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飲食店の人手不足はなぜ起こる?原因と採用・SNS活用による解決策を解説

飲食店における人手不足の原因と、SNS活用による解決策を解説する記事。ヨビコムのコラムサムネイル

募集をかけても人が集まらず、少ない人数でシフトを回している。飲食店の人手不足は、いまや一時的な問題ではなく構造的な課題になっています。本記事では人手不足の現状をデータで確認したうえで、5つの原因と店舗運営への影響、そして採用とSNS活用による解決策を解説します。

「募集しても応募が来ない」「採用してもすぐ辞めてしまう」といったお悩みは、採用と定着の両面から設計を見直すことで解消できることがあります。

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飲食店の人手不足の現状|データで見る水準

まず、飲食店の人手不足がどの程度の水準にあるのかを確認します。感覚ではなく数字で押さえておくと、打ち手にかける予算の判断がしやすくなります。

帝国データバンクの調査によると、非正社員が不足していると答えた企業の割合は、飲食店で59.1%と業種別で2番目に高い水準です

出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」

同じ調査では、企業全体で正社員不足が50.6%と4年連続で半数を超えています。人手不足は飲食業に限った話ではなく、他業種との人材の取り合いになっている状況です。

割合は下がっているが、水準は依然として高い

注意したいのは、飲食店の非正社員の不足割合が前年同月比で6.2ポイント低下している点です。ピーク時からは緩んでいるものの、約6割の店舗が「非正社員が足りない」と答える状態が続いていることに変わりはありません。

つまり、市況が自然に回復するのを待つ前提では埋まりません。自店で採用と定着の仕組みをどう整えるかが問われる局面だといえます。

飲食店が人手不足に陥る5つの原因

はじめに、飲食店の採用がなぜ難しくなっているのかを整理します。打ち手を選ぶ前に、自店がどの理由でつまずいているのかを見極めておくと、投じる時間と費用の配分を判断しやすくなります。

原因1:仕事のイメージが定着し、候補者の母数が減っている

飲食業には「きつい・休みにくい・給与が上がりにくい」というイメージが根強く残っています。実態が改善している店舗であっても、業界全体のイメージで候補から外されることがあります。

この段階でつまずいている場合、条件を少し良くしても効果は限られます。自店の実際の働き方が外から見えていないことが、母数の少なさに直結します

原因2:求人媒体に出しても埋もれやすい

飲食業はアルバイト・パートの募集が多く、同じエリア・同じ職種の求人が並びます。掲載枠のなかで比較されるため、条件が近い店同士では給与や勤務地といった数字だけで判断されやすくなります。条件で上回れない店は、そもそも候補に入る前に見送られてしまいます。

原因3:働くイメージが伝わらず応募に至らない

求人原稿では文字数の制約があり、店の雰囲気やスタッフの人柄までは伝えきれません。とくに未経験者やブランクのある応募者は「自分がそこで働けるか」がわからないと応募をためらいます。職場の空気が事前に伝わっていないことは、応募数だけでなく入社後の定着にも影響します。

原因4:採用担当を置けず、対応が後回しになる

多くの飲食店では店長や社員が営業と兼任で採用を担っています。応募への返信が遅れれば他店に決まってしまうため、スピードで負ける構造そのものが応募の取りこぼしにつながります。誰がいつ対応するのかを決めておかないと、媒体を増やしても成果は伸びにくくなります。

原因5:採用できても定着せず、募集を繰り返している

採用と同じくらい人手不足を左右するのが定着です。入社後すぐに辞めてしまえば、また同じ募集コストが発生します。

入社前に聞いていた話と現場が違う、教えてもらえる相手がいない、といったギャップは早期離職につながりやすいポイントです。採用施策だけを増やしても、出口が開いたままでは人数は積み上がりません。

人手不足が店舗運営に与える3つの影響

人手不足を放置すると、採用の問題にとどまらず店舗運営そのものに波及します。先に影響を把握しておくと、どこから手を打つべきかの優先順位がつけやすくなります。

  • 営業面:営業時間の短縮や席数の制限が必要になり、売上機会を失う
  • 品質面:一人あたりの負担が増え、提供スピードや接客の質が落ちやすくなる
  • 組織面:既存スタッフの負担増が離職を呼び、人手不足がさらに進む

とくに注意したいのは3つ目です。残った人に負担が集中すると、その人たちの離職を招き、人手不足が加速する悪循環に入ります。募集を出す前に、いまいる人の負荷を確認しておく必要があります。

飲食店の人手不足を解消する5つの解決策

ここからは具体的な打ち手を整理します。設備投資や業務効率化も有効ですが、本記事では採用と定着の観点から5つに絞って解説します。

解決策1:ターゲットを絞り、訴求を作り分ける

「誰でもいいので来てほしい」という募集は、結果として誰にも刺さりません。主婦・パート、学生アルバイト、正社員、経験者、未経験者では、重視する条件も響く言葉も異なります。

対象ごとに訴求を作り分ける前提を整えるだけで、同じ媒体でも応募の質が変わります。まずは今いちばん埋めたいポジションを一つ決めるところから始めましょう。

解決策2:求人媒体とSNSを役割で使い分ける

求人媒体は「いま探している人」に届き、SNSは「まだ探していない人」に店を知ってもらう手段です。どちらか一方ではなく、役割を分けて併用するのが現実的です。詳しい使い分けは本記事の後半で解説します。

解決策3:働く姿が伝わる採用サイト・採用動画を用意する

求人原稿では文字数の制約があり、店の雰囲気やスタッフの人柄は伝えきれません。現場の様子が伝わる採用動画や採用ページを用意しておくと、応募前の不安を下げられます。

入社後のギャップが減れば、定着率にも効いてきます。採用と定着は別の施策ではなく、同じ情報発信でつながっています。

解決策4:応募対応のスピードを仕組みで担保する

応募から連絡までの時間が長いほど、他店に決まってしまう確率は上がります。誰がいつ返信するのか、返信テンプレートをどこに置くのかを決めておきましょう。

担当者の頑張りではなく、仕組みで対応速度を担保することが取りこぼしを防ぐ近道です

解決策5:定着施策で「採って辞める」を止める

入社初日の受け入れ、最初の1か月の教育担当、定期的な面談。この3つを決めておくだけでも早期離職は減らせます。

募集を増やす前に、直近1年で辞めた人がいつ・なぜ辞めたのかを振り返ってみてください。出口をふさぐほうが、入口を広げるより費用対効果が高い場面は少なくありません。

解決策の実務①|SNSが人手不足対策に効く理由と活用実態

飲食店のSNS集客が重要な理由|データで見る活用実態

スマートフォンの普及により、飲食店を探す行動はグルメサイト中心からSNS中心へと移りつつあります。まずは、飲食店が実際にどれくらいSNSを活用しているのか、最新の調査データから現状を確認していきましょう。

SNSは無料で始められ、料理や店内の雰囲気を視覚的に伝えられるため、飲食店と相性が良い集客手段だと考えられています。一方で、成果につなげられている店舗は一部にとどまるという実態も見えてきます。

飲食店の約8割がInstagramを活用している

株式会社シンクロ・フードが飲食店経営者・運営者を対象に実施した調査によると、定期的に運用している自店SNSとして最も多く挙げられたのはInstagramで、開設率は約79%にのぼりました。次いでFacebookが約47%、X(旧Twitter)が約26%、LINE公式アカウントが約18%という結果です。

出典:株式会社シンクロ・フード「飲食店のSNS活用状況を調査。インスタ活用は約8割、『投稿内容』や『フォロワー獲得』に難しさ」2024年

この結果から、写真や動画でメニューの魅力を伝えやすいInstagramが、飲食店のSNS集客の主力になっていることがうかがえます。まだSNSに着手していない場合は、まずInstagramから始めるのが現実的な選択肢だと言えるでしょう。

ただし、開設率が高いこと自体が成果を保証するわけではありません。同じ調査では、集客・認知拡大の面でInstagramの効果を実感したと回答した店舗は約48%にとどまっており、開設していても手応えを得られていない店舗が一定数あることが読み取れます。

98.6%が「自店で運用」|内製が主流という現実

SNS運用というと外部の代行会社に任せるイメージを持つ方もいますが、実態は大きく異なります。前述の調査では、SNSアカウントを外部の委託業者に任せていると回答した飲食店はわずか約1%で、98.6%の飲食店が自店でSNSを運用していることがわかりました。

出典:株式会社シンクロ・フード「飲食店のSNS活用状況を調査」2024年

さらに、外部委託の見通しについては約74%が「現在も今後も委託を検討していない」と回答した一方で、約16.5%は「いずれは委託を検討したい」としています。運用の負担を感じつつも、まずは自店で取り組む店舗が大多数だという傾向が見て取れます。

この現実を踏まえると、多くの飲食店にとって現実的なのは、限られた人員と時間のなかで無理なく続けられる運用体制をつくることです。次章以降では、その前提に立って「使い分け」「始め方」「続け方」を具体的に解説していきます。

解決策の実務②|飲食店に向くSNSの種類と使い分け

飲食店に向くSNSの種類と使い分け

SNSはそれぞれ得意分野が異なるため、自店の目的やターゲットに合わせて選ぶことが大切です。ここでは飲食店で活用されることの多い4つのSNSについて、特徴と向いている使い方を整理します。

まずは全体像を、下の比較表で確認してください。「新規認知はInstagram、リピーター化はLINE、拡散はX、動画で若年層はTikTok」と役割を分けて考えると選びやすくなります。

SNS得意なこと主なターゲット向いている使い方
Instagram写真・動画での世界観の訴求10〜40代新規認知・来店動機づくり
LINE公式アカウント再来店の促進・直接配信既存客・リピータークーポン・再来店の後押し
X(旧Twitter)拡散・リアルタイム告知20〜40代空席・限定情報の即時発信
TikTok・YouTube動画による発見・話題化若年層中心新規層への認知拡大

Instagram|写真で「行ってみたい」を作る主力チャネル

Instagramは画像・動画を主体とするSNSで、料理の見た目や店内の雰囲気といった飲食店の魅力を視覚的に伝えやすい点が特徴です。ハッシュタグや位置情報から店舗を探すユーザーも多く、「発見」から「来店したい」への動機づけに強いと考えられます。

プロフィール欄に予約リンクや営業情報を整えておけば、投稿を見たユーザーがそのまま予約・来店へ進みやすくなります。リール(短尺動画)やストーリーズを組み合わせると、静止画だけよりも幅広い見せ方ができるでしょう。

一方で、投稿の世界観やトーンがばらつくとファンが定着しにくい傾向があります。写真の色味やレイアウトに一定のルールを設け、アカウント全体で統一感を持たせることが、フォロワーを増やすうえでのポイントになります。

LINE公式アカウント|リピーター化と再来店に強い

LINE公式アカウントは、友だち登録してくれた顧客に直接メッセージを届けられるSNSです。新規獲得よりも、一度来店した顧客をリピーターに育てる役割で効果を発揮しやすいと言えます。

クーポンの配信や予約受付、ショップカード機能などを備えており、再来店を後押しする仕掛けをつくりやすい点が強みです。閲覧率が高いとされ、届けたい情報をしっかり伝えたいお知らせと相性が良いと考えられます。

ただし、配信頻度が高すぎるとブロックにつながる可能性があります。友だち限定のメリットを明確にしつつ、配信は要点を絞ることが、長く関係を続けるコツになります。

X(旧Twitter)|拡散とリアルタイム告知に強い

Xは短文と画像・動画を手軽に投稿でき、リポストによる拡散力の高さが魅力です。当日の空席状況や数量限定メニューなど、即時性の高い情報の発信に向いていると考えられます。

フォロワー以外にも投稿が届きやすいため、思いがけず話題になり、新しい客層と接点を持てる可能性があります。キャンペーンやフォロー&リポスト企画とも相性が良いでしょう。

反面、拡散力が高いぶん不適切な投稿が広まりやすく、炎上のリスクも比較的高い傾向があります。複数人でのチェック体制や投稿ルールを整えたうえで運用することが望ましいと言えます。

TikTok・YouTube|動画で若年層に届く

TikTokやYouTubeは動画を主体とするプラットフォームで、テキストや静止画では伝わりにくい調理シーンや店の空気感を届けられます。とくにTikTokは若年層への影響力が大きく、新規の若い客層へのリーチを広げたい店舗に向いていると考えられます。

従業員が登場する企画やメニューのアレンジ動画など、エンターテインメント性を持たせた発信が話題化につながりやすい傾向があります。トレンドの音源やフォーマットを取り入れると、拡散のきっかけをつくりやすくなります。

ただし、動画は撮影・編集に一定の手間がかかります。まずはInstagramのリールと兼用できる縦型動画から始め、無理なく続けられる範囲でチャレンジするとよいでしょう。

解決策の実務③|SNS運用の始め方4ステップ

飲食店のSNS運用の始め方|4ステップ

SNS運用は「なんとなく始める」と成果が出ないまま挫折しやすいものです。ここでは、はじめての方でも迷わず着手できるよう、運用開始までの流れを4つのステップに分けて解説します。

下のチェックリストを上から順に埋めていけば、運用の土台が整います。最初に目的と数値目標を決めることが、継続と改善の出発点になります。

  • 目的(集客・再来店・認知拡大など)を1つに絞ったか
  • 目標となる数値(来店数・フォロワー数など)を決めたか
  • ターゲット像(ペルソナ)を具体化したか
  • 使うSNSと投稿の型を決めたか
  • 投稿頻度と担当・撮影のルールを決めたか

STEP1|目的と数値目標(KPI)を決める

最初に「なぜSNSを運用するのか」を明確にします。集客なのか、リピーター化なのか、認知拡大なのかによって、選ぶSNSも投稿内容も変わってくるためです。

目的が決まったら、「3か月でフォロワー500人」「SNS経由の予約を月10件」といった具体的な数値目標に落とし込みましょう。数値があることで、後から効果を振り返り、改善の判断がしやすくなります。

いきなり複数の目的を追うと投稿がぶれてしまいます。まずは自店にとって優先度の高い目的を1つに絞り込むことが、続けやすさにつながります。

STEP2|ターゲットと投稿の「型」を決める

次に、誰に届けたいのかを具体化します。年齢・性別・利用シーン(ランチ利用かデート利用かなど)まで踏み込んでターゲット像を描くと、刺さる投稿を設計しやすくなります。

ターゲットが定まったら、投稿の「型」をいくつか用意しておきましょう。新メニュー紹介・仕込み風景・お客様の声・営業情報など、パターンを決めておくと、毎回ゼロから考える負担が減ります。

  • 新メニュー・季節限定メニューの紹介
  • 仕込みや調理の風景(働く人の姿が伝わる)
  • お客様の声・口コミの紹介
  • 営業時間や臨時休業などのお知らせ
  • スタッフ紹介(採用の入口になる)

実際の調査でも、SNS運用で難しいと感じることの第1位は「投稿の内容やネタを考えること」で、約42.5%が挙げています。

出典:株式会社シンクロ・フード「飲食店のSNS活用状況を調査」2024年

投稿の型をあらかじめ決めておくことは、この「ネタ切れ」への有効な対策になります。

STEP3|運用ルールと投稿頻度を設計する

継続のためには、無理のない運用ルールを先に決めておくことが重要です。投稿頻度は毎日を目指す必要はなく、続けられる範囲で設定するのが現実的です。

担当者・投稿タイミング・撮影のルールを決め、可能であればスプレッドシート等で投稿予定を管理するとよいでしょう。「いつ・誰が・何を投稿するか」を仕組みとして決めておくことで、忙しい営業のなかでも運用が止まりにくくなります。

炎上を防ぐ観点からも、投稿前のチェック体制はあらかじめ整えておくのが望ましいと言えます。個人の判断だけに委ねず、複数人で確認する運用にしておくと安心です。

STEP4|投稿・分析・改善を繰り返す

運用を始めたら、投稿して終わりにせず、反応を見ながら改善を続けます。各SNSの分析機能を使えば、どの投稿が保存・シェアされたか、どの時間帯の反応が良いかを把握できます。

反応の良かった投稿の傾向を分析し、次の投稿に反映するという流れを繰り返すことで、投稿の精度は少しずつ高まっていきます。数値目標(KPI)と照らし合わせ、月に一度は振り返る機会を設けるとよいでしょう。

なお、SNS集客は短期間で急に成果が出るものではないと考えられています。数か月単位で腰を据えて取り組む前提で、無理のない改善サイクルを回していくことが大切です。

撮影・投稿・分析を店舗業務のなかで回しきれない場合は、外部との分担も検討できます。採用につながる発信の型づくりからお手伝いできます。

続かない飲食店のSNS運用を「仕組み化」する3つのコツ

ポイント

SNS運用の最大の壁は「続けられないこと」です。前述のとおり、ネタ切れ・フォロワー獲得・投稿の継続・作業時間の確保が、多くの飲食店に共通する悩みとして挙げられています。

これらは根性で乗り切るものではなく、運用を「仕組み」に落とし込むことで負担を軽くできる課題です。ここでは、続けるための3つの実践的なコツを紹介します。

コツ1|投稿ネタは「型」でストックする

毎回ネタをゼロから考えると、それだけで大きな負担になります。そこで、投稿の型を決め、写真や素材を日頃からストックしておく方法が有効です。

たとえば「新メニュー」「仕込み・裏側」「スタッフ紹介」「お客様の声」「季節・イベント」などの型を用意し、営業中に撮った写真を型ごとに分類して溜めておきます。素材が手元にあれば、投稿作業は「選んで文章を添えるだけ」に簡略化できるため、継続のハードルが下がります。

1週間分の投稿テーマをあらかじめ決めておく「投稿カレンダー」を作るのもおすすめです。迷う時間が減り、投稿の抜け漏れも防ぎやすくなります。

コツ2|撮影・投稿を営業フローに組み込む

SNS運用を「別作業」として切り出すと、忙しい日ほど後回しになりがちです。そこで、撮影や投稿を日々の営業フローの一部として組み込んでしまう方法が効果的です。

たとえば、新メニューを出す際は必ず提供前に撮影する、開店前の仕込み時間に翌日分の写真を撮っておく、といったルール化が考えられます。「業務のついでに素材が溜まる」状態をつくることで、運用の負担を最小限に抑えられます。

投稿そのものも、来店が落ち着くアイドルタイムなど、時間帯を固定すると習慣化しやすくなります。担当者が複数いる場合は、曜日ごとに分担するのも一つの方法です。

コツ3|UGC(お客様の投稿)を活用する

すべてのコンテンツを店側で用意しようとすると、運用は長続きしません。そこで活用したいのが、お客様自身が投稿してくれる写真や口コミ、いわゆるUGC(ユーザー生成コンテンツ)です。

来店客がハッシュタグ付きで投稿してくれた内容を、許可を得たうえでリポストや紹介に活用すれば、店側の制作負担を抑えながら、第三者目線の信頼できる情報を発信できるという利点があります。実際の調査でも、SNS運用の参考にしているものとして「他店のアカウント」に次いで顧客との関わりが重視される傾向がうかがえます。

店内にハッシュタグを掲示したり、投稿を促す声かけをしたりすることで、UGCは生まれやすくなります。お客様の投稿に丁寧に反応することも、ファンづくりとリピートにつながると考えられます。

飲食店のSNS・採用運用で押さえておきたい注意点

注意

SNSはメリットの大きい集客手段ですが、リスクや落とし穴も存在します。ここでは、運用を始める前に押さえておきたい注意点を整理します。

とくに意識したいのは、炎上リスクの管理と、SNSだけに依存しない集客設計の2点です。

炎上・不適切投稿のリスクを管理する

SNSは拡散力が高いぶん、不適切な投稿が広まると店舗の評判に大きな影響を及ぼす可能性があります。政治・宗教などのデリケートな話題を避ける、誤情報を発信しない、といった基本的な配慮が欠かせません。

対策としては、投稿前に複数人で確認する体制と、運用ガイドラインの整備が有効だと考えられます。個人アカウントとの取り違えを防ぐ運用ルールも決めておくと安心です。

また、従業員やお客様が写り込む写真では、プライバシーへの配慮と事前の許可が必要です。SNSを通じて受け取った個人情報の取り扱いにも注意を払いましょう。

SNSだけに頼らない|他施策との役割分担

SNSは強力な集客手段ですが、それ単独ですべてをまかなえるわけではありません。来店直前の検索行動には、Googleマップ上での見え方を高めるMEO(マップ検索対策)やグルメサイトも重要な役割を果たします。

下の表のように、各施策の役割を分担させ、組み合わせて設計することで、集客の取りこぼしを減らせると考えられます。

施策主な役割強み
SNS認知・ファンづくり拡散・世界観の訴求
MEO(Googleマップ)来店直前の獲得「今行ける店」を探す層に強い
グルメサイト予約・比較検討来店意欲の高い層に届く
公式サイト情報の受け皿正確な情報を自社で管理

SNSで興味を持ったユーザーが、地図や口コミで最終判断をして来店するという流れは少なくありません。SNSを起点にしつつ、受け皿となる導線を整えておくことが、成果を高めるうえで大切だと言えます。

成果が出ている飲食店のSNSに共通する4つのパターン

成功する飲食店SNSに共通する4つのパターン

成果を出している飲食店のSNSには、いくつかの共通点があります。調査データや一般的な傾向から見えてくる、成功しやすいアカウントの特徴を4つにまとめました。

目的の明確さ・投稿の一貫性・継続的な更新・顧客との双方向のやりとりが、多くの成功アカウントに共通する要素だと考えられます。

  • 目的が明確で、投稿内容に一貫性がある
  • 写真の色味やトーンが統一され、世界観が伝わる
  • 週1回以上など、無理のない頻度で更新が続いている
  • コメントやDMに丁寧に反応し、顧客との関係を育てている

目的が明確で投稿がぶれていない

成功しているアカウントは、「誰に何を届けるか」がはっきりしています。目的が定まっているため、投稿内容やSNSの選び方に一貫性があり、フォロワーにとって分かりやすい存在になっています。

反対に、思いつきで投稿を続けるアカウントは方向性が定まらず、フォロワーが定着しにくい傾向があります。まず目的を固定し、その目的に沿った投稿だけに絞ることが、遠回りのようで近道になります。

集客・認知拡大の面ではInstagramの効果を実感する店舗が多いことも調査で示されており、目的に合ったSNSを選ぶことの重要性がうかがえます。

継続と双方向コミュニケーションができている

もう一つの共通点は、地道な継続と、顧客との双方向のやりとりです。投稿を一定の頻度で続けているアカウントほど、フォロワーとの接点が増え、情報が届きやすくなる傾向があります。

とくに個人店では、コメントやDMへの丁寧な返信が、ファンづくりとリピートに直結すると考えられます。お客様の投稿に反応することも、良い関係づくりにつながります。

成果が出るまでには時間がかかるものです。短期の反応に一喜一憂せず、中長期的な視点でコツコツ続けることが、成功への近道だと言えるでしょう。

SNSで伝わった店の空気感を応募につなげるには、採用サイトや求人媒体への導線設計が欠かせません。

求人媒体とSNSの使い分けと支援事例

集客だけでなく「採用」にもSNSは活かせるのか

SNSは集客に効果的な一方で、人手不足に悩む飲食店では「採用にも使えるのか」という関心も高まっています。ここでは、採用面でのSNS活用について現状を整理します。

前述の調査では、求人・採用面で効果を得られたSNSについて約77.4%が「当てはまるものはない」と回答しており、採用面ではSNS単独での手応えを感じている店舗はまだ少数派です。

出典:株式会社シンクロ・フード「飲食店のSNS活用状況を調査」2024年

採用面では、求人媒体や店内告知のほうが反応が良いと感じている店舗も多く、集客と採用ではSNSの効き方が異なる点に注意が必要です。とはいえ、店の雰囲気や働く人の様子をSNSで発信し続けることは、応募のきっかけづくりや職場理解の促進という点で採用にもプラスに働く可能性があります。

SNSと求人媒体は「役割」で分ける

SNSと求人媒体は競合する手段ではなく、担う役割が異なります。求人媒体は「いま探している人」に届き、SNSは「まだ探していない人」に店を知ってもらう手段です。この前提を置くと、どちらにいくら配分すべきかが判断しやすくなります。

  • 求人媒体(Indeed・求人ボックス等):応募が欲しい時期に、条件で探している層へ届ける
  • SNS(Instagram・LINE等):日常的に店の雰囲気を伝え、応募前の不安を下げておく
  • 採用サイト:媒体やSNSで興味を持った人が「詳しく知る」ための受け皿にする

実務では、SNSで店の空気感を発信しておき、求人媒体や採用サイトへ動線をつなぐ形が現実的です。プロフィール欄に採用ページへのリンクを置く、求人原稿からSNSアカウントを案内するといった相互のつなぎ込みで、それぞれの弱点を補い合えます。

集客と採用の両面で情報発信を強化したい場合は、SNSに加えて、採用サイトの整備や採用ブランディングといった専門的な取り組みを組み合わせる方法もあります。飲食店の採用にお悩みの場合は、採用サイト制作や採用ブランディングを支援するヨビコムへの相談も選択肢の一つになります。

【支援事例】飲食企業のSNSが、採用の入口になった例

食品事業を手がける株式会社ナショナルフーズとの取引は、もともとInstagramの外部運用の相談から始まりました。対話を重ねるなかで見えてきたのは集客ではなく採用の課題で、紙媒体の求人・人材紹介・新卒イベントに年間300万円を投じて採用ゼロという年が続いていたのです。

Digital&が運営するヨビコムは、まず主婦パート・学生アルバイト・正社員・経験者・未経験者と対象ごとに訴求を作り分ける前提を整え、Indeedを中心とした求人検索対策で「まず見てもらえる状態」を作りました。転換点になったのは採用動画と採用サイトです。パート・アルバイト・従業員が台本なしで出演し、現場の雰囲気がそのまま伝わる内容にしています。

  • 対象(主婦パート・学生・正社員)ごとに訴求を作り分けた
  • Indeedを中心に求人検索で見つかる状態を作った
  • 現場のリアルが伝わる採用動画と採用サイトを用意した

結果として年間7〜8名の採用につながり、入社後のミスマッチも減りました。SNSで積み上げた「お店の空気感が伝わる素材」は、集客だけでなく採用の入口としても機能します。飲食店のSNS運用を採用にも活かすなら、投稿を採用サイトや求人へつなぐ導線まで含めて設計しておくことが有効です。

事例詳細:株式会社ナショナルフーズの採用支援事例

飲食店の人手不足に関するよくある質問(FAQ)

画像 FAQ

Q1|飲食店の人手不足はなぜ起こるのですか?

主な原因は5つあります。業界イメージによる母数の減少、求人媒体での埋もれ、働くイメージが伝わらないこと、採用担当を置けないこと、そして定着せず募集を繰り返すことです。自店がどこでつまずいているかを見極めると打ち手が絞れます。

Q2|人手不足の解消は何から始めるべきですか?

まずは直近1年の離職理由を振り返ることをおすすめします。採用を増やしても出口が開いていれば人数は積み上がりません。そのうえで、いちばん埋めたいポジションを一つ決め、対象に合わせた訴求を作るのが現実的な順序です。

Q3|SNSを始めてどれくらいで効果が出ますか?

効果が出るまでの期間には個人差があり、一般的に短期間で急に成果が出るものではないと考えられています。数か月単位で継続し、投稿と改善を繰り返すなかで、少しずつ手応えが得られるケースが多い傾向があります。

Q4|採用や運用を外部に依頼すべきですか?

調査では98.6%の飲食店が自店で運用しており、まずは内製で始めるのが一般的です。

出典:株式会社シンクロ・フード「飲食店のSNS活用状況を調査。インスタ活用は約8割」2024年

運用の負担が大きい場合や、より戦略的に取り組みたい場合には、投稿代行や分析・コンサルティングを外部に委託する選択肢もあります。費用は依頼する範囲によって幅があるため、目的に合わせて検討するとよいでしょう。

まとめ|飲食店の人手不足は採用の設計で変えられる

まとめ|飲食店のSNS集客は「目的設定」と「仕組み化」がカギ

飲食店のSNS集客は、多くの店舗が取り組む一方で、成果につなげられている店舗は一部にとどまります。その差を生むのは、特別な才能ではなく、目的を明確にし、無理なく続けられる運用の仕組みをつくれているかどうかです。

本記事のポイントを改めて整理すると、次のとおりです。目的に合わせてSNSを使い分け、投稿を型でストックし、営業フローに運用を組み込むことが、続けるための基本になります。

  • 飲食店の約8割がInstagramを活用し、集客の主力になっている
  • 約98.6%が自店運用のため、続けられる仕組みづくりが重要
  • 投稿は「型」でストックし、営業フローに組み込むと続けやすい
  • SNSだけに頼らず、MEOやグルメサイトと役割分担する

まずは目的を1つに絞り、Instagramの投稿を型で用意するところから始めてみてください。集客に加えて採用面での情報発信も強化したい場合は、採用サイト制作や採用ブランディングを支援するヨビコムへお気軽にご相談ください。

求人媒体の運用から採用サイト・採用動画の制作まで、飲食店の採用をまとめてご支援します。まずは現状整理からお気軽にご相談ください。

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