出面表(でづらひょう)とは、現場ごとに、どの協力会社の作業員が、いつ・何人・何時間働いたかを毎日記録する表です。「出面(でづら)」は現場に出た作業員の記録のことで、出面帳・出面簿とも呼びます。出面表は、協力会社からの常用(人工)の請求を確かめる根拠になり、工事ごとの労務費や、工程の進み具合を確認する元データにもなります。
ところが、出面表が紙やホワイトボードの写真のまま残っていると、月末に協力会社の請求書と突き合わせるだけで半日以上かかったり、締め日が違う協力会社の分を数え直したりと、締めの作業が重くなります。
この記事では、出面表に書く項目と書き方、毎日の記録から月間の出面表・締め日ごとの集計・支払明細・工事別の労務費までをつなぐ方法を、架空の会社の10月の記入例と、そのまま使えるExcelテンプレートで解説します。
この記事でわかること
- 出面(でづら)・出面表の意味と、作業日報・作業員名簿との違い
- 出面表に書く8つの項目と、記入例
- 月間の出面表から、締め日ごとに集計して請求書と突き合わせる方法
- 20日締め・末日締めが混ざるときの、支払と原価の分け方
- 支払明細で差し引いてよいもの・いけないもの(赤伝処理のルール)
この記事の記入例を入れた出面表のExcelテンプレート(記入例入り・空欄)と、人工の集計・支払明細・工事別労務費までの解説資料をセットでお届けします。
出面表とは|出面(でづら)の意味
出面は「でづら」と読み、作業員が現場に出たこと、またはその記録を指します。出面表は、その記録を日付・現場・協力会社ごとに並べた表です。現場では「今日の出面は何人?」のように、その日の作業員の人数の意味でも使います。
| 書類 | 記録するもの | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 出面表(出面帳) | 日付・現場・協力会社ごとの人数(人工)と時間外 | 常用の請求の確認、労務費の集計、工程の確認 |
| 作業日報 | その日の作業内容・進み具合・天候・指示事項など | 工程・品質・安全の記録、元請への報告 |
| 作業員名簿 | 現場に入る作業員の氏名・資格・保険の加入状況など | 施工体制の確認(安全書類の1つ) |
作業日報に人数を書いている会社も多いですが、出面表は協力会社ごとの人工を数えることに特化した表です。日報と出面表を別々に書くと二重の手間になるため、日報の中に出面の欄を作り、そこから集計する形にするのがおすすめです。作業日報の書き方は建設業の作業日報テンプレートと書き方、作業員名簿は作業員名簿の書き方で解説しています。
出面表に書く8つの項目
| 項目 | 書き方 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 1. 日付 | 作業した日 | 締め日ごとの集計と、請求書との日付単位の突き合わせ |
| 2. 工事番号・現場名 | 社内の工事番号で書く | 工事ごとの労務費に集計するため。現場名だけだと表記がぶれる |
| 3. 協力会社 | 社内で決めたコード(K01など) | 協力会社ごとの支払の集計 |
| 4. 職種 | とび工・普通作業員・内装工など | 職種で単価が違う場合の計算 |
| 5. 全日の人数 | 所定の時間(例:8時間)働いた人数 | 人工の計算(1人=1人工) |
| 6. 半日の人数 | 半日で上がった人数 | 人工の計算(1人=0.5人工) |
| 7. 時間外の時間 | その日の時間外の合計時間 | 時間外単価での計算 |
| 8. 作業内容・メモ | 「鉄骨建方」「夜間作業の延長」など | 時間外や人数の増減の理由を後から確認するため |
氏名まで記録するかは会社によります。人工の集計だけなら人数で足りますが、建設キャリアアップシステム(CCUS)の就業履歴や入退場の記録と照らし合わせる場合は、氏名やカードの記録と結びつけておくと確認が速くなります(建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?も参考にしてください)。
記入例|10月第1週の出面
架空の建築会社の、3つの現場と3社の協力会社の出面です。全日=1人工、半日=0.5人工で数えています。※説明用の架空の例です。
| 日付 | 工事 | 協力会社 | 全日 | 半日 | 時間外 | 人工 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10/1(木) | A社 倉庫新築 | K01 とび工 | 4 | 4.0 | 鉄骨建方 | ||
| 10/1(木) | C社 工場耐震補強 | K02 普通作業員 | 3 | 3時間 | 3.0 | 夜間作業の延長 | |
| 10/2(金) | A社 倉庫新築 | K01 とび工 | 4 | 4.0 | 鉄骨建方 | ||
| 10/2(金) | C社 工場耐震補強 | K02 普通作業員 | 3 | 3.0 | |||
| 10/3(土) | A社 倉庫新築 | K01 とび工 | 4 | 1 | 4時間 | 4.5 | 鉄骨建方 |
| 10/3(土) | A社 倉庫新築 | K02 普通作業員 | 2 | 2.0 | |||
| 10/5(月) | B社 事務所改修 | K03 内装工 | 3 | 3.0 | 内装着手 |
1日・1現場・1協力会社で1行にすると、あとで工事別にも協力会社別にも集計できます。同じ協力会社が1日に2つの現場に入った日は、2行に分けて書きます。
月間の出面表にまとめる
毎日の記録を、工事ごとに1か月のカレンダーの形に並べたものが、現場でよく使われる月間の出面表です。協力会社ごとの日別の人工と、月の合計が一目で分かります。
| A社 倉庫新築(10月) | 1 | 2 | 3 | 5 | 6 | 7 | … | 月合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K01 北斗工業(とび工) | 4.0 | 4.0 | 4.5 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | … | 99.0人工 |
| K02 南風建設(普通作業員) | 2.0 | 2.0 | … | 16.0人工 | ||||
| 日別の合計 | 4.0 | 4.0 | 6.5 | 4.0 | 6.0 | 4.0 | … | 115.0人工 |
※会社名はすべて架空です。4日(日)と12日(月・休工日)は作業なし。
月間の出面表は、現場での確認(「今月は何人工入ったか」)や、工程表と見比べて人の入り方が計画どおりかを確かめるのに使います。ただし、協力会社への支払は、月間の出面表ではなく、協力会社ごとの締め期間で集計する必要があります。
締め日ごとに集計して、請求書と突き合わせる
協力会社の締め日は、末日締めの会社もあれば、20日締めの会社もあります。20日締めの会社の10月分の請求は、9月21日〜10月20日の出面で計算します。
| 協力会社 | 締め期間 | 人工 | 時間外 | 出面からの常用代 | 請求書の金額 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| K01 北斗工業(末日締め) | 10/1〜10/31 | 99.0 | 26時間 | 5,051,200円 | 5,051,200円 | 0円 |
| K02 南風建設(20日締め) | 9/21〜10/20 | 68.0 | 18時間 | 2,833,400円 | 2,873,400円 | 40,000円 |
| K03 西山内装(末日締め) | 10/1〜10/31 | 61.0 | 3時間 | 2,581,800円 | — | — |
※常用代=人工×全日単価+時間外の時間×時間外単価(K01:49,000円・7,700円、K02:40,000円・6,300円、K03:42,000円・6,600円)。いずれも税抜・架空の例です。
K02の請求書は、出面の集計より40,000円(全日単価1人工分)多くなっていました。日付ごとに突き合わせると、10月12日(休工日)に1人工が記載されていたことが分かり、協力会社に確認して訂正してもらいました。日付単位の記録があれば、差の原因は数分で特定できます。人工の数え方や常用単価の決め方は人工とは?で解説しています。
支払と原価は「期間」を分けて考える
20日締めの協力会社がいると、支払の期間と、工事の原価に入れる期間がずれます。
| 期間 | 使う場面 | |
|---|---|---|
| 支払 | 協力会社ごとの締め期間(20日締めなら前月21日〜当月20日) | 請求書との突き合わせ、支払明細 |
| 原価 | 暦の月(1日〜末日) | 工事ごとの労務費・外注費の計上、予実管理 |
記入例の会社の10月に発生した常用代は、3つの工事の合計で10,546,400円です。このうち1,077,800円は、20日締めの協力会社が10月21日〜31日に作業した分で、支払は11月の締めになります。この分も10月の工事の原価に入れ、未払として管理します。請求書が届いた月に原価を入れると、原価の実績が1か月遅れ、工事の着地見込みの判断も遅れます(労務費とは?、予実管理とは?で解説)。
支払明細で差し引いてよいもの・いけないもの
支払明細では、常用代の合計に消費税を加え、合意した控除を差し引いて支払額を出します。安全協力会費や駐車場代などを支払額から差し引くこと(赤伝処理)について、国土交通省の「建設業法令遵守ガイドライン(第12版・2026年1月)」は次のように整理しています。
- 赤伝処理そのものが直ちに問題になるわけではないが、内容や差し引く根拠について、元請と下請の協議・合意が必要
- 安全衛生保護具の費用、振込手数料などの支払に関する費用、建設副産物の処理費用を差し引く場合は、内容と算定根拠を見積条件・契約書面に明示する必要がある
- 合意のない一方的な控除、根拠が不明確な控除、実費より過大な控除は、建設業法に違反するおそれがある
- 銀行振込の手数料は、振興基準により、合意の有無にかかわらず下請代金から差し引いてはならない
- 安全協力費は、工事の完成後に収支を下請に開示するなど、透明性の確保に努める
- 工事完了後に下請が免税事業者だと分かったことを理由に、請求額から消費税相当額を一方的に支払わないことは、違反のおそれがある事例として挙げられている
記入例の支払明細(K02・10月分)は次のとおりです。安全協力会費は、契約書で合意した率(小計の0.5%)で差し引いています。※架空の例です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| A社 倉庫新築(14.0人工) | 560,000円 |
| C社 工場耐震補強(54.0人工・時間外18時間) | 2,273,400円 |
| 小計(税抜) | 2,833,400円 |
| 消費税(10%) | 283,340円 |
| 請求額(税込) | 3,116,740円 |
| 控除:安全協力会費(契約で合意した率 0.5%) | ▲14,167円 |
| 差引支払額 | 3,102,573円 |
控除項目の消費税の扱いや端数処理は、契約と顧問税理士の確認に従ってください。下請代金の支払期限(元請が出来形部分などの支払を受けた日から1か月以内など)は、出来高とは?の記事で解説しています。
紙・Excel・アプリ、出面表はどれで付けるか
| 方法 | よいところ | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 紙・ホワイトボード | 現場ですぐ書ける。職長が慣れている | 集計のときに転記が必要。写真で残すと読み取りに時間がかかる |
| Excel(共有) | 集計・支払明細まで数式でつながる。費用がかからない | 入力する人が増えると版が分かれやすい。現場での入力はしにくい |
| アプリ・システム | 現場からスマホで入力でき、集計が自動。CCUSや日報とつなげられるものもある | 協力会社にも使ってもらう必要がある。支払・原価まで連動するかを確認する |
現場が3〜4か所、協力会社が10社程度までなら、Excelで1行ずつ記録して集計する形で十分に回せます。工事番号ごとの集計まで自動にしたい、日報と出面を二重に入力したくない、という段階になったら、システムを検討する目安です。施工管理アプリの選び方は施工管理アプリの選び方で解説しています。
AIとシステムで出面の集計を楽にする
AIは、手書きの出面表や日報の写真から、日付・協力会社・人数を表に書き起こす下書きや、出面と請求書の違いを探す作業に使えます。書き起こした数字は必ず人が元の記録と照らし合わせ、集計と金額の計算はExcel(またはシステム)で行うのが原則です。
コピーして使えるプロンプト(手書きの出面表の書き起こし)
あなたは建設会社の工務担当の補佐です。 添付した写真は、現場の手書きの出面表です。 次の列の表に書き起こしてください。 # 列 日付/現場名/協力会社名/全日の人数/半日の人数/時間外の時間/メモ # ルール ・読み取れない文字や数字は推測せず【判読不可】と書く ・1日・1現場・1協力会社で1行にする ・合計や人工の計算はしない(あとでExcelで計算する) ・最後に、判読不可の箇所の数と、確認が必要な行を一覧にする
建設AIシフトの業務一元管理は、日報・出面の入力から、人工の集計、協力会社への支払、工事の原価までを工事番号でつなぐオーダーメイドのシステムです。今の出面表の書式や締め日の運用に合わせて組み込みます。
AIやシステムに任せないこと
- 出面の記録が正しいかの確認(職長が書き、現場代理人が確認する)
- 協力会社の請求書との差の最終判断と、訂正の依頼
- 控除(赤伝処理)の内容と率の決定(協力会社と協議して契約で決める)
注意
記入例の会社・協力会社・人数・単価・金額は、すべて説明用の架空の例です。赤伝処理のルールは、2026年10月29日に国土交通省「建設業法令遵守ガイドライン(第12版)」で確認したものです。控除項目の消費税の扱い・端数処理など会計・税務の判断は、顧問税理士に確認してください。作業員の氏名や出面の写真をAIに入力する場合は、社内ルールと利用するサービスの規約を確認してください。
出面表のチェックリスト
- 1日・1現場・1協力会社で1行の形で、毎日記録している
- 現場名ではなく工事番号で記録している
- 全日・半日・時間外の数え方を、協力会社ごとに契約で決めている
- 職長が書いた出面を、現場代理人がその日のうちに確認している
- 協力会社ごとの締め期間で集計し、請求書と日付単位で突き合わせている
- 原価は、締め日ではなく作業した月の工事に入れている
- 20日締めの協力会社の、21日〜末日の分を未払として管理している
- 控除は、協力会社と合意し契約書面に示したものだけにしている
- 振込手数料を支払額から差し引いていない
出面表でよくある質問
出面表とは何ですか?
現場ごとに、どの協力会社の作業員が、いつ・何人・何時間働いたかを毎日記録する表です。出面帳・出面簿とも呼び、常用(人工)の請求の確認や、工事ごとの労務費の集計に使います。
出面の読み方は?
「でづら」と読みます。作業員が現場に出たこと、またはその記録を指し、「今日の出面」のように、その日の作業員の人数の意味でも使います。
出面表と作業日報の違いは何ですか?
作業日報は作業内容・進み具合・指示事項などを記録するもので、出面表は協力会社ごとの人数(人工)と時間外を数えるための表です。日報の中に出面の欄を作り、そこから集計すると二重の入力を避けられます。
出面表に書く項目は?
日付、工事番号(現場名)、協力会社、職種、全日の人数、半日の人数、時間外の時間、作業内容・メモの8つが基本です。1日・1現場・1協力会社で1行にすると、工事別にも協力会社別にも集計できます。
締め日が違う協力会社の出面はどう集計しますか?
支払は協力会社ごとの締め期間(20日締めなら前月21日〜当月20日)で集計し、工事の原価は暦の月(1日〜末日)で集計します。20日締めの会社の21日〜末日の分は、その月の原価に入れて未払として管理します。
安全協力会費を支払から差し引いてもよいですか?
国土交通省の建設業法令遵守ガイドラインでは、差し引くこと自体が直ちに問題になるわけではないものの、内容や根拠について協力会社と協議・合意することが必要とされています。合意のない一方的な控除や、実費より過大な控除は、建設業法に違反するおそれがあります。
まとめ
- 出面表は、現場・協力会社ごとの人数(人工)と時間外を毎日記録する表。出面は「でづら」と読む
- 1日・1現場・1協力会社で1行、工事番号で記録すると、工事別にも協力会社別にも集計できる
- 支払は協力会社ごとの締め期間で、原価は暦の月で集計する。20日締めの21日〜末日の分は未払として管理
- 請求書とは日付単位で突き合わせる。日付ごとの記録があれば、差の原因はすぐ見つかる
- 控除(赤伝処理)は合意し契約書面に示したものだけ。振込手数料は差し引かない
出面表から、支払明細と工事別の労務費まで一気につなぎませんか
「出面・人工の集計と協力会社の支払明細テンプレート」では、この記事の記入例を入れたExcel(記入例入り・空欄の2ファイル)で、毎日の出面の入力から、月間の出面表、締め日ごとの集計と請求書の突き合わせ、支払明細、工事別の労務費までを自動で計算できます。無料でダウンロードできます。
