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入社手続きを会社側が行う流れ|必要書類と社会保険の手続きを徹底解説

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「新入社員を迎えるにあたり、入社手続きでどんな書類が必要なのか、社会保険の手続きはどうすればいいのか不安…」と悩んでいませんか?

入社手続きは、会社側が準備する書類と従業員から提出してもらう書類を整理し、期限のある行政手続きをスケジュール通りに進めることが重要です。

本記事では、会社側がやるべき入社手続きの全体像から必要書類、社会保険・雇用保険のフローまでを解説します。

入社手続きを含む労務業務の負荷でお困りの場合は、ヨビコムにご相談ください。

目次 隠す

入社手続きとは?会社側が対応すべき全体像

入社手続きとは?会社側が対応すべき全体像

入社手続きとは、新しく雇用した従業員を自社の組織に迎え入れ、法的に適切な状態で就労を開始できるようにするための各種手続きの総称です。会社側は、労働条件の明示から社会保険の加入まで、多岐にわたる業務を正確に行う必要があります。

入社手続きの目的と重要性

入社手続きの最大の目的は、企業と従業員の間で適切な雇用関係を結び、法令遵守(コンプライアンス)を徹底することです。

労働基準法や社会保険各法では、従業員を雇い入れた際に企業が果たすべき義務が厳格に定められています。たとえば、労働条件通知書の交付を怠れば労働基準法違反となり、社会保険の加入手続きが遅れれば、従業員が医療機関を受診した際に全額自己負担を強いるなどの不利益を与えてしまいます。

また、入社手続きをスムーズかつ丁寧に行うことは、新入社員の会社に対する信頼感を高め、早期離職を防ぐ「オンボーディング」の第一歩としても非常に重要です。

新卒採用と中途採用(転職)での手続きの違い

入社手続きの基本的な流れは同じですが、新卒採用と中途採用(転職者)では、提出してもらう書類にいくつか違いがあります。

新卒採用の場合、初めて社会に出るため、年金手帳(基礎年金番号通知書)や雇用保険被保険者証を新規で発行する手続きが中心となります。

一方、中途採用の場合は、前職で加入していた各種保険の引き継ぎや、その年の所得税の計算(年末調整)を行うため、前職から発行された書類の提出が求められます。

【時系列】入社手続きのスケジュールとフローチャート

入社手続きは、タイミングによって「入社前」「入社日当日」「入社後」の3つのフェーズに分かれます。それぞれの時期にやるべき業務フローを把握しておきましょう。

入社前(内定〜入社前日)の準備

入社前の段階では、雇用契約の締結と、入社に向けた受け入れ準備がメインとなります。

内定を出した後、速やかに「採用通知書」や「労働条件通知書」を送付し、労働条件について双方で合意を得ます。その後、入社日までに提出してもらう書類の案内を行い、必要に応じて入社誓約書などの記入を依頼します。

同時に、社内では新入社員が使用するパソコン、メールアドレスのアカウント発行、名刺、社員証、デスクなどの備品手配を進めておきます。

入社日当日の対応

入社日当日は、事前に案内していた必要書類(マイナンバー、給与振込先申請書、年金手帳など)を新入社員から回収します。

書類の回収漏れや記入ミスがあると、その後の行政手続きが遅れる原因となるため、提出された書類はその場で内容を確認することが重要です。

また、社内ルールの説明やオリエンテーションを実施し、新入社員がスムーズに業務に入れるようサポートします。

入社後(1週間〜1ヶ月以内)の行政手続き

入社後は、回収した書類をもとに、期限が定められている行政手続きを速やかに行います。

最も期限が短いのが「健康保険・厚生年金保険の資格取得届」で、入社日から5日以内に年金事務所へ提出する必要があります。続いて、「雇用保険被保険者資格取得届」を入社翌月の10日までにハローワークへ提出します。

これらの手続きは期限を過ぎるとペナルティの対象となる可能性があるため、スケジュール管理を徹底しましょう。

会社側が準備・作成する入社手続きの必要書類一覧

会社側が準備・作成する入社手続きの必要書類一覧

ここでは、入社手続きにおいて会社側が事前に準備し、新入社員に交付または記入を求める必要書類について解説します。

労働条件通知書・雇用契約書

労働条件通知書は、賃金、労働時間、休日、就業場所などの労働条件を明記した書類です。労働基準法第15条により、企業は従業員を雇い入れる際、必ず書面(または本人が希望した場合は電子メール等)で交付することが義務付けられています。

雇用契約書は、企業と従業員が雇用契約の内容に合意したことを証明する書類で、双方が署名・捺印して1部ずつ保管します。実務上は、これら2つの書類を兼ねた「労働条件通知書兼雇用契約書」として作成・交付するケースが一般的です。

採用通知書(内定通知書)

採用通知書(内定通知書)は、企業が応募者に対して採用の意思を正式に伝えるための書類です。

法的な発行義務はありませんが、入社日や入社までのスケジュール、内定取り消し事由などを明記することで、内定者の不安を払拭し、入社への意欲を高める効果があります。

入社誓約書・身元保証書

入社誓約書は、就業規則の遵守や機密情報の保持など、会社で働く上でのルールを守ることを約束してもらう書類です。

身元保証書は、万が一従業員が会社に損害を与え、本人が賠償できない場合に、身元保証人(親族など)に連帯して責任を負ってもらうための書類です。2020年の民法改正により、身元保証書には賠償額の上限(極度額)を明記することが義務付けられました。極度額の記載がない身元保証書は無効となるため注意が必要です。

法定三帳簿(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿)

法定三帳簿とは、労働基準法によって企業に作成と保存(原則5年間)が義務付けられている「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」の3つの帳簿のことです。

新入社員が入社した際は、速やかに労働者名簿に氏名や生年月日、履歴などを登録し、給与計算のための賃金台帳、労働時間を管理するための出勤簿(タイムカードなど)のフォーマットを準備します。

新入社員に提出してもらう入社手続きの必要書類

新入社員に提出してもらう入社手続きの必要書類

次に、新入社員側で準備し、会社に提出してもらう必要書類について解説します。

全員に提出してもらう基本書類(マイナンバー、給与振込先など)

雇用形態や新卒・中途を問わず、すべての新入社員から以下の書類を提出してもらいます。

  • マイナンバー(個人番号):
    社会保険や税金の手続きに必須です。マイナンバーカードのコピー、または通知カード+身分証明書のコピーで番号と身元を確認します。
  • 給与振込先申請書:
    給与を振り込む銀行口座の情報を指定してもらいます。通帳のコピーやキャッシュカードの画像を添付してもらうと転記ミスを防げます。
  • 基礎年金番号がわかる書類:
    厚生年金への加入手続きに使用します。以前は年金手帳の提出が一般的でしたが、2022年4月に年金手帳が廃止されたため、現在は「基礎年金番号通知書」やマイナンバーで手続きを行います。
  • 住民票記載事項証明書:
    現住所を確認するための書類です。

中途採用(転職者)のみ必要な書類(源泉徴収票、雇用保険被保険者証など)

中途採用(転職者)の場合は、前職での記録を引き継ぐために以下の書類が追加で必要になります。

  • 源泉徴収票:
    前職を同年の途中で退職している場合、年末調整で前職の所得と合算して税金計算を行うために必要です。
  • 雇用保険被保険者証:
    前職で雇用保険に加入していたことを証明する書類です。記載されている「雇用保険被保険者番号」を引き継いで加入手続きを行います。

扶養家族がいる場合に必要な書類

新入社員に配偶者や子どもなどの扶養家族がいる場合は、税金や社会保険の扶養に入れるための手続きが必要です。

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書:
    所得税の計算において扶養控除を受けるために必要です。扶養家族がいない場合でも、原則として全員に提出してもらいます。
  • 健康保険被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者関係届:
    扶養家族を健康保険の被扶養者にするため、および配偶者を国民年金の第3号被保険者にするための書類です。

期限のある手続きは属人化しやすいため、フロー化しておくと抜け漏れを防げます。

入社後に会社側が行う社会保険・雇用保険の手続き

入社後に会社側が行う社会保険・雇用保険の手続き

新入社員から書類を回収したら、会社側は各行政機関への届出を行います。それぞれ提出先と期限が異なるため注意が必要です。

健康保険・厚生年金保険の加入手続き(入社から5日以内)

従業員を新たに雇用した場合、会社は「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を管轄の年金事務所(または健康保険組合)に提出します。

提出期限は入社日から5日以内と非常に短く設定されています。手続きが遅れると、新しい健康保険証の発行が遅れ、従業員が病院にかかる際に不便を強いることになるため、最優先で処理すべき業務です。

雇用保険の加入手続き(入社翌月10日まで)

雇用保険の加入条件(週の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがある)を満たす従業員については、「雇用保険被保険者資格取得届」を管轄のハローワークに提出します。

提出期限は入社した日の翌月10日までです。中途採用の場合は、提出時に前職の雇用保険被保険者番号を記載して手続きを行います。

労災保険の適用手続き

労災保険(労働者災害補償保険)は、原則として従業員を1人でも雇用した時点で事業所単位で適用されます。

そのため、すでに労災保険の成立手続きが済んでいる事業所であれば、従業員が入社するたびに個別の加入手続きを行う必要はありません。ただし、新規に事業を開始して初めて従業員を雇う場合は、労働基準監督署への届出が必要です。

所得税・住民税に関する手続き

税金に関する手続きも会社側の重要な役割です。

所得税については、提出された「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」をもとに、毎月の給与から源泉徴収する税額を決定します。

住民税については、中途採用で前職から「特別徴収(給与天引き)」を継続する場合、各市区町村へ「特別徴収への切替申請書」を提出し、自社での給与天引きに切り替える手続きを行います。

入社手続きをスムーズに進めるためのチェックリスト

入社手続きをスムーズに進めるためのチェックリスト

入社手続きは関係者が多く、タスクが煩雑になりがちです。抜け漏れを防ぎ、スムーズに進めるためのポイントを解説します。

ペーパーレス化・オンライン化の推進

紙の書類でのやり取りは、郵送の手間や紛失のリスク、手書きによる記入ミス・判読ミスが発生しやすくなります。

入社手続きをスムーズに進めるには、書類のやり取りを可能な限りオンライン化(ペーパーレス化)することが有効です。たとえば、内定者に専用のWebフォームURLを案内し、スマートフォンから直接個人情報や口座情報を入力してもらう仕組みを作れば、回収のスピードが格段に上がります。

クラウド労務管理システムの活用

入社手続きの効率化に最も効果的なのが、クラウド型の労務管理システムの導入です。

システムを活用すれば、従業員が入力したデータがそのまま社会保険の電子申請(e-Gov)や給与計算ソフトに連携されるため、人事担当者が手作業で転記する手間が省けます。また、「誰がどの書類を提出済みか」という進捗状況もダッシュボードで一目で確認できるため、催促の連絡も容易になります。

会社側の入社手続きでよくあるトラブルと対策

会社側の入社手続きでよくあるトラブルと対策

入社手続きの過程では、ちょっとした認識のズレや連絡不足が大きなトラブルに発展することがあります。よくある失敗例とその対策を知っておきましょう。

労働条件の認識のズレ

「面接で聞いていた給与額と違う」「残業はないと言われていたのに毎日ある」といった労働条件の食い違いは、早期離職の最大の原因となります。

これを防ぐためには、口頭での説明に頼らず、必ず「労働条件通知書」で具体的な金額や勤務時間を明文化し、入社前に本人の同意を得ることが不可欠です。特に、固定残業代が含まれている場合は、その内訳を明確に記載する必要があります。

入社前の連絡不足による内定辞退

内定を出してから入社日までの間、会社からの連絡が途絶えてしまうと、内定者は「本当に歓迎されているのだろうか」と不安になり、最悪の場合、内定辞退につながります。

対策として、入社手続きの案内を兼ねて定期的に連絡を取ることが重要です。社内報の送付や、配属予定部署のメンバーとのカジュアルな面談(オンラインでも可)を設定するなど、入社までのモチベーションを維持する工夫をしましょう。

社会保険手続きの遅延によるトラブル

担当者の業務過多や書類の不備により、社会保険の加入手続きが遅れるケースも散見されます。

手続きが遅れると、健康保険証が手元にない期間が長引き、従業員が全額自己負担で医療費を支払わなければならなくなります。これを防ぐには、入社前から必要書類のアナウンスを徹底し、入社日当日に確実に回収するフローを構築することが重要です。

採用から入社受け入れまで一気通貫での体制づくりもご相談いただけます。

入社手続きの負担を減らすなら「労務代行」もおすすめ

入社手続きの負担を減らすなら「労務代行」もおすすめ

入社手続きは、法律の専門知識が求められる上に、特定の時期(春先など)に業務が集中しやすいという特徴があります。

専門知識が必要な労務業務をアウトソーシングするメリット

「専任の労務担当者がいない」「法改正のたびに手続きのやり方を調べるのが大変」という企業には、入社手続きを含む労務業務全般を外部の専門家に委託する「労務代行(アウトソーシング)」がおすすめです。

労務代行を利用すれば、社会保険の加入手続きや給与計算などをプロに任せることができるため、手続きの遅延やミスといったリスクを大幅に軽減できます。また、社内のリソースを、採用活動や従業員の定着施策といったコア業務に集中させることが可能になります。

自社の状況に合わせて、システム導入による自製化か、アウトソーシングによる外部委託か、最適な方法を検討してみましょう。

入社手続きに関するよくある質問(FAQ)

入社手続きに関するよくある質問(FAQ)

最後に入社手続きに関して、人事・労務担当者からよく寄せられる質問に回答します。

Q1. 雇用保険被保険者証や年金手帳を紛失した場合は?

中途採用者が前職の雇用保険被保険者証を紛失した場合は、本人がハローワークで再発行の手続きを行うか、会社側が加入手続きを行う際にハローワークで被保険者番号を照会してもらうことが可能です。

年金手帳(基礎年金番号通知書)を紛失し、基礎年金番号がわからない場合は、本人が年金事務所で再交付の申請を行う必要があります。ただし、現在はマイナンバーでの手続きが主流となっているため、マイナンバーがわかれば手続きを進められるケースが多いです。

Q2. 健康保険証の発行が遅れている間の医療費はどうなる?

入社直後でまだ健康保険証が手元に届いていない期間に病院にかかる場合、一時的に医療費を全額(10割)自己負担する必要があります。

後日、健康保険証が届いた後に、受診した病院の窓口で保険証と領収書を提示すれば、保険適用分(7割)が返金されます。病院での精算期間を過ぎてしまった場合は、加入している健康保険組合や協会けんぽに直接「療養費支給申請書」を提出することで払い戻しを受けられます。

Q3. 外国人を雇用する場合の入社手続きは?

外国人を雇用する場合、通常の入社手続きに加えて、就労可能な在留資格(ビザ)を持っているかの確認が必須です。入社時に必ず「在留カード」の原本を確認し、コピーを保管します。

また、雇用対策法に基づき、外国人を雇い入れた際(および離職した際)には、ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を行うことが義務付けられています。

まとめ:入社手続きは会社側で漏れなく確実に行おう

まとめ:入社手続きは会社側で漏れなく確実に行おう

入社手続きは、企業と従業員が信頼関係を築くための最初の重要なステップです。

会社側が準備すべき書類(労働条件通知書など)と、従業員から提出してもらう書類(マイナンバー、年金手帳など)を明確に分け、期限のある社会保険・雇用保険の手続きをスケジュール通りに進めることが求められます。

手続きの漏れや遅延は、法令違反のリスクだけでなく、新入社員のモチベーション低下にも直結します。本記事で紹介したフローやチェックリストを活用し、ペーパーレス化や労務管理システムの導入、あるいは労務代行の活用も視野に入れながら、確実でスムーズな入社手続き体制を構築してください。

採用から入社手続き・定着支援まで、ヨビコムが伴走してご支援します。

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この記事の執筆・編集:ヨビコム編集部(株式会社Digital&)

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