の情報がそろえば決めるか」を決めて会議を終えることで、先送りを防げます。

ステアリングコミッティはどのくらいの頻度で開けばよいですか?

月1回が目安です。要件定義の終盤や本番切替の前など、判断が集中する時期は2週間に1回に増やします。頻度より大事なのは、各フェーズの終わりに「次に進んでよいか」を判断する回を必ず設けることです。

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まとめ

ステアリングコミッティは、基幹システム刷新で範囲・予算・スケジュール・体制にかかわる判断を下す経営層の会議です。中小企業でも、4〜6名・月1回・60分の形で十分に機能します。

機能させるために押さえたいのは3点です。ステコミに上げる論点の判定表を最初に合意すること、報告資料を「決めてほしいこと」から書き、会議時間の半分以上を判断にあてること、決定事項を記録して次回の最初に確認すること。決める場と決め方がはっきりしているプロジェクトは、遅れや追加費用が出ても立て直しが早くなります。

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この記事の執筆・編集:基幹システム構築支援 編集部(株式会社Digital&)

中小企業の基幹システムの構想策定から導入・定着までを支援する「基幹システム構築支援」の編集部です。記事は、大手コンサルティングファーム出身/基幹システム刷新・業務改革の実務経験を持つ専門家の監修のもと、実務で得た知見と公的な資料をもとに作成しています。