看多機(看護小規模多機能型居宅介護)の看護職員を採用するには、「どこで、どの時間帯に、どんな看護の判断をするのか」を求人で具体的に示すことが出発点です。看多機は、通い・泊まり・訪問を組み合わせて提供するサービスです。「訪問看護経験者歓迎」と書くだけでは、仕事の中身が伝わりません。
この記事では、看多機の人員基準を一次資料で確かめたうえで、求職者が気にしていること、訪問看護との違いの書き方、紹介以外の採用経路、避けたい失敗をまとめます。
看多機の看護職員について、基準で決まっていること
看多機は、介護保険法で、訪問看護と小規模多機能型居宅介護を一体的に提供するサービスと定められています。利用者の自宅で、または事業所に通ってもらったり短期間泊まってもらったりして、日常生活上の世話や療養上の世話、必要な診療の補助を行います(介護保険法 第8条第23項)。
人員基準のうち、看護職員に関わる主な点は次のとおりです(指定地域密着型サービス基準 第171条・第174条)。
| 項目 | 基準の |
|---|---|
| 看護職員の数 | 従業者のうち常勤換算で2.5以上は、保健師・看護師・准看護師(看護職員) |
| 常勤の看護職 | 従業者のうち1以上は、常勤の保健師または看護師 |
| 通い・訪問の担当 | 通いサービスと訪問サービスの担当者のうち、1以上は看護職員 |
| 夜間 | 夜間・深夜の勤務に1以上、宿直に必要な数以上(泊まりの利用者がおらず、訪問のための連絡体制がある場合は置かないことができる) |
| 登録定員 | 29人以下(サテライト型は18人以下) |
この基準からも分かるとおり、看多機の看護職員は、事業所内のケアと訪問の両方に関わる前提で配置されます。求人では、自事業所がどの業務にどれだけ看護職員を充てているのかを書きます。
求職者が気にしていること
ヨビコム介護の支援担当によると、看多機の看護職員の求人で、求職者が気にしているのは次の点です。
- どこで、どの時間帯に、どんな看護の判断をするのか
- 医療依存度の高い利用者への対応
- オンコールの頻度
- 介護職との役割分担
- 主治医との連絡のとり方
通い・泊まり・訪問看護が連携するため、病棟や訪問看護ステーションでの経験がある人でも、看多機での1日を想像しにくい場合があります。支援担当は、「訪問看護経験者歓迎」と書くだけでは看多機の仕事が伝わらないと指摘しています。
訪問看護との違いを、求人でどう示すか
支援担当が使っている記載例は次のとおりです。○の部分は実態で書き換え、サービスの区分、配置の基準、主治医との連携を責任者が確認してから公開します。
看多機に登録している利用者に対し、通い・泊まりのときの健康管理と、必要なときの訪問看護を一体的に行います。
看護職員の配置:事業所内○名・訪問○名(兼務している場合はその実態を記載)
オンコール 月○回。直近3か月の出動 ○回
夜間は夜勤の介護職と管理者への緊急連絡の体制があります
あわせて、看護職員の1週間の業務の例、医療処置の範囲、オンコールの記録も、求人や採用ページに載せることを支援担当は勧めています。「看多機とは何か」を図で説明すると、看多機を知らない看護職員にも仕事の全体像が伝わります。
公開前に、求人に次の項目がそろっているかを確かめます。取材回答をもとに、点検用の一覧にしました。
- 看多機とはどんなサービスかの説明(図があればなおよい)
- 事業所内の看護と訪問看護の割合、兼務の有無
- 医療処置の範囲(対応している処置と、対応していない処置)
- オンコールの回数と、直近の出動の実績
- 介護職との役割分担
- 主治医・協力医療機関との連絡の流れ
- 夜間の緊急連絡の体制
- 入職後の同行研修の流れ
紹介以外の採用経路
人材紹介以外にも、看護職員に届く経路はあります。支援担当は、次の経路を組み合わせることを勧めています。
- 看護職向けの求人検索サイトへの掲載
- 都道府県ナースセンター、福祉人材センターへの相談
- 資格や勤務条件を絞ったスカウト
- 過去に退職した看護職員が再応募できる窓口
- 職員からの紹介
都道府県ナースセンターは、法律にもとづいて看護師等の無料の職業紹介を行う機関です(看護師等の人材確保の促進に関する法律 第14条・第15条)。
職種を問わない介護事業所全体の調査ですが、「職員に対して友人・知人などの紹介を依頼」を行っている事業所は66.0%で、そのうち47.3%が採用に効果があったとしています。「過去の離職者に再雇用を打診」は実施が18.2%と少ないものの、行った事業所の35.2%が効果があったと答えています(介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査」結果の概要)。
支援担当が強調するのは、「地域に看護師が少ないから」という理由だけで紹介への依存を続けないことです。看多機の仕事を理解してもらうための専用の求人をつくることが、どの経路でも土台になります。人材紹介への依存を減らす考え方は、資料「人材紹介依存からの脱却ガイド」でもまとめています。
避けたい失敗
支援担当が挙げる失敗は次のとおりです。実際の事例ではなく、求人を点検するための項目です。
- 看多機を、訪問看護ステーションと同じ仕事内容として説明する
- 泊まりへの対応、夜間の電話、緊急時の役割を伏せる
- 医療行為と介護業務の線引きがあいまいなまま募集する
- 面接で、配置している人員を説明できない
防ぐには、業務の全体図と勤務の例を用意し、求人・面接・入職後の説明をそろえます。求人には、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならない義務もあります(職業安定法の的確表示義務、厚生労働省リーフレット)。
ヨビコム介護では、看護職員を含む多職種の求人原稿の作成、媒体の運用とスカウト、応募への一次連絡を代行しています。一次連絡は当日中、遅くとも営業日24時間以内に行い、面接の実施と合否の判断は事業所が行います。介護分野の支援例として、ナーシングホームを新たに立ち上げた株式会社ideinさまでは、導入当初10名程度の体制から累計35名以上の職員が新たに加わりました(導入事例)。同様の成果を保証するものではありません。
よくある質問
Q. 応募者に
A. 通い・泊まりと一体で提供することと、看護職員が担当する範囲で説明します。「訪問だけでなく、通いや泊まりの利用者の健康管理も担当します」のように伝えます。
Q.
A. 当番の回数と、出動の実績で答えます。電話で済んだ回数と、訪問や事業所に出向いた回数を分けて伝えます。
Q.
A. 管理者、主治医、ほかの看護職員との連絡の体制を示します。誰に、どの順番で相談できるのかを具体的に伝えます。
Q. 病棟の
A. 同行の研修と、最初に任せられる業務の範囲を確認して判断します。在宅や訪問の経験がない人にも、段階的に任せる計画があれば受け入れやすくなります。
看多機の看護職員の採用を見直したい事業所へ
貴事業所の場合、どこから直すとよいか。無料採用相談で、求人原稿・媒体の使い方・応募対応を点検し、優先して見直したい項目をお伝えします。
関連ページ:小規模多機能・看多機の採用支援/看護職の採用支援/人材紹介との費用比較/求人媒体運用・スカウト代行
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