採用に関するお役立ち情報

人事DXとは?中小企業が採用から始める進め方と生成AI

「人事DXを進めろと言われたが、何から手をつければよいかわからない」。人事・総務を少人数で回している中小企業では、よくある悩みです。勤怠、給与、社会保険、採用と業務が広く、システムを一度に入れ替える余裕もありません。

この記事では、人事DXの意味を中小企業の実情に合わせて整理し、なぜ「採用」から始めるとよいのかを説明します。電子化の法的な根拠、90日の進め方、生成AIをどこに置くか、導入前チェックリストまで具体的にまとめました。

目次 隠す

人事DXとは?人事業務を「人のデータ」でつなぎ直すこと

人事DXとは、採用から入社手続き、勤怠・給与、育成・評価、退職までの人事業務を、デジタルとデータで見直す取り組みです。紙をなくすことだけが目的ではありません。一度入力した情報を次の業務で使い回せる状態にし、人が判断や対話に時間を使えるようにすることがねらいです。

採用DXとの違い

採用DXは、応募から内定までの採用プロセスに絞った取り組みです。基本的な考え方は採用DXとはで解説しています。人事DXはその範囲を広げ、採用で生まれた情報を入社後の人事業務へどうつなぐかまで考えます。

比較項目採用DX人事DX
範囲母集団形成〜内定採用〜入社手続き〜勤怠・給与〜育成・評価〜退職
主な情報応募者情報、選考の進み具合従業員情報、労働条件、勤怠、給与、評価
主な目的採用の効率と成果を上げる人事業務全体の手間を減らし、人の判断に時間を使う
関わる法令の例職業安定法、個人情報保護法左記に加え、労働基準法、所得税法、社会保険の各法

デジタル化には段階がある

中小企業庁の2022年版中小企業白書では、デジタル化の取組段階を4つに分けています。人事業務に当てはめると、自社がどこにいるかを確認しやすくなります。

段階白書の定義(要約)人事業務での状態の例
段階1紙や口頭による業務が中心応募書類も勤怠も紙。情報は担当者の頭の中
段階2デジタルツールを利用した業務環境に移行応募者一覧や勤怠を表計算ソフトで管理
段階3デジタル化による業務効率化やデータ分析採用から入社手続きまで情報を1か所で管理し、数字を毎月見る
段階4デジタル化によるビジネスモデルの変革や競争力強化人のデータをもとに採用・配置・育成の方針を決める

出典:2022年版 中小企業白書 第2部第3章第2節(中小企業庁)

多くの中小企業にとって、現実的な目標は段階2から段階3へ進むことです。いきなり段階4を目指す必要はありません。

中小企業の人事DXの現在地(2026年の調査から)

人事DXの土台になるデジタル化やAI活用について、2026年に公表された調査を見てみます。

総務省の令和8年版情報通信白書では、生成AIの活用方針を定めている日本企業は68.9%でした。ただし規模別では大企業74.0%に対し、中小企業は58.1%にとどまります。

出典:令和8年版 情報通信白書「生成AIの活用方針等」(総務省・2026年)

東京商工リサーチの調査(2026年3月31日〜4月7日、6,327社)では、生成AIについて「方針は決めていない」企業が中小企業で38.7%でした。業種別では建設業が47.3%と高く、業種や規模によって取り組みの差が大きいことがわかります。

出典:「生成AI」 大企業の約6割が組織で活用推進 将来的に人員配置・抑制の見直し検討 53.4%(東京商工リサーチ・2026年4月27日)

帝国データバンクの調査では、生成AIを活用している企業の主な用途は「文章の作成・要約・校正」が45.1%で最多でした。懸念・課題としては「情報の正確性」50.4%、「専門人材・ノウハウ不足」41.3%が上位です。

出典:生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)(帝国データバンク・2026年5月14日)

これらの調査からは、「何から始めるか」「だれが進めるか」が決まっていない中小企業が多い姿が見えます。人事DXも同じです。範囲を広げすぎず、成果が見えやすい業務から始めることが大切です。

人事DXが止まりやすい3つのパターン

中小企業の人事DXが途中で止まるときは、次のようなパターンがよく見られます。始める前に当てはまらないか確認しておくと、つまずきを避けやすくなります。

  • ツールから選んでしまう:業務の棚卸しをせずにシステムを契約し、使う場面が決まらない
  • 一度に全部を変えようとする:採用・勤怠・給与を同時に切り替え、担当者の負担が一時的に増えて元に戻る
  • ルールがないまま個人で使う:担当者ごとにAIの使い方が違い、入力してよい情報もばらばらになる

3つ目のパターンは、生成AIで特に起こりやすいものです。東京商工リサーチの調査でも、中小企業の27.7%が「個人で活用していることもある」と答えています。個人の工夫を会社の型にまとめ直すことが、人事DXの第一歩になります。

出典:「生成AI」 大企業の約6割が組織で活用推進 将来的に人員配置・抑制の見直し検討 53.4%(東京商工リサーチ・2026年4月27日)

なぜ中小企業の人事DXは「採用」から始めるのがよいのか

人事DXは採用から始める。採用で整えた応募者IDと情報の型が、入社手続き・勤怠給与・育成評価へつながる流れの図

人事DXの入口はいくつもあります。その中で、中小企業には採用から始める方法をおすすめします。理由は4つです。

理由1:人のデータは採用で生まれる

従業員の情報は、もとをたどれば応募書類と選考の記録から始まります。入口で情報の型を決めておけば、入社手続きや労働条件の通知に同じ情報を使い回せます。逆に入口がばらばらだと、後の業務で転記と確認が増え続けます。

理由2:スピードが成果に直結する

採用は、応募者への返信の速さや連絡の丁寧さが結果に影響しやすい業務です。日程調整や連絡文の下書きを効率化すると、その効果が応募者体験として表に出ます。社内の理解を得やすい点も、最初の取り組みに向いています。

理由3:法定の手続きよりも小さく試しやすい

給与計算や社会保険の手続きは、間違えると従業員や行政への影響が大きい業務です。採用の連絡文や求人原稿の下書きは、人が確認してから使えば、試行錯誤の影響を小さく抑えられます。

理由4:生成AIが得意な「文章の下書き」が多い

採用業務は、求人原稿、連絡文、面接質問、報告メモなど文章の仕事が多くあります。帝国データバンクの調査でも、生成AIの用途の最多は文章の作成・要約・校正でした。生成AIの得意分野と、採用業務の文章作業が重なっていることが、採用から始める大きな理由です。

人事業務ごとの電子化の根拠と注意点

人事DXでは、紙で渡していた書類を電子で渡せるかどうかが気になります。法令上の扱いは書類ごとに異なります。主なものを一覧にしました(2026年10月時点で確認した内容です)。

書類・手続き電子化の可否と条件確認先
労働条件通知書(労働条件の明示)原則は書面交付。労働者が希望した場合は、電子メール等で明示できる(出力して書面を作成できるものに限る)労働基準法施行規則第5条第4項
給与明細・源泉徴収票受給者の事前承諾を得れば電子交付できる。期限までに回答がない場合に承諾とみなす旨をあらかじめ通知する方法もある国税庁 電子交付Q&A
社会保険の算定基礎届・月額変更届・賞与支払届資本金1億円超の法人などは電子申請が義務。それ以外の企業も電子申請は利用できる日本年金機構
応募者の個人情報を生成AIへ入力利用目的の範囲内か確認が必要。本人の同意なく入力し、応答の出力以外に使われると法令違反のおそれ個人情報保護委員会

出典:労働基準法施行規則 第5条(e-Gov法令検索)/給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A(国税庁)/特定の法人について電子申請の義務化が始まっています(日本年金機構)/生成AIサービスの利用に関する注意喚起等(個人情報保護委員会・2023年6月2日)

労働条件通知書を電子で送る場合は、本人が電子での受け取りを希望したことを記録に残しておくと安心です。給与明細も、承諾の取り方と記録の残し方を先に決めておきましょう。

勤怠の電子化については、勤怠管理を効率化する方法で詳しく紹介しています。採用情報の管理には、ATS(採用管理システム)を使う方法もあります。

中小企業の人事DXの進め方:採用から始める90日プラン

ここでは、人事・総務の担当者が1〜2名の会社を想定し、90日で段階2から段階3の入口まで進むプランを紹介します。システムの新規導入を前提にせず、今ある表計算ソフトとAIサービスで始められる内容です。

期間やること成果物担当
1〜2週目人事業務の棚卸し(業務名・頻度・1回の時間・使う書類)人事業務一覧表人事・総務
3〜4週目採用情報の型を決める(応募者ID、項目、保存場所)応募者管理表のひな形人事・総務
5〜6週目生成AIの利用ルールを決める(入力しない情報、確認の手順)利用ルール1枚人事・総務+経営者
7〜10週目採用の文章業務で生成AIを試す(求人原稿、連絡文、報告メモ)指示文集、修正記録採用担当
11〜12週目入社手続きへのつなぎ方を決める(労働条件通知の電子化の希望確認など)入社手続きの流れ図人事・総務
13週目振り返り(作業時間の変化、次に広げる業務)次の90日の計画経営者+人事・総務

棚卸しは「時間」と「転記」に注目する

最初の棚卸しでは、業務ごとに「1回あたりの時間」と「同じ情報を書き写している回数」を記録します。転記が多い業務ほど、データをつなぐ効果が大きくなります。人事の仕事の全体像は、人事の仕事一覧も参考になります。

応募者IDを最初に決める

採用情報の型で最も大切なのが応募者IDです。「A-0001」のように番号を振り、AIに渡すときは氏名ではなくIDで扱います。この一手間で、個人情報を入力せずにAIを使えるようになります。

90日後に見る数字

振り返りでは、次の4つの数字を棚卸し時と比べます。どれも特別なシステムがなくても、表計算ソフトで記録できるものです。

  • 応募者情報の入力にかかった時間(月の合計)
  • 応募から初回連絡までの日数(平均)
  • 連絡文や求人原稿の作成時間と、AIの下書きから直した量
  • 同じ情報を書き写した回数(転記の回数)

数字が改善していなくても、失敗ではありません。どこで時間がかかっているかがわかれば、次の90日で手を入れる場所が決まります。

業務の棚卸し表や応募者管理表のひな形、生成AIの利用ルール例は、無料資料『採用業務のAI化 導入ガイド』にまとめています。90日プランの進行表としてもお使いください。

人事DXにおける生成AIの位置づけ:「下書き係」として置く

生成AIは、人事DXの主役ではなく「下書き係」として置くのが現実的です。システムが情報を正しく保管し、AIが文章の下書きを作り、人が確認して決める。この役割分担を最初に決めておきます。

人事業務生成AIに頼める下書き人が決めること・確認すること
採用求人原稿の言い換え、連絡文、面接質問案労働条件の正確さ、合否、送信
入社手続き入社案内の文面、提出書類の案内必要書類の種類、期限、法定事項
勤怠・給与社内向けのお知らせ文(締め日の案内など)計算、支給額、控除
育成・評価研修案内、面談の進め方メモ評価、処遇の決定
規程・ルール社内向けの説明文のたたき台規程の内容、労使の手続き

生成AIを使う業務を広げる順番

生成AIを使う業務は、次の順番で広げると無理がありません。前の段階で確認の手順が回るようになってから、次へ進みます。

  1. 社内向けの文章(お知らせ、手順書のたたき台):誤りがあっても社内で気づきやすい
  2. 応募者・内定者向けの文章(連絡文、入社案内):人が読んで直してから送る
  3. 求人原稿や採用ページの文章:労働条件を原本と照らし合わせてから公開する
  4. 数字を含む報告メモ(採用状況の月次報告など):元データと突き合わせてから共有する

給与や評価のように、判断や計算そのものが中心の業務は、生成AIの対象にしません。文章の下書きにとどめることで、AIの誤りが業務の結果に直接影響しないようにします。

ここからは、人事DXの初期にそのまま使える指示文を2つ紹介します。〔 〕の部分を自社の内容に置き換えてください。

指示文1:人事業務の棚卸し表をつくる

指示文の例

あなたは中小企業の人事・総務の業務改善を手伝うアシスタントです。
以下は当社の人事・総務担当者が1か月に行っている業務のメモです。
これを表に整理してください。

表の列:業務名/頻度(月何回)/1回の時間(分)/使う書類・ツール/同じ情報を書き写す回数/デジタル化の候補か(〇△×)

条件:
・メモに書かれていない数字は「不明」と書く(推測で埋めない)
・〇△×の判断理由を1行で添える
・最後に、時間の合計が大きい業務を3つ挙げる

メモ:
〔応募があったら媒体の画面を見て、表計算ソフトに名前・応募職種を手入力。週5件くらい。1件10分。
 面接日程は電話かメールで調整、1件15分。
 入社が決まったら労働条件通知書をWordで作って印刷、手渡し。月1件、30分。
 勤怠はタイムカードを月末に集計して給与ソフトに入力。2時間。
 給与明細は紙で配布。30分。〕

出力例(※説明用の例です)

| 業務名 | 頻度 | 1回の時間 | 書類・ツール | 書き写し | 候補 |
|---|---|---|---|---|---|
| 応募者情報の入力 | 約20回 | 10分 | 媒体画面、表計算ソフト | 1回 | 〇:入力の型を決めれば手入力を減らせる |
| 面接日程の調整 | 不明 | 15分 | 電話、メール | 不明 | 〇:連絡文の型化で短縮できる |
| 労働条件通知書の作成 | 1回 | 30分 | Word、印刷 | 不明 | △:電子交付は本人の希望が条件 |
| 勤怠の集計・入力 | 1回 | 120分 | タイムカード、給与ソフト | 1回 | 〇:転記が発生している |
| 給与明細の配布 | 1回 | 30分 | 紙 | 0回 | △:電子交付には事前承諾が必要 |

【時間の合計が大きい業務】
1. 応募者情報の入力(約200分/月)
2. 勤怠の集計・入力(120分/月)
3. 面接日程の調整(回数が不明のため要確認)

出力の「不明」の部分は、人が実際に数えて埋めます。AIに推測で埋めさせないことで、棚卸し表の数字を信頼できるものにします。

指示文2:入社案内の文面をつくる

指示文の例

内定を承諾した方に送る、入社前の案内メールの下書きを作ってください。

条件:
・宛名は「〔応募者ID:A-0045〕様」とする(氏名は送信前に人が差し替える)
・入社日〔11月2日(月)〕、初日の集合時間〔9:00〕、場所〔本社1階 受付〕
・提出書類は以下のとおり。追加や削除はしない
 〔雇用保険被保険者証(お持ちの方)、年金手帳または基礎年金番号のわかるもの、給与振込先の届出書〕
・労働条件通知書を電子メールで受け取ることを希望するかを尋ねる一文を入れる
・300字前後、です・ます調

出力例(※説明用の例です)

件名:ご入社前のご案内(〇〇株式会社)

A-0045様

このたびは内定をご承諾いただき、ありがとうございます。
ご入社に向けて、初日のご案内と提出書類をお知らせします。

■初日
11月2日(月) 9:00に、本社1階の受付へお越しください。

■ご提出いただく書類
・雇用保険被保険者証(お持ちの方)
・年金手帳または基礎年金番号のわかるもの
・給与振込先の届出書

■労働条件通知書の受け取り方法
書面での受け取りのほか、電子メールでの受け取りも可能です。
電子メールでの受け取りをご希望の場合は、このメールへの返信でお知らせください。

ご不明な点がありましたら、お気軽にご連絡ください。
〇〇株式会社 人事・総務担当

入社日の曜日や提出書類は、送信前に人が一つずつ確認します。提出書類は会社や雇用形態によって変わるため、AIに考えさせず、人が決めたものを渡すのがポイントです。

人事DXでAIに任せないこと・人が確認すること

人事業務は、従業員の生活や権利に直接関わります。生成AIを使う範囲を広げるほど、任せない領域をはっきりさせることが大切です。

AIに任せないこと理由人がやること
採用の合否や評価の点数づけ判断の理由を説明できる状態を保つ必要がある評価基準に沿って人が判断し、理由を記録する
給与・控除の計算誤りが従業員の生活に直結する給与ソフトなど検証された仕組みで計算し、人が確認する
労働条件・規程の内容の決定法令や労使の手続きが関わる経営者と人事が決め、必要に応じて専門家に確認する
氏名・連絡先・マイナンバー等の入力個人情報の利用目的を超えるおそれがあるIDに置き換える。入力しない情報を一覧にする
従業員への送信・公開誤りがそのまま届く人が読んで直し、送信ボタンは人が押す

ヨビコムのAI採用支援でも、「下書きはAI、送る・決めるのは人」を基本にしています。応募者の氏名・連絡先をAIに渡さず応募者IDで扱うこと、求人媒体の画面をAIに操作させないことも、同じ考え方によるものです。

人事DXの導入前チェックリスト

  • □ 人事業務の棚卸し表を作り、時間と転記の回数を記録した
  • □ 最初に取り組む業務を「採用の文章業務」など1つに絞った
  • □ 応募者IDの付け方と、情報の保存場所を決めた
  • □ 生成AIに入力しない情報(氏名・連絡先・マイナンバー等)を一覧にした
  • □ 使うAIサービスを決め、入力内容の扱い(学習への利用など)を契約内容で確認した
  • □ AIの出力を人が確認してから送る手順を決めた
  • □ 労働条件通知書や給与明細を電子化する場合の、希望・承諾の取り方と記録方法を決めた
  • □ 90日後に振り返る日と、見る数字(作業時間など)を決めた

ヨビコムを運営するDigital&が中小企業のAI活用で進めている手順

ヨビコムを運営する株式会社Digital&では、採用支援に加えて、企業の生成AI導入や業務改善、人材育成にも取り組んでいます。特に地方の建設関連企業を対象に、次の手順でAI活用の検討を進めています。

業務ヒアリング、AI活用対象の選定、業務フローの設計、ツールの試作・検証の4ステップでAI活用を進める流れの図
  1. 業務ヒアリング:今どの業務に、誰が、どれくらい時間を使っているかを聞き取る
  2. AI活用の対象を選ぶ:日報、見積、工程表、施工記録、請求業務などから、効果が出やすい業務を選ぶ
  3. 業務フローを設計する:どこをAIに任せ、どこで人が確認するかを決める
  4. ツールを試作・検証する:ClaudeやClaude Codeで小さく作り、実際の業務で試す

人事DXも同じで、いきなりシステムを入れ替えるのではなく、1つの業務を選んで流れを決めてから小さく試すのが進めやすい方法です。採用業務なら、求人原稿や応募者への連絡文など「書く作業」から始めると、効果も確かめやすくなります。

効果は「確認・修正まで含めた時間」で測る

私たちは、AIで初稿を作る時間だけでなく、人が確認・修正する時間まで含めた総作業時間で効果を比べるべきだと考えています。現時点では業務別の作業時間を同じ条件で測ったデータはまだないため、今後、求人原稿、SNS企画、社員インタビュー記事、採用提案書、採用レポートについて、作業の開始から完成版までの時間を測っていく予定です。

人事DXに関するよくある質問

Q1. 人事DXにはシステムの導入が必要ですか?

最初から必要とは限りません。表計算ソフトで情報の型を決め、生成AIで文章の下書きを効率化するだけでも、段階2から段階3へ進めます。情報が増えて管理が難しくなった時点で、システムの導入を検討すると判断しやすくなります。

Q2. 採用と労務、どちらから始めるべきですか?

中小企業には、試行錯誤の影響が小さく、文章業務の多い採用から始めることをおすすめします。給与計算や社会保険の手続きは、誤りの影響が大きいため、採用で型ができてから取り組むと安心です。

Q3. 生成AIに従業員の情報を入力してもよいですか?

氏名や連絡先などの個人情報は、原則として入力しない運用をおすすめします。個人情報保護委員会は、利用目的の範囲内かを確認すること、入力した情報が学習などに使われないかを確認することを求めています。IDに置き換えれば、多くの下書き作業は個人情報なしで進められます。

Q4. 労働条件通知書は全員に電子メールで送ってよいですか?

労働条件の明示は、原則として書面の交付です。労働者が電子メール等での受け取りを希望した場合に、電子で明示できます。全員に一律で電子にするのではなく、本人の希望を確認して記録に残しましょう。

Q5. 人事DXの効果はどう測ればよいですか?

棚卸しで記録した作業時間と転記の回数を、90日後にもう一度測って比べます。採用であれば、応募から初回連絡までの日数も見ておくと、応募者側の変化もわかります。数字は大まかでも、前後で比べられることが大切です。

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まとめ|人事DXは採用で「情報の型」をつくるところから

人事DXは、人事業務全体を人のデータでつなぎ直す取り組みです。中小企業がいきなり全体を変えるのは現実的ではありません。採用で応募者IDと情報の型を決め、文章業務に生成AIを下書き係として置くところから始めると、入社手続きや労務へ広げやすくなります。

電子化には書類ごとに条件があり、生成AIには任せない領域があります。90日のプランで小さく試し、作業時間の変化を確かめながら次の業務へ進めましょう。まずは、人事業務の棚卸しを指示文1で試してみてください。

ヨビコムでは、採用業務のAI化を入口にした人事DXの進め方について、ご相談を受け付けています。

ヨビコム
この記事の執筆・編集:ヨビコム編集部(株式会社Digital&)

中小企業・地方企業の採用代行(RPO)を行うヨビコムの編集部です。飲食・建設・不動産・製造業・介護などの採用支援で得た知見をもとに、採用担当者の実務に役立つ情報をお届けしています。

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