介護の夜勤専従スタッフを集めるには、求人で「1回あたりいくらになるのか」と「月に何回、どう働けるのか」を、内訳と勤務例で示すことが近道です。夜勤専従を探す人は、日給の大きな数字だけでは決めません。深夜割増の内訳、月4回・月8回の勤務例、Wワークの可否、シフトが決まる時期、勤務後の休息、夜間の介助体制まで見て比べています。
あわせて、経験者向けの「夜勤専門」と、日勤から段階的に夜勤へ移る募集を分けること、採用前に労務の点を確かめておくことが大切です。この記事では、応募者像から求人の記載例、労務の確認点、よくある失敗までを順にまとめます。
夜勤専従に応募してくるのはどんな人か
ヨビコム介護の支援担当によると、夜勤専従の募集に応募してくるのは、主に次のような人です。
- 夜勤の経験がある介護職
- 収入を増やしたい介護福祉士
- 日中の家事や学業を優先したい人
- ほかの仕事と掛け持ちしたい人、少ない日数で働きたい人
どの層も「決まった回数を、決まった条件で働きたい」という点は共通しています。だからこそ、回数と賃金の示し方が応募を左右します。
一方で、掛け持ち(Wワーク)の人は、日中の仕事のあとに夜勤に入ることになりかねません。支援担当は、安全に眠る時間を確保できるかを面談で必ず確かめるよう事業所にお願いしています。確認するのは、希望する回数、連続夜勤の有無、通勤の手段と時間、体調管理の方法です。
求人に書く項目と記載例
支援の現場で使っている記載例は次のとおりです。○の部分は、事業所の実際の条件で埋めてください。
勤務時間 16:00〜翌9:00(実労働○時間・休憩○分)
夜勤1回の賃金 ○円(内訳:基本部分○円、深夜割増○円、時間外割増○円、夜勤手当○円)
勤務例 月4回勤務の場合 月○円/月8回勤務の場合 月○円
夜勤者○名で入居者○名を担当
勤務表は前月○日に確定
Wワーク 可(勤務時間・健康状態を面談で確認します)
ポイントは、法律で決まった割増を別立てで書くことです。午後10時から午前5時までの労働には、通常の賃金の25%以上の割増賃金が必要です(労働基準法 第37条第4項)。「日給○円」だけを大きく書くと、時給に直したときの水準や、割増が含まれているかが分かりません。
生活のリズムを重視する人には、「月○回・曜日の相談可」を前面に出すのが効果的だと支援担当は見ています。ただし、書いた条件は実際の勤務体制と一致させてください。「曜日の相談可」と書いたのに、実際は人員の都合で毎月ばらばらに組むなら、その書き方は使えません。
求人には、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、内容を正確・最新に保つ義務があります(職業安定法の的確表示義務、厚生労働省リーフレット)。賃金の内訳と勤務例は、この点でも書いておく価値があります。
募集を2本に分ける
支援担当は、夜勤専従の募集を次の2本に分けることを勧めています。
| 募集 | 対象 | 求人で |
|---|---|---|
| 夜勤専門(経験者向け) | 夜勤の経験がある人 | 1晩のスケジュール、仮眠・応援・移乗の体制、賃金の内訳 |
| 段階移行型 | 夜勤の経験が浅い人 | 日勤で慣れる期間、夜勤に入るまでの同行回数、独り立ちの基準 |
1本の求人に両方を詰め込むと、経験者には「研修が長くて面倒そう」、未経験者には「すぐ一人で夜勤をさせられそう」と、どちらにも響きにくくなります。
求人のタイトルには「夜勤専従」と明記します。Indeedや介護の職種別の求人サイトでは、求職者がこの言葉で探すためです。Ahrefsで調べると「夜勤専従 介護」の月間検索数は約1,500回、「夜勤専従 介護 求人」は約250回でした(2026年11月時点の推計)。
なお、経験必須や資格要件を、応募を増やす目的でゆるめることはおすすめしません。夜間は少ない人数で入居者を見るため、安全を優先して判断してください。
採用前に確認したい労務のポイント
夜勤専従の採用では、求人を出す前に次の点を確認しておきます。個別の判断が必要なものは、社会保険労務士など専門家に確認してください。
- 深夜
割増 :午後10時から午前5時までの労働に25%以上の割増(労働基準法 第37条第4項) - 休憩:労働時間が8時間を超える場合は、1時間以上の休憩を労働時間の途中に与え、自由に利用させる(同 第34条)
- 長時間の
夜勤 :1日8時間を超える夜勤を所定の勤務として組むには、1か月単位の変形労働時間制など(同 第32条の2ほか)の定めが前提。時間外労働をさせる場合は36協定の締結・届出が必要(同 第36条) - 休日:夜勤明けの日は、暦日の休みが確保されないため法定休日にあたらない(厚生労働省「介護労働者の労働条件の確保・改善のポイント」)
- 待機時間:呼ばれたらすぐ対応することを求められ、労働から離れることが保障されていない待機は労働時間にあたる(労働時間の適正な把握のためのガイドライン)
- 健康診断:深夜業を含む業務に常時就く人には、配置替えの際と6か月以内ごとに1回の健康診断が必要(労働安全衛生規則 第45条)
- Wワーク:労働時間は事業場を異にする場合も通算すると定められ(労働基準法 第38条第1項)、厚生労働省の通達で、事業主が異なる場合も含むと示されている(令和2年9月1日 基発0901第3号)
- 最低賃金:1回の賃金を時給に直したとき、最低賃金を下回らないか
支援担当は、このほかに、夜勤の配置と資格の基準、無理な連続勤務になっていないか、通勤中の安全も確認するようお願いしています。
面談で確かめる項目(チェックリスト)
夜勤専従は、回数や時間帯の条件が本人の生活と合っていることが、働き続ける前提になる働き方です。面談では、求人に書いた条件を本人の事情と一つずつ突き合わせます。支援担当の回答をもとに、確認項目を一覧にしました。
- 希望する夜勤の回数(月何回まで、最低何回から)
- 連続夜勤の希望と、連続させてよい上限
- ほかの仕事の有無と、その勤務時間(Wワークの場合)
- 夜勤前に眠る時間を確保できるか
- 通勤の手段と時間(深夜・早朝の移動を含む)
- 体調管理の方法と、健康診断の受診の予定
- 希望する曜日と、勤務表が確定する日を伝えたか
- 欠員が出たときに、追加の夜勤を頼んでよいか、その上限
最後の項目は特に大切です。欠員時に本人の希望を超えて夜勤を入れることは、支援担当が挙げる失敗の一つでもあります。追加を頼む場合の上限を、面談の時点で双方で決めておきます。
よくある失敗と防ぎ方
支援担当に、夜勤専従の募集で「起こりやすい失敗」を挙げてもらいました。特定の事業所で起きたトラブルではなく、点検のための項目です。
- 1回の総額を強調して、深夜割増の内訳をあいまいにする
- 夜勤明けの休みと法定休日を混同する
- Wワークの人が、ほかでどれだけ働いているかを把握しない
- 経験者の募集だからと、研修を省く
- 欠員が出たときに、本人の希望回数を大きく超えて夜勤を入れる
防ぐ方法として支援担当が勧めているのは、給与の計算例を求人や労働条件の書面に添えることです。制度上の決まりと実際の運用が一致しているかを、計算例で確かめられます。
ヨビコム介護では、求人原稿の作成と媒体の運用、応募への一次連絡を代行しています。一次連絡は当日中、遅くとも営業日24時間以内に行います。面接の実施と合否の判断は事業所が行います。
よくある質問
Q. 求職者に
A. 募集している枠と、人員配置上必要な最低の回数をもとに答えます。「月4回から。人員の都合上、最低でも月○回はお願いしています」のように、下限の理由もあわせて伝えます。
Q. 掛け持ち
A. 就業規則の定め、通算した労働時間、健康管理の3点を確認したうえで判断します。認める場合は、ほかの仕事の勤務時間を申告してもらう方法を決めておきます。
Q.
A. 仮眠が取れる条件と、直近の実績を伝えます。コールを待ちながらの仮眠なのか、その時間は対応しなくてよいのかで扱いが変わるため、社内のルールを先に決めておきます。
Q. 夜
A. 契約区分(正社員・パートなど)と、法律で定められた社会保険の加入基準にもとづいて説明します。求人にも契約区分ごとに書き分けます。
夜勤専従の募集を見直したい事業所へ
貴事業所の場合、どこから直すとよいか。無料採用相談で、求人原稿・媒体の使い方・応募対応を点検し、優先して見直したい項目をお伝えします。
関連ページ:介護職の採用支援/求人媒体運用・スカウト代行/採用業務代行
