この記事は、ジョブメドレーやウェルミージョブでスカウトを送る介護事業所の採用担当者向けです。スカウトとは、求人サイトに登録している求職者に、事業所から直接メッセージを送って応募を促す機能です。
返信につながるスカウトには、共通点があります。条件が合う相手に絞って送ること、冒頭で「なぜあなたに送ったのか」を具体的に書くこと、応募ではなく見学や短い相談など気軽な次の一歩を示すことです。
そして、返信が来たら当日中に日程の候補を返します。送信は媒体の公式機能を使って手動で行い、規約と送信上限の範囲で運用することが前提です。
媒体ごとのスカウト機能の基本
まず、各媒体の公式情報で確認できるスカウト機能の仕組みを整理します。料金や送信上限は変わることがあるため、運用前に必ず各媒体の管理画面と契約内容で確認してください。
| 項目 | ジョブメドレー | ウェルミージョブ |
|---|---|---|
| 運営 | 株式会社メドレー | 株式会社エス・エム・エス |
| スカウトの送信数・料金 | 毎月200通まで無料 | 送信数は無制限で、すべて無料 |
| 送れる条件 | 求人の掲載後に送信できる | 掲載開始後に送信できる |
| 送る相手の見つけ方 | 求人条件に合う求職者の登録や、事業所のお気に入り登録をメールで通知 | 条件で絞り込んだ人材と、求人をお気に入りした人材の2種類 |
| 採用時の料金 | 資格と雇用形態に応じた採用費(1人あたり7.2万円〜) | 採用職種×保有資格×雇用形態で設定(税別) |
ジョブメドレーで月200通を超えた場合の扱いは、公式ページでは確認できませんでした。管理画面で確認してください。
ウェルミージョブの情報は、同社の事業者向け媒体資料にもとづいています。同資料には、ウェルミージョブは応募型の求人サイトで、応募者への連絡や選考は事業所側で行うと書かれています。
無料の仕組みとしては、ハローワークの求人者マイページにも「直接リクエスト」があります。公開を希望している求職者に、応募を検討してほしい求人を直接送れる機能で、オンライン自主応募を受け付けている有効な求人が対象です。
送る相手の絞り込み方
スカウトの成果は、文面より先に「誰に送るか」で大きく変わります。ヨビコム介護の支援担当は、媒体で確認できる範囲で次の項目を見ています。
- 資格(介護福祉士、実務者研修、看護師、ケアマネジャーなど)
- 働きたいエリアと通勤手段
- 希望する雇用形態(常勤・非常勤)
- 夜勤ができるかどうか
- 最終ログインなど、最近の活動状況
- 希望年収や今の勤務条件
優先する順番は、①求人の要件に合っている、②最近活動している、③事業所と求職者の条件がお互いに合う、の3つです。
お気に入り登録した人は別に扱う
ジョブメドレーもウェルミージョブも、事業所や求人をお気に入り登録した求職者を知らせる仕組みがあります。お気に入り登録した人は、すでに事業所に関心を持っている可能性が高い相手です。
この相手には、条件で絞り込んだ人とは文面を分けます。「求人をご覧いただきありがとうございます」と書き出し、求人票だけではわからない情報(1日の流れ、見学できる日)を添えると、次の一歩を踏み出しやすくなります。通知が来たら、できるだけ早く送るのが基本です。
絞り込んだ理由を記録する
絞り込んだ理由は管理表に残します。求職者の個人情報を、媒体の外の表計算ソフトやツールに勝手に写さないよう注意してください。管理表には、媒体内の識別番号と「なぜ送ったか」程度にとどめるのが安全です。
返信につながる文面の型
基本の型
支援担当が勧めている文面の型は次のとおりです。〔 〕の中は、相手と自事業所に合わせて書き換えます。
突然のご連絡失礼します。〔エリア〕で介護職を募集している〔事業所名〕の採用担当です。
プロフィールで拝見した〔経験や希望条件の具体的な項目〕から、ご連絡しました。
当事業所では〔夜勤の回数/同行研修の期間/職場の特徴など、確認済みの事実〕です。
すぐのご応募でなくても、15分ほどのオンライン相談や見学だけでも大丈夫です。
ご関心があれば、候補日をお送りします。
ポイントは3つです。1つ目は、冒頭の2行で「一斉送信ではない」ことが伝わる個別の理由を書くことです。2つ目は、事業所の特徴を「働きやすい」「アットホーム」ではなく、確認済みの事実で書くことです。3つ目は、応募より手前の気軽な次の一歩を用意することです。
支援担当は、大量の定型文より「個別の理由」と「気軽な次の一歩」が返信の鍵だと話しています。ただし、この文面で返信率が何%になるという自社の確定した数値はありません。自事業所で送った結果を記録し、比べながら改善してください。
件名・冒頭で避けたい書き方
- 「急募」「高待遇」だけの件名
- 相手の経験や希望に一切触れない冒頭
- 求人票と違う条件(給与、夜勤回数など)の記載
スカウトに書いた条件は、求人票と一致させます。求人情報は正確で最新の内容に保つことが法律で求められており(改正職業安定法、2022年10月施行)、スカウトの文面も例外ではないと考えて運用します。
職種ごとの書き分け
同じ型を使いながら、冒頭の2行と最後の一文を職種と相手に合わせて変えます。支援担当が職種ごとに触れている内容は次のとおりです。
| 職種 | 文面で |
|---|---|
| 介護職 | シフトと夜勤の回数、資格取得の支援、入浴や移乗の介助の範囲、同僚の雰囲気 |
| 看護職 | 医療行為の範囲、オンコール(夜間の電話待機)の実績、医師との連携、判断に迷ったときの支援 |
| ケアマネジャー | 担当件数、事務の補助、研修の時間、地域包括支援センターとの連携 |
| サービス提供責任者 | 担当する利用者の数、事務作業の割合、緊急時の対応 |
冒頭2行の書き分けの例を示します。説明用の例で、〔 〕は事実に合わせて書き換えます。
- 介護職(夜勤経験あり):「グループホームでの夜勤のご経験を拝見しました。当事業所の夜勤は〔月4回・2名体制〕で、夜勤明けの翌日は〔休み〕です」
- 看護職(訪問看護の経験あり):「訪問看護でのご経験を拝見しました。当事業所のオンコールは〔月○回程度〕で、判断に迷ったときは〔管理者に電話で相談〕できます」
- ケアマネジャー(居宅の経験あり):「居宅介護支援でのご経験を拝見しました。担当件数は〔○件前後〕で、書類の作成は〔事務職員が補助〕しています」
看護職やケアマネジャーは、求職者自身が条件をよく比べています。「担当件数は○件前後」「オンコールは月○回程度」のように、数字で答えられる項目を入れると、比べる材料になります。数字は必ず現場で確認した事実を書きます。
送るタイミングと返信後の対応
送るタイミングは検証して決める
送る曜日や時間帯で反応が変わるかどうかは、事業所や職種によって違います。支援担当は、決めつけずに検証することを勧めています。
求職者は、仕事の前、休憩中、仕事の後に求人を見ることが多いと考えられます。そこで、平日の昼・平日の夕方・週末のように送るグループを分け、4週間ほど比べます。
比べる数字は、送信数、開封や閲覧が測れる媒体ならその数、返信の割合、見学や面談を設定できた割合、採用の割合です。媒体の通知の仕組みや送信のルールを優先し、規約の範囲で行ってください。
返信が来たら当日中に日程を返す
スカウトへの返信は、相手の関心が一番高いタイミングです。ヨビコム介護では、返信への一次連絡は当日中、遅くとも営業日24時間以内を基準にしています。
一次連絡では、求人の条件と相手の希望を照らし合わせたうえで、見学や面談の候補日を3つほど送ります。夜に届いた返信は、翌営業日の始業直後に担当者が確認します。
連絡が遅れると、その間に他の事業所との予定が先に埋まってしまうことがあります。担当者が不在の日に代わりに返信する人も、あらかじめ決めておきます。
「見学だけ」「15分の相談」を受ける準備
スカウトで気軽な次の一歩を示した以上、受け入れる側の準備が欠かせません。次の点を事前に決めておきます。
- 見学や相談を担当する職員と、対応できる曜日・時間帯
- オンライン相談に使うツールと、接続の案内文
- 見学で見てもらう場所(休憩室、夜勤の詰所など、求職者が気にする場所)
- 見学の後に応募を希望されたときの流れと、連絡の期限
「見学だけでも」と書いたのに、当日になって応募書類を求めたり、面接のような質問を続けたりすると、信頼を失います。見学は事業所を知ってもらう場と割り切り、応募するかどうかは相手に任せます。
スカウトの返信から見学・面談の設定までの流れは、応募への対応と同じ型で管理するとまとまりやすくなります。面接の実施と合否の判断は、事業所が行います。
手動送信・公式機能だけで運用する理由
ヨビコム介護では、スカウトの送信を媒体の公式機能と、許可された操作だけで行っています。事業所には次のように説明しています。
- 規約に合わない自動の情報収集(スクレイピング)や、ログインの共有、禁止された大量送信は行わない
- 送信上限・料金・求職者データの扱いは、各媒体の契約条件に従う
- 守らないと、アカウントの停止、個人情報の流出、事業所の信用の低下につながる
文面の下書きにAIを使う場合も、最終的な内容の確認と送信、相手を選ぶ判断は人が行います。AIが作った文面に、確認していない事実(夜勤回数や手当の額など)が入っていないかを必ず見てください。
よくある失敗
支援の現場で見かける失敗は次のとおりです。
- 条件が合わない相手にも大量に送ってしまう
- 件名が「急募・高待遇」だけで、何の求人かわからない
- 相手の経験に触れず、誰に送っても同じ文面になっている
- 返信が来てから日程を出すまでが遅い
- スカウトの条件が求人票と違う
- 送りっぱなしで、返信と面接の設定が別々に管理され、抜け漏れが出る
送信・返信・日程設定・見学・採用を1つの表で追うと、どこで抜けているかが見えるようになります。
管理表に入れておきたい項目
管理表は、次の項目があれば十分です。求職者の氏名や連絡先は媒体の中で管理し、表には書き写しません。
| 項目 | 記入の |
|---|---|
| 送信日・媒体・職種 | 11/5・ジョブメドレー・介護職 |
| 相手の区分 | 条件で絞り込み/お気に入り登録 |
| 選んだ理由 | 夜勤経験あり・通勤30分圏内 |
| 文面のパターン | 型A(見学の案内)/型B(15分相談) |
| 返信・日程設定・見学・応募・採用 | 日付で記入 |
月末に「返信の割合」「日程を設定できた割合」を文面のパターン別に出すと、どの書き方が合っているかを自事業所の数字で判断できます。
よくある質問
Q. 何通送れば
A. 資格・地域・相手の活動状況、面談に進む割合によって大きく違います。まず100通ほどをテストとして送り、その結果で判断するのが一つの方法です。これは検証の単位としての提案で、実績にもとづく基準ではありません。
Q. スカウトを
A. 媒体の公式機能と、契約で認められた範囲でのみ行います。規約に合わない自動送信は行いません。
Q. 返信が
A. 送る相手の条件、文面の冒頭、最後の一文、送るタイミングを、1つずつ変えて比べてください。
Q. ジョブメドレーの
A. 公式ページでは、求人の掲載後に毎月200通まで無料で送れると案内されています。超えた場合の扱いは管理画面で確認してください。
スカウト運用の進め方を相談する
貴事業所の場合、どこから直すとよいか。無料採用相談で、求人原稿・媒体の使い方・応募対応を点検し、優先して見直したい項目をお伝えします。
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