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Indeed PLUS(インディード プラス)は、配信先を自動で最適化し、クリック課金(CPC)で無駄を抑えながら母集団を広げられる”運用型”の求人配信基盤です。魅力的な仕組みではありますが、掲載して終わりでは成果は伸びていきません。表示回数(Impressions)→クリック率(CTR)→応募率(CVR)のどこで詰まっているのかを見極め、そこに集中して手を入れること——これが効果改善の核心です。
本記事では、伸び悩みの原因の見つけ方と、実際に効果があった10の対策、そして運用を前提とした注意点を、Digital&の実務視点から”文章多め・具体例多め”で整理しました。さらに、ペルソナごとに3パターンの求人を作って効果を検証する方法や、エリア別に適切な配信金額・期間を設定する考え方についても詳しく触れていきます。
※Indeed PLUS利用時は、Indeedの利用規約・掲載基準・使用制限が適用されます。
【ケース別】数値が伸びない理由を”1本の線”で見抜く
まず最初にやるべきことは、数字を上流から順につないで眺めることです。表示回数が極端に少ないのか、表示は出ているのにクリックされていないのか、クリックは取れているのに応募へつながっていないのか。それぞれのフェーズは”別の課題”を語っています。
表示回数が少ない場合は、そもそも学習に必要な露出量が足りていない状態です。日額予算や入札額が弱い、原稿の関連性(職種・エリア・キーワード)が低い、キャンペーンが混線している——これらが典型的な原因となります。
クリック率が伸びない場合は、”第一印象”が弱いというサインです。職種名が冗長で検索意図とズレている、冒頭2行にベネフィットが書かれていない、写真がない、あるいは雰囲気が伝わらない——この3点が複合的に起きているケースがほとんどです。
応募率が低い場合は、クリック後の体験でつまずいています。条件の曖昧な表記(給与レンジ・勤務地・シフト・リモート可否など)、応募フォームの長さ(必須項目だらけ)、応募後の連絡が遅い(24時間超)——いずれも離脱を招く要因です。
重要なのは、原因を1つだけに決めつけないことです。多くの案件では、上流と下流の要因が”地続き”で絡み合っています。だからこそ、表示→クリック→応募を一本の線として捉え、手を入れる順序を決めていきましょう。
効果を押し上げる「10の対策」——指標と現場のオペレーションを直結させる
ここからは、現場で再現性のあった10の打ち手を、どの指標に効くのかと合わせて一気に並べていきます。読みながら、自社のボトルネックに番号で付箋を貼るイメージで進めてください。
1. 予算設計の再起動(表示回数)
初動の30日間は日額をやや厚めに設定して学習を加速させます。目標応募数から逆算して、職種×エリアの競争度に応じて配分を変えていきます。日中と夜間で消化が偏っているなら、時間帯入札で平準化しましょう。露出が足りていない状態で細かなABテストをしても、正しい学習は進みません。
2. 原稿キーワードの”現場語彙化”(表示/CTR)
求職者が実際に検索している言葉を、本文に自然に織り込んでいきます。働き方(シフト制・固定時間・相談可など)、資格名・ツール名、業界固有の用語、勤務地の最寄り駅名など。”社内用語”は避けて、検索される言葉に寄せていくのが鉄則です。
3. 人物要件のMUST/WANT分離(CTR/CVR)
「全部できる人」を探そうとすると、母集団はどんどん痩せていきます。必須スキルと歓迎要件をきちんと分けて、必須は3点以内に圧縮しましょう。経験年数の表記は「目安」や「相当する経験」という形で柔らかくします。これだけでクリックの敷居が下がり、応募の裾野が広がります。
4. “職種名+冒頭2行”の作り直し(CTR)
職種名は端的で標準的な表記にします(余計な装飾は不要です)。冒頭2行には給与レンジ・柔軟性・成長余地などのベネフィットを具体的に書きます。例えば「月28–35万/残業少なめ/資格取得は会社負担」といった形です。ファーストビューの情報密度が勝負を決めます。
5. 写真3点ルールの徹底(CTR/CVR)
現場・チーム・環境の実写を3枚以上用意することを基本線にします。笑顔の集合写真だけでなく、作業風景・使用しているツール・休憩スペースなど”日常の温度感”が伝わるカットを入れましょう。言葉よりも速く、応募への不安を溶かしてくれます。
6. 求人の細分化(表示/CTR)
1つの原稿に複数の職種や複数のエリアを盛り込まないようにします。職種×エリアで原稿を分割すると、関連性が上がって適切な配信面に載りやすくなります。Indeed PLUSはクリック課金なので、分割すること自体が固定費の増加にはつながりません。
7. キャンペーンを”地図化”する(全指標)
職種×エリアでキャンペーンを分けて、それぞれ別予算・別目標・別期間で運用します。レポートもこの単位で確認していきます。混在したキャンペーンは学習が分散してしまい、強い募集に弱い募集が足を引っ張る原因になります。
8. 応募フローの摩擦除去(CVR)
フォームは”最短で応募できる”設計が基本です。必須項目は最小限にとどめ、詳細は後続のヒアリングで深堀りします。応募直後には自動サンクスメール+候補日の即提示、オンライン面接も併用して離脱を抑えます。返信のSLAは24時間以内を厳守しましょう。
9. アナリティクスの”切り方”を変える(全指標)
全体の平均値は現場の役には立ちません。職種・エリア・期間ごとに切り出して、CTRとCVRの”勝ちパターン”を抽出していきます。採用市場レポートの人気キーワードや難易度を原稿に反映させ、勝ち筋へ予算を寄せていきます。
10. 外部知見のレバレッジ(全指標)
「やるべきことは分かっているけど回し切れない」という場合は、週次でPDCAを回せる伴走者を入れましょう。初期30日で仮説を広く試し、60日で勝ち筋を固めて、それ以降は配分と再現性づくりに工数を割いていきます。内製と外部のハイブリッドが最短ルートです。
ペルソナ運用の型——各ペルソナに「3パターン」用意して効果を検証する
一つの求人に一つの顔では足りません。Digital&では、各ペルソナごとに最低3パターンの原稿を同時に投入して、同じ評価指標で比較していきます。
ペルソナ例:
①未経験・地元志向層
②経験者・即戦力層
③ワークライフ重視の時短層
3パターン例:
A:報酬・成長訴求
B:働きやすさ・柔軟性訴求
C:ミッション・カルチャー訴求
評価はペルソナ単位で、CTR・CVR・面接出席率・内定率まで追いかけて、勝ち切り要素を抽出→横展開していきます。平均値で丸めないことが鉄則です。
このアプローチによって、「未経験層には写真と一日の流れが効く」「経験者層には具体的なツール名や裁量の広さが効く」など、誰に、何が、どれだけ効いたのかが言語化されます。そうすると、その後の投資判断に迷いがなくなります。
ペルソナごとの数値管理が重要な理由
ペルソナが違えば、反応する訴求もクリック単価も応募後の歩留まりも変わってきます。全体を一つの塊として見ていると、「なんとなく応募は増えたけど、誰が反応したのか分からない」という状態に陥ります。ペルソナ単位でダッシュボードを切り分けて、それぞれの勝ちパターンを明確にしていくことで、次の原稿作成や予算配分の精度が格段に上がります。
エリア戦略——配信金額と期間は”地場”に合わせて変える
同じ職種でも、都市圏と地方、観光地と工業地帯、ベッドタウンでは、クリック単価と応募の伸び方がまったく異なります。
配信金額について
都市圏はクリック単価(CPC)が相対的に高めです。学習の立ち上げに必要な最低クリック数を確保するため、初動は日額を厚めに設定します。一方、地方は季節やイベント(収穫期、観光の繁忙期など)で相場が動きやすいため、週次で配分を柔軟に変えていく必要があります。
配信期間について
都市圏は反応が速い分、短期でABテスト→勝ちパターンへの増額という回転が効きます。一方、地方は反応が緩やかです。**最低でも4週間(正社員採用なら8週間)**は腰を据えた運用を前提にして、**告知面の強化(写真追加・地名表記の最適化)**で母集団を厚くしていきます。
地名・路線表記の工夫
求職者は”自分の言葉”で検索します。駅名・路線名・地元での呼び方を盛り込むだけで、表示回数もクリック数も伸びていきます。
結論として、エリア別のCPC目安・必要な露出量・推奨期間を事前に整理して、職種×エリアでキャンペーンを分割運用するのが最短ルートです。
フェーズ設計——”広く速く学習→質の最適化→仕組み化”の三段跳び
運用は段取りが8割です。Digital&では、次の3つのフェーズで設計しています。
Phase1)初日~30日
ペルソナ×3パターンの原稿を同時投入し、日額は厚めに設定します。クリックと応募の初速データを集めて、応募タグ・電話計測・中間CVを先に整える期間です。ここが緩いと、その後の最適化が”勘”に頼った迷走になってしまいます。
Phase2)31–60日
ここは”質”を上げる時間です。CVR×面接出席率×内定率で原稿をスコアリングして、強い訴求に予算を集中投下します。弱い訴求は思い切って作り直しましょう。曜日・時間帯ごとの入札調整で無駄なクリックを削って、同じ予算でより濃い応募に寄せていきます。
Phase3)61日以降
勝ち要因を言語化してテンプレート化します。月次でCTR・CVR・面接化率・入社化率を定点観測して、採用サイト・SNS・リファラル採用と連携させながら母集団形成を複線化していきます。勝ちパターンは人が変わっても再現できて、初めて”資産”になります。
運用前提の注意点——誤解しやすい3つの”前提”を正す
① 効果は”時間”と”量”の関数です
自動最適化はデータが燃料になります。短期で結論を出そうとすると、学習は未熟なままです。目安としては、パート・アルバイトで4週間、正社員で8週間以上を見ておきましょう。
② ガイドライン順守は”露出の免許”です
禁止表現や記載漏れがあると、それだけで露出がゼロになります。修正するときも基準を再確認して、審査落ちの無駄を断ち切りましょう。
③ 既存原稿の流用は非推奨です
媒体ごとの仕様差を無視すると、関連性が下がって表示もクリックも伸びません。Indeed PLUSを前提にして1本作り込むのが、最短で最も費用対効果の高い道です。
【まとめ】”原因→対策”をひも付けて、週次で前進させる
Indeed PLUSの改善は、表示→クリック→応募のどこで詰まっているかを見極めて、そこに効く対策を打つ”外科手術”です。闇雲に原稿をいじるのではなく、指標と施策を一対一で結んでいきます。そして、初動で広く速く学習し、31–60日で質を上げて、61日以降は再現性を資産化していく。これが、費用対効果を崩さずに応募を伸ばす王道です。
さらに、ペルソナごとに3パターンの求人を用意して、ペルソナ単位で数値を見ながら効果改善していくこと、そしてエリアごとに適切な配信金額や期間を設定することが、成果を安定させる鍵になります。
「何から直すべきか」に迷ったら、まずは上から順に——①予算・②職種名+冒頭2行+写真・③フォーム短縮。この”3点セット”が、最初の一歩を確実に前に進めてくれます。
【ご相談はDigital&へ】ペルソナ3パターン×エリア配分設計から伴走します
「数値は出ているけど解釈と打ち手がつながらない」「週次で回したいけど社内のリソースが足りない」「ペルソナ設計や3パターン出しの型がほしい」「エリアごとの予算と期間の目安が分からない」——そんなときはDigital&にご相談ください。
クイック診断
職種・エリア・雇用形態・目標人数・月予算から、ペルソナ案×3パターンとエリア別のCPC・推奨期間の目安を即座に言語化します。
週次PDCA伴走
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