就労継続支援B型は、障がい福祉のなかでも参入しやすい事業です。しかし「定員を埋めれば黒字になる」という前提で計画を立てると、開設後に資金が続かないという事態に陥ります。
収入は基本報酬・加算・生産活動収入の3本立てで、そのうち基本報酬は平均工賃月額によって単価が変わる仕組みです。Digital&は、この構造を踏まえた収支モデルの設計から、物件・指定申請・人員採用・利用者確保までを一気通貫で支援します。
このページでわかること
B型事業所の収入は、基本報酬(利用者数×延べ利用日数×単価)+各種加算+生産活動収入で構成されます。この単価が平均工賃月額で変動するため、工賃を上げられる生産活動を確保できるかどうかが、収支の分かれ目になります。
| 項目 | よくある計画(Before) | 設計後(After) |
|---|---|---|
| 収支計画 | 定員が埋まる前提の単純計算 | 稼働率・工賃水準を変えて試算した複数シナリオ |
| 工賃 | 開設後に考える | 報酬単価への影響を踏まえ、開設前から設計 |
| 生産活動 | 開設してから受注先を探す | 開設前に受注の目処を確保 |
| 利用者確保 | 開設後に見学を待つ | 開設3〜6か月前から紹介元へ営業 |
| 運転資金 | 初期投資のみ想定 | 報酬入金までの2か月分を含めて確保 |
| 人員 | 基準を満たす最小限 | 稼働の立ち上がりに合わせた段階的な採用 |
検討している地域と規模を伺い、収支モデルの概算と、開設までに必要な期間・資金の目安をお伝えします。参入余地があるかどうかの見立てまで、その場でお持ち帰りいただけます。
開設直後から定員が埋まることはありません。実際には、定員充足まで6か月から1年かかるのが一般的です。この期間の赤字を運転資金でどう賄うかを計画に入れていないと、資金繰りが行き詰まります。
収支計画は、稼働率50%、70%、90%の3つのシナリオで作成します。それぞれの場合に必要な運転資金を算出しておくことが、開設判断の前提になります。
作業がなければ利用者は通う理由を持てず、工賃も払えません。工賃が低いと報酬単価も上がらないという悪循環に入ります。
対策は、開設前に受注の目処を確保しておくことです。既存事業の作業を切り出す、地域の企業に打診する、自主製品の販売先を探す。開設の3〜6か月前から動く必要があります。
介護給付費・訓練等給付費は、サービス提供月の2か月後に入金されます。つまり開設から最初の入金まで2か月以上の間、人件費と家賃を自己資金で賄う必要があります。
この運転資金を確保せずに開設すると、立ち上がりの最も重要な時期に資金不足に陥ります。金融機関との調整も含め、開設前に手当てしておくべき項目です。
地域、物件、定員規模によって変わります。以下は定員20名規模を想定した進め方の目安です。
| 段階 | 主な内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 事業性の検討 | 地域の需給調査、収支シミュレーション、資金計画 | 1〜2か月 |
| 物件選定・改修 | 面積・設備要件の確認、契約、必要な改修工事 | 2〜4か月 |
| 指定申請 | 運営規程、人員配置、行政協議、申請書類の作成と提出 | 2〜3か月 |
| 開設準備 | 人員採用、研修、生産活動の受注確保、紹介元への営業 | 3〜4か月(並行) |
| 開設後 | 利用者受け入れ、稼働率の引き上げ | 定員充足まで6〜12か月 |
検討開始から開設まで6〜10か月が標準です。指定は申請月の翌月1日付が原則のため、逆算した工程管理が必要になります。
2事業所目を開設する際は、この一式をそのまま使えます。
既に運営中で収支を改善したい場合は、就労継続支援事業の集客と収支改善をご覧ください。放課後等デイサービスは就労準備型放課後等デイサービス、事業モデル全体の見直しは障がい福祉業界の革新的ビジネスモデルもご参考になります。
人材確保には障がい福祉法人向け人材採用支援、資金面では補助金活用支援もあわせてご検討ください。
この記事のまとめ
就労継続支援B型の収支は、基本報酬・加算・生産活動収入の3本立てで、基本報酬の単価は平均工賃月額に連動します。工賃を上げられる生産活動を確保できるかが、収支の分かれ目です。
つまずきの多くは、定員が埋まる前提の計画、生産活動の後回し、報酬入金までの運転資金の見落としです。開設の3〜6か月前から紹介元と受注先に動いておくことが、立ち上がりの速さを決めます。
福祉の経験がなくても開設できますか?
できます。ただしサービス管理責任者には実務経験と研修修了の要件があるため、開設時点で有資格者の確保が必要です。製造業や農業から参入し、既存事業の作業を生産活動にするケースも多くあります。
どれくらいの資金が必要ですか?
物件取得・改修費、設備費、開設準備費に加え、報酬入金までの運転資金が必要です。定員規模と物件条件によって幅が大きいため、事業性の検討段階で概算をお出しします。
定員は何名で設定すべきですか?
地域の需要と、確保できる生産活動の量によって決まります。定員が大きいほど基準となる人員も増えるため、稼働の見込みに対して過大な定員設定は避けるべきです。20名前後から始めるケースが多くあります。
工賃はどれくらいを目指すべきですか?
平均工賃月額が報酬単価に影響するため、可能な限り高い水準を目指す設計になります。ただし無理に工賃を上げて生産活動が赤字になると本末転倒です。作業別の粗利を管理したうえで、実現可能な水準を設定します。
指定申請は自分でできますか?
可能ですが、運営規程や人員配置の要件は自治体ごとに運用が異なります。事前の行政協議で修正が入ることも多いため、経験のある支援者が入るほうがスケジュールの遅れを防げます。
既存事業の作業を生産活動にできますか?
できます。むしろ既存事業がある場合は最大の強みです。ただし作業内容が利用者の特性に合うか、安全に実施できるかの検討が必要です。工程の切り出し方から一緒に設計します。
無料の経営相談では、検討している地域と規模を伺い、収支モデルの概算と開設までに必要な期間・資金の目安をお伝えします。オンラインで60分、参入余地の見立てまでお持ち帰りいただけます。