ホームページ制作に使える補助金|2026年に対象になる費用とならない費用

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「ホームページを作りたいが費用が重い。補助金は使えないか」——この検索をした方に、最初にお伝えしなければならないことがあります。
2026年9月時点で、会社案内が中心のコーポレートサイトの制作費を、そのまま補助してくれる国の制度はほとんどありません。「ホームページ制作費の補助金」という名前の制度が存在するわけではなく、既存の補助金の対象経費の一部として、条件を満たした場合に限って認められる、というのが実態です。
ただし、これは「あきらめてください」という話ではありません。制度の側から見れば、補助の対象になるのは「販路開拓の手段としてのサイト」であって、「会社の顔としてのサイト」ではない、というだけのことです。つまり、何のために作るかを整理し直せば、対象になる余地は残っています。
この記事では、ホームページ制作に関係しうる制度を公式の公募要領にもとづいて整理し、どういう作り方なら対象になりうるのか、逆に何が確実に対象外なのかを、判断できる形でまとめます。
- なぜ多くの制度でコーポレートサイトの制作費が対象外になるのか
- 制度ごとの「対象になるサイトの性格」「補助率」「上限」「公募時期」の比較
- 小規模事業者持続化補助金のウェブサイト関連費の正確な扱い(上限と単独申請の可否)
- デジタル化・AI導入補助金でオリジナル制作が対象外になる構造上の理由
- 市区町村がホームページ制作費を補助している例と、その探し方
- 対象外になりやすい費用の一覧と、対象になりやすくなる作り方
- 必要書類、申請から入金までの期間、不採択になりやすいパターン
2026年9月時点で公開されている公募要領・公式発表にもとづいて記載しています。補助率・補助上限・締切・対象経費の扱いは公募回ごとに変わります。特にウェブサイト関連の経費は改定が入りやすい項目のため、申請前に必ず該当する公募回の公募要領で最新の要件をご確認ください。主な公式サイトは小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>(商工会議所地区)、デジタル化・AI導入補助金2026、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金です。
結論:ホームページ制作費を「そのまま」補助する制度はない
国の補助金は、ホームページを作ること自体を目的に作られていません。どの制度も、販路開拓・生産性向上・新分野への進出といった経営上の目的があり、その目的を達成するための手段として経費が認められる構造になっています。
この構造から、次のような線引きが生まれます。
| 作りたいもの | 制度上の扱い |
|---|---|
| 会社概要・沿革・代表挨拶が中心のコーポレートサイト | 「単なる会社のPR」として扱われ、国の主要制度では原則対象外 |
| 新商品・新サービスを紹介し、問い合わせや予約を獲得するサイト | 販路開拓の取組として、持続化補助金のウェブサイト関連費で計上できる余地がある |
| ネットで商品を売るECサイト | 持続化補助金のほか、登録ITツールであればデジタル化・AI導入補助金の対象になりうる |
| 新分野への進出とセットで作るサイト | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の広告宣伝・販売促進費の対象になりうる |
| 採用のためのサイト | 求人広告は対象外と明記している制度が多く、国の制度ではきわめて厳しい |
| 既存サイトのデザイン刷新・リニューアル | 販路開拓につながる中身の変更がなければ、単なる更新として扱われやすい |
この表で最も重要なのは1行目と6行目です。「うちの会社を知ってもらうためのサイト」は、制度の言葉では「単なる会社のPR」に分類されます。小規模事業者持続化補助金の公募要領は、広報費の対象外の例として「商品・サービスの宣伝広告を目的としない広告・看板・会社案内パンフレット作成・求人広告」を挙げ、その理由を「単なる会社の営業活動に活用されるものとして対象外」と明記しています。紙のパンフレットで対象外とされているものが、ウェブになった途端に対象になるわけではありません。
逆に言えば、そのサイトで何を売るのか、誰に届けるのか、それによって売上がどう増えるのかが説明できれば、対象に入る余地があるということでもあります。以降で制度ごとに見ていきます。
制度ごとの対象範囲を比較する
ホームページ制作に関係しうる主な制度を、2026年9月時点の公式情報で整理すると次のようになります。
| 制度 | 対象になるサイトの性格 | 補助率 | 補助上限 | 直近の公募 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 <一般型 通常枠> | 販路開拓のためのウェブサイト・ECサイト・システム | 2/3 | 全体50万円(特例で最大250万円)/ウェブサイト関連費は30万円まで | 第20回:2026年11月5日〜12月15日 | 中 |
| 小規模事業者持続化補助金 <創業型> | 同上(創業1年以内の事業者が対象) | 2/3 | 全体200万円(インボイス特例で250万円)/ウェブサイト関連費は30万円まで | 第4回:2026年11月5日〜12月15日 | 中 |
| デジタル化・AI導入補助金2026 (旧IT導入補助金) | 事務局に登録されたITツールとしてのECサイト構築サービス等 | 1/2〜4/5(枠による) | 通常枠450万円ほか | 締切:2026年9月29日17:00 | 中 |
| 新事業進出・ものづくり 商業サービス補助金 | 新分野進出・新製品開発に伴う、その事業のPRサイト | 1/2〜2/3 | 枠と従業員数により750万〜9,000万円/広告宣伝・販売促進費には別途上限あり | 第1回:2026年9月30日〜10月30日18:00 | 高 |
| 自治体の補助金 | 制度により幅があり、コーポレートサイトでも対象になる例がある | 1/2が多い | 5万〜10万円程度が中心 | 自治体ごと(通年募集も多い) | 低 |
この表から読み取っていただきたいのは、「補助上限が大きい制度ほど、サイト制作そのものが主役になりにくい」という関係です。上限9,000万円の新事業進出枠は、設備投資を伴う新分野進出が主役であり、サイトはその付随経費という位置づけになります。反対に、金額は小さくてもサイト制作がそのまま対象になるのは自治体の制度です。
ホームページ制作を主目的にするなら、現実的な選択肢は小規模事業者持続化補助金と自治体の補助金の2つに絞られます。次の図で、自社がどこに当たるかを確認してください。
小規模事業者持続化補助金:もっとも現実的な選択肢
ホームページ制作を検討する小規模事業者にとって、実際に使える可能性が最も高いのがこの制度です。運営は全国商工会連合会と日本商工会議所が地区ごとに分担しています。
2026年9月時点で公募要領が公開されている<一般型 通常枠>第20回の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 補助上限(基本) | 50万円 |
| インボイス特例 | +50万円 |
| 賃金引上げ特例 | +150万円 |
| 両特例をともに満たす場合 | +200万円(合計250万円) |
| 対象経費(8区分) | 機械装置等費/広報費/ウェブサイト関連費/展示会等出展費/旅費/新商品開発費/借料/委託・外注費 |
| 申請受付 | 2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00 |
| 事業支援計画書(様式4)発行受付締切 | 2026年12月4日(金) |
| 採択発表 | 2027年3月頃(予定) |
| 補助事業実施期限 | 2028年3月31日(金) |
ここで真っ先に押さえるべきなのが、ウェブサイト関連費という区分には、全体の上限とは別の上限が設けられているという点です。
ウェブサイト関連費の上限は30万円(税込)
第20回の公募要領は、ウェブサイト関連費について次の2点を明記しています。
- 当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)
- ウェブサイト関連費のみによる申請はできない(必ずほかの経費と一緒に申請する)
この2つが、実務上はかなり効いてきます。順番に見ていきます。
まず上限30万円ですが、これは「補助金として受け取れる額」の上限であって、「サイト制作にかけてよい額」の上限ではありません。補助率が2/3ですから、30万円を受け取るには45万円の制作費が必要です。逆に、100万円のサイトを作っても、200万円のサイトを作っても、ウェブサイト関連費から出る補助金は30万円で頭打ちになります。
| サイト制作費(税込) | 補助率2/3で計算した額 | 実際に受け取れる補助金 | 自己負担 |
|---|---|---|---|
| 30万円 | 20万円 | 20万円 | 10万円 |
| 45万円 | 30万円 | 30万円(ちょうど上限) | 15万円 |
| 100万円 | 約66.7万円 | 30万円(上限で頭打ち) | 70万円 |
| 300万円 | 200万円 | 30万円(上限で頭打ち) | 270万円 |
この表が示すのは、持続化補助金は「サイト制作費の大半をまかなう制度」ではないということです。45万円前後の予算で作るなら効率よく効きますが、数百万円規模のサイトを想定している場合、補助金が費用の判断を左右することはほぼありません。予算規模が大きいほど、補助金ありきで制作内容を決める意味は薄くなります。
次に「ウェブサイト関連費のみでは申請できない」という要件です。これは、サイト制作だけを理由に申請することはできず、機械装置等費、広報費、展示会等出展費といった他の区分の経費を必ず組み合わせる必要があることを意味します。
裏を返せば、販路開拓の取組全体を設計しないと、この制度は使えないということです。たとえば「新商品を開発し(新商品開発費)、紹介サイトを作り(ウェブサイト関連費)、展示会に出す(展示会等出展費)」という流れであれば自然に組み立てられます。サイト制作の予算を通すために形だけ別の経費を足すのは、計画審査で見抜かれます。
経費区分ごとの上限を整理する
ウェブ周りの費用は、どの区分で計上するかによって上限が変わります。第20回の公募要領にもとづくと、次のような分かれ方になります。
| 経費区分 | ウェブ関連で含まれるもの | 補助金交付申請額の上限 | 単独申請 |
|---|---|---|---|
| ウェブサイト関連費 | ウェブサイト・ECサイト・システムの開発、構築、更新、改修、運用/サイトに載せる画像・動画・宣材写真の制作/効果や作業内容が明確なSEO対策 | 30万円(税込) | 不可 |
| 広報費 | インターネット広告・バナー広告・SNS広告・SNS運用代行/電子パンフレット/インターネットでのプレスリリース配信 | 30万円(税込) | 不可 |
| 委託・外注費 | 上記以外の外注(ただしウェブサイト・システム開発に係る委託・外注はウェブサイト関連費で計上) | 区分ごとの上限なし | 可 |
実務で混乱しやすいのが、サイトに載せる写真や動画の制作費をどちらで計上するかです。公募要領は「自社ホームページや、ECサイトにて使用する動画や写真の制作費用等については、ウェブサイト関連費にて計上してください」と指定しています。同じ撮影費でも、チラシに使うなら広報費、サイトに載せるならウェブサイト関連費です。
また、サイト制作とWeb広告の出稿を同時に計画する場合、それぞれ別の30万円枠を使えます。サイトを作って終わりではなく、集客まで含めて設計するほうが、制度上も合理的です。ただし広報費についても「補助事業計画に基づく商品・サービスの広報を目的としたものが補助対象であり、単なる会社のPRや営業活動に活用される広報費は補助対象外」と明記されています。
持続化補助金で対象になるもの・ならないもの
第20回の公募要領は、ウェブサイト関連費について対象となる経費例と対象とならない経費例を列挙しています。判断の材料として重要なので、そのまま整理します。
| 対象となる経費例 | 対象とならない経費例 |
|---|---|
| 商品販売のためのウェブサイト作成や更新 | 既に導入しているソフトウェアの更新料 |
| オフラインを含むシステム開発、アプリケーション開発 | 補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ |
| 顧客管理システムの構築 | ウェブサイトおよびシステムに関連するコンサルティング、アドバイス費用 |
| 効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策 | 販売を目的としたシステムやソフトウェア開発 |
| 商品販売のためのウェブサイトに掲載する宣材写真の制作費用 | 家庭および一般事務用ソフトウェア |
| ウェブサイトに掲載する商品・サービスを販売するための画像や動画作成費用 | ウェブサイトに使用する画像等における被写体や商品の購入に係る費用 |
| 販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア | 有料配信する動画の制作費、有料講座で使用する動画や電子教材の作成 |
右側で特に注意したいのが上から3つです。
1つめ、既存ソフトウェアの更新料は対象外。サーバー・ドメインの継続費用や、CMSの年間ライセンス更新は、ここに引っかかります。
2つめ、補助事業期間内に公開まで至らなかったサイトは対象外。これは見落とされがちですが、制作費を支払っただけでは足りず、期間内に「運用に至る」=公開して使える状態にする必要があります。制作が遅れて公開が期限後にずれ込むと、支払い済みでも補助の対象から外れます。スケジュールに余裕を持たせてください。
3つめ、ウェブサイトに関するコンサルティング・アドバイス費用は対象外。サイト戦略の設計やディレクションを別費目で請求する契約形態にしていると、その部分が落ちる可能性があります。見積書の内訳の切り方が結果に影響する、数少ない論点です。
なお、50万円(税抜)以上の費用でウェブサイトを作成・更新する場合、そのサイトは「処分制限財産」に該当します。取得日から通常5年間、補助事業の目的外での使用や譲渡・廃棄が制限され、処分には事務局の承認が必要です。ただし公募要領は、「補助事業の目的を遂行するために必要なホームページの改良や機能強化」は処分に該当しないと明記しています。作ったサイトを育てていくこと自体は制限されません。
そもそも自社は「小規模事業者」に当たるか
この制度の対象は、名称のとおり小規模事業者に限られます。判定は常時使用する従業員の数だけで行われ、資本金や売上は関係ありません。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
「常時使用する従業員」には、会社役員と同居の親族従業員は含まれません。また、日雇労働者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者も含まれません。小売業やサービス業でパート・アルバイトが多い事業者は、この定義で数え直すと5人以下に収まる場合があります。「うちは対象外だろう」と思い込んで確認していないケースは珍しくありません。
業種の判定は、現に行っている事業の業態、または今後予定している業態で行います。このほか、法人については資本金または出資金5億円以上の法人に直接・間接に100%の株式を保有されていないこと、直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないことが要件です。
また、医師・歯科医師・助産師、一般社団法人・一般財団法人、医療法人、宗教法人、学校法人、社会福祉法人、農事組合法人、任意団体などは補助対象になりません。申請時点で開業していない創業予定者も対象外です(開業届を提出済みでも、開業日が申請日より後であれば対象外)。
持続化補助金<創業型>:創業1年以内なら上限が上がる
創業してから間もない事業者には、通常枠とは別に<創業型>が用意されています。ホームページを一から作る必要が生じるのは創業のタイミングであることが多いため、該当する方には検討の価値があります。
| 項目 | <一般型 通常枠>第20回 | <創業型>第4回 |
|---|---|---|
| 補助上限 | 50万円(特例で最大250万円) | 200万円(インボイス特例で250万円) |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) | 2/3 |
| ウェブサイト関連費の上限 | 30万円(税込) | 30万円(税込) |
| ウェブサイト関連費のみでの申請 | 不可 | 不可 |
| 主な追加要件 | ― | 創業後1年以内。認定市区町村等が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受けていること |
| 申請受付 | 2026年11月5日〜12月15日17:00 | 2026年11月5日〜12月15日17:00 |
ここで注意していただきたいのは、創業型で全体の上限が200万円に上がっても、ウェブサイト関連費の上限は30万円のまま変わらないという点です。創業型を使えばサイトに200万円かけられる、という話ではありません。増えた枠は、機械装置や店舗の設備、展示会出展などに向けられる設計になっています。
また、創業型は認定市区町村または認定連携創業支援等事業者が実施する「特定創業支援等事業」による支援を受けていることが要件です。これは市区町村が実施する創業セミナーや個別相談などで、受講には期間がかかります。受けていない場合、直近の公募には間に合いません。<一般型 通常枠>と<創業型>の同時申請はできない点にも注意してください。
デジタル化・AI導入補助金2026:オリジナル制作は原則対象外
旧IT導入補助金の後継にあたる制度です。名称にホームページという言葉は出てきませんが、「ITツールの導入費用が補助される」と聞いて検討される方が多いため、扱いを整理しておきます。
結論から言うと、制作会社にオリジナルで作ってもらうコーポレートサイトは、この制度では原則として対象になりません。理由は補助の可否を判断する基準そのものにあります。
- この制度の対象は、事務局にあらかじめ登録された「ITツール」である
- そのツールは、事務局に登録された「IT導入支援事業者」が提供するものでなければならない
- 申請は、その支援事業者と共同で行う
つまり、判断は「ホームページかどうか」ではなく「事務局に登録されたツールかどうか」で行われます。個別の要件に合わせて一から設計・制作するサイトは、事前にツールとして登録しようがないため、この枠組みに乗りません。
一方で、パッケージとして提供されているECサイト構築サービスが登録ITツールになっている場合は、対象になりうるという余地は残ります。ネット販売を始めたいのであれば、まず登録ツールを検索し、そのうえで制作を設計するという順番が有効です。
| 申請枠 | 主な用途 | 補助額の上限 | 直近の締切 |
|---|---|---|---|
| 通常枠 | 業務プロセスの効率化に使う一般的なITツール全般 | 450万円 | 2026年9月29日(火)17:00 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | 会計・受発注・決済のソフトと、付随するPC・レジ等 | ソフト350万円+ハード | |
| セキュリティ対策推進枠 | サイバーセキュリティ対策サービスの導入 | 150万円 | |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 | 商店街や組合など、複数の事業者がまとまって導入する場合 | 3,000万円 | 2026年10月30日(金)17:00 |
交付決定の予定は2026年11月9日、事業実施期限は2027年4月30日17:00です。交付決定前に発注・契約・支払いを済ませた費用は対象外になる点は、この制度でも同じです。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金:新分野展開とセットなら
2026年、従来の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)」と「中小企業新事業進出補助金」は統合され、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金になりました。事業再構築補助金は第13回を最終公募として終了しており、新分野展開を支援する枠組みはこの制度に引き継がれています。
第1回公募は2026年6月29日に公募要領が公開され、申請受付は2026年9月30日、申請締切は2026年10月30日18:00です。枠は3つあります。
| 枠 | 概要 | 補助率 | 補助上限(従業員数により変動) | 補助下限 |
|---|---|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 革新的な新製品・新サービス開発 | 中小企業者1/2、小規模企業・小規模事業者等2/3 | 750万〜2,500万円(賃上げ特例で850万〜3,500万円) | 100万円 |
| 新事業進出枠 | 既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出 | 1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3) | 2,500万〜7,000万円(賃上げ特例で3,000万〜9,000万円) | 750万円 |
| グローバル枠 | 海外市場開拓に向けた国内の輸出体制強化 | 2/3 | 2,500万〜7,000万円(賃上げ特例で3,000万〜9,000万円) | 750万円 |
ホームページに関係するのは、いずれの枠にもある「広告宣伝・販売促進費」です。公募要領は、この区分の対象に「補助事業のPR等に係るウェブサイトの構築」を明記しています。
ただし、この区分には独自の上限計算式があります。
上限額=事業計画期間内の補助事業における売上見込み額合計 ÷ 事業計画年数 × 5%
(=事業計画期間1年当たりの、補助事業で新たに製造等する製品等の売上見込み額(税抜)の5%)
つまり、新規事業の売上見込みが大きいほど広告宣伝に使える枠も大きくなるという設計です。仮に新事業の年間売上見込みが3,000万円なら、広告宣伝・販売促進費の上限は150万円になります。持続化補助金の30万円とは桁が変わりますが、それだけの売上計画を示す必要があるということでもあります。
そして、この枠で最も重要な線引きがここです。公募要領は対象外経費として「補助事業以外の自社の製品・サービス等の広告や会社全体のPR広告に係る経費」を明記しています。対象になるのは、あくまで補助事業で新たに始める製品・サービスのためのサイトであって、会社全体のコーポレートサイトではありません。
実務上の注意点も押さえておきます。
- 100万円(税抜)以上のウェブサイト構築費を計上する場合、実績報告時に開発費用算出資料(作業単価、作業工数・作業時間、固定費用、作業担当者、勤務記録等)の提出が必要
- 金額にかかわらず複数者からの見積もりと価格の妥当性が確認できる証憑の提出が必要
- 補助事業実施期間内にウェブサイトが公開されることが必要(交付決定後の発注・契約が前提)
- 実績報告時に成果物の写真等をすべて提出。ネット広告等の電子媒体も掲載時期・内容が分かる資料が必要
- 既存事業に活用する経費、既存事業と共用される経費は対象外
特に1つめは重い要件です。制作会社に工数の内訳まで出してもらえる契約になっているかを、発注前に確認しておく必要があります。「一式」の見積書しか出せない相手では、実績報告で行き詰まります。
ものづくり補助金でホームページは作れるか
「ものづくり補助金でホームページを作れると聞いた」という相談を受けることがあります。2026年時点の整理を書いておきます。
従来のものづくり補助金は、前述のとおり2026年から新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の「革新的新製品・サービス枠」に統合されました。この枠にも広告宣伝・販売促進費はあるため、新しく開発する製品・サービスのPRサイトであれば計上できる余地はあります。
ただし、この枠の主眼はあくまで革新的な新製品・新サービスの開発です。公募要領は「単に機械装置・システム等を導入するにとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わないものは補助対象事業に該当しません」としており、補助下限額も100万円が設定されています。サイト制作だけを目的にこの制度を使うことは、制度設計上できません。
また、「事業計画書に記載された経費の大半が補助対象外経費である事業」は対象外と明記されており、経費の大半が対象外だった場合には不採択・採択取消・交付決定取消の対象になります。
自治体の補助金:金額は小さいが、対象範囲は広い
国の制度で通しにくいコーポレートサイトについて、市区町村が独自に補助金を出している例があります。金額は5万〜10万円程度が中心と小さいものの、「販路開拓の一環であること」といった厳しい条件が付かない制度が多く、採択のハードルも低いのが特徴です。
2026年9月時点で公開されている代表的な例を挙げます。
| 制度 | 補助率 | 上限 | 対象経費 | 対象外 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都葛飾区 ホームページ作成費補助 | 2分の1 | 5万円(日本語のみ)/外国語対応は8万円/ECサイト構築で+10万円/PR動画作成で+2万円 | ホームページ作成・改修の委託費、外国語対応経費、ECサイト・PR動画作成費 | 消費税、ドメイン維持費、サーバー維持費、設備購入費 |
| 東京都江東区 ホームページ作成費補助 | 2分の1以内 | 10万円 | 外部委託によるホームページ作成費、作成ソフト・解説書購入費、ドメイン取得費、サーバー利用初期費用 | パソコン等の設備購入費、通信経費 |
| 東京都 中小企業デジタル導入促進補助事業(令和8年度) | 2分の1以内(小規模企業者等は3分の2以内) | 150万円(下限5万円) | デジタルツールの購入経費、初期設定・カスタマイズ・運用保守費用 | ハード機器、OS・セキュリティソフト等の汎用性が高いソフトウェア |
この表で注目したいのが、葛飾区と江東区の対象経費の書き方の違いです。江東区はドメイン取得費とサーバー利用の初期費用を対象に含めている一方、葛飾区はドメイン維持費・サーバー維持費を明確に除外しています。同じ「ホームページ作成費補助」という名前でも、中身は自治体ごとに違います。他の自治体の情報を読んで判断せず、必ず自分の自治体の要綱を確認してください。
なお、東京都の中小企業デジタル導入促進補助事業は上限150万円と規模が大きいものの、対象は「デジタルツールの購入経費」であり、ホームページ制作費が対象になるかは募集要項での確認が必要です。第1回の募集は2026年6月11日から7月3日で終了しており、第2回は9月頃の予定と案内されています。
自治体の制度の探し方
自治体の制度は、国の制度のように一覧でまとまっている場所がありません。次の順序で探すのが現実的です。
- 中小企業庁の「ミラサポplus」で検索する地域と目的を指定して支援制度を検索できます。国・自治体の制度が横断的に登録されています。
- 中小機構の「J-Net21 支援情報ヘッドライン」を見る全国の補助金・助成金の公募情報が日次で更新されます。都道府県で絞り込めます。
- 自分の市区町村のサイトを「ホームページ 補助」で検索する産業振興課・商工課の所管であることが多く、要綱と様式がそのまま公開されています。
- 地元の商工会・商工会議所に聞く公表前の情報や、募集枠の消化状況を把握していることがあります。持続化補助金の相談窓口でもあります。
- 都道府県の制度も確認する市区町村の制度と都道府県の制度は別枠です。ただし同一経費への重複受給はできないため、どちらを使うかは事前に確認してください。
自治体の制度は予算枠に達した時点で受付を終了するものが多く、年度の早い時期に動くほど確実です。葛飾区の例では申請受付が2026年4月1日から2027年2月26日必着となっていますが、これは期間いっぱい受け付けることを保証するものではありません。
対象外になりやすい費用
ここまでの内容をふまえ、制度をまたいで共通して対象外になりやすいものをまとめます。ホームページ制作の見積書に入りがちな項目ばかりです。
- 既存サイトの単なるリニューアル・デザイン刷新:見た目を変えただけでは販路開拓の取組と評価されません。何を売るための、どういう変更なのかが必要です。
- ドメイン・サーバーの継続費用:初期費用を対象にする自治体制度はありますが、毎年の維持費は多くの制度で対象外です。
- 更新・保守費用、既存ソフトウェアの更新料:持続化補助金の公募要領は「既に導入しているソフトウェアの更新料」を対象外と明記しています。
- 会社案内・採用ページの制作費:「単なる会社のPR」「求人広告」として扱われます。
- サイトに関するコンサルティング・アドバイス費用:持続化補助金のウェブサイト関連費では明確に対象外です。
- 交付決定前に発注・契約・支払いをした費用:制度共通の大原則です。採択通知だけでは着手できません。
- 汎用性が高く目的外使用になりうるもの:パソコン、タブレット、カメラ、周辺機器などの購入費。
- 補助事業期間内に公開に至らなかったサイト:支払いが済んでいても対象になりません。
- 撮影の被写体や紹介する商品そのものの購入費:写真・動画の制作費は対象でも、写す対象の購入は対象外です。
- 消費税および地方消費税:補助対象経費から除かれるのが原則です(自治体制度も同様の扱いが多い)。
この一覧で最も取り返しがつかないのは、交付決定前の発注です。制作会社との打ち合わせが進むと契約を急ぎたくなりますが、交付決定通知書に記載された交付決定日より前に行った発注・契約・支出は、すべて補助の対象外になります。持続化補助金の場合、採択発表から交付決定までおおむね1〜2か月かかるため、この期間の扱いを制作会社と事前に握っておく必要があります。
対象になりやすくなる「作り方」
ここまでは制約の話でした。では、どう設計すれば対象に入る余地が生まれるのか。制度の審査基準から逆算すると、ポイントは3つです。
① 販路開拓の手段として位置づける
持続化補助金の計画審査では、「補助事業計画は具体的かつ客観的事実に基づいており、販路開拓を通じて売上高・売上総利益の増加を目指すものとして、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか」が評価されます。
つまり必要なのは、「サイトがないと困るから作る」ではなく、「この顧客層にこの商品を届けるために、この機能が要る」という順序で説明することです。サイトを目的にせず、売上を目的にしてサイトを手段に置く。これだけで、書ける内容がまったく変わります。
- 誰に売るのか(既存顧客か、これまで取れていなかった層か)を、データや実感にもとづいて書けている
- その層が今どこで情報を探していて、なぜ自社に辿り着けていないのかが説明できる
- サイト公開後、何件の問い合わせ・受注を見込むのか、根拠を持って数字で示せる
- 売上高・売上総利益がいくら増える見込みかを計算している
② 見るだけのサイトにしない
審査の観点には「補助事業計画には、デジタル技術を有効的に活用する取組が見られるか」という項目が明示されています。会社概要と沿革を並べただけのサイトでは、この観点で評価されません。
予約、受注、見積依頼、会員登録、オンライン相談といった「そこで何かが完結する機能」を持たせると、販路開拓の取組としての説明がつきやすくなります。持続化補助金のウェブサイト関連費は、ECサイトや顧客管理システムの構築も同じ区分でカバーしています。サイトと業務の仕組みをまとめて設計するほうが、制度との相性は良くなります。
③ 新分野展開とセットにする
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金を視野に入れるなら、サイトは単独では成立しません。新しい製品・サービスを新しい市場に出す事業計画があり、その事業のPR手段としてサイトがあるという構造が必要です。
この場合、補助の規模は大きく変わります。広告宣伝・販売促進費の上限は新規事業の年間売上見込みの5%ですから、事業計画の規模がそのままサイトに使える額を決めます。逆に言えば、サイトのために事業計画を作るのではなく、事業計画があるからサイトに予算が付くという順番です。
必要書類と、申請から入金までの期間
持続化補助金<一般型 通常枠>第20回を例に、そろえる書類を整理します。
| 区分 | 書類 | 取得先・注意点 |
|---|---|---|
| 共通 | gBizIDプライムのアカウント | 電子申請に必須。取得に日数がかかるため早めに着手 |
| 事業支援計画書(様式4) | 地域の商工会・商工会議所が発行。受付締切以降の発行依頼は理由を問わず不可 | |
| 法人 | 貸借対照表および損益計算書(直近1期分) | 損益計算書がない場合は確定申告書の表紙・別表四の写し |
| 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書 | 法務局。決算期を一度も迎えていない場合のみ提出。提出日から3か月以内の原本 | |
| 個人事業主 | 直近の確定申告書(第一表・第二表と、収支内訳書または青色申告決算書) | 決算期未到来の場合は開業届の写しと売上台帳等。マイナンバーは黒塗り |
| 特例を使う場合 | 適格請求書発行事業者の登録通知書の写し等 | インボイス特例。登録手続中は受信通知の写し |
| 賃金引上げ特例・賃金引上げ加点の申請に係る誓約・同意書(様式7) | 赤字事業者(法人)は法人税申告書の別表一・別表四の写しも必要 |
この中で最も注意が必要なのが事業支援計画書(様式4)です。商工会・商工会議所に依頼して発行してもらう書類で、発行のために面談が行われる場合もあります。第20回の発行受付締切は2026年12月4日で、申請締切の12月15日より11日早く設定されています。締切を申請締切だけで管理していると間に合いません。
次に、お金が実際に入ってくるまでの期間です。
| 段階 | 第20回の日程・目安 |
|---|---|
| 事業支援計画書(様式4)発行受付締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請締切 | 2026年12月15日(火)17:00 |
| 採択発表 | 2027年3月頃(予定) |
| 採択発表から交付決定まで | おおむね1〜2か月 |
| 補助事業実施期限 | 2028年3月31日(金) |
| 実績報告書の提出期限 | 2028年4月10日(月) |
| 見積書等の提出期限 | 2028年2月29日(火)※未提出の場合は採択取消 |
申請から採択発表まででおよそ3か月、交付決定まではさらに1〜2か月。そこからサイトを制作し、公開し、支払いを済ませ、実績報告を提出して、内容確認を経て入金されます。申請から入金までは1年前後を見ておくのが現実的です。
そして、補助金は後払いです。制作費はいったん全額を自社で支払うことになります。「補助金が出てから作る」という順序は制度上あり得ませんし、「補助金が入る前提の資金繰り」も危険です。サイト制作の予算は、補助金が出なくても成立する範囲で組んでください。
不採択・対象外になりやすいパターン
持続化補助金の採択率は、直近3回で次のように推移しています。いずれも中小企業庁が公表した数字です。
| 公募回 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 | 採択発表日 |
|---|---|---|---|---|
| 第17回 | 23,365件 | 11,928件 | 約51.1% | 2025年9月26日 |
| 第18回 | 17,318件 | 8,330件 | 約48.1% | 2026年3月17日 |
| 第19回 | 16,576件 | 7,819件 | 約47.2% | 2026年7月29日 |
おおむね2社に1社は通らない水準で、緩やかに厳しくなっています。審査は提出資料のみで行われ、提案内容に関するヒアリングは実施されません。書いたものがすべてです。
要件の構造から避けられる失敗を整理します。
- ウェブサイト関連費だけで申請した:この時点で要件を満たしません。ほかの経費と組み合わせる必要があります。
- 事業支援計画書(様式4)の発行依頼が締切に間に合わなかった:受付締切以降の発行は、いかなる理由があってもできません。
- 計画が「ホームページが古いので新しくしたい」で止まっている:販路開拓の取組として説明されていない計画は、計画審査で評価されません。
- 売上高・売上総利益の増加が数字で示されていない:補助対象事業の要件そのものです。客観的なデータを用いた市場や顧客ニーズの分析が求められます。
- 加点項目を3つ以上選んでしまった:重点政策加点・政策加点から各1種類、合計2種類までです。2種類を超えて選択すると、加点審査の対象から外れます。
- 過去の採択時と同じ内容で申請した:過去の補助事業と同じ事業と見受けられる場合は不採択になります(採択後に判明した場合は遡って取消)。
- 過去の実施回数を考慮していない:過去の補助事業の実施回数等に応じて、段階的に減点調整が行われます。
- 前回の事業効果報告書を出していない:様式第14「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」が未提出の事業者は、そもそも補助対象外です。
- 交付決定前に制作会社へ発注した:その費用は全額が対象外になります。
- 期限内にサイトが公開できなかった:運用に至らなかったホームページ・ランディングページは対象外です。
上から4つは計画の書き方の問題、下から4つは段取りの問題です。段取りの失敗は知っていれば全部避けられるので、実質的な勝負どころは計画の中身になります。
よくある質問
コーポレートサイトのリニューアル費用に使える補助金はありますか?
国の主要な制度では難しいのが実情です。会社案内が中心のサイトは「単なる会社のPR」として扱われ、持続化補助金でも新事業進出・ものづくり商業サービス補助金でも対象外の例に挙げられています。現実的な選択肢は、市区町村が独自に実施しているホームページ作成費補助です。上限5万〜10万円程度と小さいものの、コーポレートサイトでも対象になる制度があります。また、リニューアルに合わせて新商品・新サービスの販売機能を持たせるのであれば、その部分を販路開拓の取組として持続化補助金で計画することは可能です。
持続化補助金でホームページだけを作ることはできますか?
できません。第20回公募要領は「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」と明記しています。機械装置等費、広報費、展示会等出展費など、ほかの区分の経費と組み合わせた販路開拓の取組として申請する必要があります。またウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。
補助率が2/3なら、150万円のサイトで100万円もらえますか?
いいえ。持続化補助金のウェブサイト関連費は、補助金として受け取れる額が30万円(税込)で頭打ちになります。補助率2/3で30万円に達するのは制作費45万円のときで、それ以上をかけても補助金は増えません。150万円のサイトを作った場合、受け取れるのは30万円、自己負担は120万円です。
ドメイン代やサーバー代は対象になりますか?
制度によって異なります。持続化補助金では、既に導入しているソフトウェアの更新料が対象外と明記されており、継続的な維持費は対象になりません。自治体の制度では扱いが分かれ、江東区のホームページ作成費補助はドメイン取得費とサーバー利用の初期費用を対象に含めている一方、葛飾区はドメイン維持費・サーバー維持費を対象外としています。初期費用か維持費かで線が引かれるのが一般的です。
採用サイトの制作費に使える補助金はありますか?
国の補助金ではきわめて厳しいと考えてください。持続化補助金の公募要領は、広報費の対象外の例として「求人広告」を明示し、「単なる会社の営業活動に活用されるものとして対象外」と説明しています。採用を目的とした経費は、補助金ではなく厚生労働省系の助成金の領域になりますが、そちらも制作費そのものを補助する設計にはなっていません。自治体が独自に実施している制度を個別に確認するのが現実的です。
補助金が決まる前に制作を始めても大丈夫ですか?
始めないでください。交付決定通知書に記載された交付決定日より前に行った発注・契約・支出は、すべて補助の対象外になります。採択通知書を受け取っただけでは着手できない点にも注意が必要です。持続化補助金では、採択発表から交付決定までおおむね1〜2か月かかります。制作会社との契約日をいつにするかは、この点を前提に調整してください。
複数の補助金を同時に使えますか?
同一の取組について、国の複数の補助金を重複して受け取ることはできません。持続化補助金の公募要領も「同一の補助事業(取組)について、重複して国の他の補助金を受け取ることはできません」と明記しています。また持続化補助金の<一般型 通常枠>と<創業型>は同時に申請できません。自治体の制度と国の制度の併用可否は、双方の事務局に事前に確認してください。
まとめ
2026年9月時点で、会社案内が中心のコーポレートサイトの制作費をそのまま補助する国の制度はありません。補助の対象になるのは「販路開拓の手段としてのサイト」であり、目的をどう位置づけるかで使える制度が変わります。
最も現実的なのは小規模事業者持続化補助金です。補助率2/3、全体の補助上限は50万円(特例で最大250万円)ですが、ウェブサイト関連費として受け取れるのは30万円(税込)が上限で、ウェブサイト関連費のみでの申請はできません。第20回の申請受付は2026年11月5日から12月15日17:00、事業支援計画書の発行受付締切は12月4日です。
デジタル化・AI導入補助金2026は、事務局に登録されたITツールであることが前提のため、オリジナル制作のサイトは原則として対象外です。ECサイト構築サービスが登録ツールになっていれば、対象になる余地があります。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、新分野進出に伴うPRサイトであれば広告宣伝・販売促進費で計上できますが、上限は新規事業の年間売上見込みの5%で、会社全体のPR広告は対象外です。
コーポレートサイトについては、市区町村の補助金が現実的な選択肢になります。上限は5万〜10万円程度ですが、条件が緩く採択されやすい傾向があります。ミラサポplus、J-Net21、自治体サイト、商工会・商工会議所の順に確認してください。
共通する注意点は2つ。交付決定前の発注は対象外であること、そして補助金は後払いであることです。持続化補助金の場合、申請から入金まで1年前後かかります。制作費はいったん全額を自社で負担することになるため、補助金が出なくても成立する予算で計画を立ててください。
補助金の対象になるサイトとならないサイトを分けているのは、制度の側の都合ではなく、そのサイトで何を売るのかが決まっているかどうかです。そしてそれは、補助金を使うかどうかに関係なく、成果の出るサイトを作るために最初に決めるべきことでもあります。
株式会社Digital&では、Webサイト・ECサイトの構築とWebマーケティングの実行を支援しています。「誰に何を売るためのサイトなのか」を整理するところからご相談いただけます。
なお、補助金・助成金の申請書類の作成や提出の代行は行っておりません。手続きそのものについては、社会保険労務士・行政書士など各分野の専門家にご相談ください。