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歩掛とは?調べ方・使い方と積算での注意点|国の標準歩掛と自社歩掛の作り方

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執筆:建設AIシフト編集部(株式会社Digital&)
監修
監修:建設AIシフト 監修責任者
歩掛とは調べ方・使い方

歩掛(ぶがかり)とは、ある作業を一定の量だけ行うのに必要な手間を数値で表したものです。たとえば「土のう100袋をつくって積むのに、普通作業員が何人必要か」を示します。人の手間は「人工(にんく)」、機械は運転日数や時間で表します。

積算では「数量×歩掛=必要な人工」を出し、そこに労務単価を掛けて労務費を計算します。公共工事では、国土交通省が土木工事標準歩掛や公共建築工事標準単価積算基準で標準的な歩掛を定め、毎年改定しています。民間工事や自社の見積では、日報の実績から作る「自社歩掛」が見積精度を左右します。

この記事では、2026年10月1日時点で国土交通省の公表資料を確認し、歩掛の調べ方、実際の歩掛の見方、積算で使うときの注意点を解説します。後半では、日報データから自社歩掛を作る手順と、AIで集計・比較を楽にする方法、AIに任せてはいけない部分を紹介します。

この記事でわかること

  • 歩掛・人工・日当り施工量・単価表の関係
  • 国の標準歩掛の種類と調べ方(土木・建築・都道府県)
  • 令和8年度の土木工事標準歩掛の実例を使った読み方と計算例
  • 積算で歩掛を使うときの注意点と、よくある間違い
  • 日報データから自社歩掛を作る手順と、AIで集計するプロンプト

内訳の作り方、法定福利費の明示、過去見積からの下書き手順をまとめたキットを用意しています。

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歩掛とは?人工・日当り施工量・単価との関係

歩掛は、積算で労務費や機械費を出すための「係数」です。歩掛だけでは金額になりません。数量、単価と組み合わせて使います。関係する用語を整理します。

用語 意味 表し方の例
歩掛(ぶがかり) 単位量の作業に必要な労務・機械・材料の量 100袋当り 普通作業員○人
人工(にんく) 1人が1日働く作業量を1とした手間の単位 3人で2日=6人工
日当り施工量 標準的な編成(世話役・作業員・機械)で1日にできる量 ○○㎡/日
日当り編成人員 1日の作業班を構成する職種と人数 世話役1人、特殊作業員3人、普通作業員5人
労務単価 職種ごとの1人工当たりの賃金 円/人(公共工事では公共工事設計労務単価など)
単価表 歩掛と単価を組み合わせ、単位量当たりの金額を出す表 土のう積工 10㎡当り単価表
諸雑費 スコップなど細かな費用。労務費などに率を掛けて計上 労務費の合計×○%を上限

計算の基本形は「必要な人工=数量×歩掛」「労務費=人工×労務単価」です。積算の全体像は積算とは?建設工事の積算のやり方で解説しています。この記事では歩掛そのものに絞ります。

国の標準歩掛の種類と調べ方

公共工事の予定価格は、発注者が定めた積算基準で計算されます。歩掛は工事の種類と発注者によって、参照する基準が違います。

基準・資料 主な対象 どこで確認するか(2026年10月1日確認)
土木工事標準歩掛 国土交通省直轄の土木工事 国土交通省「土木工事標準歩掛」のページで、年度ごとの改定内容がPDFで公表されています。全体を収録した冊子は、建設物価調査会などから書籍として発行されています
施工パッケージ型積算 同上(機械土工、舗装など多くの工種) 歩掛を積み上げる代わりに、施工単位ごとの標準単価で積算する方式です。改定内容は国土交通省の積算基準の公表資料に含まれます
公共建築工事標準単価積算基準 官庁営繕(建築・電気設備・機械設備・昇降機) 国土交通省 官庁営繕部「官庁営繕の技術基準」のページ。令和8年3月11日改定版がPDFで公開されています
都道府県・市町村の積算基準 自治体の発注工事 各自治体のサイト。国の基準に準拠しつつ独自の運用を定めている例があります(例:宮城県は、国の基準書に準拠し県独自の運用部分を公表)
設計業務等標準歩掛 測量・設計などの業務委託 国土交通省の積算基準の公表資料

自治体の工事では、その自治体の積算基準と単価が使われます。国の歩掛をそのまま当てはめず、発注者が公表している基準と版を確認してください。

令和8年度の主な改定内容

国土交通省は2026年2月27日に「令和8年度 国土交通省土木工事・業務の積算基準等の改定」を公表しました。歩掛に関係する主な内容は次のとおりです。

  • 土木工事標準歩掛の改定:新規制定7工種(鉄筋工、土のう工、防塵処理工など)、使用機械・労務等の変動による改定8工種など
  • 移動時間や作業休止時間(猛暑時の作業管理を含む)で実作業時間が短くなっている実態を、日当り施工量に反映
  • 維持修繕などで小規模施工を考慮した歩掛の設定と、適用範囲の詳細化
  • 鉄筋工・ガス圧接工・軟弱地盤処理工の市場単価を廃止し、鉄筋工・ガス圧接工は土木工事標準歩掛へ移行
  • 能登半島地震の被災地での復興歩掛の新設など、被災地向けの補正

適用時期は改定項目ごとに定められています。多くは令和8年4月1日以降に入札書提出締切日が設定される工事からです。個別の工事では、発注者が示す基準の版を確認してください。

建築では、公共建築工事標準単価積算基準の令和7年12月の改定で、材料と労務が一体(材工一式)だった市場単価の一部に代わり、労務費などの内訳がわかる「単位施工単価」が導入されました。国土交通省の「よくある質問・回答」集では、国が示す「労務費の基準値」は、原則として公共工事設計労務単価と国の積算基準の歩掛を使って算定していると説明されています。労務費の基準については標準労務費とは?をご覧ください。

歩掛の見方|令和8年度の標準歩掛の実例

標準歩掛は、おおむね「適用範囲→施工概要→施工歩掛(または編成人員と日当り施工量)→諸雑費→単価表」の順で書かれています。書き方には大きく2つの型があります。国土交通省が公表した令和8年度の改定内容から、実例を見てみましょう。

型1:単位量当たりの人工で示す(土のう工)

令和8年度に新規制定された「土のう工」では、100袋当りに必要な人数が示されています。

作業 名称 単位 数量(100袋当り)
土のう製作・積立 土木一般世話役 人 0.2
普通作業員 人 2.9
諸雑費率 % 0.3
土のう撤去 普通作業員 人 1.6
諸雑費率 % 0.2

出典:国土交通省「土木工事標準歩掛の改定(令和8年度)改定内容(1/2)」の土のう工より整理。適用範囲は、簡易な仮締切工のうち1段以上の小口並べまたは側面並べによる土のう積で、施工基面から1.0m以下の積立作業です。乱積は適用外とされています。注記では、現場内小運搬(10m程度)を含むこと、諸雑費はスコップ等の費用で労務費の合計額に率を掛けた額を上限とすることが示されています。

計算例を示します。土のう300袋を製作・積立する場合です。

  • 土木一般世話役:300袋÷100袋×0.2人=0.6人
  • 普通作業員:300袋÷100袋×2.9人=8.7人
  • 労務費:0.6人×世話役の労務単価+8.7人×普通作業員の労務単価
  • 諸雑費:上の労務費の合計×0.3%を上限

※計算の流れを示す説明用の例です。労務単価は工事場所・年度の公共工事設計労務単価などを使います。土砂や土のう袋の材料費は、単価表で別に計上します。

型2:日当り編成人員と日当り施工量で示す(切削オーバーレイ工)

機械を使う工種では、「1日の作業班の人数」と「その班が1日にできる量」で示す型が多くなります。令和8年度に改定された「切削オーバーレイ工(ICT)」では、日当り編成人員が土木一般世話役1人、特殊作業員3人、普通作業員5人とされています。日当り施工量は、平均切削深さ7cm以下・即日舗設・一層の場合で910㎡/日です(改定後の値)。

単価表は100㎡当りで作られ、人数は「編成人員×100/D」(Dは日当り施工量)で計算します。

  • 土木一般世話役:1人×100÷910=約0.11人(100㎡当り)
  • 特殊作業員:3人×100÷910=約0.33人(100㎡当り)
  • 普通作業員:5人×100÷910=約0.55人(100㎡当り)

※計算は説明用です。端数の扱いは発注者の積算基準に従います。条件(切削深さ、層数、即日舗設かどうか)で日当り施工量が変わるため、表の適用条件を必ず確認します。

歩掛を読むときの5つの確認点

  1. 適用範囲規模、高さ、施工方法など、その歩掛が使える条件を確認します。範囲外なら別の歩掛か見積で積算します。
  2. 単位「100袋当り」「10㎡当り」「1日当り」など、何当りの数値かを確認します。
  3. 含まれる作業施工フローのどこまでが歩掛の対象か、注記で別途計上とされる作業を確認します。
  4. 諸雑費と機械の扱い率で計上する費用、機械の運転日数の出し方を確認します。
  5. 補正と版小規模、被災地、年度改定などの補正があるか、どの版を使うかを確認します。

積算で歩掛を使うときの注意点

標準歩掛は「標準的な条件での平均的な手間」です。現場条件が違えば、実際の手間とずれます。積算でよくある間違いと防ぎ方をまとめます。

よくある間違い 起きる理由 防ぎ方
適用範囲外の歩掛を使う 工種名だけで歩掛を選ぶ 適用範囲・施工概要・注記を読んでから使う
単位の取り違え 「100㎡当り」と「1㎡当り」を混同する 計算表に「何当り」の列を設ける
古い版の歩掛を使う 前年の資料を使い回す 歩掛表に年度・出典・確認日を書く
別途計上の漏れ 注記の「別途計上する」を読み落とす 注記の別途計上項目をチェックリスト化する
法定福利費の計上漏れ 労務単価に事業主負担分が含まれると思い込む 公共工事設計労務単価には事業主負担分(必要経費分)は含まれないとされている。法定福利費を別に計上する
標準歩掛をそのまま自社の見積に使う 自社の班編成や機械が標準と違う 自社歩掛と比べ、差の理由を把握してから使う

見積書の内訳の書き方は建設業の見積書の書き方、工種別の内訳明細の作り方は内訳明細書の書き方で解説しています。

自社歩掛の作り方|日報データから求める

自社歩掛は、自社の班編成・機械・段取りで実際にかかった手間です。見積の精度を上げ、実行予算の根拠にもなります。材料は、毎日の作業日報です。

日報に必要な項目

自社歩掛を出すには、日報に次の項目が1作業1行でそろっている必要があります。

  • 日付、現場名、工種・作業名(社内で名称を統一)
  • 施工数量と単位(㎡、m、m3、袋、箇所)
  • 職種別の人数と作業時間(自社・協力会社)
  • 使用機械と稼働時間
  • 条件のメモ(狭い、高所、雨天、手運びなど)

集計の手順

  1. 工種名をそろえる「型枠」「型わく」「型枠組立」などの表記ゆれを1つにまとめます。
  2. 人工に換算する作業時間を所定労働時間で割って人工にします(例:8時間で1人工)。換算ルールは社内で統一します。
  3. 工種・条件ごとに合計する人工と施工数量を、工種と条件のタグ(標準、狭小、高所など)ごとに合計します。
  4. 単位当りに直す「人工合計÷施工数量×単位量」で、標準歩掛と同じ単位(100㎡当りなど)にそろえます。
  5. 外れ値を確認する極端に大きい・小さい日は、手待ちや数量の書き間違いがないか日報で確かめます。
  6. 件数と期間を記録する何現場・何日分のデータから出したかを書き、毎年更新します。
工種(条件) 施工数量 延べ人工 自社歩掛 データ件数
土間コンクリート打設(標準) 620㎡ 24.0人工 3.9人工/100㎡ 5現場・11日
土間コンクリート打設(手運び) 85㎡ 6.5人工 7.6人工/100㎡ 2現場・3日
U字側溝据付(300) 140m 12.6人工 9.0人工/100m 3現場・6日

※説明用の例です。数値は架空です。データ件数が少ない歩掛は参考値として扱い、件数がたまってから見積に使います。

日報の項目を集計しやすい形にそろえる方法は日報を自動化する方法、自社歩掛を実行予算に使う方法は実行予算とは?をご覧ください。

AIで歩掛の集計と比較を楽にする方法

生成AI(ChatGPTやClaudeなど)は、日報の表記ゆれの整理、人工の集計、標準歩掛との比較表づくりに向いています。一方で、標準歩掛の数値をAIに聞いてはいけません。AIはもっともらしい数字を答えることがありますが、最新の版や適用条件を正しく知っているとは限りません。標準歩掛の数値は、必ず人が公表資料から入力します。

プロンプト1:日報の明細から自社歩掛を集計する

コピーして使えるプロンプト

あなたは建設会社の積算担当を補佐するアシスタントです。
次の【日報明細】から、工種・条件ごとの自社歩掛を集計してください。

# 手順
1. 工種名の表記ゆれをまとめ、統一名と元の表記の対応表を出す
2. 作業時間を人工に換算する(【8】時間=1人工)
3. 工種・条件タグごとに、施工数量の合計と延べ人工の合計を出す
4. 自社歩掛=延べ人工÷施工数量×【100】(【100㎡・100m・100袋】当り)を計算する
5. 1日ごとの「人工÷数量」が、その工種の中央値の2倍以上または半分以下の日を
   「外れ値の候補」として一覧にする

# ルール
・計算式をすべて併記する。数値は日報の値だけを使い、推測で補わない
・単位が混在している工種は集計せず「単位要確認」と書く
・データが3日分未満の工種は「参考値」と明記する
・外れ値を除くかどうかは判断しない(人が決める)

# 日報明細
【貼り付け:日付/現場/工種/条件メモ/数量/単位/職種/人数/作業時間】

出力イメージ(例)

■表記ゆれの統一
「土間コン」「土間コンクリート」「土間打設」→ 土間コンクリート打設

■自社歩掛(100当り)
| 工種 | 条件 | 数量 | 延べ人工 | 計算式 | 歩掛 | 件数 |
| 土間コンクリート打設 | 標準 | 620㎡ | 24.0 | 24.0÷620×100 | 3.87人工/100㎡ | 11日 |
| 土間コンクリート打設 | 手運び | 85㎡ | 6.5 | 6.5÷85×100 | 7.65人工/100㎡ | 3日(参考値) |
| 型枠組立 | ― | ― | ― | ― | 単位要確認(㎡とmが混在) | ― |

■外れ値の候補
・10/14 ○○倉庫 土間打設:1.2人工/10㎡(中央値の約3倍)
  日報メモ「ポンプ車到着遅れ」→ 手待ちの可能性【要確認】
※説明用の例です。数値は架空です。

プロンプト2:自社歩掛と標準歩掛を比べる

公共工事の見積や、元請との単価交渉では、自社歩掛と標準歩掛の差を説明できると役立ちます。標準歩掛の値は、公表資料から人が書き写して渡します。

コピーして使えるプロンプト

次の【自社歩掛】と【標準歩掛(私が公表資料から転記した値)】を比べて、
比較表を作ってください。

# 出力
1. 比較表(工種/条件/単位/自社歩掛/標準歩掛/差(%)/自社のデータ件数)
2. 差が±20%を超える工種について、差の理由の「候補」を挙げる
   ・候補は【自社の条件メモ】と【標準歩掛の適用範囲・注記】から読み取れる範囲に限る
   ・どちらが正しいかの判断はしない
3. 標準歩掛の適用範囲から外れている可能性がある工種の指摘

# ルール
・標準歩掛の数値は、私が入力した値以外を使わない。知識で補完しない
・単位が違う場合は換算せず「単位不一致」と書く

# 自社歩掛
【貼り付け】
# 標準歩掛(出典・年度・確認日つき)
【貼り付け】
# 自社の条件メモ/標準歩掛の適用範囲・注記
【貼り付け】

出力イメージ(例)

| 工種 | 単位 | 自社 | 標準 | 差 | 件数 |
| 土のう製作・積立(普通作業員) | 人/100袋 | 3.6 | 2.9 | +24% | 4日 |

差の理由の候補:
・自社の条件メモに「土砂を20m先から小運搬」とある。
  標準歩掛の注記では現場内小運搬は10m程度を含むとされている
・自社データは4日分のみ。件数が少ない
※説明用の例です。自社の値は架空です。理由は候補であり、確認は人が行ってください。

Claude Codeで複数現場の日報をまとめて集計する

日報が現場ごとのExcelに分かれていると、まとめるだけで手間がかかります。Claude Codeは、パソコンのフォルダにあるファイルを読み、集計用のプログラムを作って実行できるAIツールです。元のファイルを変えずに、集計結果だけを新しく作らせます。

コピーして使える指示文(Claude Code向け)

「日報」フォルダの各現場のExcel(シート名「明細」)を読み、自社歩掛の集計表を作ってください。

1. 全ファイルの明細を1つの表に結合し「集計/日報結合.csv」に保存する
2. 工種名の表記ゆれ候補を「集計/工種名_対応案.csv」に出す(統一はまだしない)
3. 私が対応案を確認したら、統一後の工種名で、工種・条件タグ別に
   施工数量・延べ人工・100当り歩掛・データ日数を「集計/自社歩掛.xlsx」に出力する
   歩掛の列はExcelの数式(=延べ人工/数量*100)で入れる
4. 単位が混在する行、数量や時間が空欄の行を「集計/要確認.csv」に出す

禁止事項:
・日報フォルダのファイルを書き換えない、移動しない、削除しない
・標準歩掛の数値を自分で入れない(比較列は空欄のままにする)

出力イメージ(例)

12ファイル(8現場)から明細1,946行を結合しました → 集計/日報結合.csv
工種名の表記ゆれ候補を37件見つけました → 集計/工種名_対応案.csv
数量または時間が空欄の行:58行 → 集計/要確認.csv
対応案を確認後、「統一して集計して」と指示してください。
元のファイルは変更していません。
※出力イメージです。

計算はExcelの数式で残しておくと、担当者が検算でき、翌年の更新も楽になります。Excel作業の進め方はClaudeでExcel作業を効率化で紹介しています。

注意

本記事の基準・改定内容は、2026年10月1日時点で国土交通省の公表資料を確認したものです。標準歩掛は毎年改定され、適用時期も項目ごとに異なります。公共工事では発注者が指定する積算基準・版・単価が優先します。自治体の工事は、その自治体の基準を確認してください。土のう工・切削オーバーレイ工の数値は、令和8年度の改定内容からの引用です。実際に使う際は、原典の表と注記、適用条件を必ず確認してください。AIに標準歩掛の数値を答えさせず、AIが集計した自社歩掛は日報の元データと照合してから使ってください。

歩掛を使う前のチェックリスト

  • 発注者が指定する積算基準と版(年度)を確認した
  • 使う歩掛の適用範囲・施工概要・注記を読んだ
  • 「何当り」の数値かを計算表に明記した
  • 注記で「別途計上」とされる作業を拾った
  • 労務単価の年度・地域と、法定福利費の計上を確認した
  • 歩掛表に出典・年度・確認日を書いた
  • 自社歩掛には、データ件数と期間、条件タグを書いた
  • AIの集計結果を日報の元データと照合した

歩掛のよくある質問

歩掛の読み方は「ほがけ」ですか?

建設業では一般に「ぶがかり」と読みます。単位量の作業に必要な人数・日数や機械の量を表す言葉です。「歩掛り」と送り仮名をつけて書くこともあります。

国土交通省の標準歩掛はどこで見られますか?

国土交通省の「土木工事標準歩掛」のページで、年度ごとの改定内容がPDFで公表されています。全工種をまとめた冊子は書籍として発行されています。建築工事は、官庁営繕部の「公共建築工事標準単価積算基準」がPDFで公開されています。

民間工事の見積でも国の標準歩掛を使うべきですか?

使う義務はありません。国の標準歩掛は公共工事の予定価格を算出するためのものです。ただし、手間の目安や、自社歩掛との比較、元請との単価交渉の説明材料として役立ちます。見積には自社の実績にもとづく歩掛を使うのが基本です。

自社歩掛は何件くらいのデータがあれば使えますか?

決まった基準はありません。少ないデータは天候や段取りの影響を受けやすいため、複数の現場・日数分がたまるまでは参考値として扱うのが安全です。データ件数と期間を歩掛表に書き、毎年見直しましょう。

AIに歩掛を聞いて積算してもよいですか?

おすすめしません。AIは標準歩掛の数値をもっともらしく答えることがありますが、最新の版や適用条件を正しく反映している保証はありません。標準歩掛は公表資料から人が確認して入力し、AIは日報の集計や比較表づくりに使ってください。

まとめ

  • 歩掛は、単位量の作業に必要な人工や機械の量です。数量×歩掛で人工を出し、労務単価を掛けて労務費にします。
  • 公共工事では、土木工事標準歩掛、公共建築工事標準単価積算基準、自治体の積算基準など、発注者ごとの基準と版を使います。
  • 歩掛には「単位量当りの人工」と「日当り編成人員と日当り施工量」の2つの型があります。適用範囲・単位・注記を必ず読みます。
  • 自社歩掛は、日報の明細を工種・条件ごとに集計して作り、件数と期間を記録して毎年更新します。
  • AIは集計と比較に使い、標準歩掛の数値は人が公表資料から入力します。

見積と内訳の根拠をそろえる

「見積・内訳明細・法定福利費 作成キット」では、内訳の作り方、法定福利費の明示、過去見積からの下書きの手順をまとめています。計算はExcelで行い、AIは下書きと点検に使う進め方です。

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