介護の採用代行とは?費用の考え方と任せる範囲・選び方

介護の採用代行(RPO)は、求人原稿の改善から媒体運用、スカウト、応募者への連絡までを外部に任せ、紹介手数料に頼らない自社の採用をつくる方法です。費用は「何をどこまで任せるか」で決まり、面接と採用の合否は事業所に残すのが基本です。

この記事では、人材紹介との違い、任せられる業務の線引き、紹介手数料との比べ方を、厚生労働省の統計と実際の導入事例をもとに解説します。

介護の採用代行(RPO)とは|人材紹介・求人広告との違い

採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)は、事業所の採用業務の一部または大部分を外部に任せるサービスです。人を紹介してもらうのではなく、事業所が自分で採るための仕組みを一緒に動かします。

介護事業所でよく比べられる3つの手段の違いは次のとおりです。

比べる点 採用代行(RPO) 人材紹介 求人広告・求人サイト
何をしてもらうか 採用業務そのもの(原稿・媒体運用・応募対応など) 候補者の紹介 求人情報の掲載
費用がかかるとき 契約期間中の月額など 採用が決まったときの手数料 掲載・クリック・採用など媒体ごと
採用のノウハウ 事業所に残る(原稿・データ・手順) 残りにくい 運用した人による
合否を決めるのは 事業所 事業所 事業所
向いている場面 継続的に採用がある、担当者がいない 急な欠員、要件の厳しい職種 自社で運用できる体制がある

介護の現場では、入職経路も変わってきています。介護労働安定センターの調査では、勤続1年未満の職員の入職経路は「友人・知人からの紹介」29.3%に次いで「求人情報サイト」が21.3%で、「民間の職業紹介」は7.1%でした(介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査」)。紹介会社だけでなく、求人サイトと職員からの紹介も含めて採用の入口を整えることが大切です。

介護事業所で採用代行が使われる背景

背景にあるのは、求人倍率の高さ、紹介手数料の重さ、そして採用を担う人がいないことの3つです。

指標 数値 対象年度・出典
介護関係職種の有効求人倍率 4.08倍(全職業は1.14倍) 2024年度/厚生労働省「職業安定業務統計」(第248回介護給付費分科会 資料)
訪問介護員の有効求人倍率 14.14倍 2023年度/同上(第242回 資料)
介護分野の有料職業紹介の平均手数料 常用就職1件あたり約59.7万円 令和6年度実績/厚生労働省「全国及びブロック別 職種別平均手数料」
有料紹介で入職した人の6か月以内の離職率(介護) 19.9% 令和5年度実績/同上

求人倍率が4倍を超えるということは、求職者1人を複数の事業所が取り合う状態です。急な欠員を紹介で埋めると、1件ごとに手数料がかかり、採用人数が増えるほど負担も増えます。

さらに、採用の専任がおらず、施設長や管理者が現場と兼務している事業所では、応募への対応が後回しになりがちです。応募が来ても返信が遅れると、求職者は他の事業所の面接に進んでしまいます。採用代行は、この「手が回らない部分」を外に出して、自社の採用を止めないための手段です。

ヨビコム介護に寄せられる採用の相談でも、多いのは次の3つです。

  1. 求人を掲載しても応募が少ない
  2. 管理職が応募対応や面接の調整を兼務していて、返信が遅れる
  3. 紹介会社への依存が続き、採用費が上がっている

介護ではこれに、夜勤・訪問・看護職など、職種ごとの人手不足が重なります。

※手数料と離職率は対象年度が異なります。手数料は「常用就職1件あたり」の平均で、職種や年収によって変わります。

任せられる業務と、事業所に残す業務

採用代行に任せるのは「手間がかかる業務」で、事業所に残すのは「判断と責任が伴う業務」です。介護では利用者の安全や人員基準に関わるため、この線引きを契約前にはっきりさせておきます。

業務 採用代行に任せる 事業所に残す
採用計画・現状診断 現状の点検、課題の整理、計画のたたき台 採用人数と優先する職種の決定
求人原稿 原稿の作成・改善 給与・勤務条件など労働条件の承認
媒体運用・スカウト 掲載・更新、スカウトの送信 媒体費・広告費の予算の決定
応募対応 一次連絡、面接日程の調整、前日の連絡 —
面接・見学 確認項目の整理 面接と職場見学の実施
合否 合否連絡の代行 採用するかどうかの判断、資格・経験の確認
入職後 定着のための振り返り 配置・シフトの決定、受け入れ

ヨビコム介護では、次のルールで運用しています。

  • 応募への一次連絡は、当日中、遅くとも営業日24時間以内に行い、面接の候補日を提示します。
  • 面接の実施と合否の判断は事業所が行います。AIは原稿や返信文の下書きに使い、送信と判断は人が行います。
  • 求人媒体のアカウントと応募者のデータは事業所の名義とし、当社は権限をもらって運用します。契約を終えても、原稿やデータは事業所に残ります。
  • 求人媒体の掲載費・広告費は、事業所から媒体へ直接お支払いいただきます(当社の上乗せはありません)。

資格証や実務経験の確認、配置の決定は、利用者の安全と人員基準に直結します。外部に任せず、事業所が責任を持ちましょう。

応募への連絡は「当日・候補日3つ・時間を変えて再連絡」

面接の前に応募者が離れてしまう原因は、応募当日に返信がない、電話しか連絡手段がない、面接の候補日の提示が遅い、といったことです。夜勤明けの管理者が応募対応を後回しにしやすい介護では、次の手順を決めておくと取りこぼしが減ります。

  1. 応募当日に一次返信をする
  2. 24時間以内に面接の候補日を3つ示す
  3. つながらないときは、時間帯を変えてもう一度連絡する

求人原稿は「給与の内訳」と「夜勤」から直す

原稿を直すときは、求職者が応募前に比べる項目から手を付けます。

  1. 給与の内訳(基本給・処遇改善手当・夜勤手当・一時金・賞与)
  2. 夜勤の回数・人数・休憩・緊急時の対応
  3. 資格が必須か、あれば歓迎か
  4. 研修や同行の期間と、一人立ちの条件
  5. 勤務地、車通勤、異動や兼務の有無
  6. 1日の仕事の流れと写真

「高収入」「安心して働ける」よりも、「月に夜勤4回の場合の月収例(変わる部分を明記)」のように具体的に書くと伝わります。実際の運用と違うことは書かないのが前提です。

採用代行の費用と料金体系

採用代行の費用は、任せる業務の範囲と量で決まります。料金体系は大きく分けて3つです。

料金体系 仕組み 向いている場合
月額型 毎月定額で、決めた範囲の業務を任せる 継続的に採用がある、改善を積み重ねたい
従量型 スカウトの通数や面接調整の件数ごとに支払う 一部の作業だけを切り出したい
成果報酬型 応募や採用などの成果に応じて支払う 成果の定義を決められる場合

金額を左右するのは、対象の事業所の数、募集する職種の数、運用する媒体の数、スカウトの量、応募対応をどこまで任せるか、です。媒体の掲載費や広告費は、代行の費用とは別にかかることが多いので、見積もりで必ず分けて確認しましょう。

ヨビコム介護の料金は、月額10万円〜(税別)の基本の支援からです。応募対応や採用SNS、定着支援など、任せる範囲に合わせてプランを組み立てます(料金ページ)。

紹介手数料との比べ方

月額の費用だけを紹介手数料と比べると、判断を誤ります。次のように「1年間でかかっている総額」で比べましょう。

  • いまの採用にかかる年間の費用 = 紹介手数料(○件 × ○万円)+ 媒体費 + 管理者が採用に使っている時間 + 早期離職による採り直し
  • 採用代行を使う場合の年間の費用 = 代行の費用(月額 × 12)+ 媒体費 + 紹介を併用する分の手数料

参考までに、介護分野の紹介手数料の平均(常用就職1件あたり約59.7万円)で試算すると、紹介2件分(約120万円)は、月額10万円の支援の12か月分とほぼ同じです。ただし、同じ人数を採用できることを保証するものではありません。金額は税別で、媒体費は含みません。

急な欠員や資格要件の厳しい職種は紹介も併用し、平時の採用は自社で続ける、という使い分けが現実的です。紹介との詳しい比較は人材紹介との費用比較で確認できます。

失敗しない選び方チェックリスト

介護の採用代行を選ぶときは、「応募数」だけでなく、面接・採用・定着まで見てくれるかを確認します。応募が増えても、面接に来ない、入職後すぐ辞めるという問題は残るからです。

  • 介護職・看護職・ケアマネなど、職種ごとに原稿を書き分けられるか
  • 処遇改善や夜勤の体制を、誤解のない言葉で求人に書けるか
  • 応募への一次連絡の担当者と期限、休日の扱いが決まっているか
  • 媒体のアカウントと応募者のデータが、事業所の名義になるか
  • 媒体費・広告費が代行費と分けて示され、上乗せがないか
  • 毎月、応募数・面接数・採用数などの数字と、次の改善案が報告されるか
  • 面接と合否は事業所が決める前提になっているか
  • 応募者の個人情報の扱いが契約で明示されているか
  • 入職後の定着まで支援できるか

契約前によくある失敗は、求人の表記や応募対応を直さないまま、媒体や広告の予算だけを増やすことです。求人が見られる回数は増えても、応募や面接につながらなければ費用だけが増えます。まずは、どこで止まっているかを点検することから始めましょう。

導入事例:ナーシングホームの立ち上げで累計35⁠名以上を採用

株式会社ideinさま(介護・福祉)は、ナーシングホームの新規立ち上げで、看護職員を含む複数の職種を一度に確保する必要がありました。採用の専任はおらず、広報課や管理職が兼務していたため、採用をリードする担当があいまいな状態でした。

項目 内容
支援の内容 採用サイトと求人運用の強化、求人が上位に表示されるための取り組み(バッジ取得など)、採用の進捗管理と定期的な確認、Instagramなどの採用広報の整備
成果 導入当初10名程度の体制から、累計35名以上が新たに加わった。採用サイトやInstagramからの応募が増え、応募経路が広がった
お客さまの声(要旨) 外部の人事マネージャーが伴走しているような感覚だった。採用をきっかけに、現場でマニュアルづくりやノウハウの共有が進んだ

※株式会社ideinさまの掲載許諾済み事例です(Digital&の導入事例ページより要約)。同様の成果を保証するものではありません。

導入までの流れ(ヨビコム介護の場合)

  1. 無料採用相談:オンラインで、いまの採用の状況を伺います
  2. 現状診断:求人原稿・媒体・紹介会社の使い方・処遇改善の見せ方を点検します
  3. ご契約:支援の範囲とお見積りを確認します
  4. キックオフ:採用要件と連絡のルールを決め、原稿を整えます
  5. 運用・月次レポート:媒体運用・スカウト・応募対応を行い、毎月振り返ります

よくある質問

Q. 面接も任せられますか? 面接の日程調整や確認項目の整理は任せられます。面接の実施と合否の判断は、職場との相性や利用者の安全に関わるため、事業所が行います。

Q. 小さな事業所でも頼めますか? 頼めます。事業所の数や募集する職種に合わせて、支援の範囲を組み立てます。採用担当がいない事業所ほど、応募対応を任せる効果が出やすくなります。

Q. 人材紹介と併用できますか? 併用できます。急な欠員や資格要件の厳しい職種は紹介も使い、平時の採用は自社で続ける形が現実的です。

Q. 途中で任せる範囲を変えられますか? 変えられます。月次の振り返りをもとに、対象の職種や媒体、支援の範囲をご相談いただけます。

まずは無料採用相談で、任せる範囲を整理しましょう

貴事業所の場合、どこまで任せるといくらになるか。無料採用相談で、求人原稿・媒体の使い方・応募対応を点検し、お見積りと進め方をご提案します。

関連ページ:採用業務代行、人材紹介との費用比較、導入事例

この記事を書いた人

ヨビコム介護編集部

介護事業所の採用支援サービス「ヨビコム介護」の編集部です。求人原稿・媒体運用・スカウト・定着など、介護の採用に役立つ情報を、公的な資料をもとにお届けしています。

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  2. 02応募対応のスピード
  3. 03定着の仕組み