採用サイトのSEOとは?求職者に届くサイト作りで採用成功を目指す方法

2025年7月1日 更新日2025年7月9日
採用サイトのSEOとは?求職者に届くサイト作りで採用成功を目指す方法

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そもそもSEOとは

SEO(エスイーオー)とは、「検索エンジン最適化」のことで、Googleなどの検索サイトで調べたときに、自社のサイトが上のほうに表示されるように工夫することを指します。たとえば、「○○市 電気工事 採用」と検索したときに、自社の採用ページが1ページ目の上位に出てくれば、それだけで多くの人に見てもらえるチャンスが生まれます。反対に、2ページ目や3ページ目に表示されていても、ほとんどの人は見てくれません。このように、SEOはお金をかけて広告を出さなくても、自社の存在をインターネット上で見つけてもらいやすくするための方法です。

採用サイトにSEOを行う5つのメリット

1. 広告費を抑えつつ、求職者の目に触れる回数を増やせる

求人広告や人材紹介サービスのように費用がかかる手法に比べて、SEOはコンテンツ制作やサイトの工夫などを行うことで、長く安定した効果が期待できます。特にリスティング広告はクリックされるたびに費用が発生する仕組みのため、コスト面の不安もありますが、SEOはそうした費用を抑えながら求職者を集める手段として注目されています。

2. 作ったコンテンツが資産になり続ける

採用情報や自社の魅力を伝える記事・コンテンツは、一度作ればサイト上に蓄積されていきます。継続して検索流入を生み出す「資産」となるため、情報発信をすればするほど効果が積み重なります。定期的に情報を見直しながら育てていくことで、費用をかけずに求職者との接点を保ち続けられます。

3. 自社の雰囲気・価値観を伝えやすくなる

求人サイトは掲載情報にある程度縛りがあるのに対し、自社のWebサイトであれば、表現方法の自由度が高く、写真や動画も自在に使えます。社員の働いている様子や社内の雰囲気、オフィス環境などを視覚的に伝えることで、求職者が職場でのリアルな毎日をイメージしやすくなります。ドキュメンタリー風のコンテンツや、社員のインタビュー動画、エンタメ要素を含んだコンテンツを取り入れることで、「楽しそうな会社」「安心できそうな環境」といった印象を与えることができます。

4. 自社のブランディングにつながる

採用サイトが検索上位に表示されることで、企業としての信頼性や認知度も高まります。検索で何度も目にすることで、求職者の記憶に残りやすくなり、「あの会社、気になるな」と思ってもらえるようになります。さらに、自社ならではの文化や働き方を伝えることで、他社と差別化しやすくなります。

5. 採用のミスマッチを減らすことができる

写真・動画・記事コンテンツを通じて、「どんな人が働いていて、どんな考え方を大事にしているのか」を伝えることができます。そうすることで、応募者が入社後の働き方や雰囲気をイメージしやすくなり、「想像と違った」といった早期離職のリスクを減らすことができます。社風にマッチする人材が集まりやすくなるため、採用の質を高めることにもつながります。

採用サイトで実施すべきSEO10選

1. 採用したい人物像(ペルソナ)をはっきりさせる

まず大事なのは、「どんな人に自社で働いてもらいたいか」を明確にすることです。たとえば、「地元で子育て中の30代女性」や「都会からUターンしたい若手技術者」など、年齢・経験・ライフスタイルを具体的に思い浮かべてください。この人物像(ペルソナ)に合った情報を載せることで、「この会社、自分に合ってるかも」と感じてもらいやすくなります。ターゲットにする求職者の年齢や年収、普段情報収集で使っているメディア、デバイス、趣味などできるだけ細かい部分まで決めましょう。

2. 求職者が実際に検索する“キーワード”を調べて活用する

求職者は、自分に合いそうな仕事をスマートフォンなどで「地域名+職種+条件」で探す傾向があります。たとえば「岡山 製造業 未経験OK」など。このような検索ワードを調べて、自社の採用ページのキーワードに設定すると、検索結果で見つけられやすくなります。

3. ページのタイトルは“内容が伝わる言葉”でつける

ページの上部に表示されるタイトルは、適切に設定するとキーワードによる検索で表示されやすくなります。たとえば「正社員募集」よりも「未経験歓迎|〇〇工場の製造スタッフ正社員募集」のようにページの内容がわかるように簡潔に設定しましょう。

4. 検索結果に表示される“要約文”を整える

Googleの検索結果に出る短い説明文もクリック率に影響が出るため大切です。ここで「どんな仕事か」「どんな人に向いているか」が伝われば、クリックされやすくなります。内容が分かる約100文字の文章を意識して記載しましょう。

5. サイト内のページ構成をシンプルに整理する

採用サイトを作る際は、ページのつながりや配置をわかりやすく整理することが大切です。どこをクリックすればどのページにたどり着けるかがわかりやすいと、求職者はストレスなく必要な情報にたどり着けます。また、Googleなどの検索エンジンもページを正しく評価してくれるようになり、検索の優先順位を上げてくれます。Webサイトにわかりやすいナビゲーションを付けるなどの工夫も施し、採用ページにはトップページから3クリック以内にたどり着けるようにすると効果的です。

6. 今どのページにいるかが分かる“ナビゲーション”を設ける(パンくずリスト)

ページの上に「ホーム > 募集職種 > 技術スタッフ」などと表示される案内(パンくずリスト)を入れることで、ユーザーが今どこを見ているのか分かりやすくなります。必要な情報に素早くアクセスできるので利用者の利便性を向上できます。


7. サイト内でページ同士をつなぐリンクを設ける

内部リンクとは、採用サイト内のページ同士をつなぐリンクのこと。これがあると求職者がトップページに戻らずに必要な情報へスムーズにアクセスでき、サイト全体を見てもらいやすくなります。また、検索エンジンがページ同士のつながりを把握しやすくなり、SEOの向上にもつながります。リンクを設ける際は「関連記事はこちら」ではなく、リンク先のページ内容を具体的に記載するのが効果的です

8. スマホでも見やすいデザインにする(モバイル対応)

今やほとんどの求職者がスマホで求人を探しています。画面が小さくてもストレスなく見られるように、文字の大きさやボタンの配置などをスマホに最適化しておくことが重要です。対策としては「レスポンシブデザイン」が代表的です。これは、スマホやタブレットでも見やすくなるように画面サイズに応じてサイトの表示を自動で調整する仕組みで、ユーザーにとって使いやすい採用サイトを作ることができます。

9. 古くなった情報は“こまめに見直して更新”する

求人の内容や社員インタビューなど、情報が古くなると「この会社は今も募集しているのか?」と不信感を与えてしまうことがあります。例えば社員インタビューや仕事の流れ、求める人物像などの情報を採用サイトに載せると、求職者が会社に興味を持ちやすくなり、応募につながりやすくなります。また、内容を定期的に更新することで検索エンジンに早く評価され、SEOの効果も出やすくなります。ただし、更新のためだけに質の低い内容を増やすと逆効果なので、あくまで役に立つ情報を届けることが大切です。月に1回でもよいので、内容に変化がないかを確認し、少しずつでも更新を加えましょう。

10. Googleの“しごと検索”に対応する(Googleしごと検索・構造化データ)

Googleしごと検索は、求人に関するキーワードで検索されたときに、企業の求人情報を検索結果の上位に表示できる仕組みです。特に、求職者の近くにある企業の情報が優先的に表示されやすく、SEOで上位に出ていなくても目に留まりやすくなります。しかも、掲載は無料なので広告費をかけずにアクセス数アップが期待できます。利用するには、採用ページを用意し、Googleが読み取れるように「構造化データ」という設定を加えるだけでOKです。検索エンジンが巡回し、データベースに登録されれば、自動的に表示されるようになります。

1. SEOの効果が出るまでに時間がかかる

SEOは、施策を実施してすぐに結果が出るものではありません。検索エンジンがコンテンツを評価し、上位表示されるまでには数ヶ月から半年以上かかることがあります。特に、新しく立ち上げた採用サイトでは、ドメインの評価もゼロから積み上げる必要があるため、さらに時間がかかります。すぐに応募者を集めたい場合は、SEOとあわせてWeb広告を併用することで、初動のアクセスを補うのがおすすめです。成果が見えないからと途中でやめるのではなく、長期的な視点で続けることが大切です。

2. ドメインの種類によってSEO効果の出やすさが変わる

採用サイトの運用方法を決めるうえで、「ドメイン」の取り扱いは非常に重要です。ドメインとは、インターネット上の住所のようなもので、たとえば「example.com」のような文字列がこれにあたります。このドメインの使い方次第で、検索エンジンからの評価スピードが大きく変わります。

採用サイトの構築には主に3つの選択肢があります。

1つ目は「新規ドメイン」で、企業サイトとは別に新しいURLを取得して採用サイトを立ち上げる方法です。自由度は高いものの、検索エンジンからの評価がゼロからスタートになるため、SEOの効果が出るまで時間がかかる傾向があります。

2つ目は「サブドメイン」で、たとえば「recruit.example.com」のように、本体の企業サイトとは別のテーマで運用したい場合に使われます。ある程度本体ドメインの評価を引き継ぐことができますが、新規ドメインほどではないにせよ、SEO効果の蓄積にはやや時間がかかります。

3つ目は「サブディレクトリ」で、企業サイトの下層に「example.com/recruit」のように採用ページを設ける方法です。この形式なら、すでに評価されている企業サイトの信頼性をそのまま引き継ぎやすく、検索順位の向上が比較的スムーズです。企業サイトがすでに長く運用されている場合には、この方法が最も効果的といえるでしょう。

ドメインの選び方ひとつで、採用サイトのSEO施策の成果に大きな差が出ることがあるため、自社の状況に合わせて慎重に判断する必要があります。

3. 応募フォームまでの導線を明確にすることが重要

SEOでサイトへの流入が増えても、応募フォームがわかりづらければ、せっかくのアクセスを逃してしまいます。求職者が自然に応募できるよう、応募ボタンやリンクはページの目立つ位置に設置しましょう。また、問い合わせフォームと兼用にせず、必ず「採用応募専用フォーム」を用意することが大切です。応募の意志があるユーザーが迷うことなく行動できる設計にすることで、サイトを見た人が応募まで進む割合の向上が期待できます。

4. 掲載している情報は常に最新の状態を保つ

採用サイトの情報が古いままでは、「この会社はもう募集していないのでは?」と誤解される恐れがあります。求人内容や社員紹介などは、常に最新の情報に保つことが重要です。月に1回程度、定期的に見直すことで、求職者に安心感を与えられるだけでなく、検索エンジンからの評価向上にもつながります。情報が古いと信頼を失うだけでなく、SEOの観点でもマイナスとなるため、更新の仕組みを運用に組み込んでおくとよいでしょう。

【まとめ】採用サイトでSEOを活かして応募者を増やそう

採用サイトは、ただ作るだけでは人が集まりません。検索エンジンで上位に表示されるように工夫(SEO対策)を行うことで、求職者やGoogleなどからの評価が高まり、自然とアクセスが増えるようになります。

なかでも大切なのが「ペルソナの設定」です。これは「どんな人に来てほしいか」を具体的にイメージする作業です。求職者がどんな悩みや関心を持っているのかを事前に想定することで、その人に刺さる内容のコンテンツを作ることができます。

求職者の知りたい情報を分かりやすく届けることで、自社に興味を持ってもらいやすくなり、結果として応募にもつながりやすくなります。

採用サイトでSEOを活用したいと考えている方は、まずは「どんな人に来てほしいか」を決めるところから始めてみましょう。

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