介護の新卒採用|社会福祉法人の説明会から入職までの設計

社会福祉法人の新卒採用は、学校訪問、実習の受け入れ、見学、説明会、内定後のフォロー、入職後の育成を、1年を通して同じ担当者がつなげる設計にすると進めやすくなります。求人の条件だけでなく、キャリアの道筋と現場の職員の声を具体的に伝えられる法人ほど、学生と学校の信頼を得やすいからです。

注意したいのは、大学・専門学校と高校では、採用のルールと日程がまったく違うことです。2026年度の場合、大学等は3月1日に広報、6月1日に選考、10月1日に正式内定が始まり、高校は6月1日のハローワークでの求人受付、9月16日の選考開始という日程でした(群馬労働局「令和9年3月新規学校卒業者を募集する事業主の皆様へ」)。

この記事では、2つの日程を整理したうえで、説明会から入職までをどう組み立てるかを、ヨビコム介護の支援担当の考え方とともに紹介します。

大学・専門学校と高校で、日程とルールは別物

まず、2つの日程を並べて確認します。

区分 主な日程(2026⁠年⁠度、2027⁠年3⁠月卒業予定者)
大学・短大・高専など 広報活動の開始:卒業前年度の3月1日以降/採用選考活動の開始:卒業年度の6月1日以降/正式な内定:卒業年度の10月1日以降
高校 ハローワークでの求人受付:6月1日以降/学校への求人申込・学校訪問:7月1日以降/応募書類の提出:9月5日以降/選考・内定:9月16日以降

出典:群馬労働局(大学等は政府の「2026(令和8)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」の抜粋)、厚生労働省「中学校・高等学校卒業予定者の就職・採用活動時期について」

大学等については、政府の要請で、正式な内定の前に他社への就職活動の終了を迫ったり、誓約書を求めたりしないよう求められています。高校は、学校とハローワークを通じた応募、決められた応募書類、一定期間の一人一社制など、さらに独自のルールがあります(同資料)。

専修学校(介護福祉士の養成校など)の日程は、各学校の就職のスケジュールに合わせます。高校と同じ選考ルールで、大学や専門学校の学生を扱わないよう注意しましょう。

関連コラム:高卒採用のスケジュールとルール|介護事業所が押さえる基本

年間の流れ:法人としての設計例

支援担当が社会福祉法人に示している年間の流れの例です。高校の日程は公的なルールに従い、大学・専門学校は各校の就職日程に合わせます。

時期 法人の動き
4〜5月 必要な人数と採用ターゲットの決定、学校関係者への案内の準備
6〜7月 高校の求人申込(6月1日〜)と学校への求人申込・訪問(7月1日〜)
夏 見学、実習の受け入れ
9月以降 高校の選考(9月16日〜)。大学・専門学校は各校の日程に合わせて説明会・選考
内定後 月1回程度の近況の連絡、資格取得支援の案内
翌年4月 入職時の研修

この表は、ヨビコム介護の支援担当による設計例です。法人の規模や学校との関係によって、時期は前後します。

うまくいっている法人に共通すること

支援担当によると、新卒採用がうまくいっている法人には、次の共通点があります。

  • 学校訪問、実習の受け入れ、見学、説明会、内定者との面談、新人の育成を、1年を通して同じ担当者が連携して進めている
  • 求人の条件だけでなく、キャリアパスと、現場の職員の具体的な話を伝えている
  • 学校に渡す情報を定期的に更新している
  • 見学で伝えた勤務の様子と、入職後のOJT(仕事をしながらの指導)が一致している

説明会と見学で伝えること

説明会や見学で伝えるのは、「仕事」「育成」「休憩」「相談体制」の4つが基本です。学生が知りたいのは、仕事のやりがいだけでなく、入ってから困らないかどうかです。

  • 仕事:1日の流れ、利用者との関わり方
  • 育成:誰が、何を、いつまでに教えるか。夜勤はいつ、何ができたら始まるか
  • 休憩:休憩の取り方、休日、休暇の取りやすさ
  • 相談体制:困ったときに相談できる先輩や窓口

新卒の求人では、若者雇用促進法にもとづき、応募者に職場の情報を提供することが事業所に義務付けられています(群馬労働局)。説明会の資料と求人票の内容が、給与規程と一致しているかも確認しておきましょう。

内定から入職までのフォロー

内定から入職までの期間は、大学・専門学校なら半年ほど、高校でも半年あります。この間に連絡が途切れると、学生の不安が大きくなります。

支援担当は、内定後に次のような取り組みを勧めています。

  • 事業所の先輩職員と気軽に相談できる場をつくる
  • 入職後の研修計画を共有する
  • 配属、通勤、夜勤について、不安がないか確認する
  • 月1回程度、資格の勉強や学業の負担に配慮しながら連絡する

参加は強制せず、本人の学業を優先します。効果は、内定辞退率と、入職して3か月後の定着率で確かめます。

内定後のフォローを入職後の定着につなげるには、入職後1年の育成計画が欠かせません。介護労働安定センターの調査では、29歳以下の離職率は17.3%と、ほかの年齢層より高くなっています(介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査」)。

関連コラム:介護の新人教育|新卒職員が辞めない1年目の育成計画のつくり方

新卒採用を始める法人が最初につまずく点

支援担当によると、新卒採用を始めた法人が最初につまずくのは、次のような点です。

  • 「採用サイトと求人票を作れば、学校から応募が来る」と考え、学校との接点をつくらない
  • 現場見学での安全や、利用者の個人情報を守る方針が決まっていない
  • 高校と専門学校の日程を混同する
  • 指導担当者と、夜勤を始める時期が決まっていない

避けたい進め方

学校との信頼を失いやすいのは、次のような進め方です。これらは特定の法人の事例ではなく、支援担当が準備段階で確認している注意点です。

  • 学校を何度も訪問するが、毎回担当者や伝える情報が変わる
  • 求人に載せた条件と、給与規程が一致しない
  • 見学で、職員の過重な労働を隠す
  • 内定を出した後、学生に連絡しない

求人票の条件を整える前に、「入職後1年の育成の地図」を先に作っておくことを、支援担当は勧めています。説明会でも、内定後のフォローでも、その地図があれば同じ内容を伝えられます。

よくある質問

何校くらい訪問すればよいですか?

数より優先度で決めます。採用の目標人数、実習を受け入れている学校、通勤・通学の範囲から、関係を深める学校を選びましょう。

高校への求人はいつ出せますか?

公的なルールに従います。2026年度は、ハローワークでの求人受付が6月1日から、学校への求人申込が7月1日からでした。翌年度の日程は、厚生労働省や都道府県労働局の公表資料で確認してください。

見学では何を見せればよいですか?

仕事の様子、育成の仕組み、休憩の取り方、相談体制の4つです。利用者の個人情報を守り、撮影や利用者との接触は事前に許可を取った範囲に限ります。

内定後はどのくらい連絡すればよいですか?

月1回程度の任意の連絡を目安にします。生活や資格取得についての不安を聞き、学業の負担にならないよう配慮しましょう。

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ヨビコム介護編集部(2026-11-03)

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この記事を書いた人

ヨビコム介護編集部

介護事業所の採用支援サービス「ヨビコム介護」の編集部です。求人原稿・媒体運用・スカウト・定着など、介護の採用に役立つ情報を、公的な資料をもとにお届けしています。

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