As-Is/To-Beとは|基幹システム刷新での業務分析の進め方と書き方の例

As-Is/To-Beは、現状(As-Is)と将来の姿(To-Be)を並べ、その差を「誰が・何を変えるか」という施策に落とすための整理法です。基幹システム刷新で効くのは、現状をきれいに図にすることではなく、「現象→原因→To-Be→施策」を1行でつなげて書くことです。この記事では、As-Is/To-Be分析の進め方、調査票と記入例、「今と同じでいい」の扱い方を、大手コンサルティングファーム出身の専門家の知見をもとに解説します。
- As-Is/To-Beで整理する5つの層と、それぞれの成果物
- 現状調査で使える調査票の項目(件数・時間・例外まで聞く12項目)
- 「現象→原因→To-Be→施策」でつなぐ分析表の記入例(食品卸・従業員80名)
- 「今と同じでいい」と言われたときに使う、現行踏襲の判定表
- To-Beを書き終えたあとに確認する10のチェックポイント
As-Is/To-Beとは:現状と将来の差を「施策」に変える作業
As-Isは「今どうなっているか」、To-Beは「刷新後にどうなっているべきか」です。As-Is/To-Be分析は、この2つを同じ切り口で並べ、差(ギャップ)を埋めるために何をするかを決める作業を指します。基幹システムの刷新では、構想策定と要件定義の間に置かれることが多い工程です。
この工程を軽く扱うと、どこで苦しくなるかは調査データにも表れています。JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査報告書2026」では、システム開発の品質・予算・工期が予定どおりにならなかった要因として、「想定以上の現行業務・システムの複雑さ」が品質で48.8%、予算で51.4%、工期で48.8%にのぼりました。同じ調査で、QCDの悪化に影響した工程として「要件定義」を挙げた割合は57.4〜69.0%です。この調査は上場企業を中心とした回答ですが、現状の複雑さを読み違えたまま要件を決めると後工程で崩れる、という構図は企業規模を問いません。
一方で、As-Isの調査そのものが目的になると、分厚い現状報告書ができるだけで何も決まりません。IPA(情報処理推進機構)の「実務に活かすIT化の原理原則17ヶ条」は、原理原則14として「今と同じ」という要件定義はありえないと掲げ、現行システムは機能だけでなく「どう使っているか」まで調べるよう求めています。As-Isは「使われ方」を知るために調べ、To-Beは「何を変えるか」を決めるために書く。この役割分担を最初に押さえておきます。
似た言葉との違いも整理しておきます。As-Is/To-Beは「自社の業務をどう変えるか」を決める作業で、製品はまだ前提にしません。フィットアンドギャップ分析は、決めたTo-Beと製品の標準機能を突き合わせる作業です。要件定義は、To-Beとギャップへの対応方針をもとに、システムで実現する内容を文書にして合意する作業です。この順番が入れ替わると、製品の画面に業務を合わせるだけの刷新になったり、逆に製品で実現できないTo-Beを描いてしまったりします。
全体の流れの中での位置づけは基幹システムの構想策定、要件定義の手順は要件定義の進め方で解説しています。
As-Is/To-Beで整理する5つの層
As-Is/To-Beは業務フローだけの話ではありません。基幹システムでは、次の5つの層で現状と将来を並べると抜けが減ります。すべてを同じ深さで調べる必要はなく、刷新の目的に近い層ほど厚く書きます。
| 層 | As-Isで書くこと | To-Beで書くこと | 主な成果物 |
|---|---|---|---|
| 1. 目的・指標 | 今の経営課題と、それを示す数字(月次決算の確定日、在庫回転日数、受注処理件数など) | 刷新後に変わっているべき数字と目標値 | 目的・KPI一覧 |
| 2. 業務 | 業務の流れ、担当、頻度、件数、所要時間、例外処理 | 新しい流れ、やめる作業、担当の変更 | 業務一覧、業務フロー |
| 3. 情報 | 帳票、Excel台帳、マスタ、コードの付け方、二重管理の箇所 | 持つデータ、正とする台帳、廃止する帳票 | 帳票一覧、データ一覧 |
| 4. システム | 使っているシステム、連携、手作業でつないでいる箇所 | 新システムの範囲、連携方式、残すシステム | システム構成図、連携一覧 |
| 5. 組織・ルール | 決裁の流れ、権限、社内規程、属人化している判断 | 承認経路、権限の設計、変える規程 | 権限表、規程の改定案 |
中小企業で抜けやすいのは3と5です。業務フローは描いても、「得意先別の掛率表はどのExcelが正か」「値引きは誰の判断で決まっているか」が書かれていないと、To-Beで決めるべき論点が見えません。稼働後に「数字が合わない」「承認が止まる」といった形で表に出る問題は、この2つの層の決め漏れから起きることが少なくありません。
刷新の目的によって、厚く書く層を変える
5つの層のどれを厚くするかは、刷新の目的で決まります。たとえば「月次決算を早めたい」が目的なら、情報の層(売掛・買掛の残高をどこで持っているか)と、組織・ルールの層(締め日、承認の順番)を厚く調べます。「受注から出荷までのリードタイムを縮めたい」なら、業務の層で件数と待ち時間を細かく押さえます。「老朽化したオフコンを入れ替えたい」が出発点の場合は、システムの層で連携と手作業の箇所を洗い出し、そのうえで業務の層の例外処理を確認します。
目的が複数あるときは、経営と優先順位を1つに決めてから調査を始めます。全部を同じ深さで調べると、調査の期間だけが延び、To-Beの議論に使える時間が減ります。
As-Is調査の進め方:誰に・何を・どこまで聞くか
As-Is調査は、部門長へのヒアリングだけでは足りません。部門長が把握している業務と、担当者が実際にしている作業には差があるからです。主要業務ごとに、部門長1人と実務担当者1〜2人の両方から話を聞くのが基本です。
調査票に入れる12項目
ヒアリングの前に、業務ごとに次の項目を埋める調査票を配っておくと、当日は例外処理の深掘りに時間を使えます。
| 項目 | 聞くこと | 記入例(受注入力) |
|---|---|---|
| 業務名・担当 | 業務の名前と、実際に作業する人 | 受注入力/営業事務2名 |
| 起点と終点 | 何をきっかけに始まり、何ができたら終わるか | FAX・電話・メールの注文受付〜受注確定 |
| 頻度・件数 | 日・月あたりの件数、繁忙期の件数 | 平日1日約150件、12月は約1.5倍 |
| 所要時間 | 1件あたり、1日あたりの時間 | 1件3〜5分、1日約8時間分 |
| 入力・参照する先 | 使うシステム、Excel、紙 | 販売管理、得意先別単価のExcel |
| 受け取る情報 | 前工程から何を受け取るか | 注文書、口頭の納期指示 |
| 渡す情報 | 後工程へ何を渡すか | 出荷指示書、在庫引当の結果 |
| 判断・ルール | 担当者が判断していること | 欠品時の代替品提案、締め後受注の扱い |
| 例外処理 | 「この得意先だけ」「月末だけ」の処理 | 3社は専用伝票、月末は当日出荷を優先 |
| 手戻り・ミス | よく起きるミスと、その直し方 | 単価の旧値入力、月に十数件の訂正 |
| 困りごと | 担当者が困っていること | 在庫の数字が倉庫と合わない |
| やめられない理由 | 非効率でも続けている理由 | 大口得意先が専用伝票を要求 |
※記入例は説明用の例です。
この12項目のうち、もっとも価値があるのは「件数」「時間」「例外処理」「やめられない理由」の4つです。件数と時間がわかれば、To-Beの効果を数字で見積もれます。例外処理とやめられない理由は、ERPの標準機能に合わせられるかどうかの判断材料になります。標準機能との比較はフィットアンドギャップ分析で行います。
どこまで細かく調べるか
As-Is調査の粒度は、「1つの作業が1人の担当者の、ひと続きの操作になる」程度で止めます。画面のボタン操作まで書き出す必要はありません。それより、同じデータを何回入力・転記しているかを数えるほうが、To-Beの効果が大きい箇所を見つけやすくなります。業務フローの描き方と粒度の決め方は業務フローの書き方で詳しく扱っています。
ヒアリングで使う6つの質問
「業務の流れを教えてください」と聞くと、多くの担当者は正常な流れだけを説明します。例外や判断は、質問の形を変えないと出てきません。次の6つは、どの業務にも使える聞き方です。
- 「昨日の作業を、朝から順に教えてください」:一般論ではなく、実際の1日を聞くと、手順の抜けや転記が見えます。
- 「この作業ができないと、誰が困りますか」:後工程と、その作業が存在する理由がわかります。
- 「いつもと違う処理をするのは、どんなときですか」:特定の得意先、月末、繁忙期、返品などの例外が出てきます。
- 「最近あったミスと、その直し方を教えてください」:手戻りの手順と、チェックの仕組みの弱い箇所がわかります。
- 「あなたが休んだら、誰が代わりにやっていますか」:属人化の度合いがわかります。代わりがいない作業は優先して文書にします。
- 「このExcelは、誰が見ていますか」:台帳の利用者と、二次加工の流れがわかります。IPAの原理原則が求める「使われ方」の調査にあたります。
課題からTo-Beを導く書き方:4列の分析表
As-Isを調べたあと、To-Beを「あるべき姿」として白紙から描こうとすると、抽象的な理想像になりがちです。おすすめは、As-Isで見つかった現象を起点に、現象→原因→To-Be→施策の4列で1行ずつ書く方法です。施策の列には、システムでやること・運用でやること・ルールでやることを分けて書きます。
次の表は、従業員80名・2拠点(本社倉庫と営業所)の食品卸を例にした分析表の抜粋です。
| As-Is(現象) | 原因 | To-Be | 施策(区分) |
|---|---|---|---|
| 受注入力の訂正が月に十数件ある | 得意先別単価をExcelで管理し、販売管理への反映が遅れる | 単価はシステムのマスタだけを正とし、受注時に自動で引く | 単価マスタの一元化(システム)/Excel台帳の廃止(ルール) |
| 倉庫の実在庫と帳簿在庫が合わない | 出荷の実績入力が翌日にまとめて行われる | 出荷時にハンディ端末で実績を入れ、在庫を即時に更新する | 出荷実績の即時入力(システム)/入力担当の変更(運用) |
| 月次の締めに6営業日かかる | 請求書の発行後に、手作業で売掛金の残高を照合している | 締め請求と入金消込を同じシステムで行い、照合作業をなくす | 入金消込機能の導入(システム)/締め日の統一(ルール) |
| 欠品時の代替品提案が担当者によって違う | 代替品の候補が担当者の頭の中にしかない | 品目ごとに代替候補を登録し、欠品時に画面に出す | 代替品マスタの整備(システム・運用) |
| 3社だけ専用伝票を手書きしている | 得意先の指定様式に販売管理が対応していない | 専用伝票は標準の納品書に統一するよう3社と交渉する | 得意先との交渉(ルール)/交渉不成立なら帳票追加を検討 |
※説明用の例です。実際の分析表では、各行に効果(削減時間など)と優先度を加えます。
この表の書き方で大事なのは3点です。
- 原因の列を空けない:現象から直接To-Beを書くと、「在庫が合わない→在庫が合う」のような裏返しの文になります。原因を書くと、打ち手が具体的になります。
- 施策の区分を分ける:システムで解決すること、運用やルールの変更で解決することを分けて書きます。すべてをシステムで解決しようとすると、アドオン(追加開発)が増えます。
- To-Beに数字を入れる:「締めを早くする」ではなく「月次の締めを3営業日に短縮する」のように書くと、稼働後に効果を確かめられます。
To-Beの効果を数字で見積もる
調査票で件数と時間を押さえておくと、To-Beの効果を簡単な掛け算で示せます。上の食品卸の例で、単価マスタの一元化を見積もると次のようになります。
- 受注1件あたりの入力時間:As-Isは約3.2分(単価のExcel参照を含む)、To-Beは約2.2分(単価は自動で引く)。差は1件あたり約1分です。
- 1日の受注件数:約150件で変わりません。
- 1か月(20営業日)の入力時間:As-Isは約160時間、To-Beは約110時間。差は約50時間です。
- 単価誤りによる訂正:As-Isは月に十数件(1件30分程度)、To-Beでは原則なくなり、月に数時間が浮きます。
※説明用の例です。実際には、繁忙期の件数や、訂正にともなう得意先への連絡の手間も加えて見積もります。
この程度の粗い数字でも、施策の優先度を決めるには十分です。効果を時間で示すと、経営会議で「その機能は本当に必要か」と問われたときにも答えられます。逆に、効果の数字が出せない施策は、To-Beの記述がまだ抽象的だという合図です。
To-Beの書き方でよくある失敗と書き直し例
To-Beの記述で起きやすい失敗は、読む人によって受け取り方が変わる書き方です。要件定義書にそのまま引き継がれるため、この段階で直しておきます。
「正しく把握」では、何をすればよいか、何をもって達成とするかが決まりません。原因(入力の遅れ)に対する打ち手と、測り方を書きます。
To-Beは業務の状態で書き、手段(製品)は別に選びます。手段で書くと、製品を入れた時点で目的が達成されたことになってしまいます。
効率化の中身は、承認者・金額の基準・手段を変えることです。組織・ルールの層まで書かないと、システムの設定値が決まりません。
As-Is/To-Beの会議で「理想を言えば〜」という言葉が続いたら、一度止めて分析表の「原因」の列に戻るのが安全です。To-Beを理想論で広げると、要件定義の段階で範囲が膨らみ、見積もりが合わなくなります。To-Beは「今回の刷新で実現する姿」と「次の段階で目指す姿」の2段に分けて書き、前者だけを要件定義に渡すと、議論が収まりやすくなります。
「今と同じでいい」をどう扱うか:現行踏襲の判定表
As-Is/To-Beの議論では、たいてい「ここは今と同じでいい」という声が出ます。これを全部受け入れると、刷新の意味がなくなります。全部断ると、現場の協力が得られません。IPAの「システム再構築を成功に導くユーザガイド 第2版」(2018年)は、現行と同じにするかどうかの対応方針として、「現行踏襲しない」「現行踏襲しない(運用を変更する)」「コストと時間をかけて現行踏襲を実現する」の3通りを示しています。同ガイドは、「現行踏襲」の中身があいまいなためにベンダ企業がそれを認識できず、テスト工程になって初めて実現できていないと分かる問題を挙げています。
この3通りを、中小企業の基幹システム刷新で使いやすい判定表に置き換えると次のようになります。
| 確認する問い | 「はい」なら | 具体例 |
|---|---|---|
| 法令・税務・契約で決まっている処理か | 現行の結果を維持する(やり方は変えてよい) | 適格請求書の記載事項、電子取引データの保存 |
| 得意先・仕入先との取り決めで、相手に影響が出るか | 相手と交渉し、不成立なら現行を維持する | 得意先指定の伝票様式、EDIの形式 |
| 他社との違いを生んでいる処理か | 現行を維持し、To-Beでさらに強化する | 当日出荷の締め時刻、独自の品質記録 |
| 社内の慣習だけが理由か | 新システムの標準に合わせる | 帳票のレイアウト、承認印の数 |
| 担当者の工夫で補っている処理か | 原因を特定し、To-Beで仕組みに置き換える | 手書きメモでの在庫引当、Excelでの残高照合 |
※判定表は説明用に整理したものです。実際の判断は、影響範囲と費用を見たうえで決裁者が行います。
判定で「現行を維持」となったものも、何を維持するのかを要件定義書に書きます。IPAの同ガイドは、現行踏襲の内容は設計ドキュメントに仕様として明記し、それを正とすることを関係者で合意しておくよう勧めています。「今と同じ」とだけ書いた要件は、作る側にとっては中身のない要件です。
判定表の2行目にある「相手と交渉する」は、中小企業では後回しにされがちな施策です。得意先指定の伝票やEDIの形式は、こちらから標準の様式を提案すると受け入れられることもあります。交渉の結果が出るまで帳票の追加開発を保留にしておき、要件定義の締め切りまでに結論を出す、という段取りにしておくと、不要な開発を避けられます。
なお、維持すると決めた処理の一覧は、稼働前のテストでも使います。現行と新システムで同じ結果になるかを確かめる対象がはっきりするからです。要件定義書の書き方は要件定義書の書き方を参照してください。
As-Is/To-Be分析の進め方:5つのステップ
- 刷新の目的と調査範囲を決める
経営と「何の数字を変えたいか」を確認し、調べる業務の範囲を決めます。範囲外の業務は、名前だけ一覧に載せておきます。後から「その業務も対象だと思っていた」という話を防げます。 - 業務一覧と調査票を作る
受注・出荷・請求・購買・在庫・会計などの業務を一覧にし、業務ごとに12項目の調査票を配ります。この時点で、Excel台帳や紙の帳票も集めます。 - ヒアリングとAs-Isの図にする
部門長と実務担当者の両方に話を聞き、業務フローと帳票一覧を作ります。描いた図は担当者に見せ、「実際はこうではない」という指摘を受けて直します。 - 4列の分析表でTo-Beを書く
現象→原因→To-Be→施策の順に1行ずつ書き、施策をシステム・運用・ルールに分けます。効果の大きさと実現の難しさで優先度をつけます。 - 決裁者と合意し、要件定義へ渡す
現行踏襲の判定結果も含めて、決裁者が承認します。承認されたTo-Beが要件定義の入力になり、製品の候補選びにも使われます。
ステップ3で手間がかかるのは、Excel台帳の扱いです。台帳ごとに「誰が作り、誰が見て、どこから転記しているか」を書き出しておくと、To-Beで正とするデータと、移行時に整理するマスタが見えてきます。マスタやコードの整理はマスタデータ整備とコード体系の決め方で解説しています。
製品のデモを見てからAs-Isを調べると、デモで見た画面に引っ張られて、現状の課題を「その製品で解決できるもの」だけに絞り込んでしまいがちです。逆に、As-Isを丁寧に調べすぎて半年かけると、調べ終わった頃には業務が変わっています。目安としては、To-Beの分析表を書くのに必要な深さまで調べたら、いったん止めて分析表に移ることです。足りない部分は、分析表を書きながら追加で聞けば十分です。
To-Beを書き終えたら確認する10のチェックポイント
- 刷新の目的が、変えたい数字と目標値で書かれている
- 主要業務ごとに、件数と所要時間が把握できている
- 部門長だけでなく、実務担当者からも話を聞いている
- 例外処理(特定の得意先・月末・繁忙期)が洗い出されている
- Excel台帳と紙の帳票が一覧になり、正とするデータが決まっている
- 分析表の全行で「原因」の列が埋まっている
- 施策がシステム・運用・ルールに分けて書かれている
- To-Beが製品名ではなく、業務の状態で書かれている
- 「今と同じ」とされた項目に、維持する中身が書かれている
- To-Beを決裁者が承認し、承認日と範囲が記録されている
よくある質問
As-Is分析とTo-Be分析は、どちらから始めるべきですか?
基幹システムの刷新では、目的の確認→As-Is→To-Beの順が基本です。ただし、目的を確認する段階で、経営として目指す方向(To-Beの大枠)は先に決めておきます。大枠がないままAs-Isを調べると、調べる深さが決まらず、調査が長引きます。
業務フローを描けば、As-Is分析は終わりですか?
業務フローはAs-Isの一部です。基幹システムでは、帳票・Excel台帳・マスタといった情報の層と、承認や権限といったルールの層も整理しないと、To-Beで決めるべき論点が漏れます。件数や所要時間も合わせて押さえると、効果の見積もりに使えます。
As-Is/To-Beの分析は社内だけでできますか?
調査票の配布やヒアリングは社内でも進められます。難しいのは、自社の慣習を「当たり前」と感じてしまい、変えられる処理を見落とすことです。他社の業務や製品の標準的な流れを知っている第三者が入ると、To-Beの選択肢が広がります。社内で進める場合も、決裁者を早めに決めておくと議論がまとまりやすくなります。
To-Beは、導入するERP製品が決まってから書くべきですか?
製品を決める前に、業務の状態としてのTo-Beを書いておきます。製品はTo-Beを実現する手段なので、To-Beが先にないと比較の基準がありません。製品が決まったあとは、標準機能との差をフィットアンドギャップ分析で確認し、To-Beを必要に応じて調整します。
As-Is/To-Beの分析結果を要件定義書に落とし込むための目次、機能要件一覧、非機能要件の記入例をまとめた資料です。
資料をダウンロードする(無料)まとめ
As-Is/To-Beは、現状と将来を並べて終わりではなく、その差を施策と担当にまで落とすための整理法です。As-Isでは件数・時間・例外・やめられない理由を押さえ、To-Beは「現象→原因→To-Be→施策」の4列で書く。「今と同じでいい」には判定表で答え、維持する中身を要件定義書に残す。この3つを押さえると、要件定義と製品選定の議論が具体的になります。
自社の場合、どの業務からAs-Is/To-Beを整理すべきかわからないという方は、無料診断で現状の課題と、最初に手をつける範囲を整理できます。
11章の目次、機能要件一覧、非機能要件の記入例
資料をダウンロードする

