ECサイトの構築費用に使える補助金|2026年に申請できる4制度の比較

公開 2026.09.16 更新 2026.09.16 読了 約21分
ECサイトの構築費用に使える補助金|2026年に申請できる4制度の比較

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ECサイトを立ち上げたいが、初期費用をどう抑えるか。この相談を受けたとき、最初に確認するのは「どういうECを、どうやって作るのか」です。補助金の制度ごとに、対象になるECの作り方が違うからです。

モールに出店するのか、Shopifyのようなカートサービスを使うのか、ゼロから作るのか。海外向けなのか国内向けなのか。この違いによって、使える制度が変わり、使えない制度もはっきり分かれます。「EC 補助金」で検索して出てくる制度を片っ端から検討しても、時間がかかるわりに結論が出ないのはこのためです。

この記事では、2026年9月時点でECサイトの構築費用に使える可能性のある制度を4つに絞り、対象になるECの性格・補助率・上限額・公募時期で比較します。あわせて、ECでとくに対象外になりやすい費用と、越境ECの場合に使える支援も整理しました。数字はすべて各制度の公式サイトと公募要領で確認したものです。

この記事でわかること
  • ECの作り方(モール出店/カートサービス/オリジナル構築/越境EC)ごとに、どの制度が使えるか
  • 4制度の補助率・補助上限・公募時期の比較
  • ECで対象外になりやすい費用(仕入・在庫・送料・広告出稿費・出店料など)
  • 越境ECで使える制度と、自治体の支援の探し方
  • 必要書類、申請から入金までの期間、不採択になりやすいパターン
  • 補助金でECを作ったあとに自己負担として残る費用
本記事の情報について

2026年9月時点で各制度の公式サイト・公募要領に公開されている情報にもとづいて記載しています。補助率・上限額・締切・公募の有無は改定されることがあり、とくに補助金は年度ごとに制度そのものが統廃合されます。申請前には必ず各制度の公式サイトで最新の要件をご確認ください。

目次 閉じる

ECサイトの構築費用に使える補助金は4つに整理できる

2026年9月時点で、ECサイトの構築費用が補助の対象になりうる主な制度は次の4つです。

制度対象になるECの性格補助率補助上限公募時期(2026年9月時点)
デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)事務局に登録されたECサイト構築サービス・ECカートの導入1/2以内(一定の条件で2/3以内)通常枠 最大450万円公募中。締切 2026年9月29日17:00
小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠 第20回)販路開拓のためのECサイト構築。ただし「ウェブサイト関連費」として上限あり2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)50万円(特例で最大250万円)/うちウェブサイト関連費は30万円まで受付 2026年11月5日〜12月15日17:00
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(新事業進出枠・グローバル枠)既存事業と異なる新市場へ進出する手段としてのEC構築新事業進出枠 1/2(一定の要件で2/3)/グローバル枠 2/3従業員規模により2,500万〜7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円)第1回 受付 2026年9月30日〜10月30日18:00
中小企業省力化投資補助金(一般型 第8回)受注処理・在庫管理など、人手の作業を減らすためのシステム構築中小企業 1/2/小規模事業者等 2/3従業員規模により750万〜8,000万円(大幅賃上げ特例で最大1億円)受付 2026年8月18日〜10月16日17:00

この表を見ると、上限額の桁が制度によってまったく違うことがわかります。ただし「上限が大きい制度ほど良い」とはなりません。上限が大きい制度ほど、求められる事業の性格が限定され、事業計画の作成負担と、採択後に背負う数値目標が重くなるからです。

たとえば新事業進出枠は数千万円規模ですが、補助事業終了後に付加価値額の年平均成長率+4.0%以上、1人あたり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上といった達成要件がつきます。これは「既存の商品をネットでも売れるようにする」程度の取り組みで背負える目標ではありません。

逆に、100万円前後でカートサービスを導入してECを立ち上げたい、という規模感であれば、デジタル化・AI導入補助金2026か、小規模事業者持続化補助金のどちらかが現実的な選択肢になります。

ECの作り方によって、使える制度が変わる

制度を選ぶ前に整理しておきたいのが、自社がどの作り方でECを立ち上げるのかです。作り方は大きく4つに分かれ、それぞれ費用構造も、補助金との相性も異なります。

作り方代表例費用の構造補助金との相性
モール出店楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング初期費用+月額出店料+販売手数料。制作費は店舗ページの作り込み分出店料・手数料そのものは対象外になりやすい
カートサービス(ASP)Shopify、BASE、MakeShop、ecbeing など初期構築費+月額利用料。デザイン・機能追加で制作費が増える登録ITツールになっていれば対象にしやすい
オリジナル構築スクラッチ開発、パッケージのカスタマイズ開発費が大半。数百万円〜登録ITツールではないため、制度が限られる
越境ECShopify Markets、海外モール出品、独自の多言語サイト構築費+多言語化・翻訳+海外物流・決済海外販路開拓を支援する制度・公的サービスが別にある

ここで最も重要なのが、デジタル化・AI導入補助金2026は「事務局に登録されたITツール」しか対象にならないという点です。制作会社にゼロから作ってもらうオリジナルのECサイトは、原則としてこの制度の対象になりません。「ECサイトなら補助金が出るはず」と思って制作会社に発注し、あとから対象外だとわかる、というのがこの分野で最も多い行き違いです。

4つの作り方と、4つの制度の当てはまりを整理すると次のようになります。

ECの作り方と、使える可能性のある補助金制度のマトリクス ECの作り方 と制度の当てはまり デジタル化・ AI導入補助金 最大450万円 小規模事業者 持続化補助金 ウェブ費30万円 新事業進出・ものづくり 商業サービス補助金 最大9,000万円 省力化投資補助金 (一般型) 最大1億円 モール出店 楽天・Amazon・ Yahoo!ショッピング 出店料は対象外 店舗ページ制作分 新市場進出が前提 × 出店自体は対象外 カートサービス Shopify・BASE・ MakeShop など 登録ツールなら本命 30万円まで 新市場進出が前提 単価50万円以上 オリジナル構築 スクラッチ開発・ パッケージ改修 × 未登録ツールは不可 30万円まで 新市場進出が前提 省力化が目的なら 越境EC 多言語サイト・ 海外モール出品 登録ツールの範囲で 30万円まで グローバル枠 省力化が目的なら
ECの作り方別に見た、各制度の当てはまり。2026年9月時点の公募要領にもとづく一般的な整理で、個別の可否は各制度の事務局の判断によります。

この図で押さえておきたいのは、どの作り方でも必ず使える万能な制度は存在しないということです。カートサービスならデジタル化・AI導入補助金、オリジナル構築で新規事業なら新事業進出枠、小規模で少額なら持続化補助金、というように、作り方を先に決めてから制度を選ぶのが正しい順序になります。

デジタル化・AI導入補助金2026|登録ECカートを入れるなら本命

旧IT導入補助金の後継にあたる制度で、2026年から名称が変わりました。ECサイトの構築費用という観点では、最も現実的で、最も使われている制度です。

通常枠の補助率と補助額

項目内容
補助率1/2以内(一定の条件を満たす場合は2/3以内)
補助額(1プロセス以上)5万円以上150万円未満
補助額(4プロセス以上)150万円以上450万円以下
対象要件1種類以上の業務プロセスを持つソフトウェアであること(汎用プロセスのみは不可)
クラウド利用料最大2年分が対象経費に含められる

ここでECにとって効いてくるのが、クラウド利用料が最大2年分まとめて対象になる点です。カートサービスは月額課金が基本なので、「毎月の費用だから補助の対象外だろう」と思われがちですが、そうではありません。月額3万円のサービスなら2年分で72万円。初期構築費と合算すれば、補助額を押し上げる材料になります。

ECサイト構築サービスが対象になる条件

この制度で最大の分かれ目が、導入するサービスが事務局に「ITツール」として登録されているかどうかです。

  • 事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供していること
  • そのうえで、ITツールとして登録済みであること
  • 申請は、自社と支援事業者の共同申請で行うこと

ECカートサービスの多くは、提供会社やその販売パートナーがIT導入支援事業者として登録し、サービスをITツールとして登録しています。そのため、既存のカートサービスを導入する形のEC構築であれば、この制度に乗せやすいのが実情です。

一方で、制作会社がゼロから設計・開発するオリジナルのECサイトは、登録ITツールではないため原則として対象になりません。「自社の商流に合わせて作り込みたい」という要望と、この制度の設計は相性が良くない、と理解しておくのが安全です。

なお、業務プロセスの区分でいうと、ECサイト構築サービスは「顧客対応・販売支援」や「供給・在庫・物流」といった共通プロセスに該当することが多く、単独でも申請要件を満たしやすい部類に入ります。受注管理や在庫連携まで含むツールを選べば、プロセス数が増えて補助額の区分が上がることもあります。

申請の前提になる準備と直近のスケジュール

この制度は、申請ボタンを押す前にそろえるものがあります。gBizIDプライムの取得SECURITY ACTIONの宣言です。gBizIDプライムはマイナンバーカードを使ったオンライン申請なら最短即日ですが、郵送申請では1週間程度かかり、記載不備で差し戻されるとさらに延びます。

申請枠締切交付決定(予定)事業実施期限
通常枠/インボイス枠/セキュリティ対策推進枠2026年9月29日(火)17:002026年11月9日(月)2027年4月30日(金)17:00
複数者連携デジタル化・AI導入枠2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)2027年5月31日(月)17:00

この制度は年度内に複数回の締切が設定されますが、公式サイトは日程が確定した回から順に公表する運用のため、先の予定はまだ空欄です。次回以降を狙う場合はデジタル化・AI導入補助金2026 公式サイトを定期的に確認してください。

採択率は、2026年9月2日に公表された直近の締切分で全体44.0%。おおむね2社に1社は通りません。制度の詳細や5つの申請枠の違いについては、別記事「デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)とは」で整理しています。

小規模事業者持続化補助金|ウェブサイト関連費30万円の使いどころ

従業員数の少ない事業者が、販路開拓のための取り組みに使える制度です。EC構築は「ウェブサイト関連費」という経費区分で対象になります。

補助率と補助上限(第20回)

項目内容
補助率2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
補助上限(基本)50万円
インボイス特例50万円上乗せ
賃金引上げ特例150万円上乗せ
両方の特例に該当200万円上乗せ(最大250万円
ウェブサイト関連費の上限補助金交付申請額の上限は30万円(税込)

ここが持続化補助金の要点です。補助上限がいくら大きくなっても、ウェブサイト関連費として受け取れるのは30万円までという上限が別にかかります。補助率2/3で30万円ということは、EC構築費として45万円分までが実質的な対象ということです。

さらに重要なのが、公募要領に明記されている次の一文です。

ウェブサイト関連費の単独申請は不可

「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください。」(第20回公募要領)
つまり、「ECサイトを作りたい」という理由だけでは申請できません。チラシ・パンフレット制作(広報費)、展示会出展費、機械装置等費など、ほかの販路開拓の取り組みとセットで計画を組む必要があります。

対象になるもの・ならないもの

区分内容
対象になる例商品販売のためのウェブサイト作成・更新/ECサイトやシステムの開発・構築・改修/掲載する商品・サービスの画像や動画の作成費用/効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策
対象にならない例ウェブサイト・システム開発等に関連するコンサルティングやアドバイスの費用/電子書籍の出版に係る費用/販売を目的としたシステムやソフトウェアの開発/家庭および一般事務用ソフトウェア/すでに導入しているソフトウェアの更新料補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ

最後の「補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ」は見落とされやすい項目です。作っただけで公開していないECサイトは対象外になります。制作が遅れて期間内に公開できない、という事態は補助金そのものを失うことにつながります。

なお、この「ウェブサイト関連費」はEC専用の区分ではなく、コーポレートサイトやランディングページの制作も同じ枠で扱われます。ECとあわせて自社サイトも作り直したい場合は、30万円の上限を両方で分け合うことになる点に注意してください。ホームページ制作費に補助金を使う場合の範囲は、別記事「ホームページ制作に使える補助金|対象になる費用の範囲」で整理しています。

対象者と2026年度の公募状況

対象になるのは「小規模事業者」です。業種によって従業員数の線引きが異なります。

業種常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

2026年9月時点では、第20回公募の申請受付が2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00で予定されています。この制度は商工会・商工会議所が発行する「事業支援計画書(様式4)」が必須で、その発行受付締切は申請締切より前(2026年12月4日)に設定されています。商工会・商工会議所との面談を挟むため、締切の1か月前には相談を始めておくのが現実的です。

補助事業の実施期限は交付決定日から2028年3月31日(金)まで、実績報告の提出期限は2028年4月10日(月)。地区によって窓口が分かれるため、商工会議所地区の公式サイトまたは商工会地区の公式サイトのうち、自社の所在地に該当するほうを確認してください。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金|BtoBの会社がBtoC ECを始めるとき

「これまで卸売だけだった会社が、自社ブランドを立ち上げて消費者に直接売る」。こうした新分野展開としてのEC構築に使えるのが、この制度です。

事業再構築補助金はすでに終了している

EC構築の補助金を調べると、いまも「事業再構築補助金」の名前が出てきます。ただし事業再構築補助金は第13回公募で新規の応募申請受付を終了しています。2026年9月時点の公式サイトは、すでに採択された事業者向けの実績報告・事業化状況報告の案内が中心です。

その後継として設けられた「中小企業新事業進出補助金」も、2026年9月時点で公募を終了し、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合されました。ものづくり補助金と一本化された制度で、第1回公募が2026年6月29日に開始されています。

制度2026年9月時点の状況
事業再構築補助金第13回公募で新規の応募申請受付を終了
中小企業新事業進出補助金公募終了。新規受付は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ
JAPANブランド育成支援等事業令和4年度までで終了し、ものづくり補助金のグローバル市場開拓枠(海外市場開拓〈JAPANブランド〉類型)に統合。現在はグローバル枠に引き継がれている
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金第1回公募中。申請受付 2026年9月30日〜10月30日18:00

補助金の制度名は数年おきに変わります。古い制度名で検索して出てきた情報をそのまま前提にすると、存在しない制度の準備をしてしまうことになるため、まず現行の制度名を確認するところから始めてください。

3つの枠と補助上限

この制度には3つの枠があり、ECに関係するのは主に新事業進出枠グローバル枠です。

対象となる取り組み補助率補助上限(従業員101人以上の場合)
革新的新製品・サービス枠技術革新性のある新製品・新サービスの開発中小企業 1/2(一定の要件で2/3)/小規模・再生事業者 2/32,500万円(賃上げ特例3,500万円)
新事業進出枠既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出中小企業等 1/2(一定の要件で2/3)7,000万円(賃上げ特例9,000万円)
グローバル枠海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制強化中小企業等 2/37,000万円(賃上げ特例9,000万円)

新事業進出枠とグローバル枠の補助上限は、従業員規模によって段階的に決まります。

従業員数補助下限額補助上限額大幅賃上げ特例適用時
1〜20人750万円2,500万円3,000万円
21〜50人4,000万円5,000万円
51〜100人5,500万円7,000万円
101人以上7,000万円9,000万円

注目したいのが補助下限額750万円です。補助率1/2なら、事業全体で1,500万円以上の投資規模がないと、そもそも申請の土俵に乗りません。カートサービスでECを立ち上げる程度の金額では届かない制度だということです。

対象経費と、ECで使える範囲

経費区分ECでの該当例備考
機械装置・システム構築費ECサイトの開発費、受注・在庫管理システムの構築費、製造設備必須(建物費とのいずれか)
クラウドサービス利用費補助事業に必要なクラウドの利用料
広告宣伝・販売促進費新たに売る商品のプロモーション費用事業計画期間1年あたりの、補助事業で新たに製造等する製品等の売上高見込み額(税抜)の5%が上限
外注費/専門家経費デザイン・設計の外注、専門家への謝金
原材料費試作品の原材料販売用の商品の仕入は対象外
建物費/運搬費/技術導入費/知的財産権等関連経費
海外旅費/通訳・翻訳費海外展示会への渡航、多言語化の翻訳グローバル枠

この制度で特徴的なのが、広告宣伝・販売促進費が対象経費に入っている点です。ほかの補助金では広告出稿費が真っ先に対象外になるのに対し、この制度では新たに販売する製品のプロモーションが補助の対象になりえます。ただし上限は「売上高見込み額の5%」で、青天井ではありません。Web広告費と補助金の関係は別記事「Web広告費に補助金は使えるか」で詳しく整理しています。

採択後に背負う要件

金額が大きいぶん、要件も重くなります。基本要件として次のすべてを満たす計画が求められます。

  • 付加価値額の年平均成長率+4.0%以上
  • 1人あたり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上(未達の場合は補助金の返還を求められることがあります)
  • 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること(同上)
  • ワークライフバランスに関する要件
  • 子育て等の職場環境整備に関する要件
  • 金融機関から資金提供を受ける場合は、金融機関の確認

賃上げの未達が返還につながる設計になっている点は、申請前に社内で共有しておくべきです。ECで新しい売上をつくるという計画は、こうした成長目標と結びつけやすい反面、「作ったが売れなかった」場合のリスクが補助金の返還という形で残ります。詳細は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式サイトの公募要領で確認してください。

中小企業省力化投資補助金(一般型)|受注・在庫管理の仕組みを作る

人手不足の解消を目的とした制度です。ECそのものを作るための制度ではありませんが、受注処理・在庫管理・出荷指示といった、EC運営に付随する事務作業を減らすシステム構築であれば対象になりえます。

項目内容
補助率中小企業 1/2/小規模事業者・再生事業者 2/3
補助上限従業員5人以下 750万円/6〜20人 1,500万円/21〜50人 3,000万円/51〜100人 5,000万円/101人以上 8,000万円(大幅賃上げ特例で最大1億円)
必須経費機械装置・システム構築費。単価50万円以上(税抜)が条件
その他の対象経費運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費
直近の公募一般型 第8回:2026年8月18日〜2026年10月16日(金)17:00

ここで効いてくるのが単価50万円以上(税抜)という条件です。小額のツールを何本か積み上げる形の投資は、この制度には向きません。逆に、複数モールの受注を一元管理する仕組みを100万円台で構築する、といった投資なら要件に届きます。

注意したいのは、この制度の目的があくまで「省力化」である点です。申請では「誰の、どの作業が、月に何時間減るのか」を数字で示す必要があります。「ECを始めて売上を増やしたい」という動機では、制度の趣旨と合いません。EC構築そのものは別の制度で、受注処理の自動化はこの制度で、という使い分けが現実的です。最新の要件は中小企業省力化投資補助金 公式サイトで確認してください。

越境ECで使える制度と、その探し方

海外向けにECを立ち上げる場合、国内ECとは事情が変わります。多言語化、海外決済、国際物流、現地のプロモーション。費用項目が増えるぶん、補助金だけでなく、公的機関の無料支援サービスも組み合わせるのが実務的です。

補助金として使える可能性があるもの

越境EC向けに独立した補助金があるわけではありません。既存の制度を越境ECの文脈で使う、というのが実態です。

制度・支援越境ECでの使いどころ費用負担
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(グローバル枠)海外市場開拓に向けた国内の輸出体制強化。海外旅費・通訳翻訳費も対象経費に含まれる補助率2/3/最大7,000万円(賃上げ特例9,000万円)
小規模事業者持続化補助金多言語ECサイトの構築。ウェブサイト関連費として30万円まで補助率2/3
デジタル化・AI導入補助金2026登録ITツールの範囲で、多言語対応のカートサービスを導入する場合補助率1/2以内(条件により2/3以内)
JETRO 新規輸出1万者支援プログラム越境EC支援事業パートナーの紹介、海外ECサイトでの販売支援(JAPAN MALL)、Amazon米国・英国出品支援(JAPAN STORE)など登録は無料(各パートナーのサービス利用料は別途)
自治体・公的支援機関の越境EC支援出品ページの翻訳・作成、受注発送代行、プロモーションなど無料または一部補助のものが多い

ここで押さえておきたいのが、「JAPANブランド育成支援等事業」は現在その名前では存在しないことです。中小企業庁の公式ページには、令和4年度までのJAPANブランド育成支援等事業は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」のグローバル市場開拓枠(海外市場開拓〈JAPANブランド〉類型)に統合される、と記載されています。2026年時点では、その系譜が新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のグローバル枠に引き継がれている形です。JAPANブランドという名称で公募を探しても見つかりません。

補助金より先に、無料の公的支援を使う

越境ECの立ち上げで見落とされがちなのが、費用をかけずに使える公的支援です。

  • JETRO「新規輸出1万者支援プログラム」:登録は無料。輸出経験がない企業だけでなく、経験がある企業も対象です。越境EC支援事業パートナーの紹介、国際ビジネスマッチングサイト(e-Venue)やJapan Streetへの登録、海外ECでの販売支援などのメニューがあります
  • JETRO「越境EC支援事業パートナー」:越境ECの事前調査・戦略立案から販売準備、販売・販促までを支援する事業者を紹介する仕組み。紹介自体は無料で、各パートナーのサービス利用料は各社に確認する形です
  • 都道府県の中小企業支援機関:たとえば東京都中小企業振興公社では「越境EC出品支援」として、商品説明の翻訳・掲載ページ作成、受注・発送・決済手続き、プロモーションまでを無料で支援するメニューを設けています

これらは補助金と違って後払いの立て替えが発生しないという大きな利点があります。越境ECは商習慣・規制・物流の面で国内ECと勝手が違うため、いきなり自前で構築するより、こうした支援で小さく試してから投資を判断するほうが失敗が少なくなります。

自治体の支援の探し方

越境ECの補助・支援は自治体単位のものが多く、公募期間も短いのが特徴です。網羅的に探すには次の順番が効率的です。

  1. 国の制度を先に確認する補助率と上限が最も大きいのは国の制度です。まず新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のグローバル枠が使える規模かを判断します。
  2. ミラサポplusで横断的に検索する中小企業庁が運営するミラサポplusでは、国と自治体の支援制度をまとめて検索できます。
  3. J-Net21の支援情報ヘッドラインを見る中小機構が運営する支援情報ヘッドラインでは、都道府県別・分野別に最新の公募情報が掲載されます。
  4. 所在地の産業振興公社・商工会議所に直接聞く公開前の情報や、募集枠に空きがある制度は、窓口で聞くのが最も早いことがあります。
  5. JETROに登録しておく無料で使えるメニューが多く、補助金の採否にかかわらず動けます。

自治体の制度は「先着順・予算上限まで」という設計が多く、公募期間が1か月に満たないこともあります。年度初め(4〜6月)に情報が出そろう傾向があるため、越境ECを検討しているなら、その時期に一度まとめて確認しておくと取りこぼしが減ります。

ECで対象外になりやすい費用

ECの費用は「サイトを作る費用」だけではありません。そして作る費用以外は、ほとんどが補助の対象外になります。ここを誤解したまま資金計画を立てると、想定より自己負担が大きくなります。

費用扱い理由
商品の仕入代金・在庫対象外販売する商品の生産・調達に係る経費は、どの制度でも対象外とされています
送料・梱包資材の継続購入費対象外事業運営に伴う経常的な費用にあたります
広告出稿費そのもの原則対象外例外は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の広告宣伝・販売促進費(売上高見込み額の5%まで)
モール出店料の継続分対象外月額の出店料・システム利用料は経常的な費用です
決済手数料・販売手数料対象外売上に連動して発生する費用です
既存ECの単なる保守・更新原則対象外持続化補助金では「すでに導入しているソフトウェアの更新料」が明示的に対象外です
サーバー・ドメインの継続利用料制度により異なる補助事業期間に対応する分のみ、といった限定がかかります
汎用のパソコン・プリンター原則対象外持続化補助金・省力化投資補助金ともに汎用品は対象外。デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠のみ、ソフトウェアとセットで一部対象
交付決定前に発注・契約・支払いをした費用対象外全制度に共通する原則です

この表で最も影響が大きいのは、ECを回し続けるための費用がほぼ全部そろって対象外になっているという事実です。補助金が効くのは立ち上げの瞬間だけで、運営コストは自社で負担し続けることになります。

そして最後の「交付決定前の発注」は、制度の順序を知っていれば避けられる失敗です。制作会社との打ち合わせが進むと契約を急ぎたくなりますが、交付決定の通知を受け取るまでは発注書も契約書も交わさない。これを守らないと、採択されても補助金を受け取れません。

必要になる書類

制度によって必要書類は異なりますが、発行に日数がかかるものが共通して含まれます。締切から逆算して着手してください。

制度主な必要書類・準備注意点
デジタル化・AI導入補助金2026gBizIDプライムのアカウントオンライン申請は最短即日、郵送は1週間程度。不備があるとさらに延びます
SECURITY ACTIONの宣言IPAのサイトで実施。無料。一つ星以上が必須
履歴事項全部証明書/納税証明書(法人)、確定申告書・本人確認書類(個人)発行から◯か月以内という期限が公募回ごとに設定されます
小規模事業者持続化補助金事業支援計画書(様式4)商工会・商工会議所が発行。発行受付締切は申請締切より前(第20回は2026年12月4日)
経営計画書・補助事業計画書電子申請システムに入力
特例・加点に関する書類インボイス特例・賃金引上げ特例を使う場合
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金事業計画書、決算書、従業員数の確認資料賃上げ計画・付加価値額の見込みを数字で示す必要があります
金融機関による確認書金融機関から資金提供を受ける場合
省力化投資補助金(一般型)事業計画書、見積書、決算書、賃金台帳等省力化の効果を時間単位で示す資料が求められます

共通して必要になるのがgBizIDプライムです。行政の電子申請に使う共通アカウントで、取得は無料ですが発行に時間がかかります。マイナンバーカードを使ったオンライン申請なら最短即日、郵送申請では1週間程度。印鑑証明書と申請書の表記が一字でも違うと差し戻されるため、締切の1か月前には取得を済ませておくのが安全です。

また、採択後の実績報告のほうが書類は多くなります。ECの場合、見積書・発注書・契約書・納品書・請求書・振込明細に加えて、サイトが実際に公開・稼働していることを示す資料(画面キャプチャなど)が必要になることがあります。制作の進行中から証憑を1か所にまとめておくと、後工程が楽になります。

申請から入金までの期間と、立て替えの現実

補助金は原則としてすべて後払いです。ECの構築費は先に全額を自社で支払い、そのあとに補助金が入ってきます。

段階デジタル化・AI導入補助金持続化補助金新事業進出・ものづくり/省力化
締切から交付決定・採択発表まで約1〜1.5か月数か月約3〜4か月
事業実施期間交付決定〜2027年4月30日交付決定〜2028年3月31日交付決定から1年前後
実績報告から入金まで数か月
申請から入金までの全体おおむね8〜12か月1年以上になることも1年以上

ECの立ち上げでこの時間軸が効いてくるのは、「補助金が出てから作ろう」と待っていると、機会を1年逃すことになるという点です。季節商材やイベントに合わせた立ち上げを考えているなら、補助金のスケジュールが事業計画のほうを縛ります。

資金面でも、たとえば構築費300万円のECを補助率1/2で申請した場合、手元から出ていくのは300万円。戻ってくるのは最大150万円で、それが1年近く先になります。補助金を前提にした資金計画ではなく、補助金がなくても回る計画に補助金を足すという考え方が現実的です。

不採択・対象外になりやすいパターン

不採択の個別理由は通知されません。ただし、EC構築の申請で起きやすい失敗はある程度決まっています。

  • 交付決定の前に制作会社へ発注してしまった:最も多く、取り返しがつかない失敗です。見積を取るところまでは問題ありませんが、発注・契約・着手金の支払いは交付決定後にしてください。
  • 登録されていないITツールでデジタル化・AI導入補助金に申請した:オリジナル構築や、登録していない制作会社への発注は対象になりません。ツールが登録されているかは公式サイトのツール検索で確認できます。
  • 持続化補助金にウェブサイト関連費だけで申請した:公募要領で単独申請が明確に禁止されています。ほかの販路開拓の取り組みとセットで計画を組む必要があります。
  • ウェブサイト関連費の30万円という上限を知らずに計画を立てた:補助上限が250万円まで伸びても、ウェブサイト関連費として受け取れるのは30万円までです。
  • 補助事業期間内にECを公開できなかった:持続化補助金では「運用に至らなかったホームページ・ランディングページ」が対象外と明記されています。制作スケジュールの遅延が、そのまま補助金の喪失につながります。
  • 省力化投資補助金で単価50万円未満の投資を積み上げた:一般型の必須経費は単価50万円以上(税抜)です。
  • 新事業進出枠で「既存商品をネットでも売る」計画を出した:新事業進出枠は既存事業で対象でなかった顧客層の市場への進出が前提です。販売チャネルを1つ増やすだけでは、新市場進出とは評価されにくくなります。
  • 賃上げ要件を形式的に受け入れた:新事業進出枠・グローバル枠では、給与支給総額や事業場内最低賃金の未達が返還につながる場合があります。
  • 事業計画が「ECを作って売上を伸ばす」で止まっている:誰に、何を、どのチャネルで、いくらで売るのか。いつ何件の注文を見込むのか。ここが数字で書けていない計画は評価されません。

裏を返せば、不採択の多くは「制度の順序を守れなかった」か「計画が具体性を欠いた」かのどちらかです。前者は知識で防げます。差がつくのは後者のほうです。

補助金でECを作っても、売れるとは限らない

ここまで制度の話をしてきましたが、実務で最も注意していただきたいのはこの点です。

補助金が効くのはECサイトを「作る」ところまでです。そのあとの集客、商品ページの改善、広告、受注対応、在庫の調整、リピート施策。ECの売上をつくる活動のほぼすべては、補助の対象外で、自社の負担として残ります。

フェーズ主な費用補助金の対象
構築カート初期費用、デザイン、商品登録、撮影、システム連携対象になりやすい
立ち上げ直後広告出稿、SNS運用、モール内広告原則対象外(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の一部を除く)
運営月額利用料、出店料、決済手数料、送料、梱包資材対象外(クラウド利用料の一部を除く)
改善ページ改修、商品追加、分析、施策の検証既存サイトの更新は原則対象外

ECの立ち上げでよくあるのが、補助金で立派なサイトを作ったものの、公開後に動かす予算も人も残っていないというパターンです。補助金は自己負担分を求める制度ですから、構築に力を入れるほど手元の資金は減ります。そこで運用費が尽きると、サイトだけが残ります。

そのため、EC構築の予算を考えるときは、構築費と、公開後12か月の運営・集客費をセットで見積もることをおすすめします。そのうえで、補助の対象になる構築費に制度を当てる。この順序であれば、補助金が事業の判断をゆがめることはありません。

地方の事業者が自社商品をECで売る場合、この構造はさらにはっきり出ます。商品そのものに魅力があっても、検索やSNSで見つけてもらう導線がなければ売上にはなりません。Digital&が提供している「ものがたりコマース」は、自社ECの構築だけでなく、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングへの出店と運用、集客とAI検索への対応までを、社外のEC編集部として設計・運用するサービスです。補助金を使うかどうかにかかわらず、「作ったあとに何をするか」を先に決めておくことが、結果的に投資の回収を早くします。

制度を選ぶ順番

最後に、判断の順番を整理します。

  1. どういうECを作るかを決めるモール出店か、カートサービスか、オリジナル構築か、越境か。ここが決まらないと制度は選べません。
  2. 投資規模の概算を出す構築費が100万円前後なのか、1,500万円以上なのかで、候補になる制度が変わります。補助下限額に届かなければ、その制度は検討から外れます。
  3. 自社が対象事業者かを確認する小規模事業者の従業員数要件、中小企業の資本金・従業員数要件を先に確認します。
  4. 導入するサービスが登録ITツールかを確認するデジタル化・AI導入補助金を狙うなら、ここが最初の関門です。
  5. 締切と、公開したい時期を突き合わせる交付決定を待つ期間を含めると、公開は半年以上先になります。それで間に合うかを判断します。
  6. 運営・集客の予算を別枠で確保する補助の対象外になる費用を先に確保してから、残りを構築に充てます。

この順番で検討すると、「使えそうな制度を全部調べる」という非効率な作業が要らなくなります。EC構築に使える制度は多いように見えて、自社の条件で絞ると2つか3つに収まるのが普通です。

よくある質問

ECサイトの構築費用に使える補助金はどれが一番使いやすいですか?

導入するのが事務局に登録されたECカートサービスであれば、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠が現実的です。補助率1/2以内で最大450万円、クラウド利用料も最大2年分が対象になります。小規模事業者で、構築費が数十万円規模であれば、小規模事業者持続化補助金も候補になりますが、ウェブサイト関連費として受け取れるのは30万円までという上限があります。

制作会社にオリジナルのECサイトを作ってもらう場合も補助金は使えますか?

デジタル化・AI導入補助金2026は、事務局に登録されたITツールが対象のため、オリジナル構築は原則として対象外です。この場合は、小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費(上限30万円)か、新分野展開の一部としてであれば新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の新事業進出枠が候補になります。ただし後者は補助下限額が750万円で、事業全体の投資規模が大きい場合に限られます。

楽天やAmazonへの出店費用は補助の対象になりますか?

月額の出店料やシステム利用料、販売手数料は経常的な費用にあたるため、対象外になります。一方、店舗ページの制作費や商品画像・動画の作成費用は、小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費として対象になりえます。また、複数モールの受注を一元管理するシステムの構築であれば、デジタル化・AI導入補助金や省力化投資補助金の検討余地があります。

越境ECを始めたいのですが、専用の補助金はありますか?

越境EC専用の補助金は2026年9月時点で用意されていません。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のグローバル枠(補助率2/3、最大7,000万円/賃上げ特例9,000万円)が、海外市場開拓の取り組みを対象にしています。あわせて、JETROの「新規輸出1万者支援プログラム」は登録無料で、越境EC支援事業パートナーの紹介や海外ECでの販売支援メニューが使えます。自治体にも越境EC出品を無料で支援するメニューがあるため、補助金より先にこれらを確認することをおすすめします。

JAPANブランド育成支援等事業は今も申請できますか?

その名称では現在公募されていません。中小企業庁の公式ページには、令和4年度までのJAPANブランド育成支援等事業は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」のグローバル市場開拓枠(海外市場開拓〈JAPANブランド〉類型)に統合されると記載されています。2026年時点では、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のグローバル枠がその系譜にあたります。

事業再構築補助金でECを作る計画は、まだ申請できますか?

できません。事業再構築補助金は第13回公募で新規の応募申請受付を終了しています。後継として設けられた中小企業新事業進出補助金も公募を終了し、2026年9月時点では「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合されています。新規に申請する場合は、この制度の公募要領を確認してください。

ECの月額利用料や広告費も補助の対象になりますか?

月額利用料については、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠でクラウド利用料が最大2年分まで対象経費に含められます。一方、広告出稿費そのものは原則として対象外です。例外は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の「広告宣伝・販売促進費」で、こちらも事業計画期間1年あたりの、補助事業で新たに製造等する製品等の売上高見込み額(税抜)の5%が上限とされています。

補助金が採択されてから制作会社に発注すればよいのですか?

正確には「交付決定後」です。採択の通知と交付決定は別の手続きで、交付決定の前に発注・契約・支払いをした費用は対象外になります。見積を取り、仕様をすり合わせるところまでは事前に進めて構いませんが、発注書・契約書を交わすのは交付決定の通知を受け取ってからにしてください。

補助金の申請だけを代行してもらうことはできますか?

補助金の申請書類の作成や提出を業として代行できるかどうかは、行政書士法などの観点があります。手続きそのものについては、社会保険労務士・行政書士など各分野の専門家にご相談ください。Digital&では申請代行は行っておらず、ECの設計・構築・運用という事業側の支援を担当しています。

まとめ

この記事の要点

ECサイトの構築費用に使える制度は、2026年9月時点で主に4つです。登録されたECカートサービスを導入するならデジタル化・AI導入補助金2026(補助率1/2以内・通常枠で最大450万円)、小規模事業者が少額で立ち上げるなら小規模事業者持続化補助金(補助率2/3。ただしウェブサイト関連費は30万円まで、単独申請は不可)が現実的な選択肢になります。

BtoBのみだった会社がBtoC ECで新市場に進出する、といった規模の大きい取り組みには新事業進出・ものづくり商業サービス補助金があります。補助下限額750万円・上限は従業員規模に応じて2,500万〜7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円)で、越境ECにはグローバル枠(補助率2/3)が対応します。受注・在庫管理の仕組みづくりは省力化投資補助金の一般型が候補ですが、機械装置・システム構築費は単価50万円以上(税抜)が条件です。

制度の入れ替わりには注意が必要です。事業再構築補助金は第13回公募で新規受付を終了し、中小企業新事業進出補助金も公募を終えて統合されました。JAPANブランド育成支援等事業もその名称では公募されていません。古い制度名の情報を前提に準備を進めないでください。

そして最も大きな注意点は、補助金が効くのは「作る」ところまでだということです。仕入・在庫・送料・広告出稿費・出店料の継続分・決済手数料は、いずれも対象外。ECの売上をつくる活動のほぼすべてが自己負担として残ります。構築費と、公開後12か月の運営・集客費をセットで見積もったうえで、補助の対象になる部分に制度を当てる。この順序であれば、補助金に事業計画を振り回されずに済みます。

ECは「作って終わり」にしないところから相談できます

株式会社Digital&では、自社ECの構築、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングへの出店と運用、越境ECの立ち上げ、そして公開後の集客までを支援しています。地域企業のEC事業を社外のEC編集部として設計・運用する「ものがたりコマース」もご用意しています。「補助金の対象になる作り方はどれか」「構築後の運用にいくら残すべきか」といった段階からご相談いただけます。
なお、補助金・助成金の申請書類の作成や提出の代行は行っておりません。手続きそのものについては、社会保険労務士・行政書士など各分野の専門家にご相談ください。

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