UIJターンを活用した地方採用の進め方

2025年7月1日 更新日2025年7月9日
UIJターンを活用した地方採用の進め方

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地方での人材確保に立ちはだかる課題とは?

まず知っておきたい「地方採用」とは

地方採用とは、地域に根ざした企業が、その地域または周辺で働く人材を募集・雇用する方法です。地域限定採用やエリア採用とも呼ばれ、主に地元の中小企業や地方拠点を持つ企業が積極的に取り入れています。
とくに注目されているのが「UIJターン採用」と呼ばれる取り組みです。

こうした人たちは「生活環境を重視している」「地域と関わりながら働きたい」と考える傾向があり、地方企業にとってはマッチしやすい人材層です。

UIJターン希望者の動向と背景を知る

内閣官房の調査によると、東京圏に住む20~50代のおよそ5割が「地方暮らしに関心がある」と回答しています。
特にUターン該当者においては、61.7%もの人が地方での生活に前向きな意向を示しており、東京圏出身者よりも高い割合となっています。
若い世代を中心に「働き方」や「暮らし方」に対する価値観が変わってきている中、地方企業側もその意識に寄り添った採用の姿勢が求められます。
一方で、UIJターン希望者の多くは、「給与は?」「自分に合った仕事があるか?」といった不安も感じており、こうした不安に応える情報提供が採用成功のカギとなります。

都市部と地方で異なる採用環境の現実

都市部では求人数・求職者数ともに多く、企業間の人材獲得競争が激しいのが現状です。これに対して、地方ではそもそも働き手の数自体が限られており、条件に合う人材と出会いにくい状況が続いています。
つまり、都市部では「選ばれやすさ」が求められ、地方では「見つけてもらうこと」が最初の難関となります。
この違いを理解し、地方ならではのアプローチを取ることで、他社と差別化した採用活動が可能になります。


地方採用を成功させる3つのステップ

ステップ① 自社を知ってもらう導線をつくる

まず最初に取り組むべきは「自社の存在に気づいてもらうこと」です。
求人広告に加えて、地方移住イベントへの出展スカウト型サービスの活用SNSでの情報発信など、認知を広げる手段は多岐にわたります。
近年では、オンラインで会社や地域の様子を紹介する「バーチャル会社見学」「地域案内動画」なども求職者に好評です。遠方の人でも、自社の雰囲気を知る機会を提供することで、応募への心理的ハードルを下げることができます。

ステップ② 会社の魅力と地域の暮らしやすさを一体で伝える

UIJターン採用では、「仕事内容」や「給与」だけでなく、その地域での暮らしの魅力も合わせて伝えることがとても重要です。
医療・教育体制、通勤環境、物価の安さ、自然との距離感など、生活全体のいいところを言葉にすることで、応募者が将来の生活を具体的にイメージしやすくなります。
また、自治体による移住支援金や住宅補助制度などもある場合は、積極的に求人票に記載して、応募者の不安を事前に和らげておきましょう。

ステップ③ 入社したいと思わせる情報設計を見直す

地方企業が優秀な人材を採用するためには、「自社に合う人はどんな人か?」という人物像を明確にすることが第一歩です。
年齢層やスキル、志向性(たとえば「地域に貢献したい」「家族との時間を大切にしたい」など)を明確にし、その人が惹かれるような情報を求人票や会社紹介資料に盛り込みましょう。
求人票は「条件を並べるだけのもの」ではなく、「未来をイメージさせるツール」へと進化させることがポイントです。


採用活動の効果を高める外部視点

外部の支援を味方につけて採用力を補う

すべてを自社だけで完結させる必要はありません。人材紹介会社や地方自治体のサポート、地域企業団体との連携など、外部の支援を活用することで、採用の手間や応募の土台づくりの負担を軽減できます。
UIJターン層を得意とする紹介会社に相談すれば、求職者への情報提供やマッチングの質が格段に上がります。

時代の変化を採用戦略に取り込む

テレワークの普及、地方移住の関心増加、若年層の働き方重視の流れなど、今の時代は地方企業にとっても追い風が吹いているとも言えます。
社会や働き方の変化をチャンスと捉え、これまでとは違う角度から採用を再設計することが、長期的な人材確保につながります。


まとめ

地域・企業・働く人をつなぐ採用戦略を

地方採用においては、「まず見つけてもらい、次に共感してもらい、そして入社してもらう」という流れをしっかり設計することが重要です。
特にUIJターンという手法は、今後ますます有望な選択肢になると考えられます。
自社の魅力だけでなく、地域での生活の魅力も発信し、「この会社とこの町で働きたい」と思ってもらえる採用を目指していきましょう。

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