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AI面接の導入前に確認すること|向く会社・向かない会社と公正な選考

「応募は来るのに面接の日程が組めない」「面接官によって評価がばらつく」。そんな悩みから、AI面接の導入を検討している企業もあるのではないでしょうか。一方で、資料を取り寄せたものの「うちの規模で本当に必要か」「応募者に失礼にならないか」と判断に迷う担当者も多いはずです。

この記事では、AI面接の仕組みやサービス比較ではなく、導入を決める前に企業が確認すべきことに絞って解説します。向く会社・向かない会社の判定表、公正な採用選考と個人情報のルール、ベンダーへの確認項目、4週間の試験導入の手順、そのまま使える指示文までまとめました。

AI面接を入れるべきか、入れるならどこまで任せるか。判断に迷ったらヨビコムにご相談ください。

目次 隠す

AI面接の導入判断は「ツール」より「自社の選考の形」で決まる

AI面接は、応募者がスマートフォンやパソコンで質問に答え、その回答をAIが文字起こし・分析する仕組みです。あらかじめ録画した回答を評価する「録画型」と、AIが質問を投げかけて対話する「対話型」があります。基本の仕組みやメリット、主なサービスの違いは「AI面接とは?仕組み・メリット・主要サービスの比較」で解説しています。

導入の成否を分けるのは、ツールの機能差よりも自社の選考の形です。質問と評価基準が決まっていない会社がAI面接を入れても、評価のばらつきは減りません。AIは「決められた物差しで同じように測る」ことは得意ですが、物差しそのものは作ってくれないからです。

導入前に確認したいのは、次の4点です。

  1. 応募数と面接の負担:一次面接の件数が、面接官の時間を圧迫しているか
  2. 評価基準:職種ごとに「何を見て合格とするか」が言葉になっているか
  3. 応募者層:スマートフォンでの録画や対話に抵抗が少ない層か
  4. ルール:公正な採用選考と個人情報の扱いについて、説明できる状態か

1と3は「向くかどうか」、2と4は「入れてよい状態か」を見る項目です。次の章から順に確認していきます。

AI面接が向く会社・向かない会社の判定表

AI面接を導入する前の判断フロー。応募数、評価基準、応募者層、ルール整備の4つを確認し、試験導入か見送りかを決める

AI面接が力を発揮するのは、同じ職種に多くの応募があり、一次選考で確認したい内容がある程度決まっている場面です。反対に、応募が月に数件で、社長が一人ひとりと話して決めている会社では、導入の手間が効果を上回りやすくなります。

自社がどちらに近いか、次の表で確認してください。「向く」に当てはまる項目が多いほど、試験導入を検討する価値があります。

確認項目向く傾向向かない傾向
一次面接の件数同じ職種で月20件以上など、面接官の時間が足りない月に数件で、日程調整も負担になっていない
募集職種販売・コールセンター・アルバイトなど、同じ職種を繰り返し募集する専門職や管理職など、1名ずつ条件が違う
評価基準職種ごとに見るべき行動が言葉になっている「会ってみて決める」が中心で、基準が文書にない
応募者層スマートフォンでの録画や対話に慣れた層が多いデジタル機器に不慣れな応募者が多い職種・地域
応募者の時間帯在職中や遠方の応募者が多く、平日日中の面接が難しい近隣からの応募が中心で、来社面接の負担が小さい
面接官の体制複数の面接官がいて、評価のばらつきが課題面接官が1人で、ばらつきの問題が起きにくい
社内ルール応募者情報の扱いや保存期間のルールがある応募書類の保管場所や削除の時期が決まっていない

「向かない傾向」に当てはまる項目があっても、すぐに見送る必要はありません。評価基準や社内ルールは、導入前に整えれば解消できます。一方、応募数が少なく応募者層も合わない場合は、まず日程調整の自動化や面接シートの整備から始める方が、費用対効果は高くなりやすいです。

AI面接より先に整えた方がよいケース

次のような状態なら、AI面接より前に打つ手があります。

  • 面接の日程調整に時間がかかっている → 日程調整ツールや連絡文のテンプレート化
  • 面接官ごとに聞くことが違う → 質問項目と評価シートの統一
  • 辞退が多い → 応募から面接までの連絡の速さを見直す

質問と評価項目の作り方は「面接質問集50選|採用ミスマッチを防ぐ質問の作り方」や「面接シートの作り方」が参考になります。

導入前に押さえる「公正な採用選考」のルール

AI面接を使っても、採用選考の基本的なルールは変わりません。厚生労働省は、公正な採用選考の基本を「応募者の基本的人権を尊重すること」と「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」の2点としています。

さらに、厚生労働省の公正採用選考の特設サイトでは、よくある質問の中で次のように明記されています。AIの活用を含むいかなる方法による選考であっても、公正な採用選考の基本的な考え方を遵守する必要があるという趣旨です。

出典:公正な採用選考の基本(厚生労働省)/よくある質問(厚生労働省「公正な採用選考をめざして」)

面接では「質問項目と評価基準を先に決める」

厚生労働省は面接について、あらかじめ質問項目や評価基準を決めておき、適性・能力に関係のない事項を尋ねないよう求めています。評価は、できるだけ客観的かつ公平に行うこととされています。

AI面接は、この「先に決める」を仕組みで支える道具になり得ます。逆にいえば、AIが自動で質問を作ったり、評価項目をサービス側に任せきりにしたりすると、自社で説明できない選考になります。

また、適性検査について厚生労働省は、結果を絶対視したりうのみにしたりしないこと、結果のみで採否を決めないことを求めています。AIの評価結果も、同じ姿勢で扱うのが安全です。

出典:公正な採用選考の基本(厚生労働省)/採用選考の具体的な方法(厚生労働省「公正な採用選考をめざして」)

「就職差別につながるおそれがある14事項」を把握しない

厚生労働省は、就職差別につながるおそれがある具体的な事項として14事項を挙げています。1つ目のまとまりは、本籍・出生地、家族、住宅状況、生活環境・家庭環境といった「本人に責任のない事項」です。

2つ目は、宗教、支持政党、人生観、尊敬する人物、思想、労働組合、購読新聞・愛読書といった「本来自由であるべき事項」です。3つ目として、身元調査や、必要性のない健康診断の実施など「採用選考の方法」も含まれます。

令和6年度にハローワークが把握した854件の指摘の内訳では、「家族に関すること」の質問が多くを占めています。AI面接の質問を自社で設定できる場合は、この14事項に触れる質問が入っていないかを導入前に確認します。

出典:採用選考時に配慮すべき事項(厚生労働省「公正な採用選考をめざして」)

職業安定法:応募者の個人情報は「目的を明らかにして」集める

職業安定法第5条の5は、労働者の募集を行う者にも適用されます。業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして求職者等の個人情報を収集することが求められます。保管・使用も、収集の目的の範囲内に限られます。

同条に関する指針(平成11年労働省告示第141号)は、原則として収集してはならない情報を挙げています。人種・民族・社会的身分・門地・本籍・出生地など社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想及び信条、労働組合への加入状況です。AI面接で録画・録音する映像や音声も、この考え方の中で扱います。

出典:職業安定法 第5条の5(e-Gov法令検索)/指針(平成11年労働省告示第141号)(抄)(新潟労働局)

個人情報と「AIを使っていること」の伝え方

AI面接では、応募者の顔の映像、声、回答内容を扱います。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、本人が判別できる映像情報や、特定の個人を識別できる音声録音情報を「個人情報」の例として挙げています。

個人情報保護法では、利用目的をできる限り特定し(第17条)、取得の際は利用目的を本人に通知または公表する(第21条)ことが求められます。応募フォームなど書面で本人から直接取得する場合は、あらかじめ利用目的を明示する必要があります。病歴など「要配慮個人情報」は、原則として本人の同意なく取得できません(第20条第2項)。

出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(個人情報保護委員会)/個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)

評価の参考にするなら「AIを使っている旨」を通知する

総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」は、AIを業務で使う「AI利用者」にとって重要な事項を挙げています。その一つが、AIの出力結果を特定の個人の評価の参考にする場合の扱いです。AIを利用している旨を評価対象の本人に通知し、人間による合理的な判断のもとで説明責任を果たすことが示されています。

同ガイドラインは、人がAIを過度に信頼して判断が引きずられる「自動化バイアス」にも注意を促しています。AIの評価を承認するときは、人自身が理由や根拠を考えてから承認するべきだという考え方も紹介されています。

出典:AI事業者ガイドライン(第1.2版)(総務省・経済産業省・2026年3月31日)

国内のAI法と、EUで採用AIが「高リスク」とされている点

日本では「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(令和7年法律第53号)が2025年6月に公布され、9月に全面施行されました。AIを事業活動で活用する「活用事業者」に、国の施策への協力などを求める内容です(第7条)。国は、国際的な規範の趣旨に即した指針の整備などを行うとされています(第13条)。

出典:人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(e-Gov法令検索)/AI事業者ガイドライン(第1.2版)(総務省・経済産業省・2026年3月31日)

EUの人工知能法(Regulation (EU) 2024/1689)は、附属書IIIで「採用または選考」に使うAIを高リスクに分類しています。対象を絞った求人広告の配信、応募書類の分析・選別、候補者の評価に使うものが例として挙げられています。職場での感情推定AIの使用は、医療・安全目的を除き禁止されています(第5条第1項(f))。

高リスクAIに関する主な義務は、当初2026年8月2日から適用される予定でした。2026年7月に官報に掲載された改正(Digital Omnibus on AI)により、附属書IIIの分野は2027年12月2日からの適用に変わっています。日本国内だけで採用する中小企業に直接適用されるものではありません。それでも、海外のサービスがこの基準を前提に設計を変える可能性はあります。「採用AIは慎重に扱うべき分野」という国際的な位置づけは知っておくと役立ちます。

出典:Regulation (EU) 2024/1689 人工知能法(EUR-Lex・2024年7月12日官報掲載)/Regulation (EU) 2026/1744 Digital Omnibus on AI(EUR-Lex・2026年7月24日官報掲載)

応募者への案内に入れる5項目

ここまでのルールを踏まえると、AI面接の案内には少なくとも次の5項目を入れておくと安心です。

  1. AI面接を使う目的と、選考のどの段階で使うか
  2. 録画・録音する内容(映像、音声、回答の文字起こし)
  3. AIの分析結果をどう使うか(例:面接官が参考にし、合否は人が決める)
  4. データの保存期間と、選考終了後の削除
  5. AI面接が難しい場合の代わりの方法と、問い合わせ先

案内文は、後半の指示文を使えば生成AIで下書きできます。

ベンダーに確認すること:導入前チェックリスト

AI面接サービスを比べるときは、料金や機能の一覧だけでは判断できません。自社が応募者に説明できるかどうかを基準に、次の項目を商談で確認します。回答は、口頭ではなく資料や契約書の条文で受け取っておくと、後から確かめやすくなります。

確認項目聞き方の例確認したいこと
評価項目の根拠評価項目は何で、職務との関係をどう検証していますか自社の職務に合わせて項目を選べるか、根拠を説明できるか
分析の対象回答内容のほかに、表情や声のトーンも分析しますか何を分析しているかを応募者に説明できるか
質問の設定質問は自社で設定・確認できますか14事項に触れる質問を事前に除けるか
学習への利用応募者のデータをAIの学習に使いますか使う場合の範囲と、使わない設定の有無
保存と削除データの保存場所と保存期間、削除の方法は選考終了後に自社の判断で削除できるか
人の判断自動で不合格にする機能はありますか。止められますか合否を人が決める運用にできるか
応募者の配慮AI面接が難しい応募者への代わりの方法はありますか電話や対面などに切り替えられるか
問い合わせ対応応募者から評価について質問されたら、何を出せますか説明に使える資料や画面があるか

導入を決める前に、社内でも次のチェックリストを確認してください。

  • □ AI面接を使う職種と選考段階を決めた
  • □ 職種ごとの評価項目を、社内の言葉で文書にした
  • □ 質問に14事項や家族・住まいに触れる内容がないことを確認した
  • □ AIの評価だけで不合格にしない運用を決めた
  • □ 応募者向けの案内文(目的・データ・代替手段・問い合わせ先)を用意した
  • □ データの保存期間と削除の担当者を決めた
  • □ 学習への利用や保存場所について、ベンダーの回答を書面で受け取った
  • □ AI面接が難しい応募者の代わりの方法を用意した

評価項目の作り方や面接の進め方を含めた詳しい手順とテンプレートは、無料資料『面接×AI 実践キット』にまとめています。

小さく試す:4週間の試験導入の手順

いきなり全職種に入れるより、1職種・1選考段階に絞って試す方が、効果と課題が見えやすくなります。次の表は、試験導入の進め方の一例です。

時期やること人が確認すること
1週目対象職種を1つ決め、評価項目と質問を確定する質問が職務に関係するか。14事項に触れていないか
2週目社員数名に応募者役で受けてもらい、操作と所要時間を確かめるわかりにくい画面や説明がないか。録画が苦手な人への配慮
3週目実際の応募者に案内し、AI面接と従来の面接を並行するAIの評価と面接官の評価がずれた理由
4週目辞退率・所要時間・応募者の声を振り返り、続けるかを決める応募者からの問い合わせや不安の声。説明が足りていたか

振り返りでは、AIの評価と面接官の評価がずれたケースを1件ずつ見ることが大切です。ずれの理由が「AIが話し方の癖に反応した」のか、「面接官が第一印象に引っ張られた」のかで、次の打ち手が変わります。

AIに任せないこと/人が確認すること

試験導入でも本導入でも、次の線引きは変えないことをおすすめします。

AIに任せてよいこと人が決めること・確認すること
決めた質問を同じ順番で出すどの質問を使うか、評価項目を何にするか
回答の文字起こしと要点の整理要点が回答内容と合っているかの確認
評価項目ごとの参考情報の提示合否の判断と、その理由の記録
面接日時の案内・リマインドAI面接が難しい応募者への個別対応

ヨビコムのAI採用支援でも、「下書きはAI、送る・決めるのは人」を原則にしています。AIに応募者の合否や点数づけをさせない運用です。

生成AIでできる導入準備:指示文と出力例

AI面接サービスを契約する前でも、導入準備の下書きは生成AIで作れます。ChatGPT・Claude・Gemini・Microsoft Copilotなど、社内で使えるもので構いません。ここで入力するのは自社の情報だけで、応募者の個人情報は入れません。

指示文①:応募者向けのAI面接の案内文

指示文の例

あなたは中小企業の採用担当者です。
一次選考で録画型のAI面接を使うことになりました。
応募者に送る案内文を作ってください。

# 条件
- 対象:販売スタッフの応募者
- 入れる項目:目的、録画する内容、AIの結果の使い方、
  合否は人が決めること、保存期間(選考終了後3か月で削除)、
  AI面接が難しい場合は電話面接に切り替えられること、問い合わせ先
- 400字程度、です・ます調
- 応募者が不安にならない、わかりやすい言葉で
- 誇張した表現や「必ず」は使わない

出力例(※説明用の例です)

件名:一次選考(AI面接)のご案内

この度はご応募いただきありがとうございます。
一次選考では、スマートフォンで質問に回答いただく
録画型のAI面接を行います。

■目的:ご都合のよい時間に受けていただくためです。
■録画する内容:映像・音声・回答の文字起こし
■結果の使い方:AIが整理した回答の要点を、
 当社の面接担当者が参考にします。合否は担当者が決めます。
■保存期間:選考終了後3か月で削除します。
■AI面接が難しい場合:電話での面接に切り替えられます。
 ご遠慮なくお知らせください。
■お問い合わせ:〇〇株式会社 採用担当(電話・メール)

指示文②:ベンダー商談の質問票

指示文の例

AI面接サービスの商談で確認する質問票を作ってください。

# 前提
- 当社:従業員50名、販売職を年30名採用
- 重視すること:応募者に説明できること、合否は人が決めること
- 確認したい観点:評価項目の根拠、分析対象(表情・声を含むか)、
  学習への利用、保存と削除、自動不合格の有無、代替手段、
  応募者からの問い合わせ対応
- 表形式:「観点」「質問文」「回答を記録する欄」
- 料金や他社との比較は含めない

出力例(※説明用の例です)

| 観点 | 質問文 | 回答 |
| 評価項目の根拠 | 評価項目は何ですか。職務との関係をどう検証していますか | |
| 分析対象 | 回答内容のほか、表情や声のトーンも分析しますか | |
| 学習への利用 | 応募者データをAIの学習に使いますか。止める設定はありますか | |
| 保存と削除 | 保存場所・保存期間・削除の手順を教えてください | |
| 自動不合格 | AIの結果だけで不合格にする機能はありますか。無効にできますか | |
| 代替手段 | AI面接が難しい応募者向けの代わりの方法はありますか | |
| 問い合わせ | 応募者から評価の説明を求められたとき、出せる資料はありますか | |

指示文③:評価項目と質問のセルフチェック

指示文の例

次のAI面接の質問案をチェックしてください。

# 確認すること
1. 職務(販売スタッフ:接客、レジ、品出し)に関係があるか
2. 厚生労働省「就職差別につながるおそれがある14事項」に
   触れる内容がないか(家族、住まい、出身地、思想・信条など)
3. 女性にだけ結婚・出産の予定を聞くなど、性別で扱いが変わる質問がないか

# 質問案
- 前職で一番うれしかった接客の経験を教えてください
- ご家族は販売の仕事に賛成していますか
- 混雑時にレジと問い合わせが重なったらどうしますか

# 出力
質問ごとに「問題なし/要修正」と理由、修正案

出力例(※説明用の例です)

1. 前職で一番うれしかった接客の経験 → 問題なし
   接客の経験と動機を確認でき、職務に関係があります。
2. ご家族は販売の仕事に賛成していますか → 要修正
   「家族に関すること」にあたるおそれがあります。
   修正案:「販売の仕事で続けていきたい理由を教えてください」
3. 混雑時にレジと問い合わせが重なったら → 問題なし
   優先順位の判断を確認でき、職務に関係があります。

出力はあくまで下書きです。最終的な判断は、14事項の原文を見ながら人が行ってください。

ヨビコムの考え方:AIは面接の準備まで、合否は人が決める

Digital&が運営するヨビコムでは、採用支援でAIを日常的に使っていますが、面接と採用可否の判断はAIに任せず人が行うと決めています。本人の能力や適性を公正に判断する責任は、会社と面接官にあると考えているからです。

AI面接の検討で、AIに任せる準備作業と人が担う判断を左右に分けて整理した図

AIを使うのは、面接の前後の補助的な作業です。たとえば次のような使い方です。

  • 職務内容や求める人物像から、面接質問や確認事項の案を作る
  • 応募書類から、面接で深掘りしたい点を整理する(氏名などは伏せて扱う)
  • 面接後のメモを読みやすく整える(要約は人が確認する)

生成AIの普及で、応募書類の文章は誰でも整えやすくなりました。だからこそ面接では、過去の経験、実際に取った行動、そのときの判断の理由を本人の言葉で確かめることが大切です。AI面接ツールを導入する場合も、ツールが出す評価は「参考情報」とし、最終的な判断は人が下す運用にしておくと、公正な選考を保ちやすくなります。

AI面接の導入に関するよくある質問(FAQ)

Q1. AI面接の評価だけで不合格にしてもよいですか?

おすすめしません。厚生労働省は、適性検査等の結果を絶対視したりうのみにしたりせず、結果のみで採否を決めないよう求めています。AI事業者ガイドラインも、個人の評価の参考にする場合は人間による合理的な判断を求めています。AIの結果は参考情報とし、合否は人が理由とともに決める運用が安全です。

Q2. 応募者にAI面接を使うことを伝える必要はありますか?

映像や音声を取得するなら、個人情報保護法に基づき、原則として利用目的の通知・公表(書面などで直接取得する場合は明示)が必要です。AI事業者ガイドラインも、AIの出力を評価の参考にする場合はAIを利用している旨の通知を示しています。目的、録画内容、結果の使い方、保存期間をまとめて案内すると、応募者の不安も減らせます。

Q3. 応募者が少ない中小企業でも導入する意味はありますか?

一次面接が月に数件なら、AI面接より質問と評価シートの統一、日程調整の効率化を先に進める方が効果は出やすいです。同じ職種で応募が多い、遠方や在職中の応募者が多い、といった条件がそろう場合に検討する価値があります。

Q4. 表情や声を分析する機能は使っても問題ありませんか?

使う場合は、何を分析し、評価にどう使うかを応募者に説明できることが前提です。EUの人工知能法では、職場での感情推定AIの使用が医療・安全目的を除き禁止されています。説明できない機能はオフにする判断も選択肢です。

Q5. AI面接を嫌がる応募者にはどう対応すればよいですか?

電話や対面など、代わりの面接方法を用意しておきます。案内文の段階で「AI面接が難しい場合は切り替えられます」と書いておけば、辞退の防止にもつながります。代わりの方法を選んだことを、評価で不利に扱わないことも大切です。

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まとめ|AI面接は「先に決める」ができている会社で効果が出る

AI面接の導入判断は、ツールの機能よりも自社の選考の形で決まります。応募数、評価基準、応募者層、ルール整備の4点を確認し、質問と評価基準を先に決めてから試験導入に進むのが近道です。

公正な採用選考の基本は、AIを使っても変わりません。14事項に触れる質問を除き、利用目的とAIの使い方を応募者に伝え、合否は人が理由とともに決める。この線引きを守れば、AI面接は面接官の負担を減らす道具として役立ちます。まずは判定表と導入前チェックリストで、自社の現状を確認するところから始めてみてください。

AI面接を入れるかどうかの判断から、評価項目づくり、応募者への案内まで、ヨビコムが伴走します。

ヨビコム
この記事の執筆・編集:ヨビコム編集部(株式会社Digital&)

中小企業・地方企業の採用代行(RPO)を行うヨビコムの編集部です。飲食・建設・不動産・製造業・介護などの採用支援で得た知見をもとに、採用担当者の実務に役立つ情報をお届けしています。

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