製造業のDXは、現場の紙とホワイトボードをすべて置き換えることではありません。長年の運用で最適化された手順を無理に変えると、かえって生産性が下がります。重要なのは、紙のままで問題ない工程と、データにすべき工程を切り分けることです。本セミナーでは、その判断基準と、段階的に進める具体的な手順を解説します。
製造業のDXが失敗する典型は、全社的なシステム導入を一度に進めようとすることです。生産管理システムの刷新には長い期間と多額の投資が必要で、その間に現場は日常業務を続けなければなりません。
現実的なのは、経営判断に必要な数字から順にデータ化していく進め方です。まず受注から出荷までの流れのなかで、どこの情報が遅れているか、どこで見えなくなっているかを特定します。多くの場合、進捗と在庫、そして設備の稼働状況がその対象になります。
セミナーでは、この特定の方法と、各領域でのデータ取得の現実的な手段を扱います。高価な設備投資をしなくても、既存の設備から情報を取る方法や、現場の負担を増やさずに記録を残す方法があります。
全体は60分。切り分け、着手、定着の順に扱います。
| 時間 | 内容 | ゴール |
|---|---|---|
| 12:00-12:10 | 製造業DXの誤解 | 進め方の前提を揃える |
| 12:10-12:30 | データ化すべき領域の特定 | 着手点を決める |
| 12:30-12:45 | 現実的なデータ取得の方法 | 投資を抑えた進め方を得る |
| 12:45-12:55 | 現場への展開と投資判断 | 社内を動かす方法を持つ |
| 12:55-13:00 | 質疑応答 | 個別の相談 |
全面刷新ではなく、部分から始める考え方を共有します。
進捗、在庫、設備稼働、品質。どこから着手すべきかを判断する基準を扱います。
既存設備からの信号取得、現場での簡易入力、画像による記録など、投資を抑えた方法を紹介します。
現場の巻き込み方と、投資判断に使う指標を整理します。
すべてを一度にデジタル化する必要はありません。経営判断への影響が大きい領域から着手します。
| 領域 | 見えないことの影響 | 取得の難易度 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 生産進捗 | 納期回答が遅れる、督促が増える | 低 | 最優先 |
| 在庫 | 欠品と過剰在庫が同時に発生 | 中 | 高い |
| 設備稼働 | ボトルネックが特定できない | 中 | 高い |
| 不良・手直し | 原価が読めない | 中 | 中 |
| 作業者ごとの実績 | 標準時間が定まらない | 高 | 低い |
今どの工程まで進んでいるかが事務所から分かるだけで、納期回答の精度が上がり、現場への問い合わせも減ります。バーコードや簡易な入力端末で実現でき、投資も抑えられます。
システム上の在庫と実数が合わない状態でシステムを入れても、数字は信用されません。まず実数を合わせ、差異の原因を潰してから自動化に進みます。
設備を入れ替えなくても、電流値や信号を取得する後付けの機器で稼働状況を記録できます。まず1台で試し、効果を確認してから台数を増やします。
デジタル化そのものが目的になると、現場の負担だけが増えます。判断の基準を持っておきます。
生産数、不良数、稼働時間。これらは集計して初めて意味を持つため、記録の時点でデータにする価値があります。
当日の作業割り当て、一時的な連絡事項。これらをすべてシステム化すると、かえって手間が増えます。ホワイトボードのほうが速い場面は残して構いません。
紙に書いた記録を、写真として工程や日付に紐づけて保存する方法もあります。入力の手間なく記録が残り、後から検索できる状態になります。
紙とシステムの両方を続けると、必ず紙が残ります。移行日を決め、その日から一方に統一する判断が必要です。
製造現場では、変更そのものが品質と安全のリスクと受け止められます。慎重に進める必要があります。
協力を得られるラインで2〜3か月試し、手順と課題を整理してから他へ広げます。最初から全社展開すると、問題が起きたときに全体が止まります。
外部と管理部門だけで決めた仕組みは、現場の実情と合いません。実際に作業している人を設計段階から加えると、使える仕組みになり、導入後の協力も得やすくなります。
人件費の削減だけでは投資回収が説明できないことがあります。納期遅延による失注、過剰在庫の保管費、手直しの費用。これらを含めて評価します。
設備投資やシステム導入には使える制度があります。ただし交付決定前の発注は対象外になるため、スケジュールを制度に合わせて組む必要があります。
| 日時 | 2024年5月15日(水) |
|---|---|
| 時間 | 12:00-13:00 |
| 参加費用 | 無料 |
| 場所 | WEBによるオンライン開催 |
| 視聴方法 | Zoomでのオンライン配信(視聴URLはお申し込みいただいた方にご案内します) |
| スケジュール | 開始10分前より入室いただけます。講演のあと、質疑応答のお時間を設けています。 |
| 諸注意 | 本セミナーは競合企業様のご参加をお断りさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。 |
| 主催 | 株式会社Digital& |
| セミナー番号 | D17 |
小規模な工場でも取り組めますか。
規模が小さいほど、段階的な導入がしやすい面もあります。当日は小規模向けの進め方も扱います。
既存の生産管理システムがあります。
置き換えずに補完する方法もあります。当日は考え方を説明します。
現場に詳しい人がいません。
外部支援の使い方と、社内に残すべき役割を整理してお伝えします。
アーカイブ配信はありますか。
お申し込みいただいた方に後日ご案内します。
どこの情報が見えていないかは、工程を追うと明確になります。無料経営相談では、現在の生産の流れをうかがい、優先すべき領域と進め方を整理してお伝えします。
本セミナーは終了しました