建設業の中途採用がうまくいかず、経験者からの応募がなかなか集まらないとお悩みの人事・経営者の方は多いのではないでしょうか。結論から言うと、建設業の中途採用の難しさは業界構造に根ざしたもので、原因を切り分ければ対策次第で改善が期待できます。本記事では、建設業の中途採用が難しい理由と、成功に向けた具体的なポイントを最新データとともに解説します。
この記事でわかること
- データで見る建設業の中途採用の現状
- 中途採用が難しい5つの理由
- 中途採用を成功させる6つのポイント
- うまくいかない企業の共通点と診断チェックリスト
ヨビコム建設のサービス内容は、資料でご確認いただけます。
建設業の中途採用は本当に難しい?現状をデータで確認

「建設業の中途採用は難しい」という声は、業界全体の求人需要と担い手不足の構造から裏づけられます。まずは、なぜ難しいと言われるのかを客観的なデータで確認しておきましょう。中途採用に限らない建設業全体の状況は、建設業の採用が難しい5つの理由と現状データで確認できます。
建設業の有効求人倍率と人手不足の実態
有効求人倍率とは、求職者1人あたり何件の求人があるかを示す指標で、数値が高いほど採用側にとって不利な「売り手市場」を意味します。2026年(令和8年)7月時点の全産業の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍で、求人が求職者を上回る売り手市場が続いています。※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」
建設業はその中でもとりわけ求人需要が高い業種です。2024年平均では、建設・採掘従事者の有効求人倍率は5.12倍と、全職業計の1.14倍を大きく上回っています。※出典:厚生労働省「令和7年版 労働経済の分析(第Ⅱ部 第2章 社会インフラを支える職業の人材確保に向けて)」
建設業では施工管理や躯体工事、電気工事などの職種で慢性的な人手不足が指摘されており、経験者ほど複数社からの引き合いが集中しやすい傾向があります。求人を出しても応募が来ない背景には、業界全体で人材の奪い合いが起きているという構造的な要因があると考えられます。
就業者の高齢化と中堅層の減少
建設業の中途採用を難しくしている最大の要因が、就業者の高齢化と若手・中堅層の薄さです。建設業就業者数は1997年の685万人をピークに減少が続き、2025年はピーク時の約7割にあたる478万人となっています。建設業就業者に占める55歳以上の割合は約37%、29歳以下は約12%で、全産業と比べて高齢化が著しく進んでいます。※出典:日本建設業連合会「建設業デジタルハンドブック(4.建設労働/建設業就業者数の推移・建設業就業者の高齢化の進行)」(総務省「労働力調査」・2026年更新)
特に注目したいのが、採用の中心ターゲットとなる30〜49歳の中核層の減少です。同資料によると、この年齢層の就業者はおよそ238万人から約174万人へと大きく減少しました。即戦力として期待される中堅層そのものが市場に少ないため、中途採用の難易度が高まっているのです。
「2024年問題」で採用競争はさらに激化
2024年4月からは、建設業にも時間外労働の罰則付き上限規制が適用されました。原則として時間外労働は月45時間・年360時間が上限となり、いわゆる「2024年問題」として業界の働き方改革が加速しています。※出典:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」
労働時間の上限規制により、限られた人員で工期を守るには一人あたりの生産性向上か人員の確保が求められます。働き方改革への対応が急がれる中で、人材確保の重要性はこれまで以上に高まっていると言えるでしょう。
建設業の中途採用が難しい5つの理由

データで現状を押さえたうえで、建設業の中途採用が難しい理由を5つに整理します。
理由①:有資格・経験者の人数そのものが不足している
施工管理技士や電気工事士、各種技能者など、建設業では資格や実務経験が求められる職種が多くを占めます。前述のとおり中核となる中堅層が減少しているため、有資格の経験者は市場全体で不足しがちです。経験者だけをターゲットにすると、そもそも母集団が小さく、採用競争に埋もれてしまいやすくなります。
加えて、有資格者は待遇への感度が高く、より条件の良い企業へ転職する傾向があります。経験者採用に絞り込むほど、給与や待遇での競争を強いられる点も難しさの一因です。
理由②:労働環境のイメージで応募が集まりにくい
建設業には「休みが少ない」「労働時間が長い」というイメージが根強く残っており、これが応募の心理的なハードルになっている場合があります。実際、建設業の年間総労働時間は他産業より長い傾向が続いています。同資料では、2025年の建設業の年間労働時間は調査産業計と比べて約237時間長いとされています。※出典:日本建設業連合会「建設業デジタルハンドブック(4.建設労働/労働時間の推移)」(厚生労働省「毎月勤労統計調査」・2026年更新)
週休2日制の導入など労働環境の改善が進んでいる企業も増えていますが、その実態が求職者に十分伝わっていないケースが少なくありません。
理由③:給与・待遇の条件面で競合に見劣りする
中途採用では、求職者は複数社の求人を比較検討します。給与レンジや手当、休日日数といった条件が同業他社や他産業に見劣りすると、応募や内定承諾の段階で候補者を逃しやすくなります。
建設業を含む「保安・運輸・建設グループ」の年間所得は約447万円で、事務職などを含む非社会インフラ関連職(約541万円)を下回る水準にあります。※出典:厚生労働省「令和7年版 労働経済の分析(第Ⅱ部 第2章 社会インフラを支える職業の人材確保に向けて)」給与水準そのものだけでなく、資格手当や賞与、福利厚生を含めた「総合的な待遇」で比較されている点を意識する必要があります。
理由④:採用チャネルが求人媒体に偏っている
「求人媒体に掲載しているのに応募が来ない」という悩みも多く聞かれます。多くの企業が同じ媒体に出稿しているため、条件面で目立ちにくい中小の建設会社ほど埋もれやすいのが実情です。
求人媒体だけに頼る採用は、母集団形成のチャネルが1つに偏っているという点でリスクがあります。Indeedなどの求人検索エンジンの運用、採用サイト、SNS、社員紹介(リファラル)など、複数の接点を組み合わせることで、これまで出会えなかった層にアプローチできる可能性が広がります。
理由⑤:選考スピードと候補者対応の遅れ
現場業務が多忙な建設会社では、応募者への連絡や面接日程の調整が後回しになりがちです。しかし売り手市場では、対応が遅れている間に候補者が他社に決まってしまうことも珍しくありません。
応募から一次連絡までのスピードや、面接での丁寧なコミュニケーションは、内定承諾率に直結しやすい要素です。採用担当が現場と兼務している企業では、選考フローの整備や対応の役割分担が追いつかず、機会損失につながっているケースが見られます。
建設業の採用でお困りのことがあれば、ヨビコム建設の無料相談をご利用ください。
建設業の中途採用を成功させる6つのポイント

難しい理由を踏まえ、建設業の中途採用を成功に近づけるための具体的なポイントを6つ紹介します。
ポイント①:採用ターゲットを見直す(未経験・異業種も視野に)
経験者の獲得競争が激しい今、ターゲットを「経験者のみ」に固定しない発想が有効です。未経験者や異業種からの転職者を受け入れ、資格取得支援や研修で育成する前提に切り替えることで、母集団を大きく広げられます。
「誰を採るか」の設計を見直すだけで、応募が集まりやすくなるケースは多くあります。ヨビコム建設が支援する採用の現場でも、ターゲットを広げたうえで育成計画を明確にした企業ほど、応募数の改善につながりやすい傾向が見られます。
ポイント②:労働条件を整え「正しく見せる」
条件そのものの改善と、その内容を求職者に正確に伝える「見せ方」は、どちらも欠かせません。「アットホームな職場」といった抽象的な表現ではなく、休日数・平均残業時間・資格手当の金額など、数字で示せる情報を盛り込むと信頼性が高まります。
建設業では2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、原則として月45時間・年360時間、特別条項を結ぶ場合でも年720時間などの上限が定められています。労働時間の実態や週休2日の取り組み、適正な工期での就業環境を整え、それを求人情報で明示することが、応募のハードルを下げることにつながると考えられます。※出典:厚生労働省 茨城労働局「建設業の『働き方改革』について」
ポイント③:採用チャネルを多様化する(Indeed・SNS・採用サイト)
求人媒体への依存から脱却し、複数の接点を持つことで母集団形成の安定につながります。代表的なチャネルには次のようなものがあります。
- Indeedなどの求人検索エンジンの運用(掲載・広告の最適化)
- 自社採用サイトによる情報発信と応募受付
- InstagramやYouTubeなどのSNSでの現場・社員の魅力発信
- 社員紹介(リファラル採用)の仕組み化
- 採用特化のWeb広告によるターゲット層への訴求
複数チャネルを組み合わせることで、求人媒体だけでは届かなかった層にアプローチできる可能性が広がります。
チャネルを選ぶうえでの注意点として、建設業務(現場で直接施工に従事する作業)については、職業安定法により有料職業紹介が原則として禁止されており、厚生労働大臣の許可を受けた建設事業主団体のみが実施できるとされています。※出典:厚生労働省「建設業務有料職業紹介事業について」一方で、施工管理・営業・事務などの職種は対象外のため、通常の人材紹介サービスを利用できます。
ポイント④:採用ブランディングで自社の魅力を発信する
採用ブランディングとは、自社で働く魅力を整理し、求職者に一貫して伝えていく取り組みです。給与や休日といった条件だけでなく、仕事のやりがいや社風、キャリアパスを可視化することで、条件面だけに頼らない訴求ができます。
建設業では、完成物のスケールや社会インフラを支える誇り、若手の成長環境など、発信できる魅力が数多くあります。現場のリアルな様子や社員の声を発信することで、求職者が入社後をイメージしやすくなり、応募の質の向上が期待できます。
ポイント⑤:選考プロセスを短縮しクロージングを丁寧に
応募後の対応スピードを上げることは、比較的すぐに着手できる改善策です。応募から一次連絡までの目標時間を決める、面接日程の候補を事前に用意しておくなど、フローを整えるだけで機会損失を減らせます。
内定を出す段階では、候補者の不安に寄り添うクロージング(意思決定の後押し)が承諾率を左右します。入社後の働き方や研修内容を丁寧に説明し、疑問を解消する場を設けることが、他社への流出を防ぐことにつながります。
ポイント⑥:採用のプロ・外部サービスを活用する
ここまでの施策を自社だけで進めるのが難しい場合は、建設業に特化した採用支援サービスの活用が選択肢になります。採用戦略の設計から媒体運用、採用サイト制作、SNS運用までを一貫して任せられるため、現場業務と兼務している採用担当の負担軽減が期待できます。
建設業向けの採用支援サービスのひとつが、株式会社Digital&が運営するヨビコム建設です。建設業に特化し、採用SNS運用・採用代行・採用サイト制作・Indeed運用代行・採用ブランディング・採用特化Web広告まで、採用課題をまとめて相談できる点が特徴です。
ヨビコム建設が建設業の採用支援で見てきた傾向として、ターゲットの再設計と情報発信の強化を組み合わせることで、応募数や採用数の改善につながる例が挙げられます。
ヨビコム建設|建設業に特化した採用課題のワンストップ支援

ヨビコム建設は、建設業の採用に特化した支援サービスです。採用戦略の設計から実行までを一貫してサポートし、慢性的な人手不足や中途採用の難しさに向き合う建設会社を支援しています。
- 建設業向けの採用SNS運用・採用代行業務
- 採用サイト制作・Indeed運用代行
- 採用ブランディング・採用特化Web広告
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社Digital& |
| 所在地 | 東京都文京区本駒込6丁目25番5号 |
| 設立 | 非公開 |
| 従業員数 | 60名(業務委託含む) |
| 可能なサービス | 建設業向け採用SNS運用/採用代行業務/採用サイト制作/Indeed運用代行/採用ブランディング/採用特化Web広告 |
| 契約期間 | 6ヶ月〜(最低契約期間) |
| 費用・料金 | ベーシックプラン 月額10万円〜(税別)/グロースプラン 月額45万円〜(税別)/初期費用25万円(広告費・求人媒体掲載費・撮影費・サイト制作費等は別途) |
| 問い合わせ先 | https://digitaland.co.jp/yobikomu-kensetsu/ |
建設業の中途採用の難しさに課題を感じている方は、ぜひヨビコム建設へお気軽にご相談ください。
【診断チェックリスト】建設業の中途採用がうまくいかない企業の共通点

最後に、建設業の中途採用がうまくいかない企業に共通しやすいポイントをチェックリストにまとめました。当てはまる項目が多いほど、改善の余地が大きいと考えられます。
- 求人票のターゲットが「経験者のみ」に固定されている
- 休日数・残業時間・給与レンジを具体的に開示していない
- 採用チャネルが特定の求人媒体1つに偏っている
- 自社採用サイトがない、または情報が古いまま更新されていない
- 応募から一次連絡までに数日以上かかることがある
- 面接や内定後のフォローが現場の都合で後回しになりがち
- 自社で働く魅力を言語化・発信できていない
多くの企業では、採用がうまくいかない原因は一つではなく、複数の要因が重なっているケースが目立ちます。採用支援の現場でも、まず現状の採用フローを棚卸しし、ボトルネックを特定することが改善の第一歩になる場合が多く見られます。
建設業の中途採用に関するよくある質問(FAQ)

建設業の中途採用に関して、担当者からよく寄せられる質問をまとめました。
Q1. 未経験者を中途採用しても戦力になりますか?
職種や育成体制にもよりますが、資格取得支援や研修を整えることで戦力化が期待できます。経験者の母集団が限られる中では、未経験者を採用して自社で育てる方針が有効な選択肢になり得ます。入社後の教育計画をあらかじめ設計しておくことが定着のポイントです。
Q2. 求人媒体に掲載しても応募が来ないのはなぜですか?
同じ媒体に多くの企業が出稿しているため、条件面で目立ちにくい企業は埋もれやすい傾向があります。求人票の内容改善に加えて、Indeedや採用サイト、SNSなど複数チャネルを併用することで改善が期待できます。
Q3. 中途採用と新卒採用はどちらを優先すべきですか?
自社の年齢構成や急ぎ度合いによって異なります。即戦力が急務なら中途採用、長期的な世代交代を見据えるなら新卒採用が適していると考えられます。建設業を含む「保安・運輸・建設グループ」では65歳以上が約17%(2024年)と高齢化が進んでおり、両者を組み合わせた中長期の採用計画が望まれます。※出典:厚生労働省「令和7年版 労働経済の分析(第Ⅱ部 第2章)」
Q4. 採用にかけられる予算が限られている場合、何から始めるべきですか?
まずは費用をかけずに改善できる、求人票の見直しと応募者対応スピードの改善から着手するのがおすすめです。そのうえで、効果が見込めるチャネルに絞って予算を配分すると、限られた予算でも成果につながりやすくなります。厚生労働省の「人材確保等支援助成金」には建設分野向けのコースもあり、条件を満たせば労働環境の整備や人材確保の取り組みに活用できます。※出典:厚生労働省「人材確保等支援助成金」
まとめ|建設業の中途採用は「戦略」と「見せ方」で変わる

建設業の中途採用が難しい背景には、有資格・経験者の不足、就業者の高齢化、労働環境のイメージ、チャネルの偏り、選考スピードといった複数の要因があります。いずれも業界構造に根ざした課題ですが、対策次第で改善が期待できるものです。
採用ターゲットの見直し、労働条件の整備と正しい発信、チャネルの多様化、選考プロセスの改善を組み合わせることが、中途採用成功の鍵となります。自社だけで進めるのが難しい場合は、外部の採用支援を取り入れることも有効です。
建設業の採用活動の強化・効率化をお考えの方は、ぜひヨビコム建設へお気軽にご相談ください。
建設業の採用課題、まずはお気軽にご相談ください

