やさしい日本語で書く外国人介護人材の求人原稿|言い換えのコツ

外国人介護人材に向けた求人原稿は、「一文に一つの情報」「専門用語には説明を付ける」「数字や時間ははっきり書く」の3つを守るだけで、ぐっと伝わりやすくなります。これは、出入国在留管理庁と文化庁が2020年8月に作った「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」の考え方と同じです(出入国在留管理庁「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」)。

ただし、やさしく書くことは、条件をぼかすことではありません。給与、手当、寮費、休日、勤務地、契約期間は、日本人向けの原稿と同じ正確さで書く必要があります。

この記事では、ガイドラインの要点を確認したうえで、介護の求人でよく使う言葉の言い換え例と、外国人材が知りたい受け入れ体制の書き方を紹介します。

ガイドラインが示す「やさしい日本語」の3ステップ

ガイドラインでは、やさしい日本語を「難しい言葉を言い換えるなど、相手に配慮したわかりやすい日本語」と説明しています。作るときは、次の3つのステップを踏みます(ガイドライン本体)。

  1. 日本語を母語とする人にとってわかりやすい文章にする(伝えたいことを整理する)
  2. 言葉をやさしく書き換え、漢字にふりがなを付けて、外国人にもわかるようにする
  3. 日本語教師や外国人に読んでもらい、伝わるかどうかを確かめる

求人原稿で特に役立つポイントを、ガイドラインから抜き出すと次のとおりです(同ガイドライン)。

ポイント 求人原稿での使い方
一文は短くし、言いたいことは1つだけにする 勤務時間、休日、夜勤を一文にまとめない
3つ以上のことは箇条書きにする 手当や仕事内容は箇条書きにする
外来語(カタカナ語)はできる限り使わない 「OJT」「シフト」「レク」などを言い換える
略語は使わない 「サ責」「申し送り」「特養」は説明する
曖昧な表現(くらい、ごろ)を多用しない 回数や時間は実際の数字で書く
二重否定や受身形・使役表現を避ける 「経験不問ではない」のような書き方をしない
文末は「です」「ます」にそろえ、尊敬語・謙譲語を使わない 「ご応募いただけます」→「応募できます」
重要な言葉はそのまま使い、<=説明>を付ける 「夜勤<=夜にはたらく仕事>」
漢字にふりがなを付け、量に気を付ける 求人票やチラシの漢字すべてにふりがなを付ける
時間は「〇〇から△△まで」と書き、「〜」を使わない 「午後5時から次の日の午前9時まで」
元号ではなく西暦を使う 「2027年4月1日から」

ガイドラインには、機械翻訳にかけられることを考え、インターネットで発信するときはふりがなを付けない文書も同時に用意すると効果的だ、とも書かれています。

介護求人でよく使う言葉の言い換え例

ヨビコム介護の支援担当が、外国人材向けの求人原稿を書くときに使っている書き換えの考え方を紹介します。下の表は、支援担当の書き換え例に、ガイドラインの「曖昧な表現を避ける」の考え方を合わせて編集部がまとめたものです。

元の書き方 やさしい日本語の例
夜勤月4回 夜(よる)に はたらく 日(ひ)が あります。1か月(いっかげつ)に 4回(かい)です。
OJTあり 最初(さいしょ)は 先輩(せんぱい)と いっしょに はたらいて、仕事(しごと)を おぼえます。
申し送りあり 仕事の おわりに、次(つぎ)の 人(ひと)に 利用者(りようしゃ)の ようすを 伝(つた)えます。
夜勤時はオンコール体制 夜、こまった ときは、電話(でんわ)で 先輩に 聞(き)くことが できます。
処遇改善加算あり 毎月(まいつき)の 給料(きゅうりょう)に 「処遇改善手当(しょぐうかいぜんてあて)」が 〇円 入(はい)ります。
寮完備(寮費別途) 会社(かいしゃ)の 部屋(へや)に 住(す)むことが できます。部屋の お金(かね)は 1か月 〇円です。給料から ひきます。

書き換えるときは、次の点に気を付けています。

  • 回数や金額は、実際の勤務・規程どおりの数字を書く(「4回ぐらい」とぼかさない)
  • 「処遇改善加算あり」のような制度名だけで終わらせず、本人の給料にどう入るか(毎月の手当か、賞与・一時金か)を書く
  • 寮費や光熱費を給料から差し引く場合は、金額と差し引くことをはっきり書く

なお、ヨビコム介護では、やさしい日本語に書き換えたことで外国人材の理解度がどれだけ上がったかを測ったデータはまだ持っていません。ガイドラインのステップ3のとおり、公開前に外国人職員や日本語教師に読んでもらうことを勧めています。

外国人材向けの求人で伝えたい受け入れ体制

外国人材が応募を決めるときには、仕事内容や給与に加えて、「入ってから困らないか」が大きな判断材料になります。支援担当は、次の項目を原稿に書けるか、事業所と一緒に確認しています。

  • 教える担当者は誰で、何日間いっしょに仕事をするか
  • 日本語での記録や、研修の支援があるか
  • 仕事や生活のことを相談できる窓口
  • 夜勤を一人で任せるまでの基準
  • 住居・通勤・生活の支援を担当する人
  • 在留資格と、その資格で任せる仕事の範囲
  • 賃金、労働時間、シフトの決め方
  • 宗教や食文化について相談できる相手

特定技能の外国人を受け入れる場合、生活面の支援は法律で決められた義務です。事業所が自分で行うか、登録支援機関に委託するかを決め、その役割分担も原稿や面接で説明できるようにしておきます(出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」)。

また、「外国人だからこの業務だけ」といった、合理的な理由のない待遇の差を付けないよう注意します。

求人の表示ルールは日本人向けと同じ

職業安定法では、求人情報について、虚偽の表示や誤解を生む表示を禁止し、内容を正確・最新に保つことを義務付けています。2024年4月からは、就業場所と業務の「変更の範囲」の明示も必要になりました(厚生労働省「労働者の募集ルールが変わります」、厚生労働省 2024年4月施行のリーフレット)。

やさしい日本語の原稿は、これらの明示事項を省いてよい理由にはなりません。法律で求められる書面(労働条件通知書など)の代わりにもならないため、必要な書類は別に用意し、本人が理解できる言語で確認します。

やりがちな失敗と対策

支援担当が注意を促している失敗は、次のとおりです。これらは特定の事業所の事例ではなく、準備段階で確認している注意点です。

やりがちな失敗 対策
「日本語を話せるから大丈夫」と、入職した日から一人で介助を任せる 教える担当者と、一人で任せるまでの基準を決める
漢字に読み仮名を付けるだけで、医療・介護の用語を説明しない 重要な用語はそのまま使い、<=説明>を付ける
在留資格の手続きを本人に任せきりにする 事業所・登録支援機関・専門家の役割を分ける
給与から差し引く家賃などの詳細を書かない 金額と差し引くことを原稿に書く
会話ができることと、記録が書けることを同じと考える 記録・申し送りは別に練習の期間を設ける

育成就労は2027年4月1日に施行される予定です(出入国在留管理庁「育成就労制度」)。制度の施行時期や在留資格の要件は変わることがあるため、原稿に制度名を書くときは最新の情報を確認してください。

関連コラム:特定技能「介護」と育成就労|受け入れ前に事業所が確認すること

よくある質問

日本語の試験に合格していることを条件にすべきですか?

在留資格ごとに、必要な日本語の試験が決まっています。たとえば特定技能1号(介護)では、介護日本語評価試験と、国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上の合格が必要です(厚生労働省)。条件は最新の資料で確認しましょう。

外国人材に訪問介護をお願いできますか?

制度ごとに、従事できる条件や研修、事業所の支援体制が決められています。個別に判断が必要なため、最新の手引きで確認してください。

生活の支援は誰が行いますか?

特定技能の場合は、受け入れる事業所の義務で、登録支援機関に委託することもできます。誰が何を担当するかを、採用の前に本人に説明できるようにしておきます。

夜勤はいつから任せられますか?

資格、日本語、介護の技術について、安全を確認してからです。日程だけで決めず、「何ができたら一人で任せるか」の基準を先に決めておきましょう。

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やさしい日本語の原稿は、外国人材だけでなく、介護が未経験の日本人にも伝わりやすい原稿です。貴事業所の場合、どこから直すとよいか。無料採用相談で、求人原稿・媒体の使い方・応募対応を点検し、優先して見直したい項目をお伝えします。

ヨビコム介護編集部(2026-11-03)

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この記事を書いた人

ヨビコム介護編集部

介護事業所の採用支援サービス「ヨビコム介護」の編集部です。求人原稿・媒体運用・スカウト・定着など、介護の採用に役立つ情報を、公的な資料をもとにお届けしています。

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