未経験者が応募したくなる介護求人原稿の書き方|例文付き

未経験者に届く介護の求人原稿は、「未経験歓迎」と書くだけでなく、入職後の最初の1か月に何を、誰から、どの順で教わるのかを具体的に示した原稿です。あわせて、資格の取り方、夜勤を始める時期、体力面の支えを書いておくと、応募前の不安が小さくなります。

介護の仕事に就く人の中には、異業種から入る人が少なくありません。この記事では、未経験者が応募前に何を不安に思っているかを整理したうえで、求人原稿に書くべき項目、例文、書いてはいけない表現を、ヨビコム介護の支援担当の知見をもとに解説します。

介護の現場には、異業種から入る人が多い

公益財団法人介護労働安定センターの「令和7年度介護労働実態調査」によると、介護職員の直前の仕事は「介護・福祉・医療関係以外の仕事」が36.1%で最も多く、訪問介護員では40.3%でした。さらに、介護職員・訪問介護員のうち直前の仕事が介護・福祉・医療以外だった人の約85%は、それまで介護関係の仕事の経験がありませんでした(令和7年度介護労働実態調査 結果のポイント、図表3-1-2)。

同じ調査では、勤続1年未満の介護労働者が今の法人に就職した経路として、「求人情報サイト」が21.3%で、「友人・知人からの紹介」(29.3%)に次いで多くなっています(図表2-2-1)。未経験者が求人サイトで原稿を読み比べて応募先を選ぶ場面は、決して珍しくありません。

未経験者が応募前に不安に思っていること

ヨビコム介護の支援担当が、未経験・異業種から介護に入る人の不安として挙げるのは次の7点です。

  1. 介助の技術や力仕事についていけるか
  2. 排泄介助や入浴介助ができるか
  3. 認知症の方にどう接すればよいか
  4. 資格がなくても働けるのか
  5. 夜勤をいつから任されるのか
  6. 給与は将来上がっていくのか
  7. 職員同士の人間関係はどうか

「未経験歓迎」の一言は、この7つのどれにも答えていません。原稿の中で一つずつ答えていくことが、未経験者向けの求人原稿の基本になります。

また、勤続1年未満の人が今の法人に就職した理由は、「通勤が便利だから」52.1%、「職場の人間関係がよさそうだったため」41.7%、「自分のやりたい介護ができそうだったため」40.3%、「時間外労働が少ないため」30.5%などでした(同調査 結果のポイント、図表2-4-1)。通勤手段、職場の雰囲気の伝え方、残業の実態も、未経験者の判断材料になります。

求人原稿に書くべき6つの項目

不安への答えを、原稿の項目に落とし込むと次のようになります。

求職者の不安 原稿に書く項目 書き方のポイント
技術・力仕事 入職後の研修の流れ 1週目・2週目・1か月目に何をするかを時系列で
排泄・入浴・認知症 担当する業務の順番 「研修後に段階的に担当」など、いつから何をするか
資格 資格取得の支援 費用補助の有無と金額、勤務時間として扱うか、条件
夜勤 夜勤を始める時期 「技能の確認後」など判断の基準
給与 給与の内訳と昇給・資格手当 資格を取ったときに何が変わるか
人間関係 教える人と相談先 固定の指導者がいるか、見学で職員と話せるか

研修と資格支援は「時系列」で見せる

研修や資格取得の支援は、「研修制度あり」と書くより、時系列で示したほうが伝わります。支援担当が提案している記載例は次のとおりです。

入職1週目:見学・座学・基本の介助の説明/2週目:先輩に同行/1か月:習熟度のチェック/初任者研修の費用補助:○円(勤務時間としての扱いは規程による)/夜勤の開始:技能の確認後

ここに入れる数字や条件は記載例です。実際の研修計画、費用の負担、資格を取ったときの手当、不合格だった場合の扱いを確認してから書いてください。

公的な研修・制度も確認しておく

未経験者向けには、国が「介護に関する入門的研修」を推進しています。介護未経験者の参入を促し、介護分野で働く際の不安を払拭することが目的で、国の通知に基づく研修と自治体独自の研修があります(厚生労働省「介護に関する入門的研修について」)。地域で受けられる研修を調べ、求人で案内するのも一つの方法です。

また、介護サービス事業者には、介護に直接携わる職員のうち医療・福祉関係の資格を持たない人に、認知症介護基礎研修を受講させるための措置が義務づけられています(新入職員の受講には1年の猶予期間あり。無資格者がいない訪問系サービスなどは対象外)(厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」)。無資格で採用する場合は、この研修をいつ、どのように受けてもらうかも原稿や面接で伝えましょう。

Before/After:未経験者向け原稿の書き換え例

支援担当が示す書き換えの考え方を、例文にしました。○○の部分は事業所の実際の内容に置き換えてください。

Before

経験・資格不問!アットホームな施設です。

After

異業種からの転職もご相談ください。最初の2週間は先輩と一緒に業務を確認し、排泄・移乗の介助は研修のあとに段階的に担当していただきます。初任者研修の費用補助制度は○○です。職場見学は15分から可能です。

Afterでは、「誰と」「いつから」「何を」が分かり、資格と見学の情報も入っています。「アットホーム」のようなあいまいな表現は、役割分担や相談のしやすさなど、具体的な事実に置き換えるのがコツです。見学の時間など、実施できるかどうかは事前に確認してから書いてください。

書いてはいけない表現・やりがちな失敗

支援の中で見かける失敗には、次のようなものがあります。

  • 「資格不問」と書いたが、サービスの種類や業務によっては資格が必要だった
  • 研修費の補助に返済の条件があるのに、原稿で伏せていた
  • 「夜勤なし」と約束したのに、入職後に守れなかった
  • 「未経験可」としながら、入職直後から利用者への単独対応を求めた

求人情報は、職業安定法により、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示が禁止され、正確で最新の内容に保つことが義務づけられています(厚生労働省「労働者の募集ルールが変わります」)。条件付きの補助制度は条件まで書く、夜勤の有無は今後の見込みも含めて書く、という姿勢が、入職後のトラブルと早期離職を防ぎます。

資格や配置の基準に関わる表現は、サービスの種類によって扱いが変わります。原稿を書く前に、管理者や担当者が確認してください。

未経験者が定着した職場と、辞めた職場の違い

支援担当によると、未経験者が定着しやすいのは次のような職場です。

  • 入職直後の仕事内容が、求人に書いた内容と一致している
  • 固定の指導者がいる
  • 毎週、小さな達成目標がある
  • 夜勤の独り立ちを急がない

反対に辞めやすいのは、「未経験可」としながら即戦力として扱い、困っても相談できない職場です。求人原稿で約束した内容を、入職後に実行できるかどうかが分かれ目になります。

原稿の効果は、応募数だけでなく、入職30日・90日・180日時点の定着、研修の修了率、面談の実施率でも確かめると、原稿と入職後の運用の両方を改善できます。

関連コラム:介護職員の早期離職を防ぐ入職後1か月のフォロー|日別の手順

よくある質問

無資格でも介護の仕事はできますか? 原稿にどう書けばよいですか?

サービスの種類と担当する業務によって異なります。無資格の職員を採用する場合は、認知症介護基礎研修の受講など、必要な対応を確認したうえで、「入職後に受講いただく研修」として原稿に書いておくと、求職者の不安を減らせます。

資格取得の支援は、どこまで書けばよいですか?

費用の補助額、勤務時間として扱うかどうか、補助を受ける条件(返済の有無など)まで書きます。条件を伏せると、入職後の不信感につながります。

最初から夜勤を任せますか、と聞かれたら?

研修の進み具合と技能の確認で判断する、と答えるのが基本です。原稿にも「夜勤の開始は技能の確認後」などと判断の基準を書いておきましょう。

体力に自信がない人には、何を伝えればよいですか?

移乗を補助する機器の有無や、複数の職員で介助する場面など、実際の介助の体制を説明します。見学で現場を見てもらうのも効果的です。

求人原稿を、未経験者に届く形に

未経験者に応募してもらうには、職場の事実を、不安への答えとして並べ直すことが近道です。ヨビコム介護では、職種や施設形態に合わせた求人原稿の作成から、媒体の運用まで支援しています。

貴事業所の場合、どこから直すとよいか。無料採用相談で、求人原稿・媒体の使い方・応募対応を点検し、優先して見直したい項目をお伝えします。

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この記事を書いた人

ヨビコム介護編集部

介護事業所の採用支援サービス「ヨビコム介護」の編集部です。求人原稿・媒体運用・スカウト・定着など、介護の採用に役立つ情報を、公的な資料をもとにお届けしています。

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