広報を始めたいが、専任を置く余裕はない。担当を決めたものの何から手をつければよいか分からない——中小企業の広報はここでつまずきます。本セミナーでは、ひとり広報や兼務でも回る体制のつくり方と、社内から情報が集まる仕組みを、最初の3か月の進め方に沿って解説しました。
広報を立ち上げるとき、多くの企業がいきなりプレスリリースを書き始めます。しかしこれではうまくいきません。伝えるべき内容と、伝える先が整理されていないためです。書く前に、自社にどんな情報があるのか、誰に届けたいのかを棚卸しする工程が必要になります。
もうひとつの落とし穴が、担当者が一人でネタを探し続ける状態です。最初の数本は書けても、社内から情報が上がってくる仕組みがなければ必ず枯れます。本セミナーでは、この2点を避けるための立ち上げ手順を、実際に運用している企業の進め方をもとに整理しました。
前提として、広報は本数を競う活動ではありません。毎月1本の発信と四半期に一度の振り返りが続けば、兼務でも十分に機能します。逆に、最初に本数を増やそうとして続かなくなるほうが、社内の信頼を失う分だけ損失が大きくなります。
当日は、最初の3か月・社内の巻き込み・外注の線引きという3部構成で進めました。まず立ち上げ期の進め方です。月ごとにやることと成果物を決めておくと、迷わずに進められます。
| 時期 | やること | 成果物 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 自社の情報を棚卸しする | 事業・実績・人の情報リスト |
| 2か月目 | 伝える相手と媒体を決める | 媒体リストと連絡先 |
| 3か月目 | 1本目を出して反応を見る | プレスリリースと配信記録 |
1か月目の棚卸しでは、事業・実績・人の3つの切り口で社内の情報を集めます。新製品や新サービスだけでなく、取引先との継続年数、社員の資格取得、設備投資、地域との関わりまで含めて書き出します。この段階では取捨選択をしないことがコツです。
2か月目は、集めた情報を誰に届けるかを決めます。地方紙なのか、業界紙なのか、Webメディアなのか。媒体ごとに扱うテーマと担当部署が異なるため、送り先を10〜20件のリストにまとめておきます。3か月目でようやく1本目を出し、どこから反応があったかを記録します。
重要なのは、1本目で掲載されなくても失敗ではないという点です。どの媒体に送り、どんな反応があったかという記録が、次の1本の精度を上げます。
広報担当が一人でネタを探し続けると、必ず枯れます。情報が向こうから集まる状態をつくることが、継続の条件です。もっとも確実なのは、各部門の定例会議に5分だけ参加させてもらい、「最近あった変化」を口頭で聞くことです。書面での提出を依頼するより、はるかに集まります。
あわせて、何が広報になるのかの基準を社内に示しておきます。新規性・社会性・地域性という3つの観点を共有しておくと、現場から「これは使えますか」という声が上がるようになります。基準がないと、誰も判断できないため声もかかりません。
掲載された記事は必ず社内に還元します。自分が伝えた情報が記事になったという経験が、次の情報提供につながります。この循環ができるかどうかで、1年後の広報の状態がまったく変わります。
配信代行やライティングは外部に依頼できますが、何を伝えるかの判断は社内に残すべきです。ここを外に出すと自社らしさが失われ、取材時の対応もできなくなります。
現実的なのは、文章の整形や媒体リストの作成といった作業部分から外注する形です。判断と関係づくりは社内、手が足りない作業は外部、という分け方であれば、費用を抑えながら質を保てます。
社内では当たり前になっている事柄が、外から見ると十分にニュースになることがあります。
創業からの年数、取引の継続年数、同じ製法を守っている期間。継続はそれ自体が信頼の証明であり、地方紙や業界紙が好む切り口です。
導入社数、削減率、生産量、資格保有者数。具体的な数字があると、記事にする側が扱いやすくなります。
若手の入社、資格取得、技能継承。人の話は媒体を問わず取り上げられやすく、採用にも効きます。
送り先を間違えると、内容が良くても届きません。
| 媒体の種類 | 向いている情報 | 送付先の目安 |
|---|---|---|
| 地方紙 | 地域との関わり、雇用、設備投資 | 支局の記者、地域面の担当 |
| 業界紙 | 技術、製品、業界動向 | 編集部の該当分野担当 |
| Webメディア | 新規性のある取り組み | 編集部の問い合わせ窓口 |
| フリーペーパー | 店舗、イベント、地域の話題 | 編集部・営業窓口 |
毎月1本の発信と、四半期に一度の振り返り。この2つを守れば、担当者が兼務でも広報は機能します。振り返りでは、送付数・掲載数・反応のあった媒体の3つだけを記録します。
記録が3回たまると、自社の情報がどの媒体に届きやすいかが見えてきます。そこから送付先を絞り込めば、少ない手数で掲載率が上がっていきます。
| 日時 | 2024年2月2日(金) |
|---|---|
| 時間 | 12:00-13:00 |
| 参加費用 | 無料 |
| 場所 | WEBによるオンライン開催 |
| 視聴方法 | Zoomでのオンライン配信(視聴URLはお申し込みいただいた方にご案内します) |
| スケジュール | 開始10分前より入室いただけます。講演のあと、質疑応答のお時間を設けています。 |
| 諸注意 | 本セミナーは競合企業様のご参加をお断りさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。 |
| 主催 | 株式会社Digital& |
| セミナー番号 | M21 |
広報とマーケティングの違いは何ですか?
広報は第三者を通じた信頼の獲得、マーケティングは自社からの働きかけによる需要の創出です。役割が違うため、指標も分けて考えます。
予算はどのくらい必要ですか?
配信サービスを使わなければ、初期はほぼ人件費のみで始められます。まず1本出して反応を見てから投資を判断してください。
取材が来たらどう対応すればよいですか?
事前に想定問答と写真素材を用意しておけば慌てません。準備しておくべき項目をセミナー内で共有しました。
無料の経営相談では、自社にどんな発信材料があるか、誰に向けて出すべきかを整理し、最初の3か月の進め方をお伝えします。オンラインで60分、社内から情報を集める仕組みまでお持ち帰りいただけます。
本セミナーは終了しました