特養の夜勤配置基準と、ユニット型の求人での伝え方

ユニット型特養(ユニット型の特別養護老人ホーム)の夜勤は、「2ユニットごとに1人以上」の介護職員または看護職員を置くことが基準です。ただ、求職者が知りたいのは基準の数字そのものではありません。自分が一晩に何ユニット・何人の入居者を担当し、困ったときに隣のユニットや看護職に頼れるのかです。

求人では、基準を満たしていることと、夜間に実際に応援を受けられることを分けて書きます。この記事では、夜勤の配置基準を一次資料で確かめたうえで、求人の記載例、従来型との違いの伝え方、避けたい表現をまとめます。

特養の夜勤配置基準で決まっていること

ユニット型特養の職員配置は、厚生労働省令で次のように定められています(特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準 第40条第2項)。

  • 昼間は、ユニットごとに常時1人以上の介護職員または看護職員を置く
  • 夜間と深夜は、2ユニットごとに1人以上の介護職員または看護職員を夜勤の職員として置く
  • ユニットごとに、常勤のユニットリーダーを置く

1つのユニットの入居定員は、原則としておおむね10人以下で、15人を超えないものとされています(同 第35条第4項)。たとえば10人のユニットを2つ担当すると、夜勤1人あたりの入居者は20人になります(計算例)。

介護報酬の算定でも、夜勤の人数の基準が告示で定められています(厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準)。従来型とユニット型では、数え方が違います。

区分 夜勤を行う介護職員または看護職員の数(告示の基準)
ユニット型 2ユニットごとに1以上
従来型 入所者数(併設の短期入所の利用者を含む)が25人以下は1以上、26〜60人は2以上、61〜80人は3以上、81〜100人は4以上、101人以上は4に25人またはその端数ごとに1を加えた数以上

短期入所生活介護を併設している場合や、見守り機器などの要件を満たす場合には、別の数え方や特例があります。自施設の数え方は、告示の該当部分で確かめてください。

基準は「介護職員または看護職員」の数で決められています。そのため、夜間に看護職員が施設にいるのか、電話で連絡を取るオンコールなのかは、施設によって違います。求人では、この点も自施設の実態で書く必要があります。

求職者が夜勤で気にしていること

ヨビコム介護の支援担当によると、ユニット型特養の夜勤で求職者が気にするのは次の点です。

  • 夜勤1人が担当するユニットの数と、入居者の数
  • 隣のユニットの夜勤者と助け合えるか
  • 介助やナースコールが重なる時間帯
  • 仮眠・休憩
  • 緊急時の看護師への連絡
  • 夜勤の回数

支援担当が強調するのは、「職員配置基準を満たすこと」と「実際に夜間の応援を受けられること」は別だという点です。基準どおりに配置していても、隣のユニットの夜勤者も手が離せなければ、応援は来ません。求人では、勤務表と急変時の手順をもとに、助け合いの実態を具体的に書きます。

ナースコールや介助が重なりやすい時間帯が自施設にあるなら、その時間帯を求人に書き、誰が手伝うのかも添えます。忙しい時間があること自体より、その時間にどう乗り切っているのかが分からないことのほうが、求職者の不安を大きくします。

求人の記載例

支援担当が使っている記載例は次のとおりです。○の部分は実態で書き換え、人事担当と介護の責任者が照らし合わせてから公開します。

夜勤 16:30〜翌9:30
1回の夜勤で○ユニットを担当(入居者 合計○名)
同じフロアの夜勤者○名、施設全体の夜勤者○名
休憩○分。仮眠の扱いは○○
夜勤回数 月4〜5回の勤務例あり
夜勤手当 1回○円
緊急時は看護職員のオンコールへ連絡

注意したいのは、夜間の配置基準と、自施設の運用を混同しないことです。「基準では2ユニットに1人」と書くだけでは、自施設の夜勤がどうなっているのかは分かりません。担当ユニット数、同じフロアの人数、施設全体の人数の3つを分けて書きます。

休憩については、労働時間が8時間を超える場合は、1時間以上の休憩を労働時間の途中に与え、自由に利用させる必要があります(労働基準法 第34条)。呼ばれたらすぐ対応することを求められ、労働から離れることが保障されていない待機は、労働時間として扱います(労働時間の適正な把握のためのガイドライン)。「仮眠」をどちらとして扱うのかを決めてから書いてください。

従来型とユニット型の違いをどう伝えるか

従来型とユニット型の両方がある法人では、違いの伝え方にも注意が必要です。支援担当の整理は次のとおりです。

  • 従来型は、フロア単位で複数の職員がケアを担当する運用が多い
  • ユニット型は、少人数の生活単位に継続して関わりやすい
  • ただし、夜勤の負担は、どちらの形かより配置の設計に左右される

「ユニット型だから必ず楽」「従来型だから忙しい」と断定するのは避けます。比べるときは、同じ形式の表に並べると伝わりやすくなります。

比べる項目 従来型(記入例) ユニット型(記入例)
夜勤1人あたりの入居者数 ○名 ○名(○ユニット)
同じフロアの夜勤者 ○名 ○名
日勤の配置 ○名 ユニットごとに○名
主な役割分担 ○○ ○○

書き方を変えるときの考え方

支援担当が勧めているのは、「夜勤あり・月収高め」という訴え方から、夜勤の中身を見せる書き方への切り替えです。具体的には、次の4つを求人や採用ページに加えます。

  1. ユニットごとの夜勤体制図
  2. 1晩の業務の時系列
  3. 実際のナースコール件数の参考範囲(直近の記録から)
  4. 一人で夜勤に入るまでの研修の流れ

ねらいは、夜勤の実態を知ってもらい、施設と求職者の相性を入職前に確かめてもらうことです。応募や定着の結果を約束するものではありません。書き方を変えたら、面接に進んだ割合や入職後の在籍状況を記録して比べてください。

夜勤体制図は「フロア」と「ユニット」を一枚で見せる

体制図は、凝ったデザインでなくてかまいません。フロアごとにユニットを四角で並べ、夜勤者が担当する範囲を線で囲み、夜勤者の人数と入居者の数を書き込みます。そこに、看護職員(常駐またはオンコール)と、夜間の責任者への連絡の矢印を加えます。

この一枚があれば、「2人体制」が施設全体の話なのかフロアの話なのかを、求職者が自分で確かめられます。面接でも同じ図を使えば、誰が説明しても内容がそろいます。

避けたい表現と失敗

支援担当が挙げる「避けたい失敗」は次の3つです。特定の施設の実例ではなく、点検のための項目です。

  • 施設全体の人数をユニットの人数と誤解させる:「特養の夜勤は2人体制」と書き、実際は施設全体で2人、ユニットでは1人
  • 仮眠を保証する:仮眠が取れない日があるのに「仮眠できます」と言い切る
  • 時給の換算を誤る:休憩を含んだ拘束時間で夜勤手当を割り、時給を高く見せる

求人には、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならない義務があります(職業安定法の的確表示義務、厚生労働省リーフレット)。夜勤体制、給与の内訳、緊急時の流れを、求職者に示せる形でそろえておきます。

ヨビコム介護では、施設形態ごとの求人原稿の作成と媒体の運用、応募への一次連絡を代行しています。一次連絡は当日中、遅くとも営業日24時間以内に行います。面接の実施と合否の判断は施設が行います。

よくある質問

Q. 求職者に「何人を一人で見るのですか」と聞かれたら。
A. 担当するユニットの数と入居者の数で答えます。「2ユニット、入居者20名を1名で担当します。同じフロアにもう1名います」のように、周りの人数もあわせて伝えます。

Q. 「夜間に看護師はいますか」には、どう答えればよいですか。
A. 夜間に施設に常駐しているのか、オンコールで連絡を取るのかを明確に答えます。オンコールなら、連絡してから指示や到着までの流れも説明します。

Q. 「仮眠は取れますか」と聞かれたら。
A. 制度上の扱いと、直近の実態の両方を伝えます。取れなかった日がある場合は、その頻度も隠さずに伝えます。

Q. 従来型とユニット型を選べますか。
A. 施設内の異動制度と、実際の配属の決め方を説明します。希望が通らない場合があるなら、その条件も伝えます。

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関連ページ:特養・老健の採用支援/介護職の採用支援/採用サイト制作

この記事を書いた人

ヨビコム介護編集部

介護事業所の採用支援サービス「ヨビコム介護」の編集部です。求人原稿・媒体運用・スカウト・定着など、介護の採用に役立つ情報を、公的な資料をもとにお届けしています。

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