図面が来て、見積を出して、受注する。受託型の製造業は、この繰り返しのなかで「どの仕事が儲かっているか分からない」まま稼働率だけを追ってしまいがちです。忙しいのに利益が残らない状態は、ここから生まれます。
Digital&の受託型製造業向け高収益化支援は、設備投資の提案ではありません。製品別・顧客別の実際の利益を見える化し、赤字受注を減らし、単価と工程の両面から利益率を引き上げる支援です。
このページでわかること
受託型製造業の利益は、受注単価 −材料費 −加工にかかった時間 ×時間あたりのコストで決まります。この「加工にかかった時間」が実測されていないと、どの仕事が儲かっているか判断できません。
| 項目 | よくある状態(Before) | 高収益化後(After) |
|---|---|---|
| 原価把握 | 全体の売上と利益のみ | 製品別・顧客別の利益が見える |
| 見積 | 過去の類似案件と勘 | 実績時間に基づく積算 |
| 赤字受注 | 存在に気づいていない | 特定し、交渉または受注停止 |
| 段取り | 担当者ごとに手順が異なる | 標準化され、時間が短縮 |
| 稼働 | 稼働率だけを追う | 利益率の高い仕事で稼働を埋める |
| 交渉 | 言い値を受け入れる | 数字を根拠に単価を交渉 |
現在の受注構成と原価管理の状況を伺い、どこに利益が失われているかの見立てをお伝えします。時間の記録から始めるべきか、既存データで分析できるかの判断材料まで、その場でお持ち帰りいただけます。
機械を止めないことを最優先にすると、赤字の仕事でも受けてしまいます。稼働率100%でも赤字という状態は、受託型製造業で最もよく見られる問題です。
判断基準は稼働率ではなく、時間あたりの粗利です。この数字で並べ替えると、続けるべき仕事と見直すべき仕事が明確になります。
見積は過去の類似案件と勘で作られ、実際にどれだけ時間がかかったかは記録されない。この状態では、見積の精度は上がりません。
記録は複雑である必要はありません。作業開始と終了を押すだけの仕組みで十分です。3か月分たまれば、製品別の実態が見えてきます。
多品種少量生産では、段取り替えの時間が実加工時間を上回ることもあります。この時間を見積に入れていないと、小ロットの仕事ほど赤字になります。
段取り時間を測り、ロットサイズごとの採算ラインを出す。この基準があれば、小ロットの案件を受けるかどうかを数字で判断できます。
企業規模、工程数、既存の管理状況によって変わります。以下は進め方の目安です。
| 支援の範囲 | 主な内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 収益診断 | 売上・原価の分解、製品別・顧客別の粗利の概算 | 1か月 |
| 実績時間の記録 | 記録の仕組み導入、3か月分のデータ蓄積 | 3〜4か月 |
| 分析と改善 | 製品別利益の分析、赤字案件の特定、段取り改善 | 2〜3か月 |
| 単価交渉と受注選別 | 交渉資料の作成、受注基準の設定 | 2〜3か月 |
| 運営伴走 | 月次の利益分析と改善 | 継続 |
実績時間の蓄積に3か月程度かかります。この期間を短縮することはできないため、早めの着手が有効です。
見積積算の基準表があれば、担当者が変わっても見積精度が保たれます。
製造業の他のテーマとしては、製造業DXを加速するAI活用コンサルティング、生成AI活用による業務改善をご覧ください。
新規事業や販路の開拓については、新規事業開発支援、食品メーカーの営業DXもご参考になります。資金面では補助金活用支援をご検討ください。
この記事のまとめ
受託型製造業で利益が残らない最大の原因は、実績時間が記録されておらず、どの仕事が儲かっているか判断できないことです。稼働率100%でも赤字という状態は珍しくありません。
記録は複雑である必要はなく、作業の開始と終了を押すだけで十分です。3か月分たまれば製品別の実態が見え、単価交渉と受注の選別を数字で行えるようになります。
実績時間の記録は現場の負担になりませんか?
記録項目を絞り、開始と終了を押すだけの形にすることで負担を抑えられます。バーコードやタブレットの利用も有効です。記録したデータが自分たちの改善に使われることを共有すると、協力が得られやすくなります。
何か月分のデータが必要ですか?
3か月分あれば、主要な製品の傾向が見えます。季節性のある製品を扱っている場合は、1年分の蓄積があると精度が上がります。まず3か月で分析を始め、その後も記録を続ける形が現実的です。
取引先に値上げを受け入れてもらえるでしょうか?
根拠を示せるかどうかで結果が変わります。材料費の上昇率、実際の加工時間、他の案件との比較。これらを整理した資料があれば、交渉のテーブルにつけます。すべてが通るわけではありませんが、何も示さない場合とは結果が違います。
赤字の仕事を断ると、稼働が落ちませんか?
短期的には落ちる可能性があります。ただし、赤字案件で埋まっていた時間が空くことで、利益の出る仕事を受けられるようになります。断る前に、代わりの受注先を確保する順序で進めます。
設備投資の判断にも使えますか?
使えます。実績時間のデータがあれば、設備導入で何時間短縮できるかを試算でき、回収期間を計算できます。感覚ではなく数字で投資判断ができるようになります。
小規模な工場でも取り組めますか?
取り組めます。むしろ小規模なほど、赤字案件1件の影響が大きくなります。記録の仕組みも簡易なもので十分で、紙の記録から始めることも可能です。
無料の経営相談では、現在の受注構成と原価管理の状況を伺い、どこで利益が失われているかの見立てをお伝えします。オンラインで60分、着手の順番までお持ち帰りいただけます。