飲食店向けの通販事業参入および拡大ガイド  

飲食店向けの通販事業参入および拡大ガイド  

飲食店の通販事業は、店舗の商圏と営業時間という2つの制約を外せる数少ない打ち手です。席数と立地に売上が縛られる本業に対し、通販は在庫と物流が許す限り伸ばせます。

ただし「店の看板メニューをそのまま冷凍で売る」という発想では続きません。本レポートは、商品選定・価格設定・物流・販促・法規制まで、通販を継続可能な事業にするための設計要素を順に整理したものです。

このレポートでわかること

  • 飲食店が通販に参入する構造的なメリットと、向く商品/向かない商品
  • 通販商品のラインナップ設計と価格の決め方
  • 必要になる設備・許可・システムと、外注できる範囲
  • SNS・広告を使った販路づくりの実務
  • 食品表示や許認可など、押さえるべき法規制とリスク管理

通販が本業に効く3つの理由

通販は単なる売上の追加ではなく、店舗事業の構造的な弱点を補います。

向く商品・向かない商品

通販に向くのは常温・冷凍で品質が保てて、家庭で再現しやすい商品です。逆に、提供直後の温度や食感が価値の中心にある商品(揚げたて・打ちたてなど)は、そのままでは通販に載せられません。加工方法から設計し直す必要があります。

商品ラインナップと価格をどう決めるか

通販の売上構成は、店舗とは異なる論理で組み立てます。「店で人気だから」は通販で売れる理由になりません

3つの役割で商品を配置する

集客商品(初回購入のハードルを下げる低単価品)、主力商品(利益の柱)、ギフト商品(単価が高く季節需要を取り込める)の3層で構成します。どれか一つに偏ると、新規獲得か利益率のどちらかが崩れます。

価格に含めるべきコスト

原価と送料だけでなく、資材費(箱・保冷材・緩衝材)、決済手数料、モール利用料、梱包の人件費を必ず含めてください。ここを含めずに価格を決めて赤字になるのが最も多い失敗です。

費目見落とされやすさ対応
原価店舗と同じ計算でよい
送料地域別・クール便区分を確認
資材費箱・保冷材・緩衝材を1件あたりで算出
決済手数料3〜4%前後を想定
モール手数料出店形態により大きく変動
梱包工数1件あたりの作業時間×時給で算出

1件あたりの粗利を算出し、それが梱包・発送の手間に見合うかを先に確認してください。単価が低すぎると、売れるほど忙しくなり利益が残りません。

必要な設備・許可・システム

通販を始めるにあたって整えるべき要素は、大きく3つに分かれます。

  1. 営業許可の確認店舗の飲食店営業許可では、製造した食品を包装して販売することはできない場合があります。菓子製造業、そうざい製造業など、扱う商品に応じた許可が別途必要です。保健所への事前確認は必須です。
  2. 製造・保管環境の整備冷凍商品を扱うなら急速冷凍機と保管庫が必要です。既存の厨房設備で対応できるか、別途スペースが必要かを確認します。
  3. 販売チャネルの選定自社ECサイト、モール出店(楽天・Amazonなど)、ふるさと納税、卸のいずれを軸にするかを決めます。初期は集客力のあるモールから始め、リピーターを自社サイトへ誘導する進め方が一般的です。
  4. 受注・在庫・発送システムの整備受注が増えると手作業では回らなくなります。受注管理と在庫連携の仕組みを、月間何件で破綻するかを見越して選定してください。
  5. 物流の委託判断自社発送と外部倉庫(3PL)委託を、件数と人手から比較します。件数が読めない立ち上げ期は自社発送、安定後に委託という段階移行が現実的です。

販路をどうつくるか

商品を並べただけでは売れません。飲食店の通販は、「店を知っている人」から始めて外へ広げるのが定石です。

同梱物の効果

発送時に同梱するリーフレットは、リピートと来店の両方を促せる数少ない接点です。調理のコツ、店舗の紹介、次回使えるクーポンを入れておくことをおすすめします。

法規制とリスク管理

食品の通信販売には、店舗営業とは異なる規制が適用されます。

表示ミスは回収リスクに直結します。ラベル作成は自己判断で進めず、保健所や表示の専門家の確認を経ることを強くおすすめします。

レポート試し読み

レポートの構成

内容
飲食店が通販事業に参入するメリット収益の多様化や新規顧客獲得の可能性を解説
飲食業界の通販事業基本戦略市場調査からビジネスモデル構築までの手順
飲食店向け通販商品のラインナップと価格設定商品選定と価格設定のポイントを事例を交えて解説
通販事業運営に必要なインフラとシステムの選び方システム導入と物流整備の実務
飲食店通販ビジネスにおけるプロモーション戦略SNSやオンライン広告を活用した集客施策
飲食店通販事業に関連する法規制とリスク管理法規制への対応とリスクの未然防止

この資料を読むメリット

こんな方におすすめ

次のような検討をされている飲食店経営者に向けた内容です。

まとめ

通販は商圏と営業時間という店舗事業の制約を外す打ち手ですが、店の人気商品をそのまま載せても成立しません。

価格設計では原価と送料だけでなく、資材費・決済手数料・梱包工数を必ず含めてください。

許可と食品表示は事業開始の前提条件です。保健所への事前確認を必ず行ってください。

よくある質問

飲食店営業許可だけで通販を始められますか

扱う商品によります。製造した食品を包装して販売する場合、菓子製造業やそうざい製造業など別の許可が必要になることがあります。商品構成を決めた段階で、必ず管轄の保健所に確認してください。

自社サイトとモール出店はどちらから始めるべきですか

立ち上げ期は集客力のあるモールから始め、購入者を自社サイトへ誘導していく進め方が一般的です。モールは手数料が発生しますが、認知のない段階で自社サイトのみを運営しても流入が確保できません。

冷凍設備がないと通販はできませんか

常温・冷蔵で品質が保てる商品であれば、冷凍設備なしでも開始できます。ただし賞味期限が短くなるため、受注から発送までのリードタイム管理がより重要になります。

どのくらいの受注件数から外部倉庫に委託すべきですか

一律の基準はありませんが、梱包・発送の作業時間が店舗業務を圧迫し始めたタイミングが目安です。1件あたりの作業時間×件数を実測し、委託費用と比較して判断してください。

飲食店の通販事業立ち上げをご検討中の方へ

商品構成、価格設計、必要な許可と設備、販路の組み立てまでを、現状の店舗の強みに合わせて整理します。まずは無料の経営相談をご利用ください。

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