デイサービスで生活相談員と看護職員を採用したいなら、2つの
生活相談員が知りたいのは、相談の仕事がどのくらいで、介護や送迎をどのくらい兼ねるのか。看護職員が知りたいのは、どんな医療的なケアを担い、オンコールや送迎があるのかです。この記事では、データで見た2職種の採用環境と、職種ごとの書き方、避けたい失敗を紹介します。
データで見る:看護職員は動きの多い職種
介護労働安定センターの調査で、介護事業所の職種別の採用率と離職率を見ると、看護職員は採用率20.8%、離職率14.6%で、どちらも調査対象の7職種の中で最も高くなっています(令和7年度介護労働実態調査)。入れ替わりの多い職種なので、求職者は複数の求人を比べながら転職先を選んでいると考えられます。
同じ調査で、従業員が「大いに不足」「不足」「やや不足」と答えた事業所の割合は、看護職員で44.8%、生活相談員で26.2%でした。生活相談員は不足感こそ看護職員より低いものの、4つの事業所のうち1つ程度が不足を感じている計算です。どちらも、比べられたときに選ばれる求人にしておく必要があります。
生活相談員の採用でつまずきやすい点
ヨビコム介護の支援担当によると、生活相談員の採用では次の2点でつまずきやすくなります。
- 資格の要件の扱いが、事業所を指定する自治体(指定権者)によって違い得ること
- 相談の仕事と、介護・送迎との兼務の割合が分からないこと
「生活相談員募集」とだけ書かれていると、求職者は、担当する相談の件数、契約の手続き、家族への対応、担当者会議への参加、新しい利用者を増やすための営業的な役割がどこまであるのかが分かりません。
求人の記載例としては、「生活相談員:利用者や家族からの相談対応、利用契約の手続き、ケアマネジャーとの連絡調整、担当者会議への出席が中心です。業務の割合は、相談援助・契約が○割、介護の現場が○割、送迎が○割(直近○か月の実績)。新しい利用者の受け入れに伴う居宅介護支援事業所への訪問は月○回程度。書類の作成は事務職員が補助します」のような書き方です。応募資格の欄は、指定権者の基準に合わせて書きます。
そこで、採用活動を始める前に、施設長と次の3点を合意しておきます。資格の要件(指定権者の基準で確認)、業務の割合、応募を受け付ける資格の一覧です。資格の要件の詳しい確認方法は、別のコラムで扱います。
関連コラム:生活相談員の資格要件は自治体で違う|募集前の確認
看護職員の業務範囲は、具体的な項目で書く
国の基準(省令)では、通所介護の事業所には、単位ごとに専ら通所介護の提供に当たる看護職員を1以上確保することが定められています(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第93条)。看護職員とは、看護師または准看護師のことです。配置の具体的な運用は、事業所の規模や指定の種類で変わるため、指定権者に確認してください。
求人では、看護職員の業務を項目ごとに書きます。ヨビコム介護の支援担当が示している原稿案は次のとおりです。
| 項目 | 記載 |
|---|---|
| 健康チェック | 利用開始時のバイタルチェック(1日○名程度) |
| 服薬 | 服薬の確認、指示書に基づく対応 |
| 急変時 | 医師・管理者へ連絡(連絡の流れを説明) |
| 兼務 | 機能訓練の兼務の有無、入浴・送迎の担当の有無 |
| 体制 | 看護職員の配置人数、看護職員どうしで相談できる体制 |
「医療行為はほぼなし」のようなあいまいな表現は避けます。何をどのくらい担当するのかを書くほうが、経験のある看護職員ほど判断しやすくなります。看護師と准看護師で担える業務の範囲は、法令にもとづいて確かめてから書いてください。
オンコール(勤務時間外の電話対応)の有無も、看護職員がよく確かめる点です。日中の営業が中心のデイでオンコールがないなら、そのことをはっきり書くだけで、病院や入所施設と比べたときの判断材料になります。
兼務は「割合」で示す
生活相談員も看護職員も、デイでは他の業務を兼ねることがあります。兼務があるなら、「あり」だけでなく割合で示すと誤解が少なくなります。ヨビコム介護の支援担当が勧めている書き方は次のとおりです。
- 生活相談員:相談援助・契約○割、介護の現場○割、送迎○割
- 看護職員:健康観察・服薬○割、機能訓練の補助○割
割合は、実際の勤務の記録から計算します。記録がまだない場合は、数週間分の実績を集めてから載せてください。
2024年4月からは、求人で明示する労働条件に「従事すべき業務の変更の範囲」が加わりました(厚生労働省「募集時などに明示すべき労働条件が追加されます」)。将来、相談員に介護の仕事を多く任せる見込みがあるなら、その範囲も書きます。求人の割合と、労働条件通知書の内容を一致させておきましょう。
求人とページを職種ごとに分ける
ヨビコム介護の支援担当は、2つの職種の求人と、求人から案内するページ(採用サイトの職種ページなど)を別々に用意することを勧めています。強調する点が違うからです。
| 職種 | 強調する |
|---|---|
| 生活相談員 | 資格の要件、相談業務の裁量、書類作成の補助の有無 |
| 看護職員 | 医療的なケアの範囲、勤務時間、オンコールの有無、送迎の有無 |
あわせて、起こり得る失敗も確認しておきます。生活相談員の資格を全国共通だと思い込む、看護職員に介護や送迎を暗黙のうちにお願いする、兼務の割合を実際より少なく書く、採用の選考と人員基準の確認を別々に進めて食い違う、といったケースです。実際の支援先の事例ではなく、事前に防ぎたい典型例として紹介します。
面接では、求人に書いた内容を実物で見せると伝わります。生活相談員の候補者には、個人情報を消した契約書類や相談記録の様式を、看護職員の候補者には、健康チェックの記録の様式や急変時の連絡の流れを見せます。仕事の量と中身を具体的に想像してもらえるからです。
防ぐ方法は、求人票、応募者の資格証、職員の配置表を、採用の前につなげて確認することです。面接の実施と合否の判断は事業所が行い、資格や配置の確認もその流れの中に組み込みます。
関連ページ:デイサービスの採用支援/看護職の採用支援/採用サイト制作
よくある質問
Q. 介護福祉士は生活相談員になれますか?
A. 事業所を指定する自治体の基準によります。応募を受け付ける前に、指定権者の基準で確かめてから求人に書いてください。
Q. 看護職員も送迎をする必要がありますか?
A. 事業所の実際の運用によります。担当する場合は、求人の業務内容の欄に明記し、車種や頻度も伝えます。
Q. 夜勤やオンコールはありますか?
A. デイの営業時間と、実際の勤務の決まりを確かめて答えます。オンコールがない場合は、そのことを求人に書くと、看護職員にとって分かりやすい判断材料になります。
Q. 兼務の範囲はどう説明すればよいですか?
A. 1週間の勤務例と業務の割合で説明します。面接でも、求人と同じ言葉で説明すると、話がぶれません。
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