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オワハラとは?意味・事例・対処法を人事のプロが徹底解説【2026年版】

オワハラの意味と事例・対処法や企業が負うリスクを解説する記事のサムネイル画像

「就活を終わらせろ」と迫られ、どう答えればよいか悩んでいませんか。オワハラは憲法で保障された職業選択の自由を侵害する行為であり、就活生には毅然と断る権利があります。

本記事では、オワハラの定義・具体的な事例・法的根拠から、状況別の答え方・相談窓口まで徹底解説します。

内定承諾率を健全に高めたいご担当者様は、ヨビコムにご相談ください。

オワハラとは何か:「就活終われハラスメント」の正確な意味

オワハラとは何か:「就活終われハラスメント」の正確な意味

オワハラの定義と語源

オワハラとは、「就活終われハラスメント」を略した造語です。企業が内定・内々定を出す際、あるいは出した後に、学生に対して他社への就職活動をやめるよう強要したり、長期間にわたって拘束することで選択の自由を奪ったりする行為を指します。

厚生労働省は公式資料においてオワハラを次のように定義しています。

企業などが新規学校卒業者等の採用において、内定や内々定を行うことと引き換えに、学生の意思に反して他の企業などへの就職活動の終了を強要するようなハラスメント行為です。

——厚生労働省「学生の職業選択の自由を侵害する『オワハラ』は行わないでください!!」

「オワハラ」という言葉が広く使われるようになったのは2015〜2016年頃です。

経団連の就職協定に基づく採用スケジュールが変更され、広報活動の解禁が大学3年生の12月から4年生の3月へ、選考活動の解禁が6月から8月へと後ろ倒しになったことを機に、内定辞退を防ごうとする企業の行動がエスカレートしました。

この動きが社会問題として注目を集め、「就活終われハラスメント」という言葉が定着しました。

オワハラが問題視される背景

オワハラが繰り返し問題視される背景には、採用市場の構造的な変化があります。少子高齢化による労働人口の減少が続くなか、ITスキルやグローバルな視点を持つ優秀な人材は多くの企業から争奪戦の対象となっています。企業側は「内定を出しても辞退されてしまう」という不安から、学生を早期に囲い込もうとする動機が生まれやすい状況にあります。

また、経団連による就活ルールが2021年に廃止され、政府主導の新ルールへ移行した後も、オワハラの実態は変わっていません。

マイナビが2024年卒の学生を対象に行った調査では、内々定を得たことがある学生のうち14.7%が「職業選択の自由を妨げる発言をされた」と回答しており、そのうち最も多かったのは「他社の選考や内々定を辞退するよう言われた」(8.8%)でした。就職みらい研究所の2025年卒調査でも、オワハラを受けたことがある学生は7.7%に上っています。

調査対象オワハラ経験率
マイナビ学生就職モニター調査(2024年卒)内々定取得済み学生 n=1,33014.7%
就職みらい研究所(2025年卒)就活生全体7.7%

こうした数字が示すとおり、オワハラは一部の企業に限られた問題ではなく、採用活動全体に潜むリスクです。政府は内閣官房・文部科学省・厚生労働省・経済産業省の連名で毎年企業に対してオワハラ防止を要請しており、社会的な関心は年々高まっています。

オワハラに該当する6つのパターンと具体的な事例

オワハラに該当する6つのパターンと具体的な事例

オワハラは一種類ではなく、その手口は多岐にわたります。「これはオワハラなのか?」と判断に迷うケースも多いため、代表的な6つのパターンを整理します。

強要型・脅迫型:他社辞退を迫る行為

強要型は、最も典型的なオワハラです。内定・内々定を出す条件として、他社の選考辞退を求めたり、その場で辞退の電話をかけさせたりするケースが該当します。

「他社の選考を受けているなら内定を取り消す」「今すぐ他社を辞退しなさい」といった発言は、学生の就職活動の機会を不当に奪う行為です。

脅迫型はさらに悪質で、内定辞退の申し出に対して「学校に連絡する」「業界で働けなくする」「ブラックリストに載せる」などと告げるケースです。こうした発言は学生に大きな精神的苦痛を与えるだけでなく、刑法上の脅迫罪・強要罪に該当する可能性があります。

拘束型・圧迫型:スケジュールを支配する行為

拘束型とは、研修・懇親会・内定者イベントを頻繁に設定し、他社の選考に参加できないよう学生のスケジュールを物理的に支配する行為です。大手企業の選考解禁日や就活イベントの日程に重なるよう意図的にイベントを設定するケースも報告されています。

「内定承諾の意思表示をするまで帰さない」「遠方の学生を呼び出して宿泊施設に缶詰にする」といった極端な例も存在します。

圧迫型は、高圧的な態度で内定承諾を迫る行為です。「君を採用するのはうちだけだ」「内定を辞退したらキャリアは終わりだ」と断言したり、大声で威嚇したりするケースが該当します。学生の意思を尊重せず、企業側の都合を一方的に押し付ける点でオワハラの本質を体現しています。

嘘の告知型・後付け推薦:巧妙化するオワハラ

嘘の告知型は、実際には採用枠が残っているにもかかわらず「もう枠がない」と虚偽の情報を伝え、学生の焦りを利用して内定承諾を迫る手口です。

学生は「他社の選考を受ける機会を失う」という不安から、虚偽の情報を信じて承諾してしまうことがあります。

後付け推薦は近年特に問題視されているオワハラの一形態です。本来、大学の推薦を必要としない「自由応募ルート」で応募した学生に対し、内々定を出す直前や出した後に、大学・教授からの推薦状の提出を求めるケースです。

推薦状を提出すると大学と企業の信頼関係が生じるため、学生は辞退しにくくなります。マイナビの2024年卒調査では、オワハラ経験の中で最も多かったのが後付け推薦を含む「教授や教員が署名した書類の提出要求」でした。

パターン具体的な行為の例違法性の可能性
強要型「他社を辞退しなければ内定取り消し」強要罪・不法行為
脅迫型「学校に連絡する」「業界で働けなくする」脅迫罪・強要罪
拘束型選考解禁日に研修を設定し他社選考を妨害不法行為
圧迫型大声で威嚇・「キャリアは終わりだ」強要罪・不法行為
嘘の告知型「もう枠がない」と虚偽情報を伝える詐欺的行為・不法行為
後付け推薦自由応募なのに推薦状の提出を要求強要罪・不法行為

自社の選考オペレーションに問題がないかは、第三者の目で確認すると気づきが得られます。

オワハラは違法?法的根拠と企業が負うリスク

オワハラは違法?法的根拠と企業が負うリスク

憲法・刑法・民法から見たオワハラの違法性

オワハラが問題とされる最大の根拠は、日本国憲法第22条第1項です。同条は「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」と定めており、学生が複数の企業の選考を受け、自由に就職先を選ぶ権利は憲法によって保障されています。

厚生労働省の公式資料でも、「オワハラは憲法で保障された職業選択の自由を侵害する行為であり、場合によっては、刑法上の脅迫罪・強要罪や民法上の不法行為にも当たる可能性があります」と明示されています。

また、内定承諾書にサインしたとしても、法的拘束力はほぼありません。民法第627条は「雇用期間の定めのない労働契約はいつでも解約の申し入れができる」と定めており、内定辞退は労働者の正当な権利として認められています。

「内定承諾書にサインしたから辞退できない」「違約金が発生する」といった企業側の主張は、法的根拠を欠くケースがほとんどです。

企業が受ける4つのリスク

オワハラを行った企業が直面するリスクは、法的なものにとどまりません。採用活動における短期的な利益を追求した結果、長期的に大きな損失を被る可能性があります。

第一に、ブランドイメージの低下です。 SNSや就職口コミサイトを通じて企業の不適切な行為は瞬時に拡散されます。「ブラック企業」というレッテルが貼られれば、翌年以降の採用活動に深刻な影響が出るだけでなく、既存社員のモチベーション低下や取引先からの不信感にもつながります。

第二に、訴訟リスクです。 内定取り消しや強要行為が不当解雇・不法行為と認定された場合、損害賠償請求を受ける可能性があります。採用内定は労働契約の締結にあたるため、正当な理由のない内定取り消しは法的責任を問われます。

第三に、早期離職の増加です。 強引な内定承諾で入社した社員は、企業への不信感を抱えたまま働き始めるため、モチベーションが低く早期離職につながりやすいです。採用コストを削減しようとしたオワハラが、結果的に採用コストを増大させるという皮肉な結果を招きます。

第四に、採用力の長期的な低下です。 優秀な人材ほど複数の内定を持ち、企業の評判に敏感です。オワハラで知られた企業には、優秀な学生が応募しなくなるという悪循環が生じます。

【就活生向け】オワハラを受けたときの対処法と答え方

【就活生向け】オワハラを受けたときの対処法と答え方

状況別の答え方・断り方スクリプト

オワハラを受けた際、感情的に反論することは得策ではありません。状況に応じた冷静な答え方を事前に準備しておくことが重要です。

シーン①「他社の選考を辞退してください」と言われたとき

【答え方】

「御社への志望度は非常に高く、真剣に検討しています。ただ、現在進行中の選考については、自分の意思で最後まで結果を確認させてください。御社の内定をいただけた場合は、改めてご連絡します」

【断り方】

志望度の高さを示しつつ、選考継続の意思を穏やかに伝えることで、関係を損なわずに対処できます。

シーン②「今すぐ返事をしてください」と迫られたとき

【答え方】

「大変ありがたいお話ですが、人生の大きな決断ですので、〇日間だけ検討の時間をいただけますか。その間に必ずご連絡します」

【断り方】

期限を切って検討時間を求めることは、就活生の正当な権利です。「今すぐ決めなければ内定を取り消す」という発言はオワハラに該当します。

シーン③「後付け推薦状を提出してください」と言われたとき

【答え方】

「自由応募で応募しておりますので、推薦状の提出は難しい状況です。もし推薦状が必要な場合は、改めて選考の条件をご確認させてください」

【断り方】

後付け推薦の要求は厚生労働省がオワハラの具体例として明示しています。毅然と断ることが適切な対応です。

嘘をついてよいか?内定承諾書の法的効力

就活生からよく寄せられる疑問が「オワハラを受けたとき、嘘をついてよいか」というものです。たとえば「御社に決めました」と答えておいて、実際には他社の選考を続けるケースです。

結論として、法的な問題はありません。 職業選択の自由は憲法で保障されており、「就活を終わらせた」という発言に法的拘束力はありません。内定承諾書にサインした場合も同様で、民法第627条に基づき、入社前であれば内定辞退は労働者の権利として認められています。

ただし、内定承諾後に辞退することは企業に対して迷惑をかける行為であることは認識しておく必要があります。採用担当者が他の候補者への連絡を止めていた可能性もあるためです。可能であれば、早めに辞退の意思を伝えることがマナーとして求められます。

なお、内定承諾書に「違約金を支払う」という条項が含まれていても、実際に違約金が認められるケースはほぼありません。ただし、内定後に企業側が実費を負担した研修費用の返還を求めるケースは別途判断が必要です。

相談できる窓口一覧

オワハラを受けて一人で悩まず、以下の窓口に相談することをお勧めします。

相談窓口特徴連絡方法
新卒応援ハローワーク就活生専門の無料相談窓口。オワハラ相談に対応全国各地に設置
都道府県労働局労働問題全般の相談窓口。法的アドバイスも可能各都道府県に設置
大学キャリアセンター大学側から企業への申し入れも可能在籍大学に問い合わせ
労働組合(連合)労働相談ホットライン(0120-154-052)で無料相談電話・メール

候補者に選ばれる採用活動への切り替えについても、具体的にご相談いただけます。

【採用担当者向け】オワハラ防止策と自己診断チェックリスト

【採用担当者向け】オワハラ防止策と自己診断チェックリスト

採用担当者が今すぐできる6つの防止策

採用担当者の多くは「オワハラをしている意識はない」と感じているかもしれません。しかし、学生側が受けるプレッシャーは採用担当者の想像を超えることがあります。以下の6つの防止策を実践することで、オワハラリスクを大幅に低減できます。

① 採用対応マニュアルの整備

オワハラに該当する行為を具体的に定義し、採用担当者全員が参照できるマニュアルを作成します。「他社の選考状況を尋ねること」と「他社の辞退を求めること」の違いを明確にするなど、グレーゾーンの判断基準を示すことが重要です。

② 定期的な研修の実施

新任の採用担当者だけでなく、管理職・役員を含めた全社的な研修を年1回以上実施します。法改正や社会情勢の変化に合わせて内容を更新し、「無意識のオワハラ」を防ぎます。

③ 自社の魅力の言語化とアピール

内定辞退を恐れるあまりオワハラに走る根本原因は、「自社の魅力が十分に伝わっていない」ことにあります。企業理念・成長機会・働き方・福利厚生を具体的に言語化し、学生が自発的に入社を選びたくなる採用コミュニケーションを設計します。

④ 内定承諾期限の柔軟な設定

他社の選考結果を待っている学生に対し、一律の期限を押し付けることはオワハラになり得ます。「他社の選考状況に合わせて相談に応じる」という姿勢を示すことで、学生からの信頼を高め、結果的に内定辞退率の低下につながります。

⑤ 内定後スケジュールの透明化

内定承諾後から入社までのスケジュールを明確に提示することで、学生の不安を取り除きます。研修・懇親会の参加を「強制」ではなく「任意」として設定することも重要です。

⑥ 内定辞退者への丁寧な対応

内定辞退の申し出には、感謝の気持ちを伝えた上で受け入れましょう。辞退理由を執拗に問い詰めたり、引き留めのために何度も連絡したりすることは嫌がらせ型オワハラに該当します。丁寧な対応は企業イメージの向上にもつながります。

オワハラ自己診断チェックリスト(10項目)

採用担当者向けに、自社の採用活動がオワハラに該当しないかを確認するためのチェックリストを用意しました。以下の項目に一つでも該当する場合は、採用フローの見直しが必要です。

        チェック項目                       該当する場合のリスク         
内定・内々定と引き換えに他社の選考辞退を求めている強要罪・不法行為
内定承諾書へのサインを「今すぐ」求めている強要型オワハラ
自由応募の学生に推薦状の提出を求めている後付け推薦(オワハラ)
他社の選考日程に重なる研修・懇親会を設定している拘束型オワハラ
「内定を辞退したら学校に連絡する」などと伝えている脅迫罪・強要罪
「もう採用枠がない」と虚偽の情報を伝えている詐欺的行為・不法行為
内定辞退の申し出後に何度も電話・メールをしている嫌がらせ型オワハラ
内定承諾の返事を1週間以内に求めている(柔軟性なし)圧迫型オワハラ
採用担当者がオワハラに関する研修を受けていない無意識のオワハラリスク
内定辞退者に対して感情的な発言をしたことがある脅迫型・嫌がらせ型オワハラ

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

Q1. オワハラを受けたら内定を辞退すべきですか?

必ずしも辞退する必要はありません。オワハラを受けたこと自体は、その企業の採用文化や職場環境を判断する材料になります。ただし、入社後も同様のプレッシャーを受ける可能性があることは念頭に置いておくべきでしょう。辞退するかどうかは、企業の魅力・志望度・オワハラの深刻さを総合的に判断して決めることをお勧めします。

Q2. 後付け推薦を求められたらどうすればよいですか?

「自由応募で応募しているため、推薦状の提出は難しい」と明確に断ることが適切です。後付け推薦は厚生労働省がオワハラの具体例として明示しており、断ることは就活生の正当な権利です。大学のキャリアセンターに相談することで、大学側から企業に申し入れをしてもらえる場合もあります。

Q3. 内定承諾書にサインしたら就活を続けられませんか?

続けられます。 内定承諾書にサインしても法的拘束力はほぼなく、民法第627条に基づき内定辞退は労働者の権利として認められています。「サインしたから辞退できない」「違約金が発生する」という企業側の主張は、法的根拠を欠くケースがほとんどです。ただし、内定承諾後の辞退は企業に迷惑をかける行為であることを認識し、辞退する場合はできるだけ早めに連絡することがマナーです。

Q4. オワハラをした企業を訴えることはできますか?

状況によっては可能です。脅迫罪・強要罪に該当する発言があった場合は刑事告訴の対象となり得ます。また、オワハラによって精神的苦痛を受けた場合は、民法上の不法行為として損害賠償請求ができる可能性があります。まずは都道府県労働局や弁護士に相談することをお勧めします。

Q5. 採用担当者が無意識にオワハラをしてしまうことはありますか?

あります。「早く決めてほしい」という気持ちから「他社はどうするの?」と繰り返し確認したり、「うちが第一志望じゃないの?」と感情的に問いかけたりすることは、意図せずオワハラになる場合があります。採用担当者は常に「この発言が学生にプレッシャーを与えていないか」という視点を持つことが重要です。定期的な研修と採用マニュアルの整備が有効な対策となります。

まとめ:オワハラのない採用活動を実現するために

オワハラとは「就活終われハラスメント」の略で、企業が内定・内々定と引き換えに学生の職業選択の自由を奪う行為です。憲法第22条で保障された権利を侵害するものであり、場合によっては脅迫罪・強要罪に該当する違法行為となります。

就活生の方は、オワハラを受けても毅然と対処できます。「今すぐ決めろ」と迫られたら検討時間を求め、後付け推薦を求められたら断り、内定承諾書にサインしても就活継続は可能です。一人で抱え込まず、新卒応援ハローワークや大学キャリアセンターに相談することも有効な選択肢です。

採用担当者の方は、オワハラが企業にもたらすリスクを正確に認識してください。短期的な内定辞退防止を目的としたオワハラは、ブランドイメージの低下・訴訟リスク・早期離職の増加という形で、長期的に企業に大きな損失をもたらします。

本記事で紹介した6つの防止策と自己診断チェックリストを活用し、学生と企業が対等な関係で向き合える採用活動を実現してください。

採用活動における法的リスクや適切な採用フローの設計についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

圧力に頼らず承諾を得る採用設計を、ヨビコムが伴走してご支援します。

ヨビコム
この記事の執筆・編集:ヨビコム編集部(株式会社Digital&)

中小企業・地方企業の採用代行(RPO)を行うヨビコムの編集部です。飲食・建設・不動産・製造業・介護などの採用支援で得た知見をもとに、採用担当者の実務に役立つ情報をお届けしています。

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