ケアマネ更新制廃止はいつから?採用への影響と確定事項

介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格の更新制を廃止することは、2026年6月25日に公布された「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)で決まりました。施行は、公布の日から1年6か月を超えない範囲で政令で定める日です。施行日そのものは、政令で決まります。

更新制がなくなっても、研修がなくなるわけではありません。定期的な研修の受講は続き、ケアマネジャーを雇う事業者には、研修を受ける機会を確保する措置が義務づけられます。一方、受験要件の見直し(実務経験5年を3年にするなど)は、2025年12月の審議会の意見で「適当」とされた段階で、この法律には含まれていません。

採用で大切なのは、確定したことと、まだ決まっていないことを分けて伝えることです。この記事では、厚生労働省の資料で両者を整理し、採用や内部登用への影響、求人への反映の仕方をまとめます。

確定したことと、まだ決まっていないこと

項目 状況(2026⁠年11⁠月3⁠日時点で確認した資料による) 出典
介護支援専門員証の有効期間と、更新のための研修の廃止 改正法で決定。施行は公布日から1年6か月を超えない範囲で政令で定める日 公布通知
定期的な研修の受講 改正法で、介護支援専門員は都道府県知事が行う研修を受けるものとされた。研修の中身や時間数は省令などで定める 同上
事業者の義務 ケアマネジャーが研修を受ける機会を確保する措置をとること、従事の開始・終了を都道府県知事に報告すること 同上
受験要件の見直し(国家資格の追加、実務経験5年→3年) 2025年12月25日の介護保険部会の意見で「適当」とされた段階。改正法には含まれていない 介護保険部会の意見

ここでいう「公布通知」は、厚生労働省が2026年6月25日に自治体へ出した「社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)」です。

更新制の廃止で何が変わるか

今の制度では、介護支援専門員証の有効期間は5年で、更新を受けるには更新研修を受ける必要があります(介護保険法第69条の7・第69条の8)。

改正法では、次のような見直しが行われます(公布通知)。

  • 介護支援専門員証の有効期間を廃止し、交付や更新を受けるための研修を廃止する
  • 介護支援専門員は、資質の保持と向上のため、都道府県知事が行う研修を受けるものとする
  • 正当な理由なく研修を受けていない場合、都道府県知事は受講を命じることができ、命令に従わなければ1年以内の業務禁止もありうる
  • 介護支援専門員を置く事業者・施設は、従事を始めたときと辞めたときに都道府県知事へ報告する
  • 同じく事業者・施設は、研修の受講の機会を確保するための措置をとらなければならない

厚生労働省の広報資料では、見直し後の研修について、一定期間(例:5年間)の間に任意のタイミングで分割して受けられる仕組みにすること、全体の時間数の縮減を検討すること、オンラインでの受講を進めることが示されています。また、一度交付を受けた資格は、期限によって失効することはなくなると説明されています(厚生労働省 広報資料)。

ただし、研修の具体的な時間数や受け方は、これから省令などで決まります。現時点で「研修は○時間になる」と言い切ることはできません。

受験要件の見直しは「意見」の段階

2025年12月25日の社会保障審議会介護保険部会の「介護保険制度の見直しに関する意見」では、次の2点が「適当である」とされました(介護保険部会の意見)。

  • 受験の対象となる国家資格に、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、救急救命士、公認心理師を追加する
  • 受験要件の実務経験年数を、5年から3年に見直す

これは審議会の意見で、2026年6月に公布された改正法の概要や公布通知には、受験要件の見直しは含まれていません(公布通知)。2026年10月11日に実施された2026年度の試験について、兵庫県の案内では、受験資格は従来どおり「通算して5年以上かつ従事した日数が900日以上」とされています(兵庫県 介護支援専門員実務研修受講試験)。

求人や社内向けの説明で「受験資格は3年に緩和された」と書くのは、現時点では誤りです。見直しがいつ、どの試験から適用されるかは、厚生労働省と試験を実施する都道府県の発表で確認してください。

採用と内部登用への影響をどう考えるか

ヨビコム介護の支援担当が、事業所やケアマネジャーから聞く関心は、おおむね次の4つです。

  • 資格の更新と研修の負担が、どう変わるのか
  • 定期的な研修は残るのか
  • 今持っている介護支援専門員証の期限はどうなるのか
  • 受験資格の見直しは決まったのか

採用への影響について、支援担当の見立ては次のとおりです。研修の時間的・経済的な負担が軽くなれば、今働いているケアマネジャーが仕事を続けやすくなり、資格を持ちながら現場を離れている人の復職にもプラスになる可能性があります。ただし、これは見込みで、効果が出るかどうかは研修の新しい仕組みしだいです。

国会でも、この点への関心は高く、衆議院厚生労働委員会の附帯決議では、研修の時間の短縮やオンライン活用、事業所での受講時間の確保、潜在ケアマネジャーの復職支援などが求められています(全国介護保険担当課長会議資料(2026年7月15日))。

一方で、更新研修がなくなることと、研修や学び直しが不要になることは別です。事業者には研修の機会を確保する義務がかかるため、研修の時間を勤務として確保できる体制は、採用でも定着でも重要になります。

社内の介護職員を将来ケアマネジャーに登用する計画を立てるときは、受験要件の見直しが確定するまでは今の要件で計画を立て、実務経験の積み方、実務研修を受ける時期、合格後の働き方までを含めておきます。

求人に反映するときの書き方

求人で伝えたいのは、制度の変化そのものより、「この事業所で働くと研修や資格の面でどう支えてもらえるか」です。たとえば次のような書き方です。いずれも、事業所の規程に基づいて書く前提です。

法定研修の受講時間は勤務として扱い、受講料を補助しています(規程に基づく。補助の範囲は面接時にご説明します)
資格制度の見直しに合わせ、研修の受講支援を続けます

避けたいのは、次のような書き方です。

  • 「更新研修はもう不要」(定期的な研修は続きます)
  • 「受験資格が全員緩和された」(まだ意見の段階です)
  • 「2026年から更新不要」(施行日は政令で定める日で、2026年11月時点の資料では日付を確認できていません)

ケアマネジャーの求人原稿全体の書き方は、ケアマネジャーの採用ページでも紹介しています。

ありがちな誤り

制度の変化を伝えるときに、支援の中で注意している誤りは次のとおりです。

  • 法律の成立や公布をもって、すべての規定が同じ日に施行されたと思い込む
  • 更新制の廃止を「学ばなくてよくなる」と伝える
  • 今持っている介護支援専門員証の有効期間や、移行の扱いを確認しない
  • 受験要件の「検討案」や「意見」を、確定した内容として紹介する

制度の情報は、公布日、それぞれの規定の施行日、経過措置、省令や自治体からの周知を時系列で追って更新していくことが大切です。今持っている介護支援専門員証の期限が施行日より前に来る人の扱いなどは、今後の政令・省令と都道府県の案内で確認してください。

よくある質問

更新はもう不要になったのですか?

2026年6月25日に改正法が公布されましたが、更新制の廃止の施行は、公布の日から1年6か月を超えない範囲で政令で定める日です。施行までは現行の制度が続くため、手元の介護支援専門員証の有効期間と、都道府県の案内を確認してください。

研修は全部なくなるのですか?

なくなるのは、資格の更新を受けるための研修です。定期的な研修の受講は続き、事業者には受講の機会を確保する措置が義務づけられます。

受験資格も緩和されたのですか?

実務経験を5年から3年にすることなどは、2025年12月の介護保険部会の意見で示された段階です。2026年度の試験も、兵庫県の案内では従来の要件(5年以上かつ900日以上)で行われています。確定した内容は、厚生労働省と試験を実施する都道府県の発表で確認してください。

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関連ページ:ケアマネジャーの採用/求人媒体運用・スカウト代行/採用業務代行

この記事を書いた人

ヨビコム介護編集部

介護事業所の採用支援サービス「ヨビコム介護」の編集部です。求人原稿・媒体運用・スカウト・定着など、介護の採用に役立つ情報を、公的な資料をもとにお届けしています。

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