人員を増やせないなかで業務量だけが増えていく——RPAはその打開策として検討されますが、「導入したのに動かなくなった」という声も少なくありません。本セミナーでは、自動化に向く業務の見極め方から、対象業務の棚卸し、ツール選定、そして止まらない運用体制の作り方までを一連の流れで解説しました。
RPAは、人がパソコン上で行っている操作を記録し、ソフトウェアに代行させる仕組みです。転記、照合、集計、定型メールの送信など、手順が決まっている作業ほど効果が出ます。反対に、都度の判断が必要な業務や、手順そのものが頻繁に変わる業務は向きません。
本セミナーは、ツールの機能紹介ではなく「どの業務を、どの順で自動化するか」に焦点を当てて構成しました。導入がうまくいかない企業に共通するのは、ツールを決めてから対象業務を探していることです。順序を逆にするだけで、失敗の多くは避けられます。
当日は3部構成で、対象業務の選び方、棚卸しの手順、運用体制の順に解説しました。まず前提として、自動化に向く業務は次の3つの観点で判断できます。
| 観点 | 向いている | 向いていない |
|---|---|---|
| 発生頻度 | 毎日・毎週など繰り返し発生する | 年に数回しか発生しない |
| 手順の安定性 | 手順が固定されている | 担当者ごとにやり方が違う |
| 判断の有無 | ルールで機械的に決まる | 都度の判断・例外対応が多い |
上の3つの観点すべてに当てはまる業務から着手すると、短期間で効果が見えます。逆に、判断が多い業務を最初に選ぶと、例外処理の作り込みで工数が膨らみ、途中で止まってしまいます。
あわせて、業務を「工程」に分解して見ることをおすすめしました。業務全体は自動化できなくても、そのうちの転記工程だけなら任せられる、というケースが多くあります。
部門ごとに業務を洗い出し、1件あたりの所要時間と月間の発生件数を書き出します。この2つを掛ければ月間の削減見込み時間が出ます。次に、手順の複雑さから難易度を三段階で評価し、削減時間が大きく難易度が低いものから並べます。
当日は、最初の1件は「効果が大きい業務」ではなく「確実に完成する業務」を選ぶことをおすすめしました。小さくても動くものが1つできると、社内の理解が一気に進みます。
RPAが止まる原因の多くは、対象システムの画面変更です。止まったときに誰が直すのか、どのくらいの時間で復旧させるのかを、導入前に決めておきます。
また、作った本人しか中身を把握していない状態は、その人の異動や退職で止まります。処理の目的、対象システム、実行タイミングを一覧で残し、社内の誰が見ても状況を追える形にしておくことが重要です。
ツール選定より先に、社内で合意しておくべき項目があります。ここが曖昧なまま進めると、運用段階で必ず詰まります。
| 決めること | 判断の目安 |
|---|---|
| 対象業務の範囲 | 月20時間以上削減できる業務から |
| 作成の担当 | 社内で1名は処理内容を理解できる体制 |
| 停止時の対応 | 検知する人と、復旧までの目標時間 |
| 記録の残し方 | 処理の目的・対象・実行タイミングを一覧化 |
すべてを社内で作る必要はありませんが、丸ごと任せると修正のたびに費用と時間がかかります。
どのシステムに、どの順で、何をさせているか。この理解が社内にあれば、外注先が変わっても引き継げます。
単純な転記は社内、複数システムをまたぐ複雑な処理は外注、という分け方が現実的です。
画面変更への対応が契約に含まれているかを、発注前に必ず確認します。
| 日時 | 2024年1月10日(水) |
|---|---|
| 時間 | 12:00-13:30 |
| 参加費用 | 無料 |
| 場所 | WEBによるオンライン開催 |
| 視聴方法 | Zoomでのオンライン配信(視聴URLはお申し込みいただいた方にご案内します) |
| スケジュール | 開始10分前より入室いただけます。講演のあと、質疑応答のお時間を設けています。 |
| 諸注意 | 本セミナーは競合企業様のご参加をお断りさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。 |
| 主催 | 株式会社Digital& |
| セミナー番号 | D08 |
プログラミングの知識がなくても導入できますか?
簡単な自動化であれば知識がなくても作成できます。ただし保守を考えると、処理の中身を理解できる担当者が社内に一人は必要です。
生成AIとRPAはどちらを先に導入すべきですか?
業務の性質で変わります。手順が固定された作業はRPA、文章の作成や要約といった作業は生成AIが適しています。両方を組み合わせる進め方もあります。
効果はどのくらいで出ますか?
対象業務を絞れば、最初の1件は1〜2か月で稼働します。全社的な効果を見るのはその後で、まず動くものを作ることを優先してください。
無料の経営相談では、現在の業務の流れを伺い、自動化に向く作業がどこにあるか、どの順で着手すべきかをお伝えします。オンラインで60分、投資の判断材料までお持ち帰りいただけます。
本セミナーは終了しました