グランピング事業は、宿泊業の中では初期投資を抑えて参入できる数少ない業態です。建築確認を要しない構造のテントやトレーラーを活用できる場合があり、ホテル・旅館に比べて開業までの期間も短く済みます。
その一方で、参入判断を誤ると回収できない設備が残るという性質もあります。本レポートは、参入を検討する段階で確認すべき項目を、市場理解・許認可・収支・体制の順に整理したものです。実際の立ち上げ実務と運営については、グランピング事業の立ち上げと運営方法のレポートをあわせてご覧ください。
このレポートでわかること
グランピング市場は継続的に拡大しており、2023年には市場成長率が20%に達したという分析もあります。伸びているのは施設数だけでなく、需要の多様化です。
「自然の中に泊まれる」だけでは差別化になりません。参入が増えた結果、何を体験できるかが選定理由になっています。
グランピングは、施設の構造と提供するサービスによって必要な許認可が大きく変わります。ここを確認せずに土地を取得すると、計画が成立しません。
| 確認項目 | 関係する法令等 | 確認先 |
|---|---|---|
| 宿泊料を得て人を宿泊させる | 旅館業法 | 保健所 |
| 土地の用途制限 | 都市計画法、農地法、森林法 | 自治体の担当課 |
| 建築物に該当するか | 建築基準法 | 建築指導課 |
| 食事を提供する | 食品衛生法 | 保健所 |
| 温泉・入浴設備 | 公衆浴場法、温泉法 | 保健所 |
| 排水・浄化槽 | 浄化槽法、条例 | 自治体 |
「テントだから建築確認は不要」と判断して進めた結果、基礎の構造や設置期間の関係で建築物に該当すると判断されるケースがあります。構造の詳細を持参して事前に確認してください。
土地の取得や契約の前に、自治体と保健所への事前相談を必ず行ってください。市街化調整区域や農地、保安林では、そもそも施設を設置できない場合があります。
グランピングの収支は、「客室数×稼働率×単価×営業日数」という単純な式で概算できます。ただし各変数の置き方に注意が必要です。
屋外型施設は悪天候によるキャンセルが発生します。キャンセルポリシーと、悪天候時の代替体験を設計段階で用意しておくことが、収益の安定に直結します。
グランピングは、既存事業の資産を活かせる場合に参入の優位性が生まれます。
| 既存事業 | 活かせる資産 | 補うべき機能 |
|---|---|---|
| 飲食業 | 食事提供のノウハウ、仕入ルート | 宿泊運営、予約管理 |
| アミューズメント業 | 集客・企画運営の経験 | 宿泊業の許認可、施設管理 |
| 農業・林業 | 土地、地域素材 | 集客、接客、施設運営 |
| 不動産業 | 土地、建築の知見 | コンテンツ企画、運営体制 |
| 観光・宿泊業 | 予約管理、接客 | 屋外施設の運用ノウハウ |
不足している機能を、自社で育てるか外部と組むかを参入時点で決めておいてください。運営開始後に不足が判明すると、稼働が上がらないまま固定費だけが出ていきます。
投資対象として検討する場合、確認すべきリスクは次のとおりです。
初期投資が小さいことは、参入も撤退も容易であることを意味します。つまり競合も同じ条件で参入できます。差別化の設計は参入判断と同時に行ってください。
| 章 | 内容 |
|---|---|
| グランピング事業参入の基本ステップ | 具体的な準備事項と運営計画の概要 |
| アミューズメント業界経営者のための参入ガイド | 業界特有の強みを活かした参入の考え方 |
| 投資家向けグランピング事業の魅力と成功の鍵 | 収益モデルと投資効果の検証 |
| 異業種からの参入を成功させるための戦略 | 他業種から参入した企業の実例を分析 |
| 新規参入企業が知っておくべき市場動向 | 成長市場の将来予測と注目すべきトレンド |
| グランピング事業成功のためのリソースとサポート | 情報収集方法や専門家からの支援内容 |
次のような検討をされている経営者・投資家に向けた内容です。
まとめ
グランピングは初期投資を抑えて参入できますが、それは競合も同じ条件で参入できることを意味します。
土地の取得前に、自治体と保健所への事前相談を必ず行ってください。用途制限で計画が成立しない場合があります。
収支計画は年間平均の稼働率で置き、稼働が想定を下回った場合のシナリオも併記してください。
土地さえあれば始められますか
土地の用途制限によっては施設を設置できない場合があります。市街化調整区域、農地、保安林などは特に制約が大きいため、取得や契約の前に自治体の担当課へ確認してください。
テントなら建築確認は不要ですか
構造や設置期間によっては建築物に該当すると判断される場合があります。導入予定の構造の詳細を持参し、建築指導課に事前確認することをおすすめします。
何棟から始めるのが適切ですか
一律の基準はありません。1棟あたりの投資額と、損益分岐に必要な棟数を算出したうえで、資金と運営体制が耐えられる規模から始めてください。段階的な増棟を前提に土地を選ぶ方法もあります。
冬季はどうすればよいですか
暖房設備や屋内共用スペースを整えることで通年営業に近づけられます。ただし設備投資が増えるため、冬季の需要見込みと投資額を比較して判断してください。
土地の条件、許認可、収支計画、運営体制までを、既存事業の資産とあわせて整理します。まずは無料の経営相談をご利用ください。
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