在庫管理システムの選び方|基幹システムと連携させるときの在庫の持ち方と注意点

在庫管理システムの選び方は、製品の機能より先に、在庫を「数量・場所・状態・金額」のどこまで、どのシステムで持つかを決めると絞り込めます。基幹システムと連携させる場合は、「今ある在庫」と「売ってよい在庫」を分けて持ち、どちらのシステムの数字を正とするかを1つに決めることが、二重管理を防ぐ一番の手当てです。この記事では、3つのタイプの判定、有効在庫の計算例、評価方法による在庫金額の違い、連携の注意点を、大手コンサルティングファーム出身の専門家の知見をもとに解説します。
- 在庫管理システムが管理する4つの軸(数量・場所・状態・金額)と、それぞれを必要とする部署
- 基幹システムの在庫機能・倉庫管理システム(WMS)・単体の在庫管理ツールの違いと選び方
- 実在庫・引当済・有効在庫など、連携のときに分けて持つ在庫の種類と計算例
- 移動平均法・総平均法・最終仕入原価法で、同じ在庫の金額がどう変わるかの数値例
- 受払区分・締め・棚卸差異など、基幹システムと連携させるときの注意点
在庫管理システムとは:数量・場所・状態・金額の4つを管理する仕組み
在庫管理システムは、商品・製品・材料が「いくつ、どこに、どんな状態で、いくらの価値で」あるかを記録し、入出庫のたびに更新する仕組みです。在庫の数を数えるだけのツールと思われがちですが、実際には次の4つの軸を扱います。
| 管理の軸 | 中身の例 | 主に必要とする部署 | 軸が欠けると起きること |
|---|---|---|---|
| 数量 | 品目ごとの在庫数、引当済の数、入荷予定の数 | 営業・営業事務・購買 | 在庫があるのに欠品と回答する。ないのに受注して納期遅れになる |
| 場所 | 倉庫、棚番(ロケーション)、店舗・営業所・預け先 | 倉庫・出荷 | 在庫はあるのに見つからない。ピッキングに時間がかかる |
| 状態 | 良品・検査待ち・不良・保留、ロット、賞味期限・使用期限 | 品質保証・倉庫 | 検査前の品や期限切れ間近の品を出荷してしまう |
| 金額 | 単価、在庫金額、評価方法、評価損 | 経理・経営 | 月次の利益が締めのたびにぶれる。決算の棚卸で大きな差額が出る |
在庫管理システムを選ぶとき、多くの会社は「数量」と「場所」の課題から入ります。一方で、基幹システムとの連携で問題になるのは「状態」と「金額」です。4つの軸のうち、どれをどのシステムで持つかを決めることが、選び方の出発点になります。
4つの軸がそろうと、在庫の記録は「発注の判断」にも使えるようになります。代表的なのが発注点の考え方です。たとえば、1日平均20個出荷し、発注から入荷まで5日かかる品目で、安全在庫を40個持つと決めれば、発注点は「20個 × 5日 + 40個 = 140個」です。有効在庫が140個を下回ったら発注書案を出す、という設定をシステムに持たせます。ここで使う在庫が実在庫なのか有効在庫なのかを間違えると、引当済の分だけ発注が遅れて欠品します。発注点の計算に使う在庫の種類も、後で説明する「在庫の種類」の整理とあわせて決めます。
※説明用の例です。
在庫は、販売管理(受注・出荷)、購買(発注・入荷)、生産(材料の払出・完成)、会計(在庫金額)のすべてにつながっています。販売側の流れは販売管理システムとはで、製造業での生産との関係は生産管理システムとERPの違いで解説しています。
在庫管理システムの3つのタイプと違い
在庫を管理する仕組みは、大きく3つのタイプに分かれます。どれが優れているかではなく、在庫の4つの軸のどこに重心があるかで性格が違います。
| タイプ | 得意な軸 | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 基幹システム(ERP・販売管理・生産管理)の在庫機能 | 数量・金額 | 倉庫が1〜数か所で、棚番やロットの細かい管理が少ない会社 | 棚番単位の管理、ハンディ端末での検品、作業者の動線の管理は弱い製品が多い |
| 倉庫管理システム(WMS) | 場所・状態(+数量) | 出荷件数が多い、品目数が多い、ロット・期限の管理が必要、物流倉庫を持つ会社 | 金額(評価)は持たない製品が多い。基幹システムとの連携の設計が必須 |
| 単体の在庫管理ツール(クラウド型など) | 数量・場所 | Excelや紙からまず脱却したい。EC・店舗の在庫を一覧で見たい会社 | 受注・会計とのつながりは連携頼み。品目や取引先が増えるとマスタの二重管理になりやすい |
基幹システムの在庫機能とWMSを併用する場合は、基幹は「品目×倉庫」の合計数量と金額、WMSは「棚番×ロット×状態」の明細という役割分担が一般的です。この分担を決めずに両方で同じ粒度の在庫を持つと、どちらの数字が正しいかで毎月揉めることになります。
外部の物流会社に倉庫を任せている場合は、物流会社のWMSが実在庫の正を持ち、自社の基幹システムは日次で在庫数と入出庫の実績を受け取る形になることが多くあります。この場合、受け取るデータの形式・時刻・品目コードの対応を物流会社と取り決め、契約書や運用の覚書に残しておきます。物流会社を替えるときに、在庫データの引き継ぎ方が決まっていないと、切替の月に在庫が合わなくなるためです。
自社に合うタイプを決める4つの質問
- 1日の出荷件数と品目数は、どのくらいか
出荷が1日数十件で品目が数百なら、基幹システムの在庫機能で足りることが多くあります。1日数百件以上、品目が数千以上、または複数の荷主の在庫を預かるなら、WMSの検討が必要です。 - ロット・賞味期限・シリアル番号の管理を求められているか
食品・医薬品・化粧品・部品などで、先に期限が来るものから出す(先入れ先出し)、出荷先までロットを追う、という要求があれば、状態とロットに強い仕組みが要ります。 - 在庫の場所が社内の倉庫だけか
営業所・店舗・取引先への預け在庫・外部の物流会社の倉庫があるなら、場所ごとの在庫と、場所の間の移動(移動中の在庫)を持てるかを確認します。 - 在庫の金額を、月次でどの精度で出したいか
月次決算で在庫金額を確定させたいなら、基幹システム側で評価方法どおりの計算ができることが前提です。WMSや単体ツールに金額を任せるのは避けます。
連携の前に決める「在庫の種類」:今ある在庫と、売ってよい在庫は違う
基幹システムと在庫管理システムを連携させるとき、最初に決めるのはどの在庫の数字を、どこで計算するかです。「在庫」という1つの言葉の中に、次のような種類が混ざっています。
| 在庫の種類 | 意味 | 主に使う場面 | 計算する場所の例 |
|---|---|---|---|
| 実在庫(現在庫) | 今、倉庫に物理的にある数 | 棚卸、ピッキング | WMS(棚番単位)、基幹(倉庫単位の合計) |
| 引当済在庫 | 受注に割り当て済みで、出荷待ちの数 | 出荷指示 | 基幹(販売管理) |
| 入荷予定 | 発注済み・生産中で、これから入ってくる数と日付 | 納期回答、発注 | 基幹(購買・生産) |
| 有効在庫(引当可能在庫) | 新しい注文に回せる数(実在庫 − 引当済 + 期日までの入荷予定 − 保留) | 受注時の在庫確認、納期回答 | 基幹(販売管理) |
| 保留・検査待ち・不良 | 倉庫にあるが、出荷してはいけない数 | 品質管理 | WMSまたは基幹(状態の区分) |
| 移動中・積送・預け | 倉庫の間を移動中、出荷済みで相手の検収前、取引先に預けている数 | 月末の在庫金額 | 基幹(会計と合わせる) |
計算例:有効在庫で納期回答する
従業員40名の工具・資材の卸売業で、品目「品番B-200」について、ある日の午前の状態が次のとおりだったとします。
- 実在庫:500個(うち検査待ちの返品が20個)
- 引当済:受注3件で合計320個(明日出荷)
- 入荷予定:仕入先へ発注済みの300個が5日後に入荷予定
このとき、取引先から「200個を3日後に欲しい」と注文が来た場合の有効在庫は、500 − 20(検査待ち)− 320(引当済)= 160個です。3日後までに入荷予定はないため、160個は3日後に出せますが、残り40個は5日後の入荷分からになります。
もし営業が倉庫の実在庫「500個」だけを見て「全数3日後に出せます」と回答すると、引当済の320個と検査待ちの20個を二重に約束したことになります。逆に、入荷予定を見ずに「160個しかありません」とだけ回答すると、5日後なら全数出せるという選択肢を取引先に示せません。
※説明用の例です。
この計算に必要な数字は、実在庫はWMS、引当済と入荷予定は基幹システム、というように、別々のシステムにあることが多いです。有効在庫をどちらのシステムで、何分おき(または即時)の実在庫を使って計算するかを決めておかないと、営業が見る画面の数字と、倉庫の実物が合わなくなります。
どこまで細かく持つか:在庫の粒度とシステムの分担
在庫を細かく持つほど管理の精度は上がりますが、入出庫のたびに入力する項目が増えます。次の6つの粒度のうち、どこまでを持つかを品目ごとに決めます。
- 品目:すべての品目で必須。品目コードの付け方はマスタデータ整備とコード体系の決め方で解説しています
- 倉庫(拠点):倉庫・営業所・店舗が複数あれば必須
- 棚番(ロケーション):品目数が多い、ピッキングの担当が入れ替わる倉庫で必要
- ロット・製造日・期限:期限のある品、品質の追跡を求められる品で必要
- シリアル番号:機器・高額品など、1個ずつ追う必要のある品で必要
- 状態:良品・検査待ち・不良・保留を分ける必要があれば必要
粒度を全品目でそろえる必要はありません。品目の区分で入力の要否を切り替え、システムごとに持つ粒度を分けると、現場の負担と在庫の精度を両立できます。
※説明用の例です。
在庫管理の要件でよく出るのが「リアルタイムで在庫を見たい」という要望です。ここで確認したいのは、誰が、どの在庫を、何のために見るかです。営業が受注時に見る有効在庫は即時性が必要ですが、経営が見る在庫金額は日次や月次で十分なことがほとんどです。全部の在庫を即時に連携しようとすると、連携の作り込みと通信のエラー対応が増えます。見る人と目的ごとに、即時・数十分おき・日次・月次を分けて決めると、連携の費用と保守を抑えられます。
在庫の評価方法で、同じ在庫の金額が変わる
在庫管理システムと基幹システムをつなぐとき、経理の観点で決めておくのが在庫の評価方法です。国税庁の「棚卸資産の評価方法の届出書」の記載要領では、法人が選べる原価法として、個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、最終仕入原価法、売価還元法の6つが挙げられ、それぞれに低価法を組み合わせることもできます。所得税について国税庁は、届出により選択をしなかった場合は最終仕入原価法が適用されると案内しています。評価方法を変える場合は、税務署長の承認の申請が必要です。
数値例:同じ1か月の入出庫を3つの方法で評価する
ある品目の1か月の動きが次のとおりだったとします。
- 月初:100個 × 1,000円 = 100,000円
- 5日:200個を1,090円で仕入(218,000円)
- 10日:150個を出荷
- 20日:100個を1,120円で仕入(112,000円)
- 25日:100個を出荷
- 月末の在庫:150個
| 評価方法 | 計算の仕方 | 月末在庫150個の金額 | 出荷分の原価(売上原価) |
|---|---|---|---|
| 移動平均法 | 仕入のたびに平均単価を出し直す。5日に1,060円、20日に1,084円 | 162,600円 | 267,400円 |
| 総平均法 | 月初と当月仕入の合計430,000円 ÷ 400個 = 1,075円 | 161,250円 | 268,750円 |
| 最終仕入原価法 | 月末在庫に、最後に仕入れた単価1,120円を掛ける | 168,000円 | 262,000円 |
※説明用の例です。実際の決算では、年度を通した計算や評価損の判定が加わります。
仕入単価が上がっている局面では、最終仕入原価法の在庫金額が最も高くなり、売上原価が小さく、利益が大きく出ます。どの方法が正しいという話ではありませんが、システムに求める機能が変わる点は押さえておきます。
- 移動平均法:入荷のたびに単価を更新するため、入荷時に仕入単価が確定している必要があります。単価が後から決まる取引(月末の値引・リベート、輸入の諸掛)がある場合、仮単価で入荷して後で修正する処理が要ります。
- 総平均法:月末に一度だけ単価を計算するため、月中の出荷時点では原価が確定しません。月中に粗利を見たい場合は、予定単価で仮の原価を出す仕組みを持つか検討します。
- 最終仕入原価法:計算は簡単ですが、品目ごとの利益の実態とずれやすくなります。管理会計では別の単価(標準原価や移動平均)で見る会社もあります。
評価方法の変更は税務の手続きに関わるため、システム刷新のついでに変えると決める前に、顧問税理士と相談してください。製造業で仕掛品や製品の原価を計算する場合の考え方は原価管理システムの選び方で解説しています。
基幹システムと連携させるときの注意点
受払区分をそろえる
在庫が増える・減る理由(受払区分)は、販売管理・購買・生産・会計で同じ区分を使えるようにします。たとえば、仕入入庫、返品入庫、生産完成入庫、売上出庫、生産払出、倉庫間移動、棚卸差異、廃棄、サンプル出庫などです。WMSでは「出庫」1種類しかないのに、会計では売上原価・見本費・廃棄損で仕訳を分けたい、というずれがよく起きます。区分の一覧を作り、区分ごとに会計の勘定科目まで対応づけてから連携を設計します。
締めのタイミングと、月末の出荷を決める
月末の夜に出荷した分を、WMSでは当月の出庫、基幹システムでは翌月の売上として扱うと、在庫と売上原価の月がずれます。在庫の締め時刻(例:月末日の何時まで)と、締め後に発生した入出庫の扱いを、倉庫・営業・経理で決めておきます。出荷した後、相手の検収前の在庫(積送品)を持つかどうかも、ここで決めます。
棚卸差異を、どちらで直すか
実地棚卸で帳簿と実物が合わなかったとき、WMSで直すのか、基幹システムで直すのかを決めておきます。基本は、実物の数を正として持つシステム(多くはWMS)で直し、その結果を棚卸差異の区分で基幹システムに連携する流れです。両方で別々に修正すると、差異の金額が二重に計上されます。棚卸差異の理由(入力漏れ、誤出荷、破損など)を記録できるかも、選定時の確認ポイントです。
連携データの項目を、1件の入出庫で書き出してみる
WMSと基幹システムの間で受け渡すデータは、「在庫数を送る」と一言で済ませず、1件の入出庫にどの項目を付けるかを表に書き出してから決めます。少なくとも次の項目がそろっていないと、後から差異の原因を追えません。
- 伝票番号と行番号:基幹の受注・発注の番号と、WMSの作業番号の両方。二重取込や取込漏れの確認に使う
- 受払区分:仕入入庫・売上出庫・移動・棚卸差異など、会計の勘定科目に対応づけた区分
- 品目コード・倉庫・状態:基幹とWMSで同じコード体系か、変換表が要るか
- 数量と単位:ケースとバラが混ざる品目は、どちらの単位で渡すか
- 計上日と作業日時:月末の締めをどちらの日付で判定するか
- ロット・期限:基幹で持たない場合も、出荷先の追跡に必要ならWMS側に残す
あわせて、連携が失敗したときに誰が気づき、どの順番で再送するかも決めます。取込エラーの一覧を毎朝確認する担当者を置くだけでも、月末にまとめて差異が見つかる事態を防げます。
物流効率化法と、入荷・出荷のデータ
経済産業省の「荷主向け!物流効率化法の概要」によると、2025年4月から、すべての荷主に、荷待ち時間・荷役時間の短縮や積載効率の向上の努力義務が課されています。取り組みの例として、トラック予約受付システムの活用、パレット化、タグなどによる検品の効率化、事前出荷情報の活用が挙げられています。さらに2026年4月からは、年度の取扱貨物の重量が9万トン以上の荷主は特定荷主として、中長期計画の作成や定期報告、物流統括管理者の選任が義務になりました。定期報告では、荷待ち時間と荷役等の時間を分けて計測し、施設ごとの平均時間を報告するとされています。
特定荷主に当たらない中小企業でも、取引先の大手荷主や物流会社から、事前出荷情報の送付やパレット単位での入出荷を求められる場面は増えると考えられます。在庫管理システムを選ぶときは、出荷予定のデータを事前に相手へ送れるか、入荷予定のデータを受け取って検品に使えるかも確認しておくと、取引先の要請に対応しやすくなります。
在庫管理システムの導入の進め方:在庫の精度を上げる順番
在庫管理システムは、入れた日から在庫が合うわけではありません。帳簿と実物のずれは、旧システムからそのまま引き継がれるからです。次の順番で進めると、稼働後の差異を小さくできます。
- 今の差異の実態を数える
直近の棚卸で差異が出た品目を、件数と金額の大きい順に並べます。差異の理由(入力漏れ、返品の登録忘れ、単位の取り違え)を、上位の品目だけでも確認します。 - 品目マスタと受払区分を整える
同じ品目に複数のコードがないか、ケースとバラなど単位の換算が正しいかを確認し、受払区分の一覧を決めます。 - 棚番と置き場のルールを決める
WMSを入れる場合は、棚番の付け方と、1つの棚番に複数の品目を置くかどうかを決めます。ルールのない倉庫にシステムを入れても、棚番の在庫は合いません。 - 一部の倉庫・品目で試験運用する
出荷件数の多い品目群や1つの倉庫で先に運用し、入出庫の入力の手間と、連携のずれを確認します。 - 切替の前後で棚卸をする
切替の直前に実地棚卸をして新システムの初期在庫とし、稼働1か月後に再度棚卸をして差異を確認します。差異の出た受払区分と操作を特定し、手順を直します。
本番の切替をいつ、どの条件で判断するかは稼働判定と本番切替で解説しています。
在庫管理システムの選定前チェックリスト
- 数量・場所・状態・金額の4つの軸のうち、どれをどのシステムで持つかを決めた
- 1日の出荷件数、品目数、倉庫・拠点の数を把握している
- ロット・期限・シリアルを管理する品目を、品目の区分で切り分けた
- 実在庫・引当済・入荷予定・有効在庫を、どのシステムで計算するかを決めた
- 営業が受注時に見る在庫の更新頻度(即時・数十分おき・日次)を決めた
- 在庫金額の評価方法と、仕入単価が後から決まる取引の扱いを経理と確認した
- 受払区分の一覧を作り、会計の勘定科目と対応づけた
- 月末の締め時刻と、積送・預け在庫の扱いを決めた
- 棚卸差異をどちらのシステムで直し、どう連携するかを決めた
- 取引先から求められている入出荷データ(事前出荷情報など)を確認した
- 品目・倉庫・取引先のマスタを、どのシステムが正として持つかを決めた
移行の段階では、旧システムの在庫数と金額を新システムに移し、品目・倉庫ごとに照合する作業が必要です。照合とリハーサルの進め方は基幹システムのデータ移行で解説しています。
よくある質問
在庫管理はExcelのままではだめですか?
品目数・出荷件数が少なく、担当者が1人で更新している間はExcelでも回ります。問題になるのは、複数の人が同時に更新する、受注や出荷のたびに転記している、月末に在庫金額を手で計算している、という状態です。こうなると、数字の食い違いと締めの遅れが毎月起きるため、システム化を検討する時期です。
販売管理システムに在庫機能があれば、在庫管理システムは要りませんか?
倉庫が少なく、棚番やロットの細かい管理が不要なら、販売管理システムの在庫機能で足りることが多くあります。出荷件数が多い、ロットや期限の管理が必要、ハンディ端末で検品したい、という場合は、WMSなどの併用を検討します。併用するなら、在庫の正をどちらに置くかを先に決めます。
在庫の数が合わない原因は、システムの問題ですか?
多くの場合、システムよりも運用の問題です。入出庫の入力漏れや後回し、返品や移動の登録忘れ、締め時刻のずれが典型です。システムを替える前に、差異の出る品目と受払区分を一覧にし、どの操作で漏れているかを確認すると、新システムで防ぐべき点がはっきりします。
クラウドの在庫管理ツールと基幹システムは連携できますか?
多くのツールが連携の仕組みを用意していますが、連携できる項目と頻度は製品ごとに違います。品目・倉庫・取引先のマスタをどちらで持つか、在庫数をどちらからどちらへ何分おきに渡すか、エラー時にどう再送するかを確認してください。
在庫の評価方法は、システム刷新にあわせて変えるべきですか?
刷新を理由に変える必要はありません。評価方法の変更には税務署長の承認の申請が必要で、決算の数字の比較にも影響します。新システムが現在の評価方法で計算できるかをまず確認し、変える場合は顧問税理士と時期と手続きを相談してから、システムの設定に反映します。
在庫の二重管理、連携の決め忘れ、移行時の数字の不一致など、構想策定から稼働後までに起きやすい20の問題と防ぎ方を、リスクチェックリスト25とあわせてまとめた資料です。
資料をダウンロードする(無料)まとめ
在庫管理システムの選び方は、数量・場所・状態・金額の4つの軸を、どのシステムでどこまで持つかを決めることから始まります。基幹システムの在庫機能、WMS、単体の在庫管理ツールは、それぞれ得意な軸が違います。出荷件数・品目数・ロット管理の要否・在庫の場所・金額の精度で、自社に合うタイプを選びます。
基幹システムと連携させるときは、実在庫と有効在庫を分けて持ち、どちらのシステムの数字を正とするかを1つに決めてください。あわせて、評価方法と仕入単価の確定タイミング、受払区分、締め時刻、棚卸差異の直し方を決めておくと、連携後の数字の食い違いを大きく減らせます。
自社の在庫の持ち方をどこから整理すべきか迷っている方は、無料診断で現状の課題と、刷新の前に決めるべきことを整理します。
フェーズ別のリスクチェックリスト25つき
資料をダウンロードする

