販売管理、会計、在庫、勤怠。それぞれにシステムはあるのに、間を人が手作業でつないでいる——この状態が業務改善の最大のボトルネックになっています。本セミナーでは、システム間の分断がどこで起きているかを可視化し、データ連携によって手作業を減らしていく進め方を解説しました。
DXが進まない原因を聞くと「システムが古いから」と答える企業が多いのですが、実際に時間を奪っているのは、システムそのものよりもシステムとシステムの間にある手作業です。受注データを会計システムに手で入力する、在庫表をExcelに転記する、勤怠を集計して給与システムに打ち込む。1件あたりは数分でも、件数が積み上がると相当な時間になります。
この「間」を埋めるのがデータ連携です。基幹システムの入れ替えに比べて費用も期間も小さく、効果が見えやすいため、DXの最初の一手として現実的です。本セミナーでは、洗い出しから手段の選定、運用までを一連の流れとして扱いました。
当日は、分断の可視化・手段の選定・運用設計という3部構成で進めました。連携の手段は、費用と難易度によって次の3つに整理できます。
| 手段 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| CSVの受け渡し | 件数が少なく、日次・月次で足りる | 手作業が残るため件数が増えると限界がくる |
| 連携ツール | 主要なクラウド同士をつなぐ | 対応しているサービスかどうかを要確認 |
| API連携 | 件数が多く、リアルタイム性が要る | 開発費用と保守体制が必要 |
まず、業務の流れに沿って「どこで人がデータを運んでいるか」を書き出します。部門をまたぐ箇所と、システムをまたぐ箇所に、ほぼ必ず手作業が挟まっています。
この作業は、担当者に聞くだけでは出てきません。日常になっているため、本人が手作業だと認識していないことがあるからです。業務の流れ図を一緒に描きながら確認するのが確実です。
いきなりAPI連携を検討する必要はありません。月に数回の転記であれば、CSVの受け渡しを整えるだけで十分な場合もあります。
判断の目安は件数です。日次で発生し、1回あたり10分を超えるならツールやAPIの検討価値があります。逆に月1回であれば、手順書を整えるほうが早く安く済みます。
つないで終わりにすると、しばらくして止まります。誰がエラーを検知するのか、どこに記録を残すのか、仕様変更があったとき誰が直すのか。この3つを決めておかないと、結局また手作業に戻ってしまいます。
特に、連携が止まったことに気づかないまま数日経つケースが最も損害が大きくなります。エラー時の通知先を必ず設定してください。
すべてを一度につなごうとすると計画が止まります。次の順序で優先度をつけると、投資判断がしやすくなります。
月間の件数と1件あたりの所要時間を掛けて、削減できる時間を算出します。ここで大きい業務から着手します。
金額や在庫数など、間違うと後工程に影響が及ぶ業務は、時間削減以上の価値があります。
古いシステムでも、データを取り出せるなら連携で当面しのげます。入れ替えの判断は、保守期限と改修費用を見てから行います。
部門ごとに乱立したExcelは、確かに管理上の課題です。ただし、いきなり全廃を目指すと現場が止まります。
現実的なのは、入力元を1つに絞り、Excelは出力側として残すという考え方です。データの発生源を統一できれば、二重入力と数字の食い違いは解消します。見た目の管理方法まで一度に変える必要はありません。
システム連携やツール導入は、IT導入補助金などの対象になる場合があります。対象経費と申請時期は制度ごとに異なるため、導入スケジュールを決める前に確認しておくと計画が立てやすくなります。
ただし補助ありきで進めると、不採択時に計画全体が止まります。補助がなくても実行するかどうかを先に決めておくことをおすすめしました。
| 日時 | 2024年2月1日(木) |
|---|---|
| 時間 | 12:00-13:00 |
| 参加費用 | 無料 |
| 場所 | WEBによるオンライン開催 |
| 視聴方法 | Zoomでのオンライン配信(視聴URLはお申し込みいただいた方にご案内します) |
| スケジュール | 開始10分前より入室いただけます。講演のあと、質疑応答のお時間を設けています。 |
| 諸注意 | 本セミナーは競合企業様のご参加をお断りさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。 |
| 主催 | 株式会社Digital& |
| セミナー番号 | D24 |
古い基幹システムでも連携できますか?
データを書き出せる仕組みがあれば、多くの場合は可能です。まずどの形式で取り出せるかを確認するところから始めます。
どのくらいの費用がかかりますか?
手段によって大きく変わります。CSVの受け渡しや連携ツールなら、月額数千円から始められる場合もあります。
社内にIT担当がいなくても進められますか?
進められますが、仕様を把握する担当者は一人必要です。外部に任せきりにすると、修正のたびに費用と時間がかかります。
無料の経営相談では、現在のシステム構成と業務の流れを伺い、どこで人が手作業でデータをつないでいるか、最初に手をつけるべき領域はどこかをお伝えします。オンラインで60分、投資の優先順位までお持ち帰りいただけます。
本セミナーは終了しました